JP2560689B2 - アスパルテ−ム含有液状甘味料の製造法 - Google Patents

アスパルテ−ム含有液状甘味料の製造法

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JP2560689B2 JP61035559A JP3555986A JP2560689B2 JP 2560689 B2 JP2560689 B2 JP 2560689B2 JP 61035559 A JP61035559 A JP 61035559A JP 3555986 A JP3555986 A JP 3555986A JP 2560689 B2 JP2560689 B2 JP 2560689B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アスパルテームを安定に保持し、かつ、甘
味質が良好な液状甘味料の製造法に関する。
〔従来の技術〕
アスパルテームを卓上甘味料として使用する際、アス
パルテームの分散溶解性を改善し、甘味度の調整を容易
にする等の目的でアスパルテームを担体と共に顆粒化、
粉末化する方法が知られ、或いは、普及している。
これらの方法の多くがアスパルテームを担体と共に水
溶液化乃至はスラリー化した後乾燥する(特公昭57−18
457、特公昭57−4294等)、アスパルテームと担体を粉
体のまま混合造粒する(特開昭57−150361等)、或い
は、錠剤化する(特公昭58−20587、特開昭57−138358
等)などにより、アスパルテームの分散・溶解性を改善
している。
粉末・顆粒又は錠剤、キューブ等の形態以外に、液体
甘味料としてアスパルテームを卓上甘味料化する方法が
考えられるが、アスパルテームの水系での保存安定性が
高くない等の理由により、実用化されるには至っていな
い。
〔発明が解決しようとする問題点〕
アスパルテームを液状甘味料化する際の問題点は、前
記保存安定性、即ち、水系で保存するとアスパルテーム
が分解して甘味ロスを生じることの他、カロリー、齲触
性、更には甘味質について、アスパルテーム単独使用の
場合と損色がないか或いはより改善された甘味料として
提供し難い点が挙げられる。
アスパルテームを液状で安定に保存する方法乃至は安
定化された液状甘味料については、例えば糖アルコール
等を担体に用い、水分子の運動性をH′−NMRの水のプ
ロトンのシグナルの線幅によって測定し、その線幅が5H
z以上となるように制御する方法(特開昭59−173066)
等が知られている。
高濃度液状糖アルコールは、カロリー付加か小さい、
齲触性がない、また、甘味質についても問題がないた
め、アスパルテームを液状甘味料として安定に保存する
方法として有効である。しかしながら、高濃度液状糖ア
ルコールを担体とする場合、該糖アルコールにはアスパ
ルテームは溶解しにくく、アルパルテームが一部未溶解
で浮遊物が生成する等で、甘味度が不均一でかつ浮遊物
のある製品しか得られない。
本発明は、高濃度液状糖アルコールにアスパルテーム
を高い濃度で、かつ、安定に分散溶解せしめることによ
り、低カロリー、低齲蝕性で良好な甘味料の液状甘味料
を製造することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
発明者は高濃度糖アルコールを予め加温して後アスパ
ルテームを添加溶解する事により室温にもどしてもより
多くのアスパルテームを溶解させる事が可能である事、
更に甘味質を良くする為に酒石酸ナトリウム添加が効果
的である事を見出し、この発明を完成した。
高濃度糖アルコールとしては種々市販されており、具
体的には、「PO−20」,「PO−30」,「PO−40」(以
上、東和化成工業(株)製)、「エスイ−100」,「エ
スイ−30」,「エスイ−57」,「エスイ−20」(以上、
日研化学(株)製)、「ライカシン80/55」(ロケット
(株)製)等が挙げられるが、下痢性そのものの溶解
性、粘度から「PO−40」(東和化成工業K.K製、還元澱
粉糖化物、甘味度0.3〜0.4対砂糖1.0,水分30%)又は
「PO−30」(東和化成工業K.K,還元澱粉糖化物,甘味度
0.2〜0.3,水分30%)等の還元前DE値30〜50,固形分濃度
65以上のものが好ましい。
高濃度糖アルコールの加温品温は50℃〜110℃,好ま
しくは60℃〜90℃である。50℃以下では未溶解のアスパ
ルテームが存在し(例「PO−40」100g−アスパルテーム
0.3g),110℃以上ではアスパルテームの分解が考えられ
る。
アスパルテームの濃度は高濃度糖アルコールの種類に
より異るが「PO−40」,「PO−30」では0.3重量%(甘
味度約1.0)〜0.8重量%(甘味度約2.0)が好ましい。
0.3重量%以下では下痢性が懸念されるし、0.8重量%以
上では甘味質が若干劣る。
更に甘味質を良くする為にグルタミン酸ナトリウムを
添加(特願昭55−174176)したが保存中に試作品がかっ
変着色(「PO−40」100g−アスパルテーム0.3g−グルタ
ミン酸ナトリウム0.06g,34℃−2週間保存で淡黄色に着
色)したので有機酸ナトリウムについて検討した。アス
パルテーム0.05g−有機酸ナトリウム0.05g又は0.0002モ
ル/glにつき、パネル12名で甘味質の好ましい順位を評
価したところ酒石酸ナトリムウ>リンゴ酸ナトリウム>
乳酸ナトリウム,クエン酸ナトリウムの順で酒石酸ナト
リウムの場合が最も効果的であった。その添加量はアス
パルテームの10〜300重量%,好ましくは30〜200重量%
である。
この液体甘味料はコーヒー紅茶用は勿論、料理用、全
ての加工食品用、シロップとして使用出来る。
実施例1 以下の組成により、液状甘味料(A)を調製した。
「PO−40」 100g アスパルテーム 0.35g 酒石酸ナトリウム 0.4g 調製法は「PO−40」を約80℃に加温後、アスパルテー
ムと酒石酸ナトリウムをミキサーにて分散溶解した。
このものの室温放置物は全く透明でコーヒー紅茶への
使用ではその甘味質は満足すべきものであった。
実施例2 以下の組成により液状甘味料(B)を調製した。
「PO−30」 100g アスパルテーム 0.65g 酒石酸ナトリウム 1.0g 調製法は「PO−30」を約70℃に加温してする他は実施
例1と同様の方法によった。
結果は実施例1と同様、室温で放置しても安定でかつ
良質の甘味を呈した。
実施例3 「PO−40」 100g アスパルテーム 0.85g 酒石酸ナトリウム 0.6g 上記の組成により、「PO−40」を約90℃に加温する他
は実施例1と同様の方法で液状甘味料(C)を調製し
た。
このものの室温放置物はごくわずかのアスパルテーム
結晶析出かゲル化物となるがいづれの場合も液体甘味料
として使用可能であった。またコーヒー紅茶への使用で
は実施例1の場合と同様満足な甘味質であった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】担体として還元前DE値が30〜50の還元澱粉
    糖化物を用い、該還元澱粉糖化物を50℃〜110℃に加熱
    した後、還元澱粉糖化物の0.3〜0.8重量%のアスパルテ
    ーム及びアスパルテームの10〜300重量%の酒石酸ナト
    リウムを添加溶解させ、冷却することを特徴とするアス
    パルテーム含有液状甘味料の製造法。
JP61035559A 1986-02-20 1986-02-20 アスパルテ−ム含有液状甘味料の製造法 Expired - Lifetime JP2560689B2 (ja)

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JPS59173066A (ja) * 1983-03-22 1984-09-29 Ajinomoto Co Inc アスパルテ−ムの安定化方法

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