JP3561565B2 - 砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物の製造方法 - Google Patents

砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物の製造方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
【0004】
ソルビトールはブドウ糖を接触水素化し、粉末化することにより製造される代表的な糖アルコールであり、冷涼感のある爽やかな甘味質で、砂糖の約70%程度の甘味度を有し、口内細菌により資化されにくいので虫歯の原因にならず、ヒトの消化酵素では消化されにくいなどの特徴があるため、糖尿病患者、肥満や虫歯を予防したいと考えている人々に広く利用されている。
【0005】
また、ソルビトール粉末は、他の糖アルコールの粉末に比べて安価で、熱などに対する安定性が高い、インシュリン分泌を促さないことや各種ミネラルの吸収に好ましい影響を与えることなど、各種の有用な機能を有することから、前記の特殊な用途に止まらず、一般の食品や医薬品、化粧品の材料等としても広く利用されている。
【0006】
一方、砂糖はグラニュー糖や上白糖、黒砂糖など各種の製品形態が知られており、代表的な糖として各種用途に広汎に用いられている。
【0007】
近年、主に経済的な理由から砂糖とソルビトールとの混合粉末組成物が要望されているが、現在は砂糖粉末とソルビトール粉末とを単に混合することにより製造されている。
【0008】
しかし、粉末同士の単純混合により製造された製品は、輸送中に振動等により、成分の偏りが生じることや、流動性が低いこと、それらのため、移送などの自動化が困難であること、各種用途に用いたときに性質や味、使用上の効果がばらつくことなどの課題があった。
【0009】
それらの課題を解決するため、砂糖の粉にソルビトール液の皮膜を形成させる造粒法が提案されたが、得られる粉末の吸湿性が高く、また、砂糖を微粉にする際にコストが嵩むなどの課題があって実用に供されていない。
【0010】
従って、成分の偏りなどの課題を解決しつつ、経済的に有利な製造方法の開発が望まれていたのである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者等は、前述の課題を解決するため、鋭意検討した結果、ソルビトールマスキットと砂糖マスキットとを各々調製し、特定の割合で噴霧乾燥機に導入して噴霧乾燥することにより、従来品のような成分の偏りが無く、且つ、吸湿性も従来品よりも低く、経済的に有利に、砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末を製造することに成功し、更に、ソルビトールと砂糖との混合水溶液を高い濃度に濃縮した後、冷却して細かい結晶を発生させ、粘度の低いマスキットを調製して噴霧乾燥することによって、流動性が高く、従来品のような成分の偏りが無い砂糖とソルビトールとの混合粉末を経済的に有利に製造することに成功し、本発明を完成するに至った。
【0013】
本発明の課題を解決するための手段は、下記の通りである。
【0014】
第一の本発明は、流動性の高い砂糖とソルビトールとの混合粉末組成物を製造する方法において、1)純度89.0〜99.9重量%で濃度69〜80重量%のソルビトール水溶液からソルビトールマスキットを、砂糖水溶液から砂糖マスキットを、各々調製する第一工程、2)ソルビトールマスキットの導入割合を固形分で10〜21重量%、砂糖マスキットの導入割合を固形分で79〜90重量%の割合に保ち、各々のマスキットを噴霧乾燥機に導入し、送風温30〜85℃で噴霧乾燥する第二工程、の2工程を逐次的に経由することを特徴とする、砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物の製造方法である。
【0015】
第二の本発明は、第一工程において、濃度75〜85重量%の砂糖水溶液から砂糖マスキットを調製し、且つソルビトールマスキット中の懸濁結晶量が5〜35重量%に調節されたものである、前記第一の発明に記載の砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物の製造方法である。
