JPH0448805B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0448805B2
JPH0448805B2 JP59167453A JP16745384A JPH0448805B2 JP H0448805 B2 JPH0448805 B2 JP H0448805B2 JP 59167453 A JP59167453 A JP 59167453A JP 16745384 A JP16745384 A JP 16745384A JP H0448805 B2 JPH0448805 B2 JP H0448805B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unsaturated
unsaturated polyester
acid
cathode ray
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP59167453A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6144923A (ja
Inventor
Kazuyuki Tanaka
Etsuji Iwami
Tadashi Fujii
Hirofumi Izumi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP59167453A priority Critical patent/JPS6144923A/ja
Priority to DE198585305284T priority patent/DE171233T1/de
Priority to DE8585305284T priority patent/DE3578705D1/de
Priority to EP85305284A priority patent/EP0171233B1/en
Priority to KR1019850005765A priority patent/KR900000911B1/ko
Publication of JPS6144923A publication Critical patent/JPS6144923A/ja
Publication of JPH0448805B2 publication Critical patent/JPH0448805B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、陰極線管処理用ポリエステル樹脂組
成物に関するものである。 (従来の技術) 陰極線管の内部は、高真空に保たれているので
大気圧により、おしつぶされる破壊、すなわち爆
縮の危険があり、陰極線管には防爆処理が必要で
ある。 この防爆処理の中で前面安全性が高い方式は陰
極線管フエースプレート部に、防爆処理用樹脂組
成物を用い前面ガラスを接着する防爆処理方式で
ある。すなわち、第1図に示すように陰極線管1
のフエースプレート部2に、これと曲率を同じく
するほぼ同じ大きさの前面ガラス3を、微小間隔
離してテープ4によつて包囲保持し、この間隙
に、防爆処理用樹脂組成物5を充填して、防爆形
陰極線管6を形成する方法である。 従来、この防爆処理用樹脂組成物として、エポ
キシ樹脂組成物や不飽和ポリエステル樹脂組成物
が使用されてきたが、それぞれ一長一短があり、
防爆処理用樹脂組成物として、特性および作業性
の両方を満足するものが得られていないのが現状
である。 例えばエポキシ樹脂組成物は接着力が強く、前
面ガラスをフエースプレート部に接着するには都
合が良いが、その性質上、かなりの着色性がある
ことから、例えばカラー陰極線管等のような色彩
を重視されるものにおいては好ましくない。さら
に、カラー陰極線管のように管自体の付加価値の
高いものでは、その回収もまた重視され、エポキ
シ樹脂の場合は、接着力が強いために前面ガラス
を除去する際にフエースプレート部を傷つけ易
く、このガラスを剥離することは不可能に近い。 さらに、エポキシ樹脂組成物は、不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物に比べ粘度が高い為、硬化剤の
混合や、樹脂の注入時ににまき込んだ泡が脱け難
い欠点がある。しかもエポキシ樹脂は硬化剤との
混合直後より粘度が急速に上昇する為、注入可使
