JP2557973B2 - インジゴ類の製造方法 - Google Patents

インジゴ類の製造方法

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JP2557973B2
JP2557973B2 JP1046409A JP4640989A JP2557973B2 JP 2557973 B2 JP2557973 B2 JP 2557973B2 JP 1046409 A JP1046409 A JP 1046409A JP 4640989 A JP4640989 A JP 4640989A JP 2557973 B2 JP2557973 B2 JP 2557973B2
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寛治 鈴木
喜博 山本
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烈 原
藤夫 松田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、インジゴ類の製造方法に関するものであ
る。更に詳しくは、2位および3位に置換基を有しない
インドール類と酸素原子を与える酸化剤とを、インドー
ル類の3位の炭素を酸化する金属化合物触媒および/ま
たは添加剤の存在下に反応させて対応するインジゴ類を
製造する方法に関するものである。インジゴ類は染料と
して重要な化合物である。
(従来の技術) 現在、工業的なインジゴの製造方法としては、アニリ
ンとクロロ酢酸もしくはアニリン、青酸およびホルムア
ルデヒドを原料としてN−フェニルグリシン塩を製造
し、これを高温でアルカリ溶融してインドキシル化合物
とした後、更にこれを空気酸化する方法が採用されてい
る。しかしながらこれらの方法は反応工程が多段階で複
雑であるばかりでなく、大量の水酸化カリウムと水酸化
ナトリウムを使用しなければならず、よってこれらの回
収再使用に際して多大のエネルギーを消費し、またその
ための特殊な装置が必要であるという問題があるため、
より簡素なプロセスへの転換が望まれている。
一方、インドールの有機合成化学的な酸化反応におい
て、微量のインジゴが生成したという報告がある。例え
ば、小幡らは、過酸化水素と酢酸により反応系内で過酢
酸を発生させ、これとインドールと反応させると、イン
ドール骨格の3量体である2,2−ジインジル−ψ−イン
ドキシルが得られ、その際副生物として少量のインジゴ
も生成したと報告している(Bull.Agr.Chem.Soc.Japan,
20巻,80−83頁,1956年)。また、シェインクマンらは、
インドールと過酸化水素とをメタノール中で反応させる
と、上述の過酢酸との反応の場合と同様に3量体である
2,2−ジインジル−ψ−インドキシルが高収率で得ら
れ、この際インジゴがクロマトグラフィーで検出できた
と報告している(Khim.Geterotsikl.Soedin.,11巻,1490
−1496頁,1978年)。また、ベルナード・ヴィットコッ
プらは、インドールと過安息香酸とをクロロホルム中冷
蔵庫内で一晩反応させると、数多くの生成物とともに極
少量のインジゴも生成したと報告している(Justus Lie
bigs Annalen der Chemie,558巻,91−98頁,1947年)。
しかしながら、これらは何れもインドール類の反応性を
検討した程度の報告であって、本発明者らが目的とする
インジゴは極少量生成した副生物にすぎず、インジゴの
製造方法として満足すべき方法とはいえない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の課題は、多段階で複雑な現行のインジゴの製
造法を根本から改良し、これに比べより簡単なインジゴ
類の製造方法を提供することであり、さらにはインドー
ル類を原料として上述の従来技術より高い反応成績と高
い生成速度でインジゴ類を製造する方法を提供すること
である。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、インドール類を原料として、高い反応
成績と高い生成速度で簡便にインジゴ類を製造する反応
系の開発を目指し、鋭意検討を続けてきたところ、2位
および3位に置換基を有しないインドール類と特定の酸
化剤とを特定の触媒および/または特定の添加剤の存在
下に反応させると、一段で簡便に、しかも触媒や添加剤
を使用しない前記の方法に比べて、非常に高い収率およ
び生成速度で対応するインジゴ類が得られることを見い
だし、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、2位および3位に置換基を有しな
いインドール類と酸素原子を与える酸化剤とを、インド
ール類の3位の炭素を酸化する金属化合物触媒および/
