JPH05171050A - インジゴ類の製造方法 - Google Patents

インジゴ類の製造方法

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JPH05171050A
JPH05171050A JP33682291A JP33682291A JPH05171050A JP H05171050 A JPH05171050 A JP H05171050A JP 33682291 A JP33682291 A JP 33682291A JP 33682291 A JP33682291 A JP 33682291A JP H05171050 A JPH05171050 A JP H05171050A
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indigo
reaction
indole
acid
solvent
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Application number
JP33682291A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Inoue
佳尚 井上
Usaji Takagi
夘三治 高木
Shinobu Aoki
忍 青木
Retsu Hara
烈 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B7/00Indigoid dyes
    • C09B7/02Bis-indole indigos

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 2位および3位に置換基を有しないインドー
ル類と有機ヒドロ過酸化物とを反応させることにより該
インドール類に対応するインジゴ類を製造するに際し、
特定の溶媒である2級または3級アルコールと特定の触
媒であるモリブデン酸類またはそれらの塩とを組み合わ
せて用いて反応させることを特徴とするインジゴ類の製
造方法である。 【効果】 本発明の方法によれば、一段反応でしかも従
来技術よりも高い収率および高い生成速度で、原料のイ
ンドール類に対応するインジゴ類を製造することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インジゴ類の製造方法
に関するものである。更に詳しくは、2位および3位に
置換基を有しないインドール類と有機ヒドロ過酸化物と
を反応させることにより該インドール類に対応するイン
ジゴ類を製造するに際し、特定の溶媒と特定の触媒とを
組み合わせて用いて反応させるインジゴ類の製造方法に
関するものである。インジゴ類は染料として重要な化合
物である。
【0002】
【従来の技術】現在、工業的なインジゴの製造方法とし
ては、アニリンとクロロ酢酸もしくはアニリン、青酸お
よびホルムアルデヒドを原料としてN−フェニルグリシ
ン塩を製造し、これを高温でアルカリ溶融してインドキ
シル化合物とした後、更にこれを空気酸化する方法が採
用されている。しかしながらこれらの方法は反応工程が
多段階で極めて複雑であるばかりでなく、大量の水酸化
カリウムと水酸化ナトリウムを使用しなければならない
ので、これらの回収再使用に際して多大のエネルギーを
消費し、またそのための特殊な装置が必要であるという
問題がある。そのため、より簡素なプロセスへの転換が
望まれている。
【0003】本発明者らは、特開平1-215859において2
位および3位に置換基を有しないインドール類を有機ヒ
ドロ過酸化物と反応させることを特徴とするインジゴ類
の製造方法を開示し、また特開平3-768 において2位お
よび3位に置換基を有しないインドール類と酸化剤と
を、インドール類の3位の炭素を酸化する金属化合物触
媒および/または添加剤の存在下に反応させることを特
徴とするインジゴ類の製造方法を開示した。さらに、特
