JP2559387B2 - 陰極線管及びその製造方法 - Google Patents

陰極線管及びその製造方法

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JP2559387B2 JP62001618A JP161887A JP2559387B2 JP 2559387 B2 JP2559387 B2 JP 2559387B2 JP 62001618 A JP62001618 A JP 62001618A JP 161887 A JP161887 A JP 161887A JP 2559387 B2 JP2559387 B2 JP 2559387B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は無反射透明板をフェースプレート前面に接着
剤を介して固定してなる陰極線管に関するものである。
〔従来の技術〕
無反射透明板をフェースプレート前面に接着剤を介し
て接着固定した陰極線管としては例えば特開昭61−1426
27号公報等で開示されている。すなわち管球本体の一端
に設けられたフェースプレートの前面に、不飽和ポリエ
ステル系樹脂、エポキシ系樹脂あるいはシリコン系樹脂
等の接着剤を介して無反射透明板、一般にはガラス板を
前記フェースプレートの曲面とほぼ一致させた曲面と
し、これの少なくとも凸面側に無反射処理を施した無反
射透明板を、前記無反射処理面が接着剤に対面しない方
向で接着配置している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術として不飽和ポリエステル樹脂を用いた
場合、短時間で両者の接着形成が困難であり、また短時
間で接着を行うために硬化剤添加量を増加したり、硬化
温度を高くすると、樹脂に硬化歪が発生しやすくなり、
剥れ、クラックや点状、すじ状の光学的不均質部分が発
生し、品質が低下するという問題があった。
本発明の目的は、短時間で両者の接着が形成でき、か
つ硬化歪のない高品質の陰極線管を提供することにあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、一端にフェースプレートを有する管球本体
とこの管球本体の前記フェースプレート前面に所定の間
隙を隔てて配置された透明板を有し、不飽和基1個当り
1000〜8000の分子量を有する不飽和ポリエステル、重合
性単量体、低温硬化型硬化剤及び高温硬化型硬化剤を含
む樹脂組成物で前記管球本体と前記透明板とを固着した
陰極線管に関する。
本発明における不飽和ポリエステルは不飽和二塩基酸
及び/又はその酸無水物を含む酸成分とアルコール成分
を縮合反応させて得られる。
本発明における不飽和ポリエステルに用いられる不飽
和二塩基酸及び/又はその酸無水物としては、マレイン
酸,無水マレイン酸,フマール酸,イタコン酸,シトラ
コン酸などがある。これらは二種以上を併用してもよ
い。必要に応じて飽和多塩基酸及び/又はその酸無水物
が用いられるがその例としては、フタル酸,無水フタル
酸,イソフタル酸,テレフタル酸,トリメリット酸,無
水トリメリット酸,こはく酸,アゼライン酸,アジピン
酸,テトラヒドロフタル酸,テトラヒドロ無水フタル
酸,ヘキサヒドロフタル酸,ヘキサヒドロ無水フタル
酸,エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸などがあ
る。これらは、二種以上併用してもよい。
アルコール成分としては、エチレングリコール,ジエ
チレングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレ
ングリコール,1.3−ブタンジオール,1.4−ブタンジオー
ル,2.3−ブタンジオール,1.5−ペンタンジオール,1.6−
ヘキサンジオール,トリエチレングリコール,ネオペン
チルグリコール等の二価アルコール,グリセリン,トリ
メチロールプロパン等の三価アルコール,ペンタエリス
リトール等の四価アルコールなどを使用することができ
る。これらは二種以上を併用してもよい。
上記の酸成分とアルコール成分を反応させて不飽和ポ
リエステルを得る製造法は、主に縮合反応を進めること
により行われ、両成分が反応する際に生じる水のような
低分子を系外へ脱離させることにより進行する。
この反応を行う反応装置は、ガラス,ステンレス等の
酸成分に対し、不活性なものが選ばれ、攪拌装置、水と
アルコール成分の共沸によるアルコール成分の溜出を防
ぐ為の分溜装置、反応系の温度を高める加熱装置、この
加熱装置の温度制御回路、さらには窒素ガスなどの吹き