または添加剤の存在下に反応させることを特徴とするイ
ンジゴ類の製造方法である。
本発明の方法における原料である2位および3位に置
換基を有しないインドール類とは、例えば、インドール
をはじめ;1−メチルインドール、4−エチルインドー
ル、5−メチルインドール、6−メチルインドール、6
−イソプロピルインドール、7−メチルインドール、4,
5−ジメチルインドールなどの炭素数1〜10のアルキル
基を1〜4個有するアルキルインドール類;4−シクロヘ
キシルインドール、5−シクロペンチルインドールなど
の炭素数3〜12のシクロアルキル基を1〜4個有するシ
クロアルキルインドール類;5−フェニルインドール、6
−β−ナフチルインドールなどの炭素数6〜30のアリー
ル基またはアルキル置換アリール基を1〜4個有するア
リールインドール類;4−クロロインドール、5−クロロ
インドール、5,7−ジクロロインドール、5−ブロモイ
ンドール、6−ブロモインドール、5,7−ジブロモイン
ドール、4−クロロ−5−ブロモインドールなどの1〜
4個のハロゲン原子を有するハロゲン化インドール類;4
−ヒドロキシインドール、5−ヒドロキシインドール、
4,5−ジヒドロキシインドールなどの1〜4個のヒドロ
キシ基を有するヒドロキシインドール類;4−メトキシイ
ンドール、5−ベンジルオキシインドールなどの炭素数
1〜10のアルコキシ基を1〜4個有するアルコキシイン
ドール類;5−フェノキシインドールなどの炭素数6〜30
のフェノキシ基を1〜4個有するフェノキシインドール
類;4−クロロ−5−エチルインドール、6−クロロ−4
−メチルインドール、4−ブロモ−5−エチルインドー
ル、5−ブロモ−4−メチルインドールなどの1〜3個
のハロゲン原子および炭素数1〜10のアルキル基を1〜
3個有するハロゲン化アルキルインドール類;4−ニトロ
インドール、5−ニトロインドール、7−ニトロインド
ールなどの1〜4個のニトロ基を有するニトロインドー
ル類;1−ベンゾイルインドール、4−アセチルインドー
ルなどの炭素数2〜20のアシル基を1〜4個有するアシ
ルインドール類;1−アセトキシインドール、4−ベンゾ
イルオキシインドールなどの炭素数2〜20のアシルオキ
シ基を1〜4個有するアシルオキシインドール類;イン
ドール−5−カルボン酸などのインドールカルボン酸類
またはそのエステル類;5−N,N−ジメチルアミノインド
ールなどのアルキル部分の炭素数1〜10のN,N−ジアル
キルアミノ基を1〜4個有するN,N−ジアルキルアミノ
インドール類;およびスルホン化インドール類などであ
り、それらの置換基を2位および3位に有しないインド
ール化合物である。このほか、2位および3位以外の位
置には反応を阻害しないものであれば置換基を有してい
てもよい。
本発明の方法において使用される酸化剤は、酸化剤の
一般的分類である、(1)酸素原子を与えるもの、
(2)水素を奪うもの、(3)正の酸化数を増大させる
もの、すなわち電子を奪うもののうち、(1)に該当す
るものであり、当該インドール類に酸素原子を与えるこ
とのできる酸化剤である。しかしそれが他の分類の性質
を兼ね備えていてもよい。(2)や(3)のみに分類さ
れる酸化剤は本発明の範疇から除かれる。本発明の方法
において使用されるそのような酸化剤としては、例え
ば、有機ヒドロ過酸化物、過酸化ジアルキル、過酸化ジ
アシル、過カルボン酸、過酸エステル、有機金属過酸化
物、有機イオウ過酸化物または有機リン過酸化物などの
有機過酸化物;過酸化水素または金属過酸化物などの無
機過酸化物;酸素、空気またはオゾンなどの酸素類;さ
らには過ハロゲン酸およびその塩、または次亜ハロゲン
酸およびその塩などの酸素酸およびその塩;ヨードソベ
ンゼンなどのモードソ化合物:ピリジンオキシドなどの
N−オキシド類;ジメチルスルホキシドなどのS−オキ
シド類;硝酸、亜硝酸、二酸化窒素または三酸化二窒素
などの硝酸および酸化窒素類などが挙げられる。これら
は単独でも、または2種以上を同時にあるいは混合して
用いても構わない。また、反応系内でこれらの酸化剤を
発生させることのできる成分の組合せであってもよい。
このような酸化剤のなかで、有機過酸化物、無機過酸化
物および酸素類が好ましい。さらに有機過酸化物のなか
では、有機ヒドロ過酸化物および過カルボン酸が好まし
く、無機過酸化物では過酸化水素が好ましい。
このような有機ヒドロ過酸化物類とは、ヒドロペルオ
キシ基(−OOH)を有する有機化合物のことであり、例
えば、デ・スワーン(D.Swern)著“オーガニック・ペ
ルオキシド(Organic Peroxides)Vol.II"、ウィリー・
インタ−サイエンス(Wiley−Interscience)刊(1971
年);107−127頁の表中、または、エイ・ジー・デ−ビ
ス(A.G.Davies)著“オーガニック・ペルオキシド(Or