開平2-269160および特開平3-131660において2位および
3位に置換基を有しないインドール類と有機ヒドロ過酸
化物とを、特定の添加剤の存在下に反応させるインジゴ
類の製造方法を開示した。しかしながら、これらの方法
でもインジゴ類の収率および生成速度はまだ充分なもの
ではない。
【0004】また、本発明の方法とは反応自体が異なっ
てはいるが、3位に置換基を有するインドール類である
3-ホルミルインド−ル類を原料とし、これを有機溶媒中
で過酸化物と反応させた後、更に酸化するという2段反
応でインジゴ類を得た例がある(特開昭54-124027 )。
しかしながらこの方法の原料である3-ホルミルインド−
ル類は容易に入手できる化合物ではなく、インド−ル類
から一端複雑な反応により合成する必要がある。しか
も、インド―ル類の3位の炭素は酸素と結合を作ってイ
ンジゴ類を形成するので、この方法では3-ホルミル基の
脱離が起こらなければならず、このことによる副生物の
生成によって反応系が複雑になるなど、簡便なインジゴ
類の製造方法とはいえない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、簡便
なインジゴ類の製造方法を提供することである。本発明
のいま一つの課題は、インドール類を原料とし、前記し
た従来の技術より高い収率および高い生成速度でインジ
ゴ類を製造する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、工業的に
入手容易なインドール類を原料とし、有機ヒドロ過酸化
物を酸化剤として、効率よく一段で簡便にインジゴ類を
製造する反応系の開発を目指し、鋭意検討を続けてきた
ところ、特定の溶媒と特定の触媒とを組み合わせて用い
て反応させると、一段で簡便に、しかも高い収率および
高い生成速度で、原料のインドール類に対応するインジ
ゴ類が得られることを見いだし、本発明を完成させるに
至った。すなわち本発明は、2位および3位に置換基を
有しないインドール類と有機ヒドロ過酸化物を反応させ
て該インドール類に対応するインジゴ類を製造するに際
し、溶媒として2級または3級アルコールを用い、かつ
触媒としてモリブデン酸類またはそれらの塩を用いて反
応させることを特徴とするインジゴ類の製造方法であ
る。
【0007】本発明の方法では、インドール類はその2
位の炭素どうしが二重結合で二量化し、またその3位の
炭素は酸素と結合を作ってインジゴ類を生成するため、
2位および3位に置換基を有しているとインジゴ類の生
成が妨害される。従って本発明の方法における原料のイ
ンドール類は、2位および3位に置換基を有してはなら
ない。そのような2位および3位に置換基を有しないイ
ンドール類とは、例えば、インドールをはじめとし、1
−メチルインドール、4−エチルインドール、5−メチ
ルインドール、6−メチルインドール、6−イソプロピ
ルインドール、7−メチルインドール、4,5-ジメチルイ
ンドールなどの炭素数1〜10のアルキル基を1〜4個
有するアルキルインドール類であり、4−シクロヘキシ
ルインドール、5−シクロペンチルインドールなどの炭
素数3〜12のシクロアルキル基を1〜4個有するシク
ロアルキルインドール類であり、5−フェニルインドー
ル、6−β−ナフチルインドールなどの炭素数6〜30
のアリール基またはアルキル置換アリール基を1〜4個
有するアリールインドール類であり、4−クロロインド
ール、5−クロロインドール、5,7-ジクロロインドー
ル、5−ブロモインドール、6−ブロモインドール、5,
7-ジブロモインドール、4−クロロ−5−ブロモインド
ールなどの1〜4個のハロゲン原子を有するハロゲン化
インドール類であり、4−ヒドロキシインドール、5−
ヒドロキシインドール、4,5-ジヒドロキシインドールな
どの1〜4個のヒドロキシ基を有するヒドロキシインド
ール類であり、4−メトキシインドール、5−ベンジル
オキシインドールなどの炭素数1〜10のアルコキシ基
を1〜4個有するアルコキシインドール類であり、5−