時間が非常に短く作業を円滑に行う為には、特別
の混合装置や、注入装置を必要とし作業性も非常
に劣つている。 一方不飽和ポリエステル樹脂組成物において
は、粘度は一般に数ポアズと比較的低く、硬化剤
の混合や、陰極線管フエースプレート部と前面ガ
ラス間への樹脂注入は容易であり、また粘度が低
い為、混合、注入時の泡脱けが良いなどの利点を
有しているものの不飽和ポリエステル樹脂組成物
に対して数%用いる硬化剤の割合が所定の条件と
変わると硬化時の硬化歪が局部的に発生し、この
硬化歪がレンズ効果となり陰極線管を作動させた
場合、画面上に縞模様や輝点となつて現われる。 これらの縞模様や輝点は製品としての価値を損
なうことになるので、硬化剤の混合割合には十分
注意する必要がある。 また、急激な加熱や硬化炉の温度不均一でも硬
化歪は発生するので、温度管理などを十分に行わ
なければならない。 不飽和ポリエステル樹脂組成物は、上記のよう
な製造上の問題点は多いが、粘度が低く泡の脱け
が良いことや、着色が少なく透明性に優れるこ
と、さらにはエポキシ樹脂に比べ接着力は弱いも
のの実用上の使用に対しては充分であり、かつ、
これを回収することも比較的容易に行えることな
どの多くの利点がある。 (発明の目的) 本発明は、このような不飽和ポリエステル樹脂
組成物の利点を生かしつつ、従来技術の欠点を解
消する為になされたものであり、本発明は、低粘
度で、透明性、接着力が良く、しかも硬化時の硬
化歪が発生しない陰極線管処理用不飽和ポリエス
テル樹脂組成物を提供することを目的としてい
る。 (発明の構成) 本発明は、α,β−不飽和二塩基酸および/ま
たはその酸無水物と、必要に応じてその他の多塩
基酸とを含む酸成分と、アルコール成分を反応さ
せて得られる不飽和基1モル当り500〜8000の分
子量を持つ不飽和ポリエステルをスチレンモノマ
ーおよび/またはその誘導体ならびにα,β−不
飽和二塩基酸のモノエステルおよび/またはジエ
ステルに、不飽和ポリエステルの不飽和基のモル
数を(a)、スチレンモノマーおよび/またはその誘
導体の不飽和基のモル数を(b)、α,β−不飽和二
塩基酸のモノエステルおよび/またはジエステル
の不飽和基のモル数を(c)として、(b)/{(a)+(c)}
が1:10〜10:1の範囲で、溶解してなる陰極線
管処理用不飽和エステル樹脂組成物に関する。 本発明における不飽和ポリエステルに用いられ
るα,β−不飽和二塩基酸および/またはその酸
無水物としては、マレイン酸,フマール酸,イタ
コン酸,シトラコン酸,無水マレイン酸などがあ
る。これらは二種以上を併用してもよい。 本発明において必要に応じて用いられるその他
の多塩基酸としては、フタル酸,無水フタル酸,
イソフタル酸,テレフタル酸,トリメリツト酸,
無水トリメリツト酸,こはく酸,アゼライン酸,
アジピン酸,テトラヒドロフタル酸,テトラヒド
ロ無水フタル酸,ヘキサヒドロフタル酸,ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸,エンドメチレンテトラヒド
ロ無水フタル酸,アントラセン−無水マレイン酸
付加物,ロジン−無水マレイン酸付加物,ヘツト
酸,無水ヘツト酸,テトラクロロフタル酸,テト
ラクロロ無水フタル酸等の塩素化多塩基酸,テト
ラブロモフタル酸,テトラブロモ無水フタル酸等
のハロゲン化多塩基酸などがある。これらは二種
以上併用しても良い。 アルコール成分としては、エチレングリコー
ル,ジエチレングリコール,プロピレングリコー
ル,ジプロピレングリコール,1,3−ブタンジ
オール,1,4−ブタンジオール,2,3−ブタ
ンジオール,1,5−ペンタンジオール,1,6
−ヘキサンジオール,トリエチレングリコール,
ネオペンチルグリコール等の二価アルコール,グ
リセリン,トリメチロールプロパン等の三価アル
コール,ペンタエリスリトール等の四価アルコー
ルなどを使用することが出来る。 また前記の各種アルコールの塩素化、臭素化等
のハロゲン化アルコールを使用することも出来
る。 上記の酸成分とアルコール成分を反応させ、不
飽和ポリエステルを得る製造法は、主に縮合反応
を進めることにより行われ、両成分が反応する際
に生ずる水のような低分子を系外へ脱離させるこ
とにより進行する。 この反応を行う反応装置は、ガラス,ステンレ
ス等の酸成分に対し、不活性なものが選ばれ、撹
拌装置、水とアルコール成分の共沸によるアルコ