込み装置を備えた反応装置を用いることが好ましい。
反応条件は、反応速度が十分大きい150℃以上の温度
で行うことが好ましい。高温における酸化反応による着
色を防止するためには、160℃〜210℃の範囲がより好ま
しい。
また、高温における酸化による副反応を防止するため
には、窒素,二酸化炭素などの不活性気体を通気しなが
ら合成を行うことが好ましい。
反応は酸成分およびアルコール成分を混合した系を加
熱して行き、生成する縮合水などの低分子化合物を系外
に除き進められるが、これは好ましくは不活性気体を通
じることによる自然溜出、または減圧溜出によって行わ
れる。また溜出さるべき低分子化合物が高沸点の場合は
高真空が必要である。
さらに、縮合水などの低分子化合物の溜出を促進する
為、トルエンやキシレンなどの溶剤を共沸成分として系
中へ添加し、自然溜出を行うことも出来る。
反応の進行は、一般に反応により生成する溜出分量の
測定、末端の官能基の定量、反応系の粘度の測定などに
より知ることが出来る。
本発明において用いる不飽和ポリエステルは、不飽和
基1個当り1000〜4000の分子量を有するものである。
このような不飽和ポリエステルは材料の配合比を調整
することによって公知の方法で製造することができる。
本発明における不飽和基1個当りの分子量とは、不飽
和ポリエステル合成において用いられる酸成分およびア
ルコール成分の仕込モル組成から計算される値で、仕込
んだ酸成分とアルコール成分との全重量から、酸成分と
アルコール成分とが1:1のモル比で反応し、それに相当
する水が脱離するとして減じた値を、不飽和ポリエステ
ル中に含まれる不飽和基の数(用いた不飽和多塩基酸の
モル数)で除して得られる。すなわち通常行なわれる過
剰に仕込まれた酸成分やアルコール成分に関する脱水反
応を無視したモデル計算値である。例えば、無水マレイ
ン酸0.1モル、アジピン酸0.5モル、無水フタル酸0.4モ
ル及びジエチレングリコール1.05モルのアルコール0.05
モル過剰の不飽和ポリエステルの不飽和基1個当りの分
子量は、{(98.1×0.1モル+146×0.5モル+148×0.4
モル+106×1.05モル)−18.0×(0.1モル+0.5モル×
2+0.4モル×1)}÷0.1モル=2273.1として計算され
る。
このようにして計算される不飽和ポリエステルの不飽
和基1個当りの分子量が1000より小さい場合には、硬化
物の架橋密度が高くなり、クラックや剥離の原因とな
る。不飽和ポリエステルの不飽和基1個当りの分子量が
8000を超える場合には、樹脂の硬化の際の橋かけが十分
に起こらず、その為重合性単量体の重合がおこり、硬化
物が白濁したりすることがある。
また、橋かけが十分起こらないため、高温多湿下(85
℃,90%,R.H.)の条件において前面ガラスまたは陰極線
管フェースプレート部との接着力の低下をまねき、剥離
の原因となる。
本発明に使用される重合性単量体としては、スチレ
ン,p−メチルスチレン,αメチルスチレン,ジビニルベ
ンゼン,クロロスチレン,ジクロロスチレン,ビニルト
ルエンなどのスチレン及び/又はその誘導体、アクリル
酸,アクリル酸アリル,アクリル酸ベンジル,アクリル
酸ブチル,アクリル酸エチル,アクリル酸メチル,アク
リル酸プロピル,アクリル酸ヒドロキシエチル,メタク
リル酸,メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メ
タクリル酸ブチル,メタクリル酸プロピル,メタクリル
酸アリル,メタクリル酸ベンジル,メタクリル酸ヒドロ
キシエチル,メタクリル酸ドデシル,メタクリル酸オク
チル,メタクリル酸ベンチル,トリメチロールプロパン
トリアクリレート,エチレングリコールジアクリレー
ト,ジエチレングリコールジアクリレート,トリエチレ
ングリコールジアクリレート,プロピレングリコールジ
アクリレート,1.6−ヘキサンシオールジアクリレート,
1.4−ブタンジオールジアクリレート,ジシクロペンタ
ジエンアクリレート,エチレングリコールモノアクリレ
ート,ジエチレングリコールモノアクリレート,ネオペ
ンチルグリコールジアクリレート,ビスフェノールAの
アルキレンオキシド付加物のジアクリレート,水素化ビ
スフェノールAジアクリレート,トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート,エチレングリコールジメタクリ
レート,ジエチレングリコールジメタクリレート,トリ
エチレングリコールジメタクリレート,プロピレングリ
コールジメタクリレート,1.6−ヘキサンジオールジメタ