フェノキシインドールなどの炭素数6〜30のフェノキ
シ基を1〜4個有するフェノキシインドール類であり、
4−クロロ−5−エチルインドール、6−クロロ−4−
メチルインドール、4−ブロモ−5−エチルインドー
ル、5−ブロモ−4−メチルインドールなどの1〜3個
のハロゲン原子および炭素数1〜10のアルキル基を1
〜3個有するハロゲン化アルキルインドール類であり、
4−ニトロインドール、5−ニトロインドール、7−ニ
トロインドールなどの1〜4個のニトロ基を有するニト
ロインドール類であり、1−ベンゾイルインドール、4
−アセチルインドールなどの炭素数2〜20のアシル基
を1〜4個有するアシルインドール類であり、1−アセ
トキシインドール、4−ベンゾイルオキシインドールな
どの炭素数2〜20のアシルオキシ基を1〜4個有する
アシルオキシインドール類であり、インドール−5−カ
ルボン酸などのインドールカルボン酸類またはそのエス
テル類であり、5−N,N−ジメチルアミノインドール
などのアルキル部分が炭素数1〜10であるN,N−ジ
アルキルアミノ基を1〜4個有するN,N−ジアルキル
アミノインドール類であり、スルホン化インドール類な
どである。更に、上記した置換基を2種類以上有してい
るインドール類も含まれる。この他、2位および3位以
外の位置には反応を阻害しないものであれば置換基を有
していてもよい。これらのインドール類の中でも、イン
ドール、アルキルインドール類およびハロゲン化インド
ール類が好ましく、このうちインドールがより好まし
い。
【0008】本発明の方法におけるもう一方の原料であ
る有機ヒドロ過酸化物とは、ヒドロペルオキシ基(式
1)を有する有機化合物のことであり、例えば、デ・ス
ワーン (D.Swern )著″オーガニック・ペルオキシド(Organi
c Peroxides) Vol.II",ウィリー・インターサイエンス
(Wiley-Interscience ) 刊 (1971年); 107-127頁の表
中、または、エイ・ジー・デービス(A.G.Davies)著″
オーガニック・ペルオキシド(Organic Peroxides)",ブ
ッターワース(Butterworths)刊 (1961年);9-33 頁の
表中に挙げられているようなものである。これらのう
ち、例えば、ターシャリーブチルヒドロペルオキシド、
1−フェニルエチルヒドロペルオキシド(慣用名エチル
ベンゼンヒドロペルオキシド)、1−メチル−1−フェ
ニルエチルヒドロペルオキシド(慣用名クメンヒドロペ
ルオキシド)、ビス(1−メチルエチル)フェニルヒド
ロペルオキシド、1−メチル−1−(4−メチルシクロ
ヘキシル)エチルヒドロペルオキシド、2,5-ジメチルヘ
キサン-2,5- ジヒドロペルオキシド、1,1,3,3-テトラメ
チルブチルヒドロペルオキシドなどのような、アルキル
部分の炭素数が3〜30である2級または3級のアルキ
ルヒドロ過酸化物が好ましい。これらの有機ヒドロ過酸
化物は単独で用いても、2種以上を混合して同時に用い
ても、または2種以上を順次用いても構わない。さらに
は、これらの有機ヒドロ過酸化物としては、例えばイソ
プロピルベンゼンと酸素含有ガスとの組み合わせなど、
反応系内でこれらの有機ヒドロ過酸化物を発生させるこ
とのできる成分の組合せであってもよい。これらの有機
ヒドロ過酸化物の使用量は特に限定されるものではない
が、通常当該インドール類1モルに対して0.01ないし1
00モルの範囲であり、好ましくは0.1ないし20モル
の範囲であり、更に好ましくは0.2 ないし10モルの範
囲である。
【0009】本発明の方法における溶媒である2級また
は3級アルコールとは、例えば、イソプロパノール、2
−ブタノール、3−ペンタノール、3−メチル−2−ブ
タノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−ヘプタ
ノール、1−フェニル−2−プロパノール、2−オクタ
ノールなどの炭素数3〜20である、水酸基を有する炭