ganic Peroxides)",ブッターワース(Butterworths)
刊(1961年);9−33頁の表中に挙げられているようなも
のである。これらのうち、例えば、ターシャリーブチル
ヒドロペルオキシド、1−フェニルエチルヒドロペルオ
キシド、1−メチル−1−フェニルエチルヒドロペルオ
キシド(慣用名クメンヒドロペルオキシド)、ビス(1
−メチルエチル)フェニルヒドロペルオキシド、1−メ
チル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチルヒドロ
ペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロ
ペルオキシド、または1,1,3,3−テトラメチルブチルヒ
ドロペルオキシドなどのような、アルキル部分の炭素数
が3〜30である2級または3級のアルキルヒドロ過酸化
物が好ましい。
また同じく過カルボン酸とは、過カルボキシル基(−
COOOH)を有する有機化合物のことであり、例えば、デ
・スワーン(D.Swern)著“オーガニック・ペルオキシ
ド(Organic Peroxides)Vol.I",ウィリー・インターサ
イエンス(Wiley−Interscience)刊(1970年);401−4
03頁および436−445頁の表中に挙げられているようなも
のである。これらのうち、過酢酸または過プロピオン酸
などの過脂肪酸類;もしくは、過安息香酸、m−クロロ
過安息香酸、p−クロロ過安息香酸、o−メチル過安息
香酸またはp−イソプロピル過安息香酸などの過安息香
酸誘導体などが好ましい。
これらの酸素原子を与える酸化剤の使用量は該酸化剤
の種類、共存物の種類、反応条件および反応方法などに
より一様ではなく特に限定されるものではないが、通常
当該インドール類1モルに対して0.01ないし200モルの
範囲であり、好ましくは0.1ないし40モルの範囲であ
る。
本発明の方法におけるインドール類の3位の炭素を酸
化する金属化合物触媒とは、該インドール類と該酸化剤
とを反応させるにおいて、該インドール類の3位の炭素
を酸化する金属の化合物であり、例えば、オレフィンの
エポキシ化反応に用いられる、周期律表の4A族、5A族お
よび6A族金属の化合物、マンガン、銀およびアルミニウ
ムの化合物およびオレフィンやアルコールのケト化反応
に用いられる、鉄族金属、白金族金属、銅および亜鉛の
化合物から選ばれる金属化合物である。これらの金属化
合物触媒の一例である周期律表の4A族、5A族および6A族
の金属の化合物としては、チタン、ジルコニウム、ハフ
ニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリ
ブデンおよびタングステンの化合物である。また同じく
鉄族金属の化合物としては、鉄、コバルトおよびニッケ
ルの化合物であり、さらに白金族金属の化合物として
は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスニウム、
イリジウムおよび白金の化合物である。
具体的には、上述の金属の、例えば、ハロゲン化物、
オキシハロゲン化物、酸化物、複合酸化物、硫化物、硼
化物、りん化物、水酸化物、オキシ水酸化物、シアノ錯
塩、例えば硫酸、硝酸やりん酸などの無機酸の塩、例え
ばチタン酸、モリブデン酸やタングステン酸などの金属
オキシ酸またはそれらの塩、または例えば、りんモリブ
デン酸や珪タングステン酸などのヘテロポリ酸またはそ
れらの塩、などのような無機化合物;これらの金属の、
酢酸、蓚酸、安息香酸やナフテン酸などの有機酸の塩、
エチルアルコールまたはイソプロピルアルコールなどか
らのアルコキシド、フェノールまたはメタクロロフェノ
ールなどからのフェノキシド、アルコキシまたはフェノ
キシ基を持ったハロゲン化物、などのような少なくとも
一部に有機基を有する化合物;もしくはこれらの金属
の、カルボニル錯体、アミン類の錯体、ピリジンまたは
ビピリジルなどのピリジン錯体、オキソ錯体、システイ
ンまたはジチオカテコールなどのチオレート錯体、スル
フィド錯体、ジチオカルバメート錯体、チオシアネート
錯体、イソシアネート錯体、ニトロシル錯体、トリフェ
ニルホスファンまたは1,2−ジフェニルホスフェノエタ
ンなどのホスフィン錯体、ホスホリル錯体、フタロシア
ニン錯体、ポルフィリン錯体、ニトリル錯体、エーテル
錯体、ケトン錯体、アセチルアセトンなどのβ−ケトカ
ルボニル錯体、アルキルやアレンの錯体、オレフィン錯
体、シクロペンタジエニル錯体、などの錯体化合物;さ
らには以上のような化合物の複数の種類に渡って分類さ
れるような化合物などが挙げられる。さらには、これら
の金属を活性炭、シリカゲル、アルミナ、シリカアルミ
ナ、ケイソウ土、マグネシア、軽石またはモレキュラー
シーブなどの担体に担持させたもの、またはラネー金属