ール成分の溜出を防ぐ為の分溜装置、反応系の温
度を高める加熱装置、この加熱装置の温度制御回
路、さらには窒素ガスなどの吹き込み装置を備え
た反応装置を用いることが好ましい。 反応条件は、反応速度が十分大きい150℃以上
の温度で行うことが好ましい。高温における酸化
反応による着色を防止するためには、160℃〜210
℃の範囲がより好ましい。 また、高温における酸化による副反応を防止す
るためには、窒素、二酸化炭素などの不活性気体
を通気しながら合成を行うことが好ましい。 反応は酸成分およびアルコール成分を混合した
系を加熱して行き、生成する縮合水などの低分子
化合物を系外に除き進められるが、これは好まし
くは不活性気体を通じることによる自然溜出、ま
たは減圧溜出によつて行われる。また溜出さるべ
き低分子化合物が高沸点の場合は高真空が必要で
ある。 さらに、縮合水などの低分子化合物の溜出を促
進する為、トルエンやキシレンなどの溶剤を共沸
成分として系中へ添加し、自然溜出を行うことも
出来る。 反応の進行は、一般に反応により生成する溜出
分量の測定、末端の官能基の定量、反応系の粘度
の測定などにより知ることが出来る。 本発明において用いる不飽和ポリエステルは、
不飽和基1モル当り500〜8000の分子量を有する
ものであり、不飽和基1モル当り1000〜4000の分
子量の範囲のものが好ましい。 このような不飽和ポリエステルは材料の配合比
を調整することによつて公知の方法で製造するこ
とができる。 不飽和ポリエステルの不飽和基1モル当りの分
子量が500より小さい場合には、樹脂硬化物の架
橋密度が高くなり、その為、樹脂の収縮率が大き
くなり、また樹脂硬化物が軟質でなくなり、前面
ガラスや陰極線管フエースプレート部との剥離不
良の原因となる。 不飽和ポリエステルの不飽和基1モル当りの分
子量が8000を越える場合には、樹脂硬化の際の橋
かけが十分に起こらず、その為、ビニルモノマー
のみの共重合が起こり硬化樹脂が白濁し、陰極線
管用として使用することが出来ない。 また、橋かけが十分起こらない為、高温多湿下
(85℃,90%,R.H.)の条件において前面ガラス
または陰極線管フエースプレート部との接着力の
低下をまねき、剥離の原因となる。 本発明においてスチレンおよび/またはその誘
導体としては、スチレン,p/メチルスチレン,
ジビニルベンゼン,クロロスチレンなどを使用す
ることが出来る。これらは単独であるいは併用し
て用いることが出来る。 本発明において、α,β−不飽和二塩基酸のモ
ノエステルおよび/またはジエステルとしては、
フマール酸モノメチル,フマール酸ジメチル,マ
レイン酸モノメチル,マレイン酸ジメチル,フマ
ール酸モノエチル,フマール酸ジエチル,マレイ
ン酸モノエチル,マレイン酸ジエチル,フマール
酸モノプロピル,フマール酸ジプロピル,マレイ
ン酸モノプロピル,マレイン酸ジプロピル,フマ
ール酸モノブチル,フマール酸ジブチル,フマー
ル酸モノオクチル,フマール酸ジオクチル,イタ
コン酸モノメチル,イタコン酸ジメチル,イタコ
ン酸ジエチル,イタコン酸モノエチル,イタコン
酸モノブチル,イタコン酸ジブチル,イタコン酸
モノプロピル,イタコン酸ジプロピルなどの各種
エステルを使用することが出来る。 これらのエステル類は単独であるいは併用して
用いることが出来る。 本発明においては、不飽和ポリエステルの不飽
和基のモル数を(a),スチレンモノマーおよび/ま
たはその誘導体の不飽和基のモル数を(b),α,β
−不飽和二塩基酸のモノエステルおよび/または
ジエステルの不飽和基のモル数を(c)とするとき、
(b)/{(a)+(c)}が1:10〜10:1の割合で不飽和
ポリエステル,スチレンモノマーおよび/または
その誘導体ならびにα,β−不飽和二塩基酸モノ
エステルおよび/またはジエステルが用いられる
が、(b)/{(a)+(c)}が1:2〜5:1の範囲が好
ましい。 (b)/{(a)+(c)}の比率が10:1より大きい場合
には、不飽和ポリエステル樹脂組成物を硬化させ
る際、硬化剤の混合割合が所定の条件と変つた
り、硬化時の硬化炉の温度の不均一や、硬化剤の
入つた不飽和ポリエステル樹脂組成物の温度と注
入される陰極線管と前面ガラスセツトの温度の差
により、容易に硬化歪を起こし、画面上に縞模様
や輝点が現われ、商品価格を損うことになる。 一方(b)/{(a)+(c)}の比率が1:10より小さい