素に直鎖または分岐のアルキル基もしくはアリール基置
換のアルキル基が2個結合する脂肪族第2級アルコール
類であり、シクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキ
サノール、3−イソプロピルシクロヘキサノール、4−
フェニルシクロヘキサノールなどの炭素数5〜20であ
る、脂環族またはアルキル基もしくはアリール基置換の
脂環族の第2級アルコール類であり、1−フェニル−1
−エタノール、1−(4−イソプロピルフェニル)−1
−エタノール、1−フェニル−1−プロパノール、ジフ
ェニルカルビノールなどの炭素数8〜30である、アル
キル基またはアリール基置換のベンジルアルコール型の
第2級アルコ−ル類であり、さらには、ターシャリーブ
チルアルコール、ターシャリーペンチルアルコール(慣
用名ターシャリーアミルアルコール)、3−メチル−3
−ペンタノール、2,3−ジメチル−2−ペンタノー
ル、4−フェニル−2−メチル−2−ヘキサノール、1
−フェニル−2−メチル−2−プロパノールなどの炭素
数4〜20である、水酸基を有する炭素に直鎖または分
岐のアルキル基もしくはアリール基置換のアルキル基が
3個結合する脂肪族第3級アルコール類であり、1−メ
チルシクロヘキサノール、4−エチル−1−メチルシク
ロヘキサノールなどの炭素数6〜20である、1−アル
キル基置換の脂環族第3級アルコール類であり、2−フ
ェニル−2−プロパノール(慣用名ジメチルフェニルカ
ルビノール)、1,1−ジフェニル−1−エタノール
(慣用名ジフェニルメチルカルビノール)、2−フェニ
ル−2−ブタノール、2−(4−イソプロピルフェニ
ル)−2−プロパノールなどの炭素数9〜30である、
アルキル基またはアリール基置換のベンジルアルコール
型の第3級アルコール類などが挙げられる。更には、2
−メチル−2,4−ペンタンジオールなどのように、一
分子中に2個以上の第2級および/または第3級アルコ
ール性の水酸基を有するものも挙げられる。これらは単
独でもまたは2種以上を混合して使用してもよい。
【0010】本発明の方法における触媒であるモリブデ
ン酸類またはそれらの塩とは、具体的には、例えば、正
モリブデン酸などのモノモリブデン酸であり、二モリブ
デン酸(ピロモリブデン酸)、四モリブデン酸(メタモ
リブデン酸)、七モリブデン酸(パラモリブデン酸)な
どのイソポリモリブデン酸であり、ドデカモリブドリン
酸、ドデカモリブドケイ酸などのヘテロポリモリブデン
酸であるところのモリブデン酸類であり、例えば、正モ
リブデン酸二アンモニウム、二モリブデン酸二アンモニ
ウム、四モリブデン酸二アンモニウム、五モリブデン酸
四アンモニウム、七モリブデン酸六アンモニウム、八モ
リブデン酸二アンモニウム、ドデカモリブドリン酸四ア
ンモニウムなどのモリブデン酸類のアンモニウム塩であ
り、例えば、正モリブデン酸二リチウム、正モリブデン
酸二ナトリウム、二モリブデン酸二ナトリウム、四モリ
ブデン酸二ナトリウム、三モリブデン酸二カリウム、四
モリブデン酸二カリウム、ドデカモリブドケイ酸四ナト
リウムなどのモリブデン酸類のアルカリ金属塩であり、
例えば、正モリブデン酸カルシウム、正モリブデン酸バ
リウム、七モリブデン酸三バリウムなどのモリブデン酸
類のアルカリ土類金属塩などがあげられる。また、モリ
ブデン酸イオンの対イオンが複数である場合に、その対
イオンがアンモニウムイオン、アルカリ金属イオンおよ
びアルカリ土類金属イオンの中の複数の種類のイオンか
らなるモリブデン酸類の塩であってもよい。さらには、
例えば、ドデカモリブドケイ酸水素三リチウムなどのよ
うな、対イオンの一部に水素イオンを残したモリブデン
酸類の塩であってもよい。これらのモリブデン酸類また
はそれらの塩は、無水物であってもまた結晶水を含んだ
水和物であってもかまわない。また、これらのモリブデ
ン酸類およびそれらの塩の金属原子に配位している酸素
原子の一部が他の原子または他の置換基により置き換え
られたモリブデン酸類およびそれらの塩であってもよ