なども含まれる。
これらの金属化合物触媒は、単独でもあるいは2種以
上を同時に使用することもできる。また、反応系内でこ
れらの金属化合物を発生させることのできる成分の組合
せであってもよい。これらの触媒は反応混合液に溶解し
ていることが好ましいが、一部または全部が不溶であっ
ても差し支えない。これらの触媒の使用量は、通常当該
インドール類1モルに対して0.5モル以下であり、好ま
しくは、0.00001ないし0.1モルの範囲である。
本発明の方法に用いられる添加剤とは、本反応におい
て系内に存在させることにより、副反応を抑制したり、
収率や反応速度を改良することのできるものであり、そ
のような添加剤としては、例えば、シリカゲル、硫酸ナ
トリウム、オルソ蟻酸メチル、無水酢酸またはモレキュ
ラーシーブなどの脱水剤;フェノール、ターシャリーブ
チルカテコール、2,6−ジターシャリーブチルフェノー
ル、ベンゾキノンまたはヒドロキノンなどのフリーラジ
カル捕捉剤;トリフェニルホスフィン、1,2−ジフェニ
ルホスフィノエタン、トリイソプロポキシホスフィンま
たはりん酸トリフェニルなどのホスフィンおよびホスフ
ァイト類、トリフェニル砒素などの砒素化合物、ジメチ
ルアミンやトリエチルアミンなどのアミン類、もしく
は、ピリジン、キノリン、アクリジン、ジピリジルまた
はフェナントロリンなどのピリジン類、などの触媒金属
の配位子類;硼酸トリエチルエステル、硼酸トリイソプ
ロピルエステル、硼酸トリクミルエステル、シクロヘキ
シルメタボレート、フェニルメタボレート、またはメン
チルメタボレートなどの硼酸エステルおよびメタ硼酸エ
ステル類;酢酸リチウム、ヨウ化リチウム、酢酸ナトリ
ウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、安息香酸カリウ
ム、炭酸バリウム、塩化バリウム、プロピオン酸バリウ
ム、または酢酸マグネシウムなどのアルカリ金属および
アルカリ土類金属の無機酸や有機酸の塩類;酢酸セリウ
ムまたは酢酸ランタンなどの希土類金属の塩類;さらに
は、炭酸ナトリウム、錫酸ナトリウム、バルビタール、
8−ヒドロキシキノリン、尿酸、馬尿酸、アセトアニリ
ド、フェナセチン、りん酸、エチレンジアミン四酢酸二
ナトリウムまたはピクリン酸ナトリウムなどの酸化剤の
安定化剤;アセトニトリル、アジポニトリルまたはベン
ゾニトリルなどのニトリル類、フェニルイソシアネート
などのイソシアネート類、テトラメチル尿素や1,1′−
カルボニルビス(1,2,4−トリアゾール)などの尿素
類、もしくは、ジイソプロピルカルボジイミドなどの酸
化剤との付加物生成剤;トリメチルジクロロアンチモ
ン、テトラメチル錫、ジノーマルブチルジルロロ錫、ピ
リミジンおよびジアヌル酸などが挙げられる。これらの
添加剤のうち、脱水剤、フリーラジカル捕捉剤、触媒金
属の配位子類、硼酸エステルおよびメタ硼酸エステル
類、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の無機酸や有
機酸の塩類、および希土類金属の塩類が好ましい。
本発明の方法に用いられる添加剤として、さらには相
間移動触媒として定義される化合物も有効であり好まし
い。それらの相間移動触媒化合物としては、化学同人発
刊、ウェーバー(W.P.Weber)とゴケル(G.W.Gokel)共
著、田伏岩夫と西谷孝子共訳「相間移動触媒」に記載の
相間移動触媒化合物であり、例えば四級イオン、アミン
類、クラウンエーテル類、およびクリプタント類であ
る。さらに詳しくは、四級イオンとしては四級アンモニ
ウムイオン、四級ホスホニウムイオン、四級アルソニウ
ムイオン等である。さらに詳しくは、四級アンモニウム
イオンとしてはトリエチルベンジルアンモニウムイオ
ン、トリオクチルメチルアンモニウムイオン、トリカプ
リリルメチルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモ
ニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、トリ
メチルエチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモ
ニウムイオン、トリメチルフェニルアンモニウムイオ
ン、トリメチルベンジルアンモニウムイオン、トリエチ
ルフェニルアンモニウムイオン、トリフェニルメチルア
ンモニウムイオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウ
ムイオン等を含む塩または水酸化物である。アミン類と
してはトリエチルアミン等であり、クラウンエーテル類
としては、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジシクロヘキ
シル−18−クラウン−6、18−クラウン−6等であり、
