JP2577698B2 - 流動性の高いソルビトール粉末の製造方法 - Google Patents

流動性の高いソルビトール粉末の製造方法

Info

Publication number
JP2577698B2
JP2577698B2 JP5213362A JP21336293A JP2577698B2 JP 2577698 B2 JP2577698 B2 JP 2577698B2 JP 5213362 A JP5213362 A JP 5213362A JP 21336293 A JP21336293 A JP 21336293A JP 2577698 B2 JP2577698 B2 JP 2577698B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sorbitol
powder
mass kit
tank
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP5213362A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0748300A (ja
Inventor
信道 中野
匡弘 新見
和昭 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Towa Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Towa Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Towa Chemical Industry Co Ltd filed Critical Towa Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP5213362A priority Critical patent/JP2577698B2/ja
Publication of JPH0748300A publication Critical patent/JPH0748300A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2577698B2 publication Critical patent/JP2577698B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ソルビトール粉末の製
造方法に係り、特に流動性の高いソルビトール粉末の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ソルビトールは、果実等の中に甘味成分
として含まれる代表的な糖アルコールであり、各種の食
品、医薬品、化粧品、各種工業用原料等として広く用い
られている。このソルビトールは、ブドウ糖を接触還元
することにより工業的に製造されており、その製品形態
としては、70重量%(以下「重量%」を単に「%」と
いうことがある)程度の水溶液及び粉末の2種類がある
が、従来の粉末は、主に吸湿性の低い結晶性粉末、つま
り粉末中のガンマー形ソルビトール結晶成分が高い品質
が要望されてきた。
【0003】上記従来の粉末製品の製造方法としては、
例えば特公昭52−20444号、特公昭49−362
06号公報等に開示されているようなソルビトール粉末
製品の製造方法が知られている。しかし、これらの製造
方法から得られる製品は、該製品中の結晶含有率が96
〜99%と高いことを重視したために採用されたもので
あり、その製造方法はソルビトール水溶液を加熱濃縮し
て水分を約15%以下にした濃厚水溶液、又は更に水分
1%以下にまで濃縮した溶融状のソルビトールを、高温
状態のままニーダーに連続的に流し込みながら、このソ
ルビトール濃厚水溶液又は溶融物の固形分重量の約1〜
50%の粉末状のソルビトールをシードとして加え、混
練して微結晶の成長を促進せしめ、そうめん状に成形し
て押出し、結晶固化したスパゲティー状ソルビトールを
冷却した後、粉砕するというものであった。
【0004】また、上記のような製造方法の他に、特開
昭51−108005号公報や特公昭55−36646
号等に開示された方法も知られている。即ち、前者は粉
末の流動性を重視した流動乾燥方法によるものであり、
微粉末ソルビトールの表面にソルビトール液を噴霧して
付着させるという製造方法である。また、後者は粉末の