い。これらの触媒であるモリブデン酸類またはそれらの
塩は、単独でもまたは2種以上を同時に使用することも
できる。また、反応系内でこれらの触媒を発生させるこ
とのできる成分の組合せであってもよい。またこれらの
触媒は反応に用いる溶媒と同種または異種の少量の溶媒
にあらかじめ溶解または懸濁させた触媒液として用いる
こともできる。これらの触媒のうち、モリブデン酸類の
アンモニウム塩は好ましい。これらの触媒の使用量は特
に制限はないが、通常、モリブデン酸類またはそれらの
塩に含まれるモリブデンがインドール類1モルに対して
0.5 グラム原子以下であり、好ましくは0.000001ないし
0.1 グラム原子の範囲であり、更に好ましくは0.00001
ないし0.1 グラム原子の範囲である。
【0011】本発明者らは、特開平3-768 、特開平2-26
9160および特開平3-131660において、2位および3位に
置換基を有しないインドール類と酸素原子を与える酸化
剤または有機ヒドロ過酸化物とを反応させインジゴ類を
製造する際には、通常溶媒の共存下に反応させることを
開示したし、さらに、触媒としてインドール類の3位の
炭素を酸化する金属化合物触媒の存在下に反応させるこ
とも開示した。しかしながら、特定の溶媒と特定の触媒
を組み合わせて用いて反応させることの重要性について
はまったく未知であった。一方、本発明の方法において
は、2級または3級アルコールとモリブデン酸類または
それらの塩を、それぞれ溶媒と触媒として組み合わせて
用いて反応させることにより、従来法に比べより高い収
率およびより高い生成速度でインジゴ類を製造すること
ができるのである。また、本発明の方法における触媒で
あるモリブデン酸類またはそれらの塩は、大量の入手が
容易でしかも安価であり工業的にも極めて有利である。
【0012】本発明の方法において、有機カルボン酸類
を存在させると、インジゴ類の収率および生成速度を一
層向上させるので好ましい。このような有機カルボン酸
類としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ステアリン
酸、フェニル酢酸、オレイン酸または桂皮酸などの脂肪
族カルボン酸、もしくは安息香酸、パラメチル安息香
酸、メタクロロ安息香酸またはパラヒドロキシ安息香酸
などの芳香族カルボン酸などであり、これらのうち、酢
酸、プロピオン酸または安息香酸が好ましい。本発明の
方法における反応の実施方式は特に限定されるものでは
なく、インドール類、有機ヒドロ過酸化物、触媒、溶媒
および有機カルボン酸類などが効果的に混合され接触さ
れる方法であれば如何なる方法でもよく、回分式、半回
分式または連続流通式のいずれでも構わない。
【0013】反応温度は原料のインドール類、有機ヒド
ロ過酸化物、触媒、溶媒および有機カルボン酸類などの
種類や量などにより異なり一様ではない。しかしながら
通常反応温度は零下10ないし200℃の範囲であり、
好ましくは10ないし150℃の範囲であり、更に好ま
しくは40ないし110℃の範囲である。反応時間は通
常50時間以内であり、好ましくは0.01ないし20時間
の範囲である。反応は場合によって減圧、常圧または加
圧の何れでも実施できる。本発明の方法においては、反
応は不活性ガス雰囲気下でも、空気などの分子状酸素の
存在下でも行なうことができる。
【0014】本発明の方法において、反応終了後の反応
生成物を常用の方法に従って処理することによりインジ
ゴ類が得られる。通常、反応終了後生成したインジゴ類
はその多くが析出しており、濾過、遠心分離またはデカ
ンテーションなどの通常の固液分離の操作により容易に
固体として取り出すことができる。インジゴ類の析出量
が不十分な場合には、より多く析出させるため反応液を
濃縮した後取り出すこともできる。本発明の方法により
得られるインジゴ類は、原料のインドール類と対応して
おり、インジゴ類の芳香環上および窒素原子上には原料
のインドール類と同一の置換基を同一の位置に有するも
のである。