クリプタント類としては[2,2,2]−クリプテート等で
ある。
これらの添加剤は単独でもあるいは2種以上を同時に
使用することもできる。これらの添加剤の使用量は、通
常当該インドール類1モルに対して50モル以下であり、
好ましくは0.001ないし20モルの範囲である。
本発明の方法としては特に限定されず、当該インドー
ル類と酸化剤および触媒および/または添加剤が効果的
に混合され接触される方法であれば如何なる方法でもよ
く、回分式、半回分式または連続流通式のいずれでも構
わない。反応の際の温度、時間および圧力は原料の該イ
ンドール類、該酸化剤もしくは触媒および/または添加
剤の種類により異なり一様ではない。しかしながら通常
反応温度は零下10ないし200℃の範囲であり、好ましく
は10ないし150℃の範囲である。また、反応時間は通常5
0時間以内であり、好ましくは0.01ないし20時間の範囲
である。反応は場合によっては減圧、常圧または加圧の
何れでも実施できる。
本発明の方法は、溶媒を用いずに行ないうる場合もあ
るが、通常は溶媒の共存下に実施される。使用する場合
の溶媒としては反応を阻害しなければどのような溶媒で
も構わない。そのような溶媒としては、例えば、水;n−
ヘキサン、n−ペンタンまたはシクロヘキサンなの脂肪
族または脂肪族の炭化水素類;ベンゼン、トルエン、エ
チルベンゼンまたはクメンなどの芳香族炭化水素類;ジ
クロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼンまたはジ
クロロベンゼンなどの脂肪族または芳香族ハロゲン化合
物;ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒ
ドロフランまたはエチレングリコールジエチルエーテル
などのエーテル類;メタノール、エタノール、ターシャ
リーブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコ
ールまたはプロピレングリコールなどのアルコール類;
アセトン、エチルメチルケトンまたはアセトフェノンな
どのケトン類;酢酸エチルまたはプロピオン酸エチルな
どのエステル類;炭酸ジメチルなどのカーボネート類;
アセトニトリルまたはベンゾニトリルなどのニトリル
類;およびニトロベンゼンなどの芳香族ニトロ化合物類
などが挙げられる。これらの溶媒は単独でもまたは2種
以上を混合して使用してもよい。また、これらの溶媒の
使用によって、反応混合液が均一相となっても不均一な
複数の相となっても構わない。
本発明の方法において、反応終了後の反応生成物を常
用の方法に従って処理することによりインジゴ類が得ら
れる。通常、反応終了後生成したインジゴ類はその多く
が析出しており、濾過、遠心分類またはデカンテーショ
ンなどの通常の固液分離の操作により容易に固体として
取り出すことができる。インジゴ類の析出量が不十分な
場合には、より多く析出させるため反応液を濃縮した後
に取り出すこともできる。
(実施例) 次の実施例により本発明を更に詳しく説明するが、こ
れらは限定的ではなく単に説明のためと解されるべきで
ある。
実施例1 撹拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却管を装着し
た、内容積100ミリリットルの4ッ口フラスコに、イン
ドール5.0グラム(42.7ミリモル)、触媒としてモリブ
デンヘキサカルボニル11.3ミリグラム(0.043ミリモ
ル)、および溶媒としてトルエン30グラムを仕込んだ。
この液をオイルバスにより80℃に加熱し、空気雰囲気下
撹拌しながら滴下ロートより酸化剤として有機過酸化物
である83重量%の1−メチル−1−フェニルエチルヒド
ロペルオキシド(慣用名クメンヒドロペルオキシド)の
クメン溶液(以降、単にCHP溶液と略称する)23.5グラ
ム(クメンヒドロペルオキシド換算で128.2ミリモル)
を1時間かけて滴下した後、そのまま5時間反応させ
た。反応開始時は液は均一であったが、反応の進行とと
もに藍色の固体が徐々に析出してきた。反応終了後この
反応混合液を濾過し、固体を少量のトルエンで洗浄後、
50℃で減圧乾燥させて藍色の固体を2.91グラム得た。こ
れは、元素分析およびIR分析の結果インジコであった。
仕込んだインドールに対する単離したインジゴのモル収
率(以降、単にインジゴ収率と略称する)は52.0%であ
り、生成速度の目安とする1時間当りのインジゴ収率は
10.4%であった。
比較例1 実施例1において触媒として用いたモリブデンヘキサ
カルボニルを使用しなかった以外は、すべて実施例1と
同様に反応を行ったが、反応開始5時間後では固体の析
出が微量であったため、反応時間を10時間に変えた。得
られた反応混合液を実施例1と同様に処理を行ったとこ
ろ、インジゴが0.34グラム得られた。インジゴ収率は6.
