JP2558184Y2 - 磁気ディスク駆動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、磁気ディスク駆動装置
に関し、さらに詳しくは中心軸固定型の磁気ディスク駆
動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、図２に示されるような中心軸固定
型の磁気ディスク駆動装置が知られている。同図におい
て、符号１１はフレームを示しており、このフレーム１
１には中心軸２が嵌合固定されている。この中心軸２の
軸方向における略中心の外周には、コイル３が巻回され
た鉄心コア４が固定されており、この鉄心コア４の上下
方には、軸受５，６の内輪がそれぞれ固定されている。
図示されない磁気ディスクを外周面に装着するハブ７の
内周には上部ヨーク７ａが、この上部ヨーク７ａの下部
内周には下部ヨーク７ｂがそれぞれ固定されており、ハ
ブ７及びヨーク７ａ，７ｂは、上記軸受５，６により中
心軸１に対して回転可能に支持されている。ヨーク７ａ
の内周の上記鉄心コア４に対向する位置には、Ｎ極Ｓ極
が交互に着磁された駆動マグネット８が固定されてお
り、コイル３に所定の駆動電圧を印加することにより、
この駆動マグネット８及びハブ７が回転するようになっ
ている。

【０００３】中心軸２には、鉄心コア４下方の外周面か
ら軸心に向かって下方に傾斜し、さらにフレーム１１側
の端面２ａに貫通する挿通孔１０が形成されており、コ
イル３に電圧を印加するための電気線（導出線）９は、
この挿通孔１０を介してモータ外に取り出されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記磁
気ディスク駆動装置においては、以下の問題点がある。
すなわち、鉄心コア４が邪魔となって鉄心コア４下方の
挿通孔１０の開口部１０ａが良く見えず、しかも鉄心コ
ア４とフレーム１１側の軸受６との間が比較的狭いため
に、導出線９の導出作業が容易ではなく、場合によって
は導出線９を開口部１０ａの所で誤って切断したり、損
傷を与えてしまうという問題がある。また、鉄心コア４
にフレーム１１側の軸受６を可能な限り接近させ、その
分フレーム１１の肉厚を厚くし、モータの剛性を上げる
ことが望ましいが、上述のように、鉄心コア４と軸受６
との間には上記開口部１０ａのスペースがどうしても必
要となり、しかも開口部１０ａが良く見えないことから
導出作業をし易くすべくかなり大きな開口となっている
ので、その分フレーム１１の肉厚を薄くせざるを得ず、
従って剛性が低下し、モータに悪影響を及ぼすという問
題がある。

【０００５】そこで本考案は、導出線の導出作業が容易
で、しかも導出線に損傷を与える畏れがなく、さらには
鉄心コアとフレーム側の軸受とを出来るだけ接近させ、
これによってフレームの肉厚を厚くしてモータの剛性を
高めると共に、その組み立て作業を簡易に行い得る磁気
ディスク駆動装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案の磁気ディスク駆
動装置は上記目的を達成するために、磁気ディスクを外
周面に装着して駆動するハブと、このハブの内周面に固
定した駆動マグネットと、この駆動マグネットと対向す
るコイルの巻回された鉄心コアと、この鉄心コアを固定
する中心軸と、この中心軸を固定するフレームと、前記
鉄心コアの両端面よりそれぞれ離間して配置され、前記
中心軸に対して前記ハブを回転可能に支持する軸受とを
備える磁気ディスク駆動装置において、前記中心軸の前
記鉄心コアの中心より反フレーム側の軸受側に、前記コ
イルの導出線を挿通する挿通孔を設け、この挿通孔を前
記中心軸のフレーム側端面に向かって貫通させると共
に、フレーム側の軸受と前記鉄心コアとの間に、前記鉄
心コアの位置決め部材を配設してなることを特徴として
いる。

【０００７】

【作用】このような手段における磁気ディスク駆動装置
によれば、挿通孔の開口部は鉄心コアより反フレーム側
の軸受側に露出し、この開口部は良く見えるために、挿
通孔への導出線の導出作業を容易にすると共に、導出線
に損傷を与える畏れをなくすよう働く。開口部は導出作
業が容易になることから、鉄心コアから反フレーム側の
軸受側に必要以上に露出していなくてもよく、鉄心コア
と反フレーム側の軸受との間のスペースを従来のそれよ
り大きくしないよう働き、その上挿通孔の開口部が鉄心
コアの反フレーム側の軸受側に移動したことから、鉄心
コアとフレーム側の軸受とを可能な限り接近でき、その
分フレームの肉厚を厚くし得るよう働く。位置決め部材
は、鉄心コアをフレーム側の軸受に接近させる位置決め
作業を簡易にするよう働く。