クリレート,1.4−ブタンジオールジメタクリレート,ジ
シクロペンタジエンメタクリレート,エチレングリコー
ルモノメタクリレート,ジエチレングリコールモノメタ
クリレート,ネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト,ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物のジ
メタクリレート,水素化ビスフェノールAジメタクリレ
ートなどのアクリル酸,メタクリル酸及び/又はその誘
導体、フマール酸モノメチル,フマール酸ジメチル,マ
レイン酸モノメチル,マレイン酸ジメチル,フマール酸
モノエチル,フマール酸ジエチル,マレイン酸モノエチ
ル,マレイン酸ジエチル,フマール酸モノプロピル,フ
マール酸ジプロピル,マレイン酸モノプロピル,マレイ
ン酸ジプロピル,フマール酸モノブチル,フマール酸ジ
ブチル,フマール酸モノオクチル,フマール酸ジオクチ
ル,イタコン酸モノメチル,イタコン酸ジメチル,イタ
コン酸ジエチル,イタコン酸モノエチル,イタコン酸モ
ノブチル,イタコン酸ジブチル,イタコン酸モノプロピ
ル,イタコン酸ジプロピルなどの不飽和二塩基酸アルキ
ルエステルなどがある。
これらの重合性単量体は単独あるいは2種以上併用し
て用いることができる。
これらの重合性単量体の選択は、陰極線管の種類によ
って行われ、これを単独で使用してもよいが、縞模様や
輝点を防止する場合には、スチレン及び/又はその誘導
体と、不飽和二塩基酸アルキルエステル,アクリル酸,
メタクリル酸又はその誘導体等のスチレン及び/又はそ
の誘導体以外の単量体を併用し、不飽和ポリエステル中
の不飽和基の個数を(a)、スチレン及び/又はその誘
導体中の不飽和基の個数を(b)、スチレン及び/又は
その誘導体以外の単量体中の不飽和基の個数を(c)と
したとき、(b)/{(a)+(c)}の値を1/10〜10
/1の範囲とすることが好ましい。
本発明に用いる低温硬化型硬化剤としてはケトンパー
オキサイド系有機過酸化物があり、この例としてはメチ
ルエチルケトンパーオキサイド,シクロヘキサノンパー
オキサイド,アセチルアセトンパーオキサイド,メチル
アセトアセテートパーオキサイド,メチルシクロヘキサ
ノンパーオキサイド、3.3.5トリメチルシクロヘキサノ
ンパーオキサイドなどがあり、これらは単独で使用して
も二種以上を併用してもよい。
低温硬化型硬化剤の添加量は作業性又は面欠陥の発生
防止の点から不飽和ポリエステル及び重合性単量体に対
して0.2〜2.0重量%の範囲が好ましい。
さらに高温硬化型硬化剤としてはパーオキシケタール
系有機化酸化物,ジアシルパーオキサイド系有機過酸化
物,またはパーオキシエステル系有機過酸化物が用いら
れ、この例としては1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)3.3.5−トリメチルシクロヘキサン,2.2−ビス(t
−ブチルパーオキシ)オクタン,1.1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)シクロヘキサン,ラウロイルパーオキサイ
ド,3.3.5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド,ベ
ンゾイルパーオキサイド,t−ブチルパーオキシピバレイ
ト,t−ブチルパーオキシネオデカノエート,t−ブチルパ
ーオキシ2−エチルヘキサノエート,t−ブチルパーオキ
シラウレート,t−ブチルパーオキシ3.3.5−トリメチル
ヘキサノエート,t−ブチルパーオキシベンゾエート,t−
ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどがあり
これらは、単独で使用しても二種以上を併用してもよ
い。これらの高温硬化型硬化剤の添加量も同様の理由か
ら不飽和ポリエステル及び重合性単量体に対して0.2〜
2.0重量%の範囲が好ましい。
本発明の目的は、接着層を構成する硬化剤を、低温硬
化型硬化剤と高温硬化型硬化剤の両者を併用することに
より達成される。
本発明においては必要に応じて、ハイドロキノン,ピ
ロカテコール,2.6−ジ−t−ブチルパラクレゾールなど
の重合禁止剤,ナフテン酸コバルト,オクテン酸コバル
ト等の金属石ケン類ジメチルアニリン,ジエチルアニリ
ン,ジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の硬化
促進剤,紫外線吸収剤などを添加してもよい。
樹脂組成物の厚さは、接着力および液漏れの点から1.
