JPH0693174A - 低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物

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JPH0693174A
JPH0693174A JP24527192A JP24527192A JPH0693174A JP H0693174 A JPH0693174 A JP H0693174A JP 24527192 A JP24527192 A JP 24527192A JP 24527192 A JP24527192 A JP 24527192A JP H0693174 A JPH0693174 A JP H0693174A
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JP
Japan
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polyester resin
acid
unsaturated polyester
saturated
unsaturated
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JP24527192A
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English (en)
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Masahiro Akimoto
雅裕 秋元
Masayo Yamamoto
雅世 山本
Yoko Furuta
洋子 古田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】A:テレフタル酸および/またはイソフタル酸
と、無水マレイン酸、マレイン酸およびフマル酸から選
ばれる1種以上の不飽和酸とを含む酸成分と2価アルコ
ール成分からなる、不飽和ポリエステル樹脂60〜99
重量% B:次式 (Rは炭素数3以下のアルキレン基、x,yは1以上の
整数、x+yの平均値が2〜7)の芳香族ジオール1〜
30モル%と、飽和脂肪族ジオール、飽和2価カルボン
酸を共重合して得られる飽和共重合ポリエステル樹脂1
〜40重量%からなる樹脂配合物 C:不飽和ポリエステル樹脂と共重合し得る不飽和単量
体をA、B、Cの重量比が0.75≦(A+B)/C≦
0.85に配合する。 【効果】低収縮性に優れ、機械的強度の低下もなく、溶
解性、溶液安定性、混合物安定性、表面平滑性、寸法安
定性、色むら等の特性のバランスが良好な硬化物が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低収縮性にすぐれると
共に表面平滑性、寸法安定性にすぐれ、しかも強度的に
もすぐれた不飽和ポリエステル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に不飽和ポリエステル樹脂は硬化の
際に10〜15%の体積収縮を示し、このため成型品に
そり、波うち、クラックなどの現象を生じ、また充填
物、ガラス繊維などの浮きだしと言った欠陥を生じる原
因となっている。このような硬化時の大きな収縮のた
め、寸法精度を要求される成型品を作ることがきわめて
困難となっていた。
【0003】これらの欠点を改良するため、不飽和ポリ
エステル樹脂に熱可塑性樹脂を添加する方法が提案され
た(特開昭48−21787号公報)。また、特開昭4
8−982号公報、特開昭51−45194号公報記載
のごとく、熱可塑性樹脂として常温で柔らかい樹脂(エ
ラストマー)やゴムなどを選択する方法も提案されてい
る。
【0004】また、特公昭52−7468号、特開昭5
4−124092号公報記載のごとく、不飽和ポリエス
テル樹脂と相溶性のある飽和ポリエステル樹脂を低収縮
性付与剤として用いる試みもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】不飽和ポリエステル樹
脂の硬化の際の10〜15%の体積収縮を防ぐための方
法として提案された特開昭48−21787号公報記載
の、不飽和ポリエステル樹脂に熱可塑性樹脂を添加する
方法では、低収縮効果の大きな熱可塑性樹脂は一般に固
く、これらの熱可塑性樹脂を混入した場合、硬化前は不
飽和ポリエステル樹脂組成物中に溶解している場合で
も、硬化後は不飽和ポリエステル樹脂組成物中に島状に
析出した構造を持ち脆くなるという欠点がある。この脆
さを補うため熱可塑性樹脂として常温で柔らかい樹脂
(エラストマー)やゴムなどを選択する方法(特開昭4
8−982号公報、特開昭51−45194号公報)で
は、十分な低収縮性を与えるには多量の樹脂やゴムを混
入させることが必要となり、硬化物の脆さが改良されて
フレキシブルになる反面、価格の上昇や曲げ強さなどの
機械的強さが低下する点が問題となる。
【0006】また、不飽和ポリエステル樹脂と相溶性の
ある飽和ポリエステル樹脂を低収縮付与剤として用いる
場合(特公昭52−7468号公報)は、長鎖脂肪族カ
ルボン酸の共重合量が比較的多いため不飽和ポリエステ
ル樹脂−不飽和単量体への相溶性が十分ではなく、溶液
安定性が悪く、硬化物の表面に色むらが発生するなどの
問題点がある。さらに、特開昭54−124092号公
報記載のごとく、1価アルコールを共重合した飽和ポリ
エステル樹脂を低収縮化剤として用いる場合も、低収縮