1%、1時間当りのインジゴ収率は0.6%であり、触媒を
使用しないと収率も低く、また生成速度も遅かった。
実施例2 撹拌機、温度計および冷却管を装着した、内容積100
ミリリットルの3ッ口フラスコに、インドール1.0グラ
ム(8.5ミリモル)、触媒としてモリブデンヘキサカル
ボニル22.5ミリグラム(0.085ミリモル)、溶媒として
トルエン30グラムおよび酸化剤としてCHP溶液7.83グラ
ム(クメンヒドロペルオキシド換算で42.7ミリモル)を
一括して仕込んだ。この液をオイルバスにより80℃に加
熱し、空気雰囲気下で撹拌しながら5時間反応させた。
得られた反応混合液を実施例1と同様に処理を行ったと
ころ、インジゴが0.57グラム得られた。インジゴ収率5
0.9%、1時間当りのインジゴ収率は10.2%であった。
比較例2 実施例2において触媒として用いたモリブデンヘキサ
カルボニルを使用せず、反応時間を10時間に変えた以外
はすべて実施例2と同様に反応および後処理を行ったと
ころ、インジゴが24.5ミリグラム得られた。インジゴ収
率は2.2%、1時間当りのインジゴ収率は0.2%であり、
比較例1と同様触媒を使用しないと収率も低く、また生
成速度も遅かった。
実施例3〜22 実施例2において用いた、インドールおよびCHP溶液
の量、触媒および溶媒の種類と量、反応温度そして反応
時間を第1表に示すように変えた以外は、すべて実施例
2と同様に反応および後処理を行った。結果を実施例2
および比較例2の結果とともに第1表に示した。いずれ
の実施例においても、触媒を使用しなかった場合の結果
に比べ収率および生成速度が向上した 実施例23 実施例1において触媒として用いたモリブデンヘキサ
カルボニルのかわりに、ナフテン酸モリブデンのトルエ
ン溶液(モリブデン金属として6重量%含有)を68.8ミ
リグラム(モリブデン金属換算で0.043ミリグラム原
子)用いた以外は、すべて実施例1と同様に反応および
後処理を行ったところ、インジゴが2.81グラム得られ
た。インジゴ収率は50.2%、1時間当りのインジゴ収率
は10.0%であった。
実施例24 実施例2において、触媒として更に酢酸銀を14.2ミリ
グラム(0.085ミリモル)用いた以外は、すべて実施例
2と同様に反応および後処理を行ったところ、インジゴ
が0.62グラム得られた。インジゴ収率は55.4%、1時間
当りのインジゴ収率は11.1%であった。
実施例25 実施例24において、触媒として更に用いた酢酸銀のか
わりに、酢酸ニッケル・4水塩を21.2ミリグラム(0.08
5ミリモル)用いた以外は、すべて実施例24ひいては実
施例2と同様に反応および後処理を行ったところ、イン
ジゴ収率は54.4%、1時間当りのインジゴ収率は10.9%
であった。実施例26 実施例24において、触媒として更に用いた酢酸銀のか
わりに、酢酸亜鉛・2水塩を37.3ミリグラム(0.17ミリ
モル)用いた以外は、すべて実施例24ひいては実施例2
と同様に反応および後処理を行ったところ、インジゴ収
率は53.8%、1時間当りのインジゴ収率は10.8%であっ
た。
実施例27 実施例2において、モリブデンヘキサカルボニルを使
用せず、代わりに添加剤としてメタ硼酸エステル類であ
るシクロヘキシルメタボレートを3.21グラム(8.5ミリ
モル)用いた以外は、すべて実施例2と同様に反応およ
び後処理を行ったところ、インジゴが0.26グラム得られ
た。インジゴ収率は23.2%、1時間当りのインジゴ収率
は4.6%であった。
実施例28〜30 実施例2において、モリブデンヘキサカルボニルを使
用せず、代わりに添加剤として硼酸エステル類であるホ
ウ酸トリイソプロピル(実施例28)、脱水剤である無水
酢酸(実施例29)、およびアルカリ金属の塩である酢酸
ナトリウム(実施例30)をそれぞれ第2表に示す量用
い、溶倍の種類と量、反応温度そして反応時間を第2表
に示すように変えた以外は、すべて実施例2と同様に反
応および後処理を行った。結果を比較例2および実施例
27の結果とともに第2表に示した。いずれの実施例にお
いても、添加剤を使用しなかった場合の結果に比べ、収
率および生成速度が向上した。
実施例31 実施例1において最初に仕込んだ混合液に、更に添加
剤としてフリーラジカル捕捉剤である2,6−ジターシャ
リーブチルフェノールを88.7ミリグラム(0.43ミリモ
ル)用いた以外は、すべて実施例1と同様に反応を行っ
た。反応終了後の反応液を濾過し、固体を少量のトルエ
ンおよびメタノールで洗浄後、50℃で減圧乾燥させてイ
ンジゴを3.23グラム得た。インジゴ収率は57.7%、1時
間当りのインジゴ収率は11.5%であった。添加剤の使用
により収率が向上し、また生成速度も速くなっていた。
実施例32〜33 実施例2において仕込んだ混合液に、更に添加剤とし
て脱水剤である無水酢酸(実施例32)および触媒金属の
配位子類であるリン酸トリフェニル(実施例33)をそれ
ぞれ第3表に示す量用いた以外は、すべて実施例2と同
様に反応および後処理を行った。結果を第3表に示す。
いずれの実施例においても、添加剤を使用しなかった場
合の結果に比べ、比率および生成速度が向上した。
実施例34 実施例2において仕込んだ混合液に、更に添加剤とし
てアルカリ金属の塩である硫酸ナトリウムを12.1グラム
(85.2ミリモル)用いた以外は、すべて実施例2と同様
に反応を行った。反応終了後この反応液を濾過し、固体
を少量のトルエンで洗浄し、更に水およびメタノールで
充分洗浄した後、50℃で減圧乾燥させてインジゴを0.68
グラム得た。インジゴ収率は60.7%、1時間当りのイン
ジゴ収率は12.1%であった。添加剤の使用により収率が
向上し、また生成速度も速くなっていた。実施例35〜39 実施例2において仕込んだ混合液に、更に添加剤とし
てアルカリ金属の塩である酢酸リチウム(実施例35)、
アルカリ土類金属の塩である酢酸マグネシウム(実施例