場合には、低粘度のスチレンモノマーおよび/ま
たはその誘導体による粘度低下の効果が無くな
り、不飽和ポリエステル樹脂組成物の注入作業が
非常にやり難くなり、硬化剤の混合時や注入時の
泡脱けが悪くなるなどの作業性低下をまねく。 本発明においては、不飽和ポリエステルをスチ
レンモノマーおよび/またはその誘導体ならびに
α,β−不飽和二塩基酸のモノエステルおよび/
またはジエステルの混合物に溶解しても良いが、
あらかじめ不飽和ポリエステルをスチレンモノマ
ーおよび/またはその誘導体に溶解し、さらに
α,β−不飽和二塩基酸のモノエステルおよび/
またはジエステルを加えても良い。また逆に不飽
和ポリエステルをα,β−不飽和二塩基酸のモノ
エステルおよび/またはジエステルに溶解し、さ
らにスチレンおよび/またはその誘導体を加えて
も良い。 このようにして調整された不飽和ポリエステル
樹脂組成物は、必要に応じハイドロキノン,ピロ
カテコール,2,6−ジ−ターシヤリーブチルパ
ラクレゾール等の重合禁止剤を加えた上で、メチ
ルエチルケトンパーオキサイド,ベンゾイルパー
オキサイド,クメンハイドロパーオキサイド,ラ
ウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物触媒な
どにより硬化することが出来る。 また、これらの有機過酸化物触媒は、ナフテン
酸コバルト,オクテン酸コバルト等の金属石けん
類,ジメチルベンジルアンモニウムクロライド等
の第四級アンモニウム塩,アセチルアセトンなど
のβ−ジケトン類,ジメチルアニリン,N−エチ
ル−メタトルイジン,トリエタノールアミン等の
アミン類などの硬化促進剤と組み合わせて用いる
ことが出来る。 また、本発明に用いられる不飽和ポリエステル
樹脂組成物は、光重合開始剤として、例えば、ジ
フエニルジスルフイド,ベンゾイン,ベンゾイン
メチルエーテル,ベンゾインエチルエーテル,ベ
ンゾイン−n−プロピルエーテル,ベンゾインイ
ソプロピルエーテル,ベンゾインsec−ブチルエ
ーテル,ベンゾイン−2−ペンチルエーテル,ベ
ンゾインシクロヘキシルエーテル,ジメチルベン
ジルケタール等を使用し、光硬化させることも出
来る。 上記の有機過酸化物と、これらの光重合開始剤
を併用しても良い。 本発明になる不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、テレビのブラウン管、コンピユータ用デイス
プレイ管等の陰極線管の前面ガラスとフエースプ
レート部の間に注入されて硬化される。 (実施例) 以下実施例により本発明を説明する。 部とあるのは重量部を示す。 実施例 1,2 撹拌棒,コンデンサー,窒素ガス導入管,温度
計を取り付けた3の四つ口フラスコに、 ジエチレングリコール 1166部 アジピン酸 584部 無水フタル酸 740部 フマール酸 116部 を仕込み、窒素ガスをゆつくり流しながら、マン
トルヒータを用い、1.5時間で温度を150℃に上げ
た。さらに、4時間かけ温度を200℃に昇温し、
その温度で保温した。約10時間で酸価34の不飽和
ポリエステル(A)を得た。さらに温度を100℃に下
げ、重合禁止剤としてハイドロキノン1部を加え
た後、ステンレス製のバツト上へ、この不飽和ポ
リエステル(A)を流し出し、室温まで放置し冷却し
た。この得られた不飽和ポリエステル(A)は、不飽
和基1モル当り2440の分子量であつた。 この不飽和ポリエステルを表1に示す配合に従
い、スチレン及びジブチルフマレートの混合液に
溶解した。 得られた不飽和ポリエステル樹脂組成物200部
にオクテン酸コバルト(金属分含量6重量%,大
日本インキ化学工業製)0.05部およびメチルエチ
ルケトンパーオキサイド(日本油脂社製)2部を
添加した。 一方、厚さ3mm×250mm×250mmの透明な平板ガ
ラス上に、厚さ3mm×250mm×250mmのシリコン板
の内部を周囲を残して、カミソリで240mm×240mm
の大きさでくり抜き、残つた周囲の一箇所にスリ
ツトを設けたシリコーン板をスペーサーとして置
いた。このスペーサーの上に厚さ3mm×250mm×
250mmの透明な平板ガラスを置き、止め具でガラ
ス板とガラス板とを止め、注型治具を得た。この
注型治具の間のスペーサーのスリツト注入口より
上記の不飽和ポリエステル樹脂組成物を注入し