流動性を重視した流動乾燥方法によるものであり、回分
式の方法によって長い時間熟成させてスラリーを調製
し、該回分式の方法で調整した量だけを噴霧乾燥してソ
ルビトール粉末を得るという製造方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、医薬品分野や
食品分野においては、流動性の高いソルビトール粉末が
要望されると共に、その製造方法について更に高い経済
性が要求されており、上記従来の製造方法やそれによっ
て製造されたソルビトール粉末が有する様々な問題が重
要視されてきた。即ち、ソルビトールには過飽和水溶液
が急激に結晶を生成するためにスラリーの粘度が急速に
高くなる現象があるため、例えば上記特公昭52−20
444号公報に開示されたような製造方法を用いた場合
には、混練に際して非常に強い力が要求され、それに応
じて強度の高い混練装置や、強力な動力が必要になると
いう問題を有し、しかも、この製造方法にあっては、シ
ード、即ち種結晶を20〜30%と、大量に使用する必
要があり、経済的に効率が悪いという問題もあった。更
に、この製造方法は、粉砕工程を経由する必要が有り、
この方法により製造されたソルビトールは、50メッシ
ュ程度の粉末にしたときの安息角が約45°と流動性が
極めて低いため配管中を空気と共に流すなどの自動化の
際に、一般に多用されている手段を採用することができ
ず、その粉末の流動性が低いことに起因する取り扱いの
困難性からその用途が限定され、また、この製造方法は
あっては20%程度の微粉末が生成するのを避けられな
いことから、ソルビトール粉末を製造する際やソルビト
ール粉末を利用する際に微粉末が飛散し、作業環境を汚
染したり、特定範囲の粒度が要求される用途には分級工
程を経由する等の必要があり、しかも、粒径の大きな粉
末画分と微粉末画分との両方を再度溶解工程又は混練り
工程に戻すことが必要になるという問題も併有してい
た。特公昭49−36206号公報に開示された製造方
法にあっても、上記特公昭52−20444号に係る製
造方法と略同一の製造上及び品質上の問題を有するもの
である。
【0006】また、上記特開昭51−108005号公
報に開示された流動乾燥方法にあっては、大量の微粉末
状ソルビトールを装置内に滞留させる必要があるため経
済的に効率が悪く、更に、噴霧するソルビトールの結晶
化速度が遅いので、得られた粉末の表面の結晶化率が低
く、そのために製造直後の流動性は或る程度高いもの
の、結局は吸湿性の高い粉末となってしまい、保存中に
流動性が低下したり塊状に固化するなどの様々な品質上
の欠点を有し、実用化には至っていない。
【0007】更に、上記特公昭55−36646号公報
に開示された噴霧乾燥方法にあっては、スラリーを調製
する際に20%以上もの種結晶を用いる方法があるた
め、経済的に極めて不利な方法であり、しかも、本発明
者等がこの製造方法を追試したところ、噴霧乾燥装置の
器壁に吸湿性の高い粉末が付着、堆積することが多いた
め連続的な噴霧乾燥は不可能であるという問題を有する
ものであった。
【0008】上記の如く従来の各製造方法は、いずれも
吸湿性の低い結晶性粉末を得ることに主眼が置かれ、粉
末の流動性が犠牲にされてきたという背景があり、連続
的なソルビトールマスキットの調製乃至連続的な噴霧乾
燥に至る経済的に有利な連続プロセスによって流動性の
高い粉末ソルビトールを製造する方法が存在しなかった
のである。
【0009】本発明者等は、上記従来の製造方法及びそ
の方法を実施した結果得られるソルビトール粉末の各種
の課題を解決するため、鋭意研究した結果、予め結晶量
を調節したソルビトールマスキット槽にソルビトール水
溶液を厳しい条件設定のもとに供給することにより、連
続的にソルビトールマスキットを調製し、これを更に連
続的に噴霧乾燥することにより、従来の方法の様々な課
題を解決することに成功し、更に、流動性が高く、微粉
の飛散がないソルビトール粉末を得ることに成功し、本
発明を完成するに至った。而して、本発明は、従来の製
造方法が有する問題を解決し、流動性の高いソルビトー
ル粉末を連続的且つ経済的に製造する方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る流動性の高いソルビトール粉末の製造
方法は、純度89.0〜99.9重量%、濃度69〜8
0重量%、温度10〜40℃にソルビトール水溶液を調
節し該ソルビトール水溶液を予め結晶量5〜35重量