効果、機械的強度の保持が十分でなく、改善が望まれて
いた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、不飽和ポ
リエステル樹脂に飽和共重合ポリエステルを添加するこ
とにより不飽和ポリエステル樹脂の硬化の際の体積収縮
を防止し、寸法安定性、表面平滑性に優れ、色むらが少
なくかつ機械的強度の低下のない不飽和ポリエステル樹
脂組成物を提供することを目的として、鋭意検討した結
果、ビスフェノールA骨格を持つ芳香族ジオールを共重
合した飽和共重合ポリエステルを不飽和ポリエステル樹
脂の低収縮化剤として用いることにより、不飽和ポリエ
ステル樹脂の硬化時の収縮を小さくするとともに表面平
滑性、寸法安定性に優れ、強度的にも優れた不飽和ポリ
エステル樹脂が得られることを発見し、本発明を完成す
るに至った。
【0008】すなわち、本発明は、 A:テレフタル酸および/またはイソフタル酸と、無水
マレイン酸、マレイン酸およびフマル酸から選ばれる1
種以上の不飽和酸とを含む酸成分と2価アルコール成分
からなる不飽和ポリエステル樹脂60〜99重量%およ
び B:前記、式(1)で表される芳香族ジオールを1〜3
0モル%と、飽和脂肪族ジオール、飽和2価カルボン酸
を共重合して得られる飽和共重合ポリエステル樹脂1〜
40重量%からなる樹脂配合物に対し、 C:不飽和ポリエステル樹脂と共重合し得る不飽和単量
体をA、B、Cの重量比が0.75≦(A+B)/C≦
0.85になるように配合することを特徴とする低収縮
性不飽和ポリエステル樹脂組成物である。
【0009】ここでB成分としての飽和共重合ポリエス
テル樹脂は、一定比率の芳香族ジオールを含むために、
低収縮性を示す。不飽和ポリエステル樹脂−不飽和単量
体溶液への相溶性がきわめて高いために溶液安定性に優
れ、また、硬化時の相分離の際の熱膨張むらが少ないた
め、色むらが少なく、表面平滑性に優れる。さらにビス
フェノール骨格を有するため衝撃強さも向上する。
【0010】本発明においてA成分として使用される不
飽和ポリエステル樹脂は通常の不飽和ポリエステル樹脂
であり、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル
酸、ハロゲン化無水マレイン酸などのα、β−不飽和二
塩基酸、必要に応じてフタル酸、無水フタル酸、ハロゲ
ン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テト
ラヒドロ無水フタル酸、コハク酸、アジピン酸などの飽
和二塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、水添ビスフェノールA、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,4−ブチレングリコール、ビスフェノールAと
プロピレンオキサイドまたはエチレンオキサイドの付加
物などのグリコール成分を反応させて得られる。
【0011】この場合、不飽和ポリエステル樹脂の、重
量平均分子量は2000〜5000以下が望ましい。5
000を越えると、不飽和ポリエステル樹脂の反応性が
低下し、硬化物の強度が低下する。
【0012】ここで、本発明において重量平均分子量は
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
よって測定した値から算出した。また本発明でいう重量
平均分子量は、以下に述べるGPC条件で測定したもの
であり、その数値は標準ポリスチレン換算のまま使用し
ている。
【0013】測定条件は、温度40℃で溶媒としてテト
ラヒドロフランを毎分1mlの流速で流し、試料濃度
0.5wt/vol%のテトラヒドロフランの試料溶液
を0.2ml注入して測定する。なお、カラムとして
は、1000〜200000の分子量領域を適確に測定
するために、市販のポリスチレンゲルカラムを複数本組
み合わせて用いるのが好ましい。例えば、waters
社製のμ−styragel1000、10000、1
00000の組合せや昭和電工社製のshodexA、
803、804、805の組合せが良い。試料の分子量
測定に当たっては、試料の有する分子量分布を、数種の
単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の
対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成
用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、東ソー社
製の分子量が600、2100、4000、1750
0、51000、110000、390000のものを
用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を
用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折
率)検出器を用いる。
【0014】また、本発明では、不飽和ポリエステル樹
脂は、樹脂配合物中60〜99重量%が用いられる。3
0重量%未満では、硬化物の強度が得られず、99重量
%を越えると硬化収縮率が大きくなる。望ましくは、7
5〜90重量%を用いるのが好ましい。
【0015】本発明においてB成分として使用される飽
和共重合ポリエステル樹脂を構成する芳香族ジオール
は、前記、式(1)で表される化合物が用いられ、例と
しては、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロ
ピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシプロピレン(6.0)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン
(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシ
プロピレン(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンな
どが挙げられる。これらを、単独もしくは複数を組み合
わせて用いることが出来る。特に、ポリオキシエチレン
(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキ
シエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6.0)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
ポリオキシプロピレン(2.0)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
【0016】また、全構成成分中に占める芳香族グリコ
ールの比率は、ポリエステル樹脂の性能に大きく影響す
る。本発明においては、この比率が1〜30モル%であ
ることが必要である。1モル%未満では、十分な低収縮
効果、強度保持効果が得られず、30モル%を越える
と、ポリエステル重合の際の反応性が低下するだけでな
く、得られたポリエステルの溶解性が低下するなどの問
題がある。さらに、低収縮性、強度保持の点から、10
〜30モル%を用いるのがより好ましい。
【0017】本発明においてB成分として使用される飽
和共重合ポリエステル樹脂を構成する飽和脂肪族ジオー
ルとしては、分子量400以下のものが用いられる。例
えば、エチレングリコール、ブタンジオール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレン
グリコール、ネオペンチルグリコールなどがある。特
に、エチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチ
ルグリコールが好ましい。
【0018】また、本発明においてB成分として使用さ
れる飽和共重合ポリエステル樹脂を構成する飽和ジカル
ボン酸としては、分子量500以下の芳香族ジカルボン
酸、脂肪族ジカルボン酸が使用され、フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、ダイマー酸、およびその無水物、低級アルキルエ
ステル体などが挙げられる。特にイソフタル酸、テレフ
タル酸、セバシン酸、ダイマー酸などが好ましい。
【0019】本発明においてB成分として使用される飽
和共重合ポリエステル樹脂は、通常のポリエステル合成
法、すなわち酸成分とアルコール成分をエステル化反
応、またはエステル交換反応させた後、低沸点のジオー
ルを真空下または窒素気流下で系外へ除去することによ
って重縮合を行う。このエステル化またはエステル交換
反応の時必要に応じて硫酸、チタンブトキサイド、ジブ
チルスズオキサイド、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン
などの通常のエステル化触媒またはエステル交換触媒を
用い、重合に際しては、通常公知の重合触媒例えば、チ
タンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸ス
ズ、酢酸亜鉛、2硫化スズ、3酸価アンチモン、2酸価
ゲルマニウムなどを使用することが出来る。
【0020】また、重合温度、触媒量については特に限
定されるものではなく、必要に応じて任意に設定すれば
よい。
【0021】本発明においては、飽和共重合ポリエステ
ルは、1〜40重量%配合される必要がある。1重量%
未満では、低収縮効果が得られず、40重量%を越える
と、不飽和ポリエステル樹脂の硬化性が悪化し、強度の
低下を招く。十分な低収縮効果と、不飽和ポリエステル
樹脂の良好な硬化性を得るためには、好ましくは、10
〜25重量%用いるのが好ましい。
【0022】また、本発明において(C)成分として使
用される不飽和単量体は、前記不飽和ポリエステル樹脂
と共重合しうるものであれば何ら制限されるものでな
く、スチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、ジビ
ニルベンゼン、ジアリルフタレート、メタクリル酸アル
キルエステルなどが単独または混合物で使用できる。好
ましくは、スチレンを単独またはその他の不飽和単量体
と混合して用いる。
【0023】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は
前記(A)〜(C)成分を必須構成成分とするものであ
って、その使用割合はそれぞれの用途や要求される性能
などに応じて適宜変えられるが、A、B、Cの配合重量
比は、0.75≦(A+B)/C≦0.85の関係を満
たす必要がある。
【0024】C成分の配合比が0.75未満では、低収
縮性が得られず、硬化物が脆くなり、強度が得られな
い。また、0.85を越えると、樹脂組成物の粘度が上
昇し、取扱いが困難になるだけでなく、硬化物の強度の
低下が見られる。
【0025】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物を