た。 その後80℃の電気乾燥器内に、30分間放置し樹
脂を硬化して不飽和ポリエステル樹脂注型板を得
た。 このようにして得られた注型板の特性を表1に
示す。 比較例1,2として実施例1,2の上記の不飽
和ポリエステル(A)を用いて表1の配合の組成物を
作り同様にして注型板の特性を調べた。 実施例1,2は硬化時の硬化歪も無く、縞模様
や輝点は認められなかつた。しかしながら、比較
例1,2においては、縞模様や輝点が認められ
た。
【表】 表1において、硬化歪は目視により観察し、縞
模様の有無、輝点の数を数えた(表2も同様)。
剥離についても目視により観察し、その有無、生
じた面積で示した。 接着力は、二枚の20mm×15mm×3mmのガラス板
を接着面が15mm×15mmとなるようにずらしてこの
不飽和ポリエステル樹脂組成物で接着し(硬化条
件,メチルエチルケトンパーオキサイド1重量
%,80℃で5時間硬化),両側をスペーサーでは
さみ上下から圧縮荷重を加えて、接着面が破壊さ
れたときのせん断力を接着面積で除した値で示し
た。 実施例 3,4,5 実施例1と同じ装置を付けた3の四つ口フラ
スコに、 ジプロピレングリコール 1474部 アジピン酸 1241部 無水マレイン酸 147部 を仕込み、窒素ガスをゆつくり流しながらマント
ルヒータを用い、1時間で温度を150℃に上げた。
さらに、4時間かけ温度を200℃に昇温し、その
温度で保温した。その後約12時間で酸価25の不飽
和ポリエステル(B)を得た。 さらに温度を100℃に下げ、重合禁止剤として
ハイドロキノン0.5部を加えた後ステンレスのバ
ツトへこの不飽和ポリエステル(B)を流し出し、室
温まで放置し、冷却した。 この得られた不飽和ポリエステル(B)は、不飽和
基1モル当り1710の分子量であつた。 この不飽和ポリエステルを表2に示す配合に従
い、スチレン及びジブチルフマレートの混合液に
溶解した。 不飽和ポリエステル樹脂組成物を実施例1,2
と同様に、硬化させ得られた注型板の特性を表2
に示す。 実施例3,4,5において硬化歪は認められな
かつた。
【表】 実施例 6 実施例1と同じ装置を付けた3の四つ口フラ
スコに ジエチレングリコール 1166部 エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸(日
立化成社製,商品名無水ハイミツク酸) 1509部 フマール酸 93部 を仕込み、同様にして昇温して、ついで200℃に
保温後8時間で酸価24の不飽和ポリエステル(C)を
得た。この不飽和ポリエステルの材料の配合比か
ら不飽和基1モル当りの分子量は約3240であつ
た。 この不飽和ポリエステル(C)を120℃まで冷却し、
この2000部を、スチレン400部、ジブチルフマレ
ート400部、ハイドロキノン1.5部を混合した溶液
に溶解した。 得られた不飽和ポリエステル樹脂組成物に、オ
クテン酸コバルト0.05部、メチルエチルケトンパ
ーオキサイド1.5部を添加、混合し、これを第1
図に示す構造の20インチ陰極線管に前面ガラスが
装着され60℃に予熱された未防爆陰極線管のフエ
ースプレート部と、前面ガラスの間の3mmのすき
まに陰極線管の側面にはられたテープに設けた穴
を通して注入した。樹脂組成物の注入後、陰極線
管を60℃の電気乾燥器内に1時間放置し、樹脂を
硬化させた。 乾燥器より取り出し室温まで冷却後、陰極線管
を作動させたところ、硬化歪による縞模様、輝点
は認められず、剥離も無かつた。 150℃で48時間この処理された陰極線管を放置
し、その後、これを作動させた場合も硬化歪や剥
離は無く、85℃、90%R.H.の環境下に72時間放
置したのちでも硬化歪や剥離は無かつた。 実施例 7 実施例6で用いたオクテン酸コバルト、メチル
エチルケトンを添加、混合した不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物を実施例6と同様にして室温の未防
爆陰極線管に注入し、ついで80℃の電気乾燥器内
に2時間放置し、樹脂を硬化させた。 乾燥器より取り出し、室温まで冷却後、陰極線
管を作動させたところ硬化歪は認められなかつ
た。 比較例 3 実施例1と同じ装置を付けた3の四つ口フラ
スコに プロピレングリコール 836部 無水フタル酸 740部 無水マレイン酸 490部 を仕込み、窒素ガスをゆつくり流しながらマント
ルヒータを用い、1時間で温度を160℃に上げた。