%の範囲に保持した後、ソルビトールマスキット槽に1
時間あたり該マスキット重量の0.5〜80重量%に相
当する速度で連続的に供給し、この供給と同時に該マス
キット槽の出口から、上記ソルビトール水溶液の供給速
度と同程度の速度で連続的に抜き出した該マスキットを
風温30〜90℃に調節した噴霧乾燥装置に導入して噴
霧乾燥することを要旨とするものである。また、上記ソ
ルビトールマスキット槽へのソルビトール水溶液の供給
速度は、ソルビトールマスキット槽内のソルビトールマ
スキット重量に対して1時間あたり5〜40重量%の範
囲に調節して実施することが望ましい。
【0011】
【作用】本発明に係る流動性の高い粉末ソルビトールを
製造方法によれば、予め結晶量を調節したソルビトール
マスキット槽にソルビトール水溶液を所定の条件設定の
もとに供給し、連続的にソルビトールマスキットを調製
し、これを更に連続的に噴霧乾燥することにより、ソル
ビトール粉末を得ることができる。また、得られたソル
ビトール粉末は、20〜50メッシュ程度の粉末にした
ときの安息角が約30〜35°くらいと、従来の予め結
晶化していないソルビトール水溶液から直接噴霧乾燥し
製品の40〜48°程度に比べて流動性が極めて高
く、微粉の飛散がないソルビトール粉末を得ることがで
きる。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係る流動性の高いソルビトー
ル粉末の製造方法に関する好適な実施例を説明する。本
発明に用いるソルビトールは、本発明の条件下でソルビ
トールマスキットを生成する品質が要求されるものであ
るが、好ましいソルビトール純度としては89.0〜9
9.9重量%が挙げられ、その他製造方法についての特
別な制約はない。ソルビトール純度が89%未満の場合
は、残余の成分であるマルチトール、マルトトリイトー
ル、マルトテトライトール、それよりも重合度が高い糖
アルコール等の比率が高まり、本発明に適用した場合に
一応粉末の形態を形成するものの、吸湿性が高いために
粉末製品として扱いにくいものになりがちなことが多
く、噴霧工程の際に、器壁に付着して連続的な運転が困
難になるなどの理由から好ましくない。一方、該純度が
99.9%を越える場合には、ソルビトール水溶液を製
造するうえで純度を高めることに困難を伴い、その結果
多額の費用を要することになり、本発明の特徴のひとつ
である経済性が損なわれるので好ましくない。本発明に
用いるソルビトールの濃度は、69〜80%に調節する
ことが要求されるが、69%未満の場合にはソルビトー
ルマスキット槽内の結晶量が減少することが多く、また
噴霧乾燥後に得られる粉末の吸湿性が高くなることが多
く、本発明の大きな特徴のひとつである連続的な製造が
困難になることが多いので好ましくない。また、該濃度
が80%を越える条件で本発明を実施した場合には、ソ
ルビトールマスキット槽内の結晶量が多くなり過ぎるこ
とが多く、そのため、マスキットの粘度が急激に高くな
り、連続的な製造が困難になるので好ましくない。
【0013】本発明に用いるソルビトール水溶液の温度
及びソルビトールマスキット槽の温度は、10〜40℃
の範囲に保持する必要があるが、それらの温度が10℃
未満の場合には、ソルビトールマスキットの粘度が高く
なり過ぎることやソルビトールマスキット槽内の結晶量
が多くなり過ぎること、更には、該マスキット槽全体が
固化することもあるなどの理由で好ましくなく、40℃
を越えた条件で実施した場合には該マスキット槽内の結
晶量が不足がちになるなどの理由から好ましくない。
【0014】本発明を実施する上で上記マスキット槽に
ソルビトール液を供給する速度は、1時間あたり、好ま
しくは該マスキット重量の0.5〜80%の範囲内、更
に好ましくは5〜40%とすることにより、該マスキッ
ト中の結晶量を一定の範囲、即ち、該マスキット中の5
〜35%に保つことができる。ソルビトール水溶液の供
給速度が0.5%未満の場合には、マスキットの製造が
可能ではあるが、製造量が少ない割に大きな設備が必要
になって経済的に不利なので、その条件を採用すること
は避けるべきである。一方、供給速度が80%を越えた
条件で実施した場合には、該マスキット中の結晶量が減
少してしまい、ついには噴霧乾燥できない程度、つま
り、5%未満になってしまうのでこの条件の採用も避け
るべきである。
【0015】また、本発明を実施する際のソルビトール
マスキット中の結晶量はマスキットが取り扱い易い粘度