【０００８】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は本考案の一実施例を示す磁気ディスク駆動
装置の側断面図であり、従来技術で説明したのと同一な
ものに対しては同一符号を付し、ここでの説明は省略す
る。この実施例の磁気ディスク駆動装置が従来技術のそ
れと違う主な点は、コイル３の導出線９を導出するため
の挿通孔１１を、鉄心コア４上方の外周面から鉄心コア
４の中心に向かって下方に傾斜し、さらにフレーム１側
の端面２ａに貫通するよう形成した点である。このよう
に構成すると、挿通孔１１の開口部１１ａが上方より良
く見えることとなり、従って挿通孔１１への導出線９の
導出作業が容易になると共に、導出線９に損傷を与える
畏れがなくなる。

【０００９】このように導出作業が容易になるので、開
口部１１ａは鉄心コア４から上方に必要以上に露出して
いる必要がなく、その露出面積は図２に示される従来の
それより小さくなっている。従って、鉄心コア４と反フ
レーム側の軸受５との間のスペースは従来のそれと同じ
となっている。

【００１０】しかも、挿通孔の開口部が鉄心コア４上方
に移動し、従来必要とされていた開口部１０ａのスペー
スが不要となるので、鉄心コア４とフレーム側の軸受６
とを可能な限り、すなわち不要になったスペースの分接
近できるようになり、その移動長さＴの分、フレーム１
の肉厚は従来のフレーム１１のそれより厚くなってい
る。従って、モータの剛性を高めることが可能となって
いる。

【００１１】ここで、フレーム１側の軸受６と鉄心コア
４との間には、薄肉円筒状の位置決め部材１２が配置さ
れており、鉄心コア４をフレーム１側の軸受６に接近さ
せる位置決め作業が、簡易になされるようになってい
る。なお、鉄心コア４とフレーム側の軸受６との間の長
さが、従来より長さＴの分短くなっているので、その長
さＴの分上部ヨーク７ａの長さは短くなっている。

【００１２】以上本考案者によってなされた考案を実施
例に基づき具体的に説明したが、本考案は上記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもない。

【００１３】

【考案の効果】以上述べたように本考案の磁気ディスク
駆動装置によれば、挿通孔の開口部が鉄心コアより反フ
レーム側の軸受側に露出し、この開口部は良く見えるの
で、挿通孔への導出線の導出作業が容易になると共に、
導出線に損傷を与える畏れがなくなる。また、開口部は
導出作業が容易になることから鉄心コアから反フレーム
側の軸受側に必要以上に露出しなくてもよく、従って鉄
心コアと反フレーム側の軸受との間のスペースは従来の
それと同じで済み、その上挿通孔の開口部が鉄心コアの
反フレーム側の軸受側に移動したことから、鉄心コアと
フレーム側の軸受とを可能な限り接近できるので、その
分フレームの肉厚を厚くでき、モータの剛性を高めるこ
とが可能となる。しかも、鉄心コアをフレーム側の軸受
に接近させる位置決め作業は、位置決め部材により簡易
に行うことが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す磁気ディスク駆動装置
の側断面図である。

【図２】従来技術を示す磁気ディスク駆動装置の側断面
図である。

【符号の説明】

１ フレーム ２ 中心軸 ２ａ 中心軸のフレーム側端面 ３ コイル ４ 鉄心コア ５ 反フレーム側の軸受 ６ フレーム側の軸受 ７ ハブ ８ 駆動マグネット ９ コイルの導出線 １１ 挿通孔 １２ 鉄心コアの位置決め部材

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気ディスクを外周面に装着して駆動す
   るハブと、 このハブの内周面に固定した駆動マグネットと、 この駆動マグネットと対向するコイルの巻回された鉄心
   コアと、 この鉄心コアを固定する中心軸と、 この中心軸を固定するフレームと、 前記鉄心コアの両端面よりそれぞれ離間して配置され、
   前記中心軸に対して前記ハブを回転可能に支持する軸受
   とを備える磁気ディスク駆動装置において、 前記中心軸の前記鉄心コアの中心より反フレーム側の軸
   受側に、前記コイルの導出線を挿通する挿通孔を設け、 この挿通孔を前記中心軸のフレーム側端面に向かって貫
   通させると共に、 フレーム側の軸受と前記鉄心コアとの間に、前記鉄心コ
   アの位置決め部材を配設してなる磁気ディスク駆動装
   置。