さらに4時間かけ温度を200℃に昇温し、その温
度で保温した。約10時間で酸価25の不飽和ポリエ
ステル(D)を得た。この得られた不飽和ポリエステ
ル(D)は、不飽和基1モル当り380の分子量であつ
た。この不飽和ポリエステル(D)に重合禁止剤とし
てハイドロキノン1部を加えた後、ステンレス製
のバツト上へ流し出し、室温まで放置し、冷却し
た。 これを表3に示す配合に従いスチレン及びジブ
チルフマレートの混合液に溶解した。得られた不
飽和ポリエステル樹脂組成物200部にオクテン酸
コバルト0.05部及びメチルエチルケトンパーオキ
サイド2部を添加した。 そして、実施例1と同様の方法で、実施例1で
用いた注型治具に実施例1と同様にして注入し、
硬化させた。このようにして得られた注型板の特
性を表3に示す。注型板が、ガラス板から剥離し
ていた。
【表】 比較例 4 実施例1と同じ装置を付けた3の四つ口フラ
スコに ジエチレングリコール 1166部 アジピン酸 1431部 無水マレイン酸 20部 を仕込み、実施例1と同様の条件で不飽和ポリエ
ステルを合成し酸価15の不飽和ポリエステル(E)を
得た。不飽和ポリエステル(E)の二重結合当たりの
分子量は11300であつた。実施例1と同様にハイ
ドロキノン1部を加え、室温まで冷却したのち表
4に示す配合で不飽和ポリエステル樹脂組成物を
得た。この不飽和ポリエステル樹脂組成物を用い
て実施例1と同様にして注型板を作成し、その特
性を表4に示す。この例においては不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物の硬化歪が生じ、縞模様及び輝
点が認められた。
【表】 (発明の効果) 本発明になる不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、従来の不飽和ポリエステル樹脂組成物で発生
する硬化時の硬化歪を格段に減少させることがで
き、しかもクラツクを生ぜず、またガラス板との
接着性に優れ、剥離を生じないという利点を有し
ている。 本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、陰
極線管処理用の注型樹脂組成物として好適なもの
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は防爆形陰極線管の断面略図である。 符号の説明、1……陰極線管、2……フエース
プレート部、3……前面ガラス、4……テープ、
5……防爆処理用樹脂組成物、6……防爆形陰極
線管。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 α,β−不飽和二塩基酸および/またはその
    酸無水物と、必要に応じてその他の多塩基酸とを
    含む酸成分とアルコール成分を反応させて得られ
    る不飽和基1モル当り500〜8000の分子量を持つ
    不飽和ポリエステルをスチレンモノマーおよび/
    またはその誘導体ならびにα,β−不飽和二塩基
    酸のモノエステルおよび/またはジエステルに、
    不飽和ポリエステルの不飽和基のモル数を(a)、ス
    チレンモノマーおよび/またはその誘導体の不飽
    和基のモル数を(b)、α,β−不飽和二塩基酸のモ
    ノエステルおよび/またはジエステルの不飽和基
    のモル数を(c)として、(b)/{(a)+(c)}が1:10〜
    10:1の範囲で、溶解してなる陰極線管処理用不
    飽和ポリエステル樹脂組成物。
JP59167453A 1984-08-10 1984-08-10 陰極線管防爆処理用不飽和ポリエステル樹脂組成物 Granted JPS6144923A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59167453A JPS6144923A (ja) 1984-08-10 1984-08-10 陰極線管防爆処理用不飽和ポリエステル樹脂組成物
DE198585305284T DE171233T1 (de) 1984-08-10 1985-07-24 Ungesaettigte polyesterharzzusammensetzung fuer die behandlung von kathodenstrahlroehren.