5〜5.0mmの範囲が好ましく、またその厚さを2.5〜4.0mm
の範囲とすることにより、安定した品質および生産性が
得られ、特にその厚さを3.0mmとすれば一層効果的であ
る。低温硬化型硬化剤と高温硬化型硬化剤の比率は低温
硬化型硬化剤:高温硬化型硬化剤を重量比で10:1〜1:2
の範囲とすることが、硬化時間及び硬化性の上で好まし
い。
〔作用〕
低温硬化型硬化剤と高温硬化型硬化剤を併用すると、
ラジカル発生量が増加するにもかかわらず、ラジカルが
二段階で発生するため反応は促進され、しかも硬化歪の
発生は抑制されて画面欠陥が生じることがない。
〔実施例〕
以下本発明の実施例を図面を用いて説明する。
第1図は本発明による陰極線管の一実施例を示す要部
断面図である。同図においてパネル1aの内面に蛍光面1
b,この蛍光面1bに対向してシャドウマスク1cおよび電子
銃1dが設けられた陰極線管本体1のフェースプレート部
2の前面には、全周にわたってほぼ一定寸法g(=3.0m
m)の隙間Gを介してガラス板の片面に無反射処理を施
した透明板4が対向配置され、この隙間Gに表1の組成
の樹脂組成物3を充填硬化して透明板4を接着した。
表 1 (1)不飽和ポリエステル 70部 (2)スチレン 20部 (3)フマル酸ジブチル 30部 (4)オクテン酸コバルト 0.025部 (金属分含量6重量%,大日本インキ化学工業製) (5)ハイドロキノン 0.01部 (6)低温硬化型硬化剤 1.0部 〔パーメックN(55%メチルエチルケトンパーオキサイ
ド:日本油脂製)〕 (7)高温硬化型硬化剤 0.5部 〔パーブチルL(t−ブチルパーオキシラウレート:日
本油脂製)〕 表1中の不飽和ポリエステルは、ジエチレングリコー
ル1.05モル、アジピン酸0.5モル、無水フタル酸0.4モ
ル、無水マレイン酸0.1モルを原料として200℃で10時間
反応させ酸価25の不飽和基1個当りの分子量が2237の不
飽和ポリエステルである。
この不飽和ポリエステル70部に対し表1のようにスチ
レン20部,フマル酸ジブチル10部,オクテン酸コバルト
0.025部及びハイドロキノン0.01部を加え溶解した。こ
れに表1のような低温硬化型硬化剤1.0部,高温硬化型
硬化剤0.5部を加え硬化させた。
この実施例の陰極線管は、樹脂組成物3の未反応モノ
マは0.5重量%以下であり、硬化歪によるクラック、剥
れ及び光学的不均質部分の発生もない優れたものであっ
た。
第2図は本発明による陰極線管の製造方法を説明する
ための図であり、第1図と同一部分は同一符号を付して
ある。まず、第2図に示すように陰極線管本体1のフェ
ースプレート部2を上方向に向けてフェースプレート部
2の周縁部にスペーサ5を配置し、さらにこのスペーサ
5上に一定寸法gを介して無反射透明板4をフェースプ
レート部2に対向させて配置する。次にこの無反射透明
板4と陰極線管本体1のパネル1aとをその周面に合成樹
脂材からなるテープ6を巻き付ける。このとき、無反射
透明板4とフェースプレート部2との間に形成される隙
間Gと連絡する注入口7をテープ6の一部に設けてお
く。次にこの陰極線管本体1を30〜60℃の範囲の温度で
予熱させるとともに、前述した表1の組成中、No.1〜4
の接着剤の主成分を約40℃程度に加熱した後No.5〜7の
ものと混合し、充分に攪拌したのち注入口7から前記隙
間Gに充填し、注入口7を密封する。次にこの状態のま
まで70℃の低温度で1時間加熱し、更に昇温させて100
℃の高温度で1時間の加熱を行い、無反射透明板4を陰
極線管本体1に接着する。しかる後、注入口7及びテー
プ6の余剰部分を除去し、第1図に示したような陰極線
管を完成させる。
このような製造方法によれば、不飽和ポリエステル樹
脂を注入して硬化させる製造作業工程を用いて無反射透
明板4をフェースプレート部2面に対して一定の間隔を
介して容易に接着硬化させることができるとともに、接
着液の特性が大きく変化しないため、充分な接着力を得
ることができる。また、この陰極線管の製造で樹脂の反
応を促進させるには従来から硬化剤添加量の増加、もし
くは硬化温度を高くする方法があるが、反応が急速に進
むため樹脂に硬化歪が発生しやすく、それが原因で、す
じや点状の光学的不均質部分が発生したり、クラック、
剥れの原因となったりすることは前述した通りである
が、この実施例のように低温硬化型有機過酸化物と高温
硬化型有機過酸化物を併用し、硬化剤に適した低温及び
高温の二段階で、もしくは低温から徐々に高温加熱する
ことで、反応が促進できるとともに、硬化歪も防ぐこと
ができる。これは不飽和ポリエステル樹脂はラジカル重
合で反応が進むが、ラジカルの発生量が多いほど反応が
速く、従来のように単一の硬化剤の場合はラジカルがあ
る温度でほぼ同時に発生するため硬化歪が生じやすい
が、本発明のように低温、高温型を併用すると、ラジカ
ルが複数段階で発生するため、ラジカル発生量が増加し
ても硬化歪は発生しにくい。また反応時間が増加しても
硬化歪は発生しにくい。また反応時間も短縮することが
できる。さらに、接着強度の点からは、硬化温度は高温