範囲に調節できることや、噴霧乾燥したときに吸湿性の
低い粉末が得られることなどの理由から、該マスキット
重量の5〜35%とすることが好ましいが、結晶量が5
%未満の場合には噴霧乾燥後に得られる粉末結晶含有率
が低くて吸湿性が高くなってしまうので好ましくなく、
35%を越える場合には得られる粉末の結晶含有率は高
くなるものの、該マスキットの粘度が高くなってしま
い、ひいてはマスキット全体が固化することがあるので
好ましくない。
【0016】本発明を最初に実施する際には、予めソル
ビトールマスキットを調製する必要があるが、その場合
には、少量の前記ソルビトール水溶液を10℃〜30℃
程度に冷却して過飽和状態を形成しておき、これを攪拌
翼の周速度100m/分程度の速さで激しく攪拌して結
晶核を発生させたものを、ソルビトールマスキット槽内
に満たしておいた該ソルビトール水溶液に種結晶として
添加した後、混合物を穏やかに攪拌して槽内にソルビト
ールマスキットを形成させ、その中の結晶量が5%を越
えてから該マスキット槽へのソルビトール水溶液の供給
を開始する方法が有利に採用できる。また、変様した他
の方法として、ソルビトールマスキット槽に満たしてお
いた該ソルビトール水溶液に、該水溶液重量の0.1〜
3%程度のソルビトール粉末を添加し、穏やかに攪拌し
て槽内にソルビトールマスキットを形成させたのち、前
記と同様に連続的な方法を開始することもできる。
【0017】このようにして得られたソルビトールマス
キットの結晶量は、上記の如く、マスキット中の5〜3
5%に維持する必要があり、結晶の量はマスキットの一
部を取り出して実際にろ過して結晶量を確認するのが最
も確実であるが、予め、使用するソルビトール液から生
成した結晶の量と粘度との関係を確かめておいて粘度で
管理することも可能である。ソルビトールマスキット中
の結晶量が減少傾向にある場合は、ソルビトール水溶液
の供給量を減少させることや、ソルビトール水溶液の濃
度を高めること、更には、ソビトール水溶液の供給温度
を下げることなどにより結晶量を増加させることができ
るが、これらの方法の中で最も効果的で速く対処できる
のは、ソルビトール水溶液の供給量を減少させる方法で
ある。また、ソルビトールマスキット中の結晶量を一定
に保持する方法の変法として、該マスキット槽から抜き
出したソルビトールマスキットの一部を該マスキット槽
に戻すことも有利に採用することが出来る。前述のよう
にして得られたソルビトールマスキットは、結晶量の維
持や結晶の沈降防止、粘度の維持等のために、温度10
〜40℃に保持して穏やかに攪拌しておくことが好まし
いが、攪拌の方式や攪拌速度、攪拌翼の形状については
格別の制約は無い。
【0018】次に、前記のようにして得られたソルビト
ールマスキットを、該マスキット槽に供給されるソルビ
トール水溶液の供給速度と同じ速度で該マスキット槽か
ら連続的に抜き出し、噴霧乾燥に付すが、このときの好
ましい風温度は30〜90℃、更に好ましい風温度は4
0〜70℃である。該風温度が30℃未満の場合には、
得られる粉末が十分に乾燥できないことがあるので好ま
しくなく、90℃を越えて実施した場合には、乾燥され
た粉末の表面が溶解したり硬さが不十分になり、粉末同
士の付着や噴霧乾燥器の器壁への付着が起こることがあ
るので好ましくない。
【0019】このようにして得られたソルビトール粉末
は、20〜50メッシュ程度の粉末にしたときの安息角
が約30〜35°くらいと、従来の製品の40〜48°
程度に比べて流動性が極めて高いため、その取り扱いが
大幅に容易になっており、空気による輸送などの自動化
の手段を適用することが可能になる。また、吸湿性も上
記特開昭51−108005号公報に開示された方法で
製造した粉末よりも大幅に改善されており、通常のソル
ビトールの保存条件での保存の際に塊状に固化すること
が殆ど発生しない。
【0020】〔実施例1〕濃度80%に濃縮した純度9
4%のソルビトール水溶液5リットルを内径30cm、
容積20リットルの円筒形ステンレス製容器に入れ、長
さ12cm、幅2.1cmのパドル型攪拌翼を用いて毎
分300回転(周速度=113m/分)の速さで攪拌
し、温度を25℃に保った。操作を開始した後約2分で
ソルビトール液は白く濁ってソルビトール結晶の発生が
確認され、開始後3分目に温度25℃、濃度66%に調
製した前記ソルビトール水溶液5リットルを加えて攪拌
し、15分後に形成されたソルビトールマスキット中の