【0016】
第三の本発明は、 流動性の高い砂糖とソルビトールとの混合粉末組成物を製造する方法において、1)純度95〜99.9重量%のソルビトールを固形分比率で15〜21重量%、純度99%以上の砂糖を固形分比率で79〜85重量%含有する混合水溶液を調製し、固形分濃度83〜87重量%の範囲まで濃縮した後、温度13〜20℃まで撹拌しながら冷却し、必要に応じて種結晶の添加及び希釈をし、更に5〜10時間撹拌して砂糖とソルビトールとの混合水溶液のマスキットを調製する第一工程、2)第一工程で得られた砂糖とソルビトールとの混合水溶液のマスキットを噴霧乾燥機に導入し、送風温30〜85℃で噴霧乾燥する第二工程、の2工程を逐次的に経由することを特徴とする、砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物の製造方法である。
【0017】
また、第四の本発明は、調製後のマスキットに水、砂糖水溶液、ソルビトール水溶液の何れか1種または2種以上の混合液を加えることにより、固形分濃度を76〜80%に調整してマスキットの粘度を低下させる、第一〜第三の何れかに記載の砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物の製造方法である。
【0018】
更に、第五の本発明は、第一工程および第二工程がそれぞれ連続的に実施されるものである前記第一〜第四の何れか一つに記載の発明である。
【0019】
まず、本発明に係る第一工程について説明する。
【0020】
本発明に用いるソルビトールは、本発明の条件下でソルビトールマスキットを生成する品質が要求されるが、同程度の分子量のマンニトールなどが増えるにつれてソルビトールの結晶生成を阻害する傾向があるので、マンニトールなどの異性体が少ないものが好ましく、好ましいソルビトール純度としては、ソルビトールのマスキットと砂糖のマスキットを別々に調製する場合にあっては、89.9〜99.9%が挙げられる。
【0021】
しかし、本発明の中のソルビトールと砂糖との混合水溶液からマスキットを調製する方法にあっては、結晶の析出が困難になるなどの理由から更に高い純度のソルビトールが要求され、好ましいソルビトール純度としては95〜99.9%が挙げられる。
【0022】
また、本発明に用いる砂糖は、本発明実施の際に砂糖マスキットを生成し易い品質の、高純度のものが好ましいが、市販のグラニュー糖、上白糖、粗目糖などは何れも99%以上と純度が極めて高いので、本発明に有利に採用することができる。
【0023】
本発明を実施する際に重要な点の一つは、ソルビトールのマスキットと砂糖のマスキットをそれぞれ調製する点であり、特に、本発明を実施する上で有利なソルビトールのマスキットを調製するには、ソルビトール水溶液を一度100℃以上に加熱するなどの手段で結晶のエンブリオが残らないように0.8未満の低い飽和度にした後、濃度69〜80%、好ましくは76〜79%に調整して、必要に応じて種結晶を加え、冷却しながら撹拌するなどの方法で微細なソルビトール結晶を生成させ、水溶液中に結晶が5〜35%の範囲になった時にそれ以上結晶が生成、成長しないように温度を調節して飽和度を1.0程度に保持しながら5〜10時間程度撹拌することによって本発明に有利に用いられるソルビトールマスキットが得られる。
【0024】
また、ソルビトールマスキットを調製する際に徐冷するなどの影響で細長い結晶が多く析出してしまうことがあるが、結晶が多すぎたり、結晶が大き過ぎて粘度が高くなった場合には、十分に撹拌しながら水又はソルビトール水溶液を加えて固形分濃度を下げることも、マスキットの輸送や品質の優れた噴霧乾燥品を得るうえで有利に採用することができる。
【0025】
また、砂糖のマスキットを調製する際には、砂糖は結晶速度が速く、単結晶が大きくなりがちなので、固形分濃度75〜85%まで濃縮した砂糖水溶液を100℃以上に加熱して飽和度を下げてから、必要に応じて種結晶を加え、冷却しながら撹拌するなどの方法で微細な砂糖結晶を生成させ、水溶液中に懸濁している結晶の量が5〜35%の範囲になった時にそれ以上結晶が生成、成長しないように温度を調節して飽和度を1.0程度に保持しながら5〜10時間程度撹拌することによって本発明に有利に用いられる砂糖マスキットが得られる。
【0026】