DE8585305284T DE3578705D1 (de) 1984-08-10 1985-07-24 Ungesaettigte polyesterharzzusammensetzung fuer die behandlung von kathodenstrahlroehren.
EP85305284A EP0171233B1 (en) 1984-08-10 1985-07-24 Unsaturated polyester resin composition for treating cathode-ray tube
KR1019850005765A KR900000911B1 (ko) 1984-08-10 1985-08-09 음극선관 처리용 불포화 폴리에스테르 수지 조성물

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59167453A JPS6144923A (ja) 1984-08-10 1984-08-10 陰極線管防爆処理用不飽和ポリエステル樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6144923A JPS6144923A (ja) 1986-03-04
JPH0448805B2 true JPH0448805B2 (ja) 1992-08-07

Family

ID=15849968

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP59167453A Granted JPS6144923A (ja) 1984-08-10 1984-08-10 陰極線管防爆処理用不飽和ポリエステル樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6144923A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0746571B2 (ja) * 1986-04-25 1995-05-17 株式会社日立製作所 陰極線管
JPH0746572B2 (ja) * 1986-04-25 1995-05-17 株式会社日立製作所 陰極線管
JPS63142013A (ja) * 1986-12-05 1988-06-14 Hitachi Chem Co Ltd 陰極線管処理用不飽和ポリエステル樹脂組成物

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57143322A (en) * 1981-03-02 1982-09-04 Mitsui Toatsu Chem Inc Unsaturated polyester resin
JPS58138766A (ja) * 1982-02-10 1983-08-17 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The ガラス用の光硬化型接着剤組成物

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57143322A (en) * 1981-03-02 1982-09-04 Mitsui Toatsu Chem Inc Unsaturated polyester resin
JPS58138766A (ja) * 1982-02-10 1983-08-17 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The ガラス用の光硬化型接着剤組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6144923A (ja) 1986-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0189315B1 (en) Unsaturated polyester resin composition for treating cathode-ray tubes
US3876726A (en) Vinyl ester urethanes
EP0069363B1 (en) Use of a coating material for optical glass fibers
JPH0448805B2 (ja)
JPH0569123B2 (ja)
EP0171233B1 (en) Unsaturated polyester resin composition for treating cathode-ray tube
JPH0569122B2 (ja)
JPH0569124B2 (ja)
JPH01247455A (ja) 陰極線管処理用不飽和ポリエステル樹脂組成物
JPH0568486B2 (ja)
EP0383118A2 (de) Verfahren zur Herstellung von Kunststoffen einschliesslich Flächengebilden
US4866338A (en) Unsaturated polyester resin composition for cathode ray tube and its use
JPS63142013A (ja) 陰極線管処理用不飽和ポリエステル樹脂組成物
JPS6360048B2 (ja)
JPS63142014A (ja) 陰極線管処理用の不飽和ポリエステル樹脂組成物
JPS60243114A (ja) 硬化型樹脂組成物
JPS63170837A (ja) 陰極線管
JP3538481B2 (ja) 不飽和ポリエステルおよびその製造方法、ならびに不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP2559387B2 (ja) 陰極線管及びその製造方法
EP0506417B1 (en) High-molecular unsaturated polyester resin
JP3467884B2 (ja) 硬化性の優れたオリゴマー、該オリゴマーの製造方法、該オリゴマーを用いた硬化性樹脂組成物、及び該組成物を硬化して得られる硬化物
EP0708157A2 (de) Emissionsarmes Gelcoat-Polyesterharz
JPS6360047B2 (ja)
KR20190140351A (ko) Uv 임프린팅 재료, 그 제조 방법, 그 재료를 포함하는 uv 임프린팅 강화 유리, 및 그 제조 방법
JPH0693174A (ja) 低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物