結晶量は約10%に達した。容積1200リットルのス
テンレス製槽に濃度73%、純度94%のソルビトール
水溶液1000k gを入れ、温度25℃に保持して穏や
かに攪拌しながら前記ソルビトールマスキット10リッ
トルを静かに添加し、6時間穏やかに攪拌を続けて結晶
量28%のソルビトールマスキットを得た。
【0021】〔実施例2〕濃度78%に濃縮した純度9
2%のソルビトール水溶液10リットルを内径30c
m、容積20リットルの円筒形ステンレス製容器に入
れ、長さ8cm、幅2.1cmのパドル型攪拌翼を用い
て毎分30回転の速さで穏やかに攪拌しながら、温度を
45℃とした後徐々に冷却して1時間後に20℃とし、
液と同じ純度のソルビトール微粉末20gを加えて、更
に12時間穏やかに攪拌を続けた結果、結晶量30%の
ソルビトールマスキットを得た。
【0022】〔実施例3〕実施例1と同様にして予めス
テンレス製のソルビトールマスキット槽(容積1200
リットル)にソルビトールマスキット1010リットル
を調製しておき、穏やかに攪拌しつつ温度25℃に保持
してから、濃度73%、純度94%、温度25℃のソル
ビトール水溶液を該マスキット槽の上部から1時間あた
り200リットルの速度で供給し、同時に、該マスキッ
ト槽の下部からソルビトール水溶液の供給速度と同じ速
度でソルビトールマスキットを抜き出した。この抜き出
したソルビトールマスキットは、ジャケット付きステン
レス製管で該槽に接続したアトマイザー式の噴霧乾燥器
に導き、風温55℃にて噴霧乾燥して本発明の流動性の
高いソルビトール粉末を得た。本実施例により得られた
ソルビトールの約50メッシュの粉末の安息角を、測定
機具(PT−D型)により測定した結果、31°であっ
た。また、示差走査熱分析によりガンマー形結晶の含有
率を測定した結果、ソルビトール中のガンマー形結晶含
有率は94%であった。
【0023】〔実施例4〕実施例2と同様にして予めス
テンレス製のソルビトールマスキット槽(容積20リッ
トル)にソルビトールマスキット10リットルを調製し
ておき、穏やかに攪拌しつつ温度20℃に保持してか
ら、濃度77%、純度92% 、温度20℃のソルビト
ール水溶液を該マスキット槽の上部から1時間あたり7
リットルの速度で供給してマスキット中の結晶量を25
%とし、同時に、該マスキット槽の下部からソルビトー
ル水溶液の供給速度と同じ速度でソルビトールマスキッ
トを抜き出した。この抜き出したソルビトールマスキッ
トは、ジャケット付きステンレス製管で該槽に接続した
ノズル方式の噴霧乾燥器に導き、風温60℃にて噴霧乾
燥して本発明の流動性の高いソルビトール粉末を得た。
本実施例により得られたソルビトールの約50メッシュ
の粉末の安息角を、実施例3と同様に測定した結果、3
3°であった。
【0024】〔実施例5〕濃度75%、純度95%、温
度25℃のソルビトール水溶液を用いた他は実施例2と
同様にして予めソルビトールマスキット10リットルを
調製しておき、穏やかに攪拌しつつ温度25℃に保時し
てから、前記と同じソルビトール水溶液を該マスキット
槽の上部から1時間あたり4.5リットルの速度で供給
してマスキット中の結晶量を26%とし、同時に、該マ
スキットの下部からソルビトール水溶液の供給速度と同
じ速度でソルビトールマスキットを抜き出した。この抜
き出したソルビトールマスキットは、噴霧乾燥器の風温
を55℃とした他は実施例4と同様にして本発明の流動
性の高いソルビトール粉末を得た。本実施例により得ら
れたソルビトールの約50メッシュの粉末の安息角を、
実施例3と同様に測定した結果、32°であった。
【0025】〔実施例6〕濃度72%、純度96%、温
度32℃のソルビトール水溶液を用いた他は実施例2と
同様にして予めソルビトールマスキット10リットルを
調製しておき、穏やかに攪拌しつつ温度25℃に保時し
てから、前記と同じソルビトール水溶液を該マスキット
槽の上部から1時間あたり2.5リットルの速度で供給
してマスキット中の結晶量を32とし、同時に、該マス
キットの下部からソルビトール水溶液の供給速度と同じ
速度でソルビトールマスキットを抜き出した。この抜き
出されたソルビトールマスキットは、噴霧乾燥器の風温
を65℃とした他は実施例4と同様にして本発明の流動
性の高いソルビトール粉末を得た。本実施例により得ら
れたソルビトールの約20メッシュの粉末の安息角を、
実施例3と同様に測定した結果、29°であった。
【0026】〔実施例7〕濃度70%、純度97%、温