次に、砂糖とソルビトールとの混合水溶液から、マスキットを調製する方法について説明する。
【0027】
この方法の場合は純度95〜99.9%のソルビトールを採用するが、ソルビトールと砂糖との固形分比率が15:85〜21:79の範囲の混合水溶液を調製し、濃度83〜87%まで濃縮し、一度100℃以上に加熱して飽和度を下げてから温度13〜20℃まで急速に冷却し、やや強く撹拌しながら必要に応じて砂糖及び/又はソルビトールの種結晶を加えて微細な結晶を析出させることにより混合液のマスキットを得ることができる。
【0028】
次に、本発明に係る第二工程について説明する。
【0029】
ソルビトールマスキットと砂糖マスキットとを別々に調製してから噴霧乾燥機に導入する場合は、ソルビトールマスキットの導入割合を固形分で10〜21重量%、砂糖マスキットの導入割合を固形分で79〜90重量%の割合に保ち、噴霧乾燥機に入る直前に両方のマスキットを混合させるかまたは各々のマスキットを噴霧乾燥機に導入したのちにアトマイザーなどの上で混合させるが、噴霧乾燥機内の送風温を30〜85℃好ましくは40〜75℃の範囲に調節し、各成分の固形分比率を前記範囲内に調節することが、比較的吸湿性の低い製品を得ることや、流動性の高い均一な組成などの市場が要求する品質を満足すること等の理由から好ましい。
【0030】
本発明に係る第一工程で砂糖とソルビトールとの混合水溶液から調製したマスキットを噴霧乾燥する場合は、予め砂糖とソルビトールとの固形分比率が水溶液の段階で適切に調整してあるので、マスキットをそのまま噴霧乾燥機に導入し、噴霧乾燥機内の送風温を30〜85℃好ましくは40〜75℃の範囲に調節しながら操作することによって本発明を実施することができる。
【0031】
また、マスキットを噴霧乾燥機に導入する方式は通常の噴霧乾燥に採用されている方式であれば格別の制約を受けないが、噴霧乾燥機の上部にアトマイザーを備えた方式のものがノズル方式のものよりも条件を調節し易いので好ましく、風温は30℃未満の場合には乾燥効果が不十分で水分が残り過ぎる場合が多く、75℃を超える温度を採用した場合には、ソルビトールと砂糖とのガラス状混溶物を多く形成したり、一度生成した粉末が溶融したりする場合がある。
【0032】
本発明に採用する噴霧乾燥機は、本発明を実施して得られるマスキットの性質が噴霧乾燥困難なものであるという事情や、流動性を高い製品を得るうえから、直径が大きいものが好ましいが、具体的な直径が5メートル以上、更に好ましくは8メートル以上のものが有利に採用できる。
【0033】
更に、本発明を実施した結果、品質の安定した良好な製品を得るうえで、噴霧乾燥の際に乾燥機底部に粉末が落下した時に数パーセントの水分を残すように調節したり、噴霧乾燥後の粉末を排風温度と同程度〜60℃程度の温度範囲に保持して結晶を熟成させる手法なども有利に採用することができる。
【0034】
以上に説明したように、本発明に係る工程は比較的短時間に終了するもので、機械的に強い加熱やニーダー法のような強い混練をする必要がなく、複雑な構造の特殊な機器も要求されないので経済的に有利な方法であり、本発明の方法を経由することにより得られる製品は、極めて流動性が高く、輸送や保管の間に振動等によって成分の偏りを生じることがなく、従って、各種用途に用いた場合に性質や味、効果などにばらつきが出ないという有利な特徴がある。
【0035】
また、本発明により得られる製品は、従来品に比べて吸湿性が低いので、貯蔵中の固結が生じにくいなどの有利な性質も備えている。
【0036】
【実施例】
【0037】
以下に、実施例、比較例を掲げて更に具体的に本発明の方法を説明するが、本発明の技術的範囲は以下の例に制限されるものではない。
【0038】
また、以下の例において、%は特に断らない限り重量%を表わすものとする。
【0039】
(実施例1)
【0040】
<第一工程>
純度99.9%の市販のグラニュー糖を濃度78%に調整し、温度100℃まで加熱した後、撹拌しながら温度15℃まで急激に冷却して微細な結晶を析出させ、そのまま温度を15℃に保持して、毎分20回転のゆっくりとした撹拌を5時間続け、砂糖マスキットを得た。
【0041】
純度97%の食品用ソルビトール[東和化成工業(株)製、ソルビットD−70]を濃度78%に調整し、加熱して温度を110℃にした後、撹拌しながら温度15℃まで急激に冷却して微細な結晶を析出させ、毎分20回転のゆっくりとした撹拌を10時間続けて懸濁結晶量32%のソルビトールマスキットを得た。