36)および酢酸バリウム(実施例37)、そして希土類金
属の塩である酢酸セリウム(実施例38)および酢酸ラン
タン(実施例39)をそれぞれ第3表に示す量用いた以外
は、すべて実施例34ひいては実施例2と同様に反応を行
い、実施例34と同様に後処理を行った。結果を実施例2
および実施例32〜34の結果とともに第3表に示した。
実施例40 実施例2において溶媒として用いたトルエンのかわり
にクメンを20グラム用い、酸化剤として用いたCHP溶液
のかわりに23重量%クメンヒドロペルオキシドのクメン
溶液を17.0グラム(クメンヒドロペルオキシド換算で2
5.7ミリモル)用い、また、反応温度を110℃に変えた以
外は、すべて実施例2と同様に反応および後処理を行っ
たところ、インジゴが0.43グラム得られた。インジゴ収
率は38.4%、1時間当りのインジゴ収率は7.7%であっ
た。
実施例41〜45 実施例1において酸化剤として用いたCHP溶液のかわ
りに、第4表に示す有機ヒドロ過酸化物の種類とその量
を用い、インドールの量および反応温度を第4表に示す
ように変えた以外は、すべて実施例1と同様に反応およ
び後処理を行った。結果を第4表に示した。
実施例46〜48 実施例2においてインドールのかわりに、第5表に示
すインドール類の種類とその量を用い、酸化剤として用
いたCHP溶液の量を第5表に示すように変えた以外は、
すべて実施例2と同様に反応を行ない、得られた反応混
合液を濾過し、固体を少量のメタノールで洗浄後50℃で
減圧乾燥させて対応するインジゴ類を得た。単離したイ
ンジゴ類、仕込んだインドール類に対するインジゴ類の
モル収率(インジゴ類収率と略称する)および1時間当
りのインジゴ類収率を第5表に示した。
実施例49 実施例2と全く同様に一括して仕込んだ混合液を充分
窒素で置換した後、オイルバスにより80℃に加熱し、窒
素雰囲気下撹拌しながら5時間反応させた。実施例2と
同様に後処理を行ったところ、インジゴ収率は46.1%、
1時間当りのインジゴ収率は9.2%であった。
実施例50 撹拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却管を装着し
た、内容積200ミリリットルの4ッ口フラスコに、イン
ドール1.0グラム(8.5ミリモル)、触媒としてタングス
テンヘキサカルボニル29.9ミリグラム(0.085ミリモ
ル)、および溶媒としてオルトキシレン50グラムを仕込
んだ。この液をオイルバスにより80℃に加熱し、撹拌し
ながら滴下ロートより、酸化剤として有機過酸化物であ
るメタクロロ過安息香酸2.21グラム(12.8ミリモル)を
オルトキシレン50グラムに溶解させた液を1.5時間かけ
て滴下した後、そのまま3時間反応させた。反応終了後
この反応液を濾過し、固体をメタノールで充分洗浄した
後、50℃で減圧乾燥させてインジゴを0.49グラム得た。
インジゴ収率は43.8%であり、1時間当りのインジゴ収
率は14.6%であった。
実施例51 実施例1において用いた4ッ口フラスコに、インドー
ル5.0グラム(42.7ミリモル)、触媒としてタングステ
ンヘキサカルボニル151.3ミリグラム(0.43ミリモ
ル)、および溶媒としてベンゼン40グラムを仕込んだ。
この液をオイルバスにより60℃に加熱し、撹拌しなが
ら、滴下ロートより酸化剤として無機過酸化物である30
重量%の過酸化水素水溶液48.4グラム(過酸化水素換算
で427.0ミリモル)を2時間かけて滴下した後、そのま
ま8時間反応させた。反応の進行とともに藍色の固体が
徐々に析出してきた。反応終了後この反応液を濾過し、
固体を水およびメタノールで充分洗浄した後、50℃で減
圧乾燥させてインジゴを0.71グラム得た。インジゴ収率
は12.6%であり、1時間当りのインジゴ収率は1.6%で
あった。
比較例3 実施例51において触媒として用いたタングステンヘキ
サカルボニルを使用しなかった以外は、すべて実施例51
と同様に反応および後処理を行ったところ、インジゴが
0.44グラム得られた。インジゴ収率は7.8%、1時間当
りのインジゴ収率は1.0%であり、比較例1および2と
同様触媒を使用しないと収率も低く、また生成速度も遅
くなっていた。
実施例52 実施例2における4ッ口フラスコに、インドール5.0
グラム(42.7ミリモル)、添加剤として脱水剤である無
水酢酸0.44グラム(4.3ミリモル)、および酸化剤とし
て30重量%過酸化水素水溶液50ミリリットルとアセトフ
ェノン75ミリリットルとを分液ロートに取りよく振り混
ぜた後水相を分液して除いたアセトフェノン相(過酸化
水素アセトフェノン溶液)を一括して仕込んだ。これを
撹拌しながらオイルバスにより80℃に加熱し、5時間反
応させた。反応終了後、この反応液を濾過し、固体をメ
タノールで充分洗浄した後、50℃で減圧乾燥させてイン
ジゴを0.52グラム得た。インジゴ収率は9.3%、1時間
当りのインジゴ収率は1.9%であった。
比較例4 実施例52において添加剤として用いた無水酢酸を使用
しなかった以外は、すべて実施例52と同様に、反応およ
び後処理を行ったところ、インジゴ収率は4.8%、1時
間当りのインジゴ収率は1.0%であった。
実施例53 撹拌機、温度計、ガス吹き込み管および冷却器を装着
した、内容積100ミリリットルの4ッ口フラスコにイン
ドール5.0グラム(42.7ミリモル)、触媒としてモリブ
デンヘキサカルボニル11.3ミリグラム(0.043ミリモ
ル)、および溶媒としてイソプロピルベンゼン40グラム
を仕込んだ。酸化剤として酸素類である空気を300ml/mi
nの速度で反応混合液中に吹き込みながら、約80℃で10
時間撹拌しながら反応を行った後、実施例1と同様の後
処理を行なったところ、インジゴ収率は8.0%、1時間
当りのインジゴ収率は0.8%であった。
実施例54 還流器付きのガラス製反応フラスコに、インドール1.