度35℃のソルビトール水溶液を用いた他は実施例2と
同様にして予めソルビトールマスキット10リットルを調
製しておき、穏やかに攪拌しつつ温度16℃に保時して
から、前記と同じソルビトール水溶液を該マスキット槽
の上部から1時間あたり2.0リットルの速度で供給し
てマスキット中の結晶量を28%とし、同時に、該マス
キットの下部からソルビトール水溶液の供給速度と同じ
速度でソルビトールマスキットを抜き出した。この抜き
出されたソルビトールマスキットは、噴霧乾燥器の風温
を70℃とした他は実施例4と同様にして本発明の流動
性の高いソルビトール粉末を得た。本実施例により得ら
れたソルビトールの約20メッシュの粉末の安息角を、
実施例3と同様に測定した結果、30°であった。
【0027】尚、本発明に係る流動性の高いソルビトー
ル粉末の製造方法は、上記各実施例に限定されるもので
はなく、本発明の目的の範囲内で適宜変様して実施する
ことができるものであることはいうまでもない。
【0028】
【発明の効果】本発明に係る流動性の高いソルビトール
粉末の製造方法は、上記の如く、従来のソルビトール粉
末の製造方法よりも経済的で、且つ衛生的な方法で連続
的に、従来品と比較して、20〜50メッシュ程度の粉
末にしたときの安息角が約30〜35%と、流動性が高
く、且つ吸湿性の低いソルビトール粉末を得ることがで
きる。
【0029】また、このようなソルビトール粉末の改善
によって、粉末の取扱いが極めて容易になり、空気によ
る搬送などの自動化の手段を適用することが可能になる
ので、経済的にも有利である。
【0030】加えて、吸湿性も上記特開昭51−108
005号公報に開示された従来の方法で製造された粉末
よりも大幅に改善されており、通常のソルビトール粉末
の保存条件下においても塊状に固化することが殆どない
などの特徴を有するものであり、本発明の実施により得
られる効果は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 和昭 東京都中央区八重洲2丁目8番7号 東 和化成工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−118058(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純度89.0〜99.9重量%、濃度6
    9〜80重量%、温度10〜40℃にソルビトール水溶
    液を調節し該ソルビトール水溶液を 予め結晶量5〜35重量%の範
    囲に保持した後、ソルビトールマスキット槽に1時間あ
    たり該マスキット重量の0.5〜80重量%に相当する
    速度で連続的に供給し、この供給と 同時に該マスキット槽の出口から、上記ソル
    ビトール水溶液の供給速度と同程度の速度で連続的に抜
    き出した該マスキットを風温30〜90℃に調節した噴
    霧乾燥装置に導入して噴霧乾燥することを特徴とする流
    動性の高いソルビトール粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記ソルビトールマスキット槽へのソル
    ビトール水溶液の供給速度を、ソルビトールマスキット
    槽内のソルビトールマスキット重量に対して1時間あた
    り5〜40重量%の範囲に調節したことを特徴とする請
    求項1の流動性の高いソルビトール粉末の製造方法。
JP5213362A 1993-08-05 1993-08-05 流動性の高いソルビトール粉末の製造方法 Expired - Lifetime JP2577698B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5213362A JP2577698B2 (ja) 1993-08-05 1993-08-05 流動性の高いソルビトール粉末の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5213362A JP2577698B2 (ja) 1993-08-05 1993-08-05 流動性の高いソルビトール粉末の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0748300A JPH0748300A (ja) 1995-02-21
JP2577698B2 true JP2577698B2 (ja) 1997-02-05