【0042】
<第二工程>
第一工程で得た各々のマスキットをポンプで噴霧乾燥機に送入する際に、砂糖が83、ソルビトールが17の固形分比率とし、噴霧乾燥機に入る直前に両者の配管が接続して一本の配管から各マスキットが導入されるよう調整し、送風温度70℃、排風温度40℃、噴霧乾燥機の底部に落下した粉末の温度が40℃で、水分が3%になるように噴霧乾燥して本発明に係る砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物を得た。
【0043】
本実施例により得られた砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物の組成を液体クロマトグラフ法により測定したところ、ソルビトール16.6%、砂糖83.4%であった。
【0044】
また、本実施例により得られた砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物の約50メッシュの粉末を安息角測定機具(PT−D型)により測定した結果、安息角は、32°であり、外観は白色のサラサラした極めて流動性の優れた粉末であった。
【0045】
(実施例2)
【0046】
<第一工程>
実施例1と同様にして砂糖マスキットを得た。
【0047】
純度93%の食品用ソルビトール[東和化成工業(株)製、ソルビットW−70]を濃度84%に濃縮し、加熱して温度を110℃にした後、撹拌しながら温度15℃まで急激に冷却してソルビトール液の固形分に対して3%の微細なソルビトール粉末[東和化成工業(株)製、ソルビットDパウダー]を添加して微細な結晶を析出させ、水を加えて全体の濃度を78%に調整し、毎分20回転のゆっくりとした撹拌を10時間続けて懸濁結晶量28%のソルビトールマスキットを得た。
【0048】
<第二工程>
マスキットの導入比率を砂糖が80、ソルビトールが20とした他は、実施例1と同様にして各々のマスキットをポンプで噴霧乾燥機に送入し、同様の条件で噴霧乾燥して本発明に係る砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物を得た。
【0049】
本実施例により得られた砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物の組成を液体クロマトグラフ法により測定したところ、ソルビトール18.8%、砂糖81.2%であった。
【0050】
また、本実施例により得られた水分0.2%の砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物の約50メッシュの粉末を安息角測定機具(PT−D型)により測定した結果、安息角は、31°であり、外観は白色のサラサラした極めて流動性の優れた粉末であった。
【0051】
(実施例3)
【0052】
<第一工程>
純度98%のソルビトール[東和化成工業(株)製、ソルビットD−70]と砂糖の固形分比率が17:83の混合水溶液を調製し、濃度85%まで濃縮し、100℃まで加熱した後、撹拌しながら温度15℃まで急速に冷却し、対混合水溶液の固形分0.1%の微粉末状砂糖を種結晶として添加し、7時間撹拌を続けて微細結晶を十分に生成させてから水を加えて固形分濃度を78%にし、更に5時間撹拌して懸濁結晶量30%のソルビトールと砂糖との混合水溶液のマスキットを得た。
【0053】
<第二工程>
第一工程で得たマスキットを噴霧乾燥機に導入し、送風温度69℃、排風温度40℃、噴霧乾燥機の底部に落下した粉末の温度が40℃で、水分が4%になるように噴霧乾燥し、更に、得られた粉末を40℃で10時間保持して熟成してから乾燥して本発明に係る砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物を得た。
【0054】
本実施例により得られた砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物の約50メッシュの粉末は水分0.3%で、このものを実施例1と同様にして測定した結果、安息角は30°であり、外観は白色のサラサラした極めて流動性の優れた粉末であった。