硬化させるには公知の硬化剤、例えばメチルエチルケト
ンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサ
イド、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイ
ルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオ
キサイド、カプリリルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、アセチ
ルパーオキサイド、ヒドロキシブチルパーオキサイド,
t−ブチルハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノン
パーオキサイドなどの有機過酸化物が用いられる。
【0026】また、本発明の不飽和ポリエステル樹脂の
硬化には、前記硬化剤の他に公知の硬化促進剤(触媒)
を併用することもでき、ナフテン酸コバルト、オクテン
酸コバルトなどの有機金属塩脂肪族アミン類、芳香族ア
ミン類などを用いることが出来る。
【0027】本発明になる低収縮不飽和ポリエステル樹
脂は必要に応じて酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチ
レン樹脂など従来知られている熱可塑性樹脂や、これら
の溶液を併用してもよい。また、必要に応じて炭酸カル
シウム、水酸化アルミニウムなどの充填剤、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの離型剤、水酸化
マグネシウム、酸化マグネシウムなどの増粘剤、ガラス
繊維、炭素繊維などの繊維強化剤、チタン白、カーボン
などの着色剤などを含有してもよい。
【0028】また本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成
物はそのままでも種々の用途に使用できるが、それぞれ
の目的に応じて砂利、硅砂などを混合することによりレ
ジンコンクリート、レジンモルタルとして使用され、ま
たガラス繊維、アスベスト、炭酸カルシウム、クレー、
酸化マグネシウムなどと組み合わせてBMCやSMCと
しても使用される。さらに、ハンドレイアップ法、プリ
フオームマッチドメタルダイ法などによって製造される
FRPの樹脂成分などとして用いることが出来る。
【0029】
【実施例】本発明を実施例および比較例によって説明す
る。
【0030】(1)不飽和ポリエステル樹脂(表1の樹
脂A〜F)の合成方法 不飽和ポリエステル樹脂(A)の製造:一般に使用され
ているエステル化法により次のようにして合成された。
【0031】温度計、窒素ガス導入管、精留塔および撹
拌装置を備えた2lの四つ口フラスコに無水マレイン酸
0.5モル、テレフタル酸0.1モル、イソフタル酸
0.4モル、プロピレングリコール1.2モルを仕込
み、窒素気流下で加熱を開始し、徐々に昇温させながら
反応を行う。この時、精留塔頭部の温度が100℃前後
になるように外部から温度を調節する。留出してくる水
は冷却器を通ってメスシリンダーに捕集、計量されるこ
とで反応の進行度の目安とする。反応開始後4時間で内
温が220℃となった後、さらに30分反応させ、減圧
ポンプに連結し、10Torrで減圧処理をし、未反応
物または低沸点生成物を除去、反応させる。次に窒素ガ
スで常圧に戻した。その後内温を100℃に下げ、ハイ
ドロキノンを加え、さらにターシャリーブチルカテコー
ルを40ppm含むスチレンモノマーを加え溶解し濃度
を調整する。この不飽和ポリエステル樹脂は2lの三角
フラスコに入れ冷暗所に保存する。
【0032】本発明の実施例において使用した不飽和ポ
リエステル樹脂は、いずれも上記の方法に準じ合成した
物で、樹脂A〜Fの組成内容を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】(2)飽和共重合ポリエステル樹脂の製造
方法 飽和共重合ポリエステル樹脂(1)の製造例:2価カル
ボン酸として、テレフタル酸0.4モル、イソフタル酸
0.6モル、芳香族ジオールとしてポリオキシプロピレ
ン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン0.12モル、脂肪族ジオールとしてエチ
レングリコール1.08モルと、重合触媒としてチタン
ブトキサイドを、全構成成分に対して0.05wt%加
えた混合物をコンデンサー、温度計、撹拌器などを備え
たセパラブルフラスコに投入しオイルバスで220℃に
加熱し、内容物が溶融した後撹拌を行いエステル化せし
めた。先ず水が留出し、次いで留出水が停止した後、真
空ポンプをセパラブルフラスコに取り付け真空度を徐々
に上げる。真空度が7.0Torr以下で減圧処理し、
未反応物、または低沸点生成物を除去、反応させる。分
子量の増大と共に撹拌トルクが上昇するのでトルクを反
応進行の目安とした。本発明の実施例および比較例に用
いた飽和共重合ポリエステル樹脂は、いずれも上記の方
法に準じ合成した物で組成内容を表2に示す。
【0035】なお、ポリマーのフェノール/オルソジク
ロルベンゼン混合溶液(6/4)で25℃の還元粘度
(ηr)を測定し、その結果も表2に示した。
【0036】
【表2】
【0037】(3)評価方法 溶解性のテスト方法は、次のようにして行った。飽和共
重合ポリエステル樹脂30gを秤量し、ターシャリーブ
チルカテコール40ppm含有するスチレンモノマー7