17g、クロロホルム50ml、トリエチルベンジルアンモニ
ウムクロライド0.5gを仕込み、加熱還流しながら、30%
過酸化水素水20mlを滴下したところ、反応液は藍色に変
化した。更に30%過酸化水素水70mlを滴下した後、常圧
還流下で3時間反応を行った。藍色の結晶0.27gを得
た。赤外線分析の結果、この結晶はインジゴであること
が判明した。インジゴの収率は20.6%であった。
実施例55 実施例54で実施した方法に於いて、反応液の組成をク
ロロホルムの代わりにクメン30mlおよび水30mlを加え
た。また、過酸化水素水の代わりに83%クメンヒドロペ
ルオキシド70mlを滴下し、以下、実施例54と同様の操作
を行った結果、インジゴ0.21gを得た。インジゴの収率
は16.0%であった。
実施例56 実施例54で実施した方法に於いて、触媒として5%Pd
/c(パラジウム含有率5%)0.1gを反応液中に添加し、
それ以外は実施例54と同様な方法で実験を行った結果、
インジゴ0.32gを得た。インジゴの収率は24.4%であっ
た。
比較例5 実施例54で実施した方法に於いて、トリエチルベンジ
ルアンモニウムクロライドを使用せず、それ以外は実施
例54と同様な方法で実験を行った結果、インジゴ0.13g
を得た。インジゴの収率は9.9%であった。
比較例6 実施例55で実施した方法に於いて、トリエチルベンジ
ルアンモニウムクロライドを使用せず、それ以外は実施
例55と同様な方法で実験を行った結果、インジゴ0.05g
を得た。インジゴの収率は3.8%であった。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、2位および3位に置換基を有
しないインドール類と酸素原子を与える酸化剤とを触媒
および/または添加剤の存在下に反応させるという簡便
な方法により一段で、しかも触媒や添加剤を用いない場
合と比べ、高い収率と高い生成速度でインジゴ類を製造
することができるという、極めて効率的なインジゴ類の
製造方法となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 31/02 B01J 31/02 X 101 101X 31/04 31/04 X 31/12 31/12 X 31/18 31/18 X 31/20 31/20 X 31/22 31/22 X // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 審査官 滝口 尚良

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2位および3位に置換基を有しないインド
    ール類と酸素原子を与える酸化剤とを、インドール類の
    3位の炭素を酸化する金属化合物触媒および/または添
    加剤の存在下に反応させることを特徴とするインジゴ類
    の製造方法。
  2. 【請求項2】酸素原子を与える酸化剤が、有機過酸化
    物、無機過酸化物および酸素類から選ばれる化合物であ
    る請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】酸素原子を与える酸化剤が、有機ヒドロ過
    酸化物、過カルボン酸、過酸化水素および酸素類から選
    ばれる化合物である請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】インドール類の3位の炭素を酸化する金属
    化合物触媒が、オレフィンのエポキシ化反応およびオレ
    フィンまたはアルコールのケト化反応に用いられる触媒
    金属の化合物から選ばれる金属化合物である請求項1に
    記載の方法。
  5. 【請求項5】インドール類の3位の炭素を酸化する金属
    化合物触媒が、周期律表の4A族、5A族および6A族金属、
    銀、アルミニウム、鉄族金属、白金族金属、および亜鉛
    の化合物から選ばれる金属化合物である請求項1に記載
    の方法。
  6. 【請求項6】添加剤が、脱水剤、フリーラジカル捕捉
    剤、触媒金属の配位子類、硼酸エステルおよびメタ硼酸
    エステル類、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩
    類、希土類金属の塩類、および相間移動触媒化合物から
    選ばれる化合物である請求項1に記載の方法。
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JP1-38187 1989-02-20
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