【0055】
(実施例4)
【0056】
<第一工程>
純度98%のソルビトール[東和化成工業(株)製、ソルビットD−70]と砂糖の固形分比率が17:83の混合水溶液を調製し、濃度85%まで濃縮し、温度110℃まで加熱した後、撹拌しながら温度15℃まで急速に冷却し、混合水溶液の固形分に対して0.3%の微細な砂糖を種結晶として添加し、温度を15℃に保持しながら7時間撹拌した後、濃度60%に調整した前記ソルビトールと砂糖との混合水溶液を加えて全体の固形分濃度を78%にし、更に5時間撹拌して懸濁結晶量32%のソルビトールと砂糖との混合水溶液のマスキットを得た。
【0057】
<第二工程>
第一工程で得たマスキットを噴霧乾燥機に導入し、実施例2の第二工程と同じ条件で噴霧乾燥及び熟成した後乾燥して本発明に係る砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物を得た。
【0058】
本実施例により得られた砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物の水分は0.3%で、約50メッシュの粉末を実施例1と同様にして測定した結果、安息角は34°であり、外観は白色のサラサラした極めて流動性の優れた粉末であった。
【0059】
(実施例5)
【0060】
<第一工程>
純度98%のソルビトール[東和化成工業(株)製、ソルビットD−70]と純度99.9%の砂糖を固形分比率20:80の割合で混合した水溶液を調製し、濃度85%まで濃縮した後、110℃まで加熱してから15℃まで急速に冷却し、混合水溶液の固形分に対して0.5%の微細な砂糖を種結晶として添加し、温度を15℃に保持しながらゆるやかに12時間撹拌した後に水を加えて固形分濃度を78%に調整し、更に5時間撹拌して懸濁結晶量29%のソルビトールと砂糖との混合水溶液のマスキットを得た。
【0061】
<第二工程>
第一工程で得たマスキットを噴霧乾燥機に導入し、送風温度68℃、排風温度38℃、噴霧乾燥機の底部に落下した粉末の温度が38℃で、水分が4%になるように噴霧乾燥し、更に、得られた粉末を38℃で15時間保持して熟成してから乾燥して本発明に係る砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物を得た。
【0062】
本実施例により得られた砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物の水分は0.4%で、約50メッシュの粉末を実施例1と同様にして測定した結果、安息角は33°であり、外観は白色のサラサラした極めて流動性の優れた粉末であった。
【0063】
【比較例】
【0064】
(比較例1)
【0065】
純度85%のソルビトールと純度99.9%の砂糖を固形分比率17:83の割合で混合した水溶液を調製し、濃度85%まで濃縮した後、110℃まで加熱してから15℃まで急速に冷却し、混合水溶液の固形分に対して0.5%の微細な砂糖を種結晶として添加し、温度を15℃に保持しながらゆるやかに12時間撹拌した後に水を加えて固形分濃度を78%に調整し、更に5時間撹拌してソルビトールと砂糖との混合水溶液のマスキットを得た。
【0066】
<第二工程>
第一工程で得たマスキットを噴霧乾燥機に導入し、送風温度70℃、排風温度40℃の条件で噴霧乾燥した結果、乾燥機のアトマイザーの周囲の壁にガラス状の固形物が付着、堆積してしまい、噴霧乾燥操作を継続することができなかった。
【0067】
また、堆積したガラス状固形物を掻き落としたが、塊状であり、安息角は測定できなかった。
【0068】
(比較例2)
【0069】
<第一工程>
純度99.9%の市販のグラニュー糖を実施例1と同様にして砂糖マスキットを得た。
【0070】
純度97%の食品用ソルビトール[東和化成工業(株)製、ソルビットD−70]を濃度65%に調整し、加熱して温度を110℃にした後、撹拌しながら温度5℃まで急激に冷却して液固形分に対して0.2%の微細なソルビトール結晶を種結晶として添加し、毎分20回転のゆっくりとした撹拌を10時間続けて懸濁結晶量4%のソルビトールマスキットを得た。
【0071】
<第二工程>