度が望ましく、高温度で硬化させるほど接着力が向上す
る。しかしながら、隙間Gに接着液を注入した後、即時
に高温加熱すると、接着液の対流により硬化むらおよび
増粘が早くなり、注入時にまき込んだ空気の泡が抜けな
いという問題が発生するが、本発明によれば低温で加熱
処理した後、更にそれより高い高温度で加熱処理するた
め、前段の低温度加熱処理で前述した泡が抜け、更に硬
化むらの発生を防止させ、次いで後段の高温度加熱処理
で接着強度を増加させて接着力を向上させる効果もあ
る。
〔発明の効果〕
本発明によれば、低温硬化型及び高温硬化型の両硬化
剤を併用することから、短時間で成形でき、かつ未反応
モノマは残存せず、硬化歪の発生も皆無となり、クラッ
クや剥れの発生、さらには光学的不均質部分の発生も抑
制でき、画面欠陥のない優れた陰極線管を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の陰極線管の一実施例を示す要部断面正
面図、第2図は本発明の陰極線管の製造方法の一実施例
を説明するための要部断面正面図である。 1……陰極線管本体、2……フェースプレート、3……
樹脂組成物、4……透明板、G……隙間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上原 保彦 茂原市早野3300番地 株式会社日立製作 所茂原工場内 (72)発明者 庄子 房次 横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社 日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 須藤 亮一 横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社 日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 岩見 悦司 日立市東町4丁目13番1号 日立化成工 業株式会社山崎工場内 (72)発明者 泉 弘文 日立市東町4丁目13番1号 日立化成工 業株式会社山崎工場内 (56)参考文献 特開 昭61−148264(JP,A) 特開 昭61−142627(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端にフェースプレートを有する管球本体
    と、この管球本体の前記フェースプレート前面に所定の
    間隙を隔てて配置された透明板を有し、不飽和基1個当
    り1000〜8000の分子量を有する不飽和ポリエステル、重
    合性単量体、低温硬化型硬化剤及び高温硬化型硬化剤を
    含み、該低温硬化型硬化剤:高温硬化型硬化剤を重量比
    で10:1〜1:2の範囲内で配合した樹脂組成物で前記管球
    本体と前記透明板とを固着した陰極線管。
  2. 【請求項2】透明板はガラスからなり、かつ少なくとも
    片面に無反射処理が施されている特許請求の範囲第1項
    記載の陰極線管。
  3. 【請求項3】一端にフェースプレートを有する管球本体
    の前記フェースプレート前面に所定の間隙を隔てて無反
    射透明板を仮固定する工程と、不飽和ポリエステル樹脂
    を主剤とし硬化剤として低温硬化型及び高温硬化型の両
    者を含む樹脂組成物を前記間隙に充填する工程と、前記
    充填された樹脂組成物を、後段の加熱温度を前段の加熱
    温度より高温にして加熱し硬化させて前記管球本体と無
    反射透明板とを接着する加熱工程とを具備することを特
    徴とする陰極線管の製造方法。
  4. 【請求項4】前記加熱工程は前段の加熱温度を40℃〜80
    ℃とし後段の加熱温度を90℃〜130℃としたことを特徴
    とする特許請求の範囲第3項記載の陰極線管の製造方
    法。
  5. 【請求項5】前記加熱工程は40℃〜130℃の範囲内で連
    続した昇温条件で加熱することを特徴とする特許請求の
    範囲第3項記載の陰極線管の製造方法。
  6. 【請求項6】前記硬化剤は有機過酸化物であることを特
    徴とする特許請求の範囲第3項記載の陰極線管の製造方
    法。
  7. 【請求項7】前記低温硬化型硬化剤と高温硬化型硬化剤
    は10:1〜1:2の範囲内で配合してなることを特徴とする
    特許請求の範囲第3項記載の陰極線管の製造方法。
  8. 【請求項8】前記不飽和ポリエステル樹脂は不飽和基1
    個当り1000〜8000の分子量を有する不飽和ポリエステル
    を含むことを特徴とする特許請求の範囲第3項記載の陰
    極線管の製造方法。
JP62001618A 1986-12-05 1987-01-09 陰極線管及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2559387B2 (ja)

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