0gに溶かし、その溶解性を調べた。溶解温度は普通4
0℃として3時間撹拌下に溶解した。
【0038】溶解の判定方法は次のようにした。
【0039】◎:非常によく溶解する ○:よく溶解する △:やや溶解しにくい ×:ほとんど溶解しない
【0040】また、溶液の安定性は溶解テストに用いた
液を保存し判定した。その判定方法は次のようにした。 ◎:非常に安定な溶液である ○:安定であるが、長くおくと少し不溶物が析出する △:溶液がゾルとなって固まるが熱をかけると溶解する ×:非常に不安定ですぐに不溶物が析出する
【0041】実施例および比較例で用いた硬化収縮率は
以下の測定法により求めた。
【0042】試料樹脂液20gに所定量のベンゾイルパ
ーオキサイド50%ジオクチルフタレート溶液を添加
し、撹拌後、直径18mmの試験管に注入した。この試
験管を80℃の恒温槽中に浸積し、試料樹脂液を硬化さ
せた。硬化収縮率は、硬化物の比重ρ(s)と、ハーバ
ード比重びんを用いて測定した樹脂液比重ρ(l)から
式(2)を用いて算出した。
【0043】
【数1】
【0044】また、曲げ強さはJIS K 6911に
準じて測定した。
【0045】硬化物の表面平滑性および色むらは硬化収
縮率測定試料の表面状態を肉眼で判定した。判定基準は
以下の通り ◎:表面平滑性および光沢の非常に良好なもの ○:良好なもの △:やや悪い ×:悪い
【0046】実施例1〜11、比較例1〜8 次に示す組成になるように配合し、評価を行った。 不飽和ポリエステル樹脂 88重量% 飽和共重合ポリエステル樹脂 12重量% スチレン 120重量% ベンゾイルパーオキサイド50%溶液 2重量% 顔料(ブルー) 1重量% 硬化条件は、80℃、3時間とした。評価結果を表3に
示す。
【0047】
【表3】
【0048】表3の結果から明らかなように、芳香族グ
リコールを10〜30モル%共重合した飽和共重合ポリ
エステル樹脂を低収縮化剤として用いた実施例1〜12
は、スチレンに対する溶解性、溶液安定性が優れている
と同時に、低収縮化剤としての飽和共重合ポリエステル
樹脂を配合しない比較例6〜8と比べて、硬化収縮率が
小さく、機械的強度の低下もなく、表面平滑性、および
色むらの点でも優れていて、非常にバランンスがよい。
しかし、芳香族グリコールを40モル%共重合した飽和
共重合ポリエステル樹脂を低収縮化剤とした比較例1、
4は、溶解性が悪く、低収縮効果も十分でない。さら
に、脂肪族グリコールのみを用いた飽和共重合ポリエス
テル樹脂No.10、11を低収縮化剤とした比較例
2、3、5は、溶液安定性が悪く、硬化物に色むらが生
じる。
【0049】実施例12〜14、比較例9〜11 A:不飽和ポリエステル樹脂、B:飽和共重合ポリエス
テル樹脂、C:不飽和単量体の配合比を変化させて評価
を行った。結果を表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】表4から明らかなように配合比0.75〜
0.85の実施例12〜14は、いずれも良好な低収縮
性が得られ、機械的強度も良好であるのに対し、比較例
9〜11では、硬化収縮率、あるいは曲げ強さが劣る。
【0052】実施例15〜16、比較例12 平均分子量の異なる不飽和ポリエステル樹脂を用いた評
価結果を表5に示す。
【0053】
【表5】
【0054】表5から明らかなように、平均分子量20
00〜5000の不飽和ポリエステル樹脂を用いた実施
例15、16は、硬化収縮率、機械的強度ともに優れて
いるが、平均分子量が5500の不飽和ポリエステル樹
脂を用いる(比較例12)と、機械的強度が劣る。
【0055】
【発明の効果】本発明の低収縮性不飽和ポリエステル樹
脂組成物を用いることにより、低収縮性に優れるだけで
なく、機械的強度の低下もなく、溶解性、溶液安定性、
混合物安定性、表面平滑性、寸法安定性、色むら等の特
性のバランスが良好な硬化物が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A:テレフタル酸および/またはイソフタ
    ル酸と、無水マレイン酸、マレイン酸およびフマル酸か
    ら選ばれる1種以上の不飽和酸とを含む酸成分と2価ア
    ルコール成分からなる、不飽和ポリエステル樹脂60〜
    99重量%および B:式(1) 【化1】 (式中のRは炭素数3以下のアルキレン基であり、x,
    yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値
    が2〜7である)で表される芳香族ジオールを1〜30
    モル%と、飽和脂肪族ジオール、飽和2価カルボン酸を
    共重合して得られる飽和共重合ポリエステル樹脂1〜4
    0重量%からなる樹脂配合物に対し、 C:不飽和ポリエステル樹脂と共重合し得る不飽和単量
    体をA、B、Cの重量比が0.75≦(A+B)/C≦
    0.85になるように配合することを特徴とする低収縮
    性不飽和ポリエステル樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002520525A (ja) * 1998-07-16 2002-07-09 サーマ トルー コーポレイション 圧縮成型されたドアアセンブリー
JP2011136433A (ja) * 2009-12-25 2011-07-14 Kao Corp 熱転写受像シート用樹脂組成物

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