第一工程で得た各々のマスキットをポンプで噴霧乾燥機に送入する際に、砂糖が83、ソルビトールが17の固形分比率とし、噴霧乾燥機に入る直前に両者の配管が接続して一本の配管から各マスキットが導入されるよう調整し、送風温度70℃、排風温度40℃、噴霧乾燥機の底部に落下した粉末の温度が40℃で、水分が3%になるように噴霧乾燥して砂糖とソルビトールとの混合粉末組成物を得た。
【0072】
本比較例により得られた砂糖とソルビトールとの混合粉末組成物の組成を液体クロマトグラフ法により測定したところ、ソルビトール16.5%、砂糖83.5%であった。
【0073】
また、本比較例により得られた砂糖とソルビトールとの混合粉末組成物の約50メッシュの粉末を安息角測定機具(PT−D型)により測定しようとしたが、粉末が団結して塊を形成してしまい、安息角は測定不可能であった。
【0074】
(比較例3)
【0075】
<第一工程>
純度99.9%の市販のグラニュー糖を濃度78%に調整し、温度100℃まで加熱した後、撹拌しながら温度15℃まで急激に冷却して微細な結晶を析出させ、そのまま温度を15℃に保持して、毎分20回転のゆっくりとした撹拌を5時間続け、砂糖マスキットを得た。
【0076】
純度97%の食品用ソルビトール[東和化成工業(株)製、ソルビットD−70]を濃度88%に調整し、加熱して温度を110℃にした後、撹拌しながら温度15℃まで急激に冷却して結晶を析出させ、毎分20回転のゆっくりとした撹拌を10時間続けた後水を加えて濃度を85%に調節し、更に3時間撹拌を続けて懸濁結晶量38%のソルビトールマスキットを得た。
【0077】
<第二工程>
第一工程で得た各々のマスキットをポンプで噴霧乾燥機に送入しようとしたが、ソルビトールマスキットが配管内で固化し、噴霧乾燥操作ができなかった。
【0078】
【発明の効果】
【0079】
本発明は、工程が比較的短い時間で吸湿性の高い組成物を得ることができるので、機械的に強い加熱やニーダー法のような強い混練をする必要がなく、複雑な構造の特殊な機器も要求されないので、経済的に有利であり、成分の偏りなどのない流動性の高い砂糖とソルビトールとの混合粉末組成物を得ることができる。

Claims (3)

  1. 砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物を製造する方法において、
    1)純度89.0〜99.9重量%で濃度69〜80重量%のソルビトール水溶液からソルビトールマスキットを、砂糖水溶液から砂糖マスキットを、各々調製する第一工程、
    2)ソルビトールマスキットの導入割合を固形分で10〜21重量%、砂糖マスキットの導入割合を固形分で79〜90重量%の割合に保ち、各々のマスキットを噴霧乾燥機に導入し、送風温30〜85℃で噴霧乾燥する第二工程、
    の2工程を逐次的に経由することを特徴とする、砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物の製造方法。
  2. 第一工程において、濃度75〜85重量%の砂糖水溶液から砂糖マスキットを調製し、且つソルビトールマスキット中の懸濁結晶量が5〜35重量%に調節されたものである、請求項1に記載の砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物の製造方法。
  3. 砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物を製造する方法において、
    1)純度95〜99.9重量%のソルビトールを固形分比率で15〜21重量%、純度99%以上の砂糖を固形分比率で79〜85重量%含有する混合水溶液を調製し、固形分濃度83〜87重量%の範囲まで濃縮した後、温度13〜20℃まで撹拌しながら冷却し、必要に応じて種結晶の添加及び希釈をして更に5〜10時間撹拌し、砂糖とソルビトールとの混合水溶液のマスキットを調製する第一工程、
    2)第一工程で得られた砂糖とソルビトールとの混合水溶液のマスキットを噴霧乾燥機に導入し、送風温30〜85℃で噴霧乾燥する第二工程、
    の2工程を逐次的に経由することを特徴とする、砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物の製造方法。
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