Family

ID=16637928

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5213362A Expired - Lifetime JP2577698B2 (ja) 1993-08-05 1993-08-05 流動性の高いソルビトール粉末の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2577698B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102358069B1 (ko) * 2016-05-13 2022-02-03 메르크 파텐트 게엠베하 가소제로서 직접 압축성 부형제를 사용하는 핫 멜트 압출 조성물
CN109265318B (zh) * 2018-11-12 2021-10-01 湖北葛店人福药用辅料有限责任公司 一种山梨醇的制备方法
JP2021016314A (ja) * 2019-07-17 2021-02-15 三菱商事ライフサイエンス株式会社 結晶性のソルビトール粉末の製造方法
JP2021106571A (ja) * 2019-12-27 2021-07-29 三井製糖株式会社 顆粒の製造方法及び顆粒
JP7197743B1 (ja) * 2022-07-15 2022-12-27 Dm三井製糖株式会社 顆粒を製造する方法及び顆粒

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3245170A1 (de) * 1982-12-07 1984-06-07 Merck Patent Gmbh, 6100 Darmstadt Verbesserter sorbit, verfahren zur herstellung und verwendung

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0748300A (ja) 1995-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0380219B1 (en) Cryoprotectant sorbitol crystal spherules
EP0203523B1 (de) Schmelzblockförmige, alkalihydroxidhaltige Mittel für das maschinelle Reinigen von Geschirr und Verfahren zu ihrer Herstellung
JP2577698B2 (ja) 流動性の高いソルビトール粉末の製造方法
WO2021010447A1 (ja) 結晶性のソルビトール粉末の製造方法
JP2005333934A (ja) キャンディ及びその製造方法
JP3955087B2 (ja) 流動性の高いマルチトール粉末及びその製造方法
CA1333071C (en) Process for production of solid sorbitol
JP3678431B2 (ja) マルチトールスラリーの連続的製造方法
CA2377879C (en) Crystalline mixture solid composition and preparation thereof
JP3667791B2 (ja) L−メントール含有粉体
KR0150250B1 (ko) 결정성 솔비톨 분말의 제조방법
US6015466A (en) Microcrystalline sugars or sugar-alcohols; method for preparing the same
JP3561566B2 (ja) 砂糖とマルチトールとの流動性の高い混合粉末組成物の製造方法
JPH0333320B2 (ja)
US20070160708A1 (en) Process for the production of confectionery products
JP4845324B2 (ja) マルチトール含蜜結晶およびその製造方法
JP3561565B2 (ja) 砂糖とソルビトールとの流動性の高い混合粉末組成物の製造方法
JP4293949B2 (ja) マルチトール含蜜結晶の連続的製造方法
JP3955088B2 (ja) アスコルビン酸とマルチトールとの流動性の高い混合粉末組成物の製造方法
JP2003503376A (ja) 無塵のギ酸カルシウム
JP2819874B2 (ja) 多孔質乳酸カルシウムおよびその製造法
CN113518773A (zh) 制备固体剂型的1,2-烷二醇的方法
Kallies et al. Production of crystal suspensions for granulation processes
JP2009165496A (ja) キャンディ
JPH03259100A (ja) オリゴ糖含有砂糖顆粒の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960820

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071107

Year of fee payment: 11

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071107

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071107

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081107

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091107

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101107

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 16

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131107

Year of fee payment: 17

EXPY Cancellation because of completion of term