【0015】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、これらは限定的ではなく単に説明のためと解され
るべきである。
【0016】実施例1 攪拌機、温度計および冷却管を装着した内容積300 ミリ
リットルの3ッ口フラスコにインドール10.0グラム(8
5.4ミリモル)、触媒として七モリブデン酸六アンモニ
ウム四水和物30.14 ミリグラム(モリブデン金属換算で
0.17ミリグラム原子) 、溶媒としてターシャリーブチル
アルコール150 グラム、82重量%1−メチル−1−フェ
ニルエチルヒドロペルオキシド(慣用名クメンヒドロペ
ルオキシド)のクメン溶液(以降、単にCHP溶液と略
称する)34.87 グラム(クメンヒドロペルオキシド換算
で187.9 ミリモル)および酢酸0.51グラム(8.5 ミリモ
ル)を一括して仕込んだ。この液をオイルバスにより加
熱し還流させ、攪拌しながら7時間反応させた。反応初
期の液温は86.5℃であったが、7時間後には84.8℃にな
っていた。また、反応開始時は反応系は均一であった
が、反応の進行とともに藍色の固体が徐々に析出してき
た。反応終了後、この反応混合液を濾過し、固体を少量
のターシャリーブチルアルコールおよびメタノールで洗
浄後、50℃で減圧乾燥させて藍色の固体を8.98グラム得
た。これは、元素分析およびIR分析の結果インジゴで
あった。仕込んだインドールに対する単離したインジゴ
のモル収率(以降、単にインジゴ収率と略称する)は8
0.2%であり、生成速度の目安とする1時間当りのイン
ジゴ収率は11.5%であった。
【0017】比較例1 実施例1において、溶媒としてターシャリーブチルアル
コール150 グラムの代わりにクメン150 グラムを用いた
以外は、実施例1と同量のインドール、七モリブデン酸
六アンモニウム四水和物、CHP溶液および酢酸を仕込
んだ。この液を反応温度を85℃に保って7時間反応させ
た。反応終了後、得られた反応混合液を濾過し、少量の
クメンとメタノールで洗浄後、50℃で減圧乾燥させてイ
ンジゴを1.30グラム得た。インジゴ収率は11.6%、1時
間当りのインジゴ収率は1.7 %であった。
【0018】実施例2 実施例1において、酢酸を加えなかった以外はすべて実
施例1と同様に反応および後処理を行ったところ、イン
ジゴが8.19グラム得られた。インジゴ収率は73.2%、1
時間当たりのインジゴ収率は10.5%であった。
【0019】実施例3 攪拌機、温度計および冷却管を装着した内容積500 ミリ
リットルの3ッ口フラスコにインドール10.0グラム(8
5.4ミリモル)、触媒として二モリブデン酸二アンモニ
ウム無水物43.53 ミリグラム(モリブデン金属換算で0.
26ミリグラム原子) 、溶媒としてターシャリーブチルア
ルコール300 グラムおよびCHP溶液39.63 グラム(ク
メンヒドロペルオキシド換算で213.5 ミリモル)を一括
して仕込んだ。この液をオイルバスにより加熱し還流さ
せ、攪拌しながら7時間反応させた。反応初期の液温は
86.5℃であったが、7時間後には84.8℃になっていた。
反応終了後、この反応混合液を濾過し、固体を少量のタ
ーシャリーブチルアルコールおよびメタノールで洗浄
後、50℃で減圧乾燥させてインジゴ7.88グラムを得た。
インジゴ収率は70.4%であり、1時間当りのインジゴ収
率は10.1%であった。
【0020】実施例4 攪拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却管を装着した内
容積300 ミリリットルの4ッ口フラスコにインドール1
0.0グラム(85.4ミリモル)、触媒として正モリブデン
酸二ナトリウム二水和物41.31 ミリグラム(0.17ミリモ
ル) および溶媒としてタ−シャリ−ペンチルアルコ−ル
(慣用名タ−シャリ−アミルアルコ−ル)150 グラムを
仕込んだ。この液をオイルバスにより100 ℃に加熱し、
攪拌しながら滴下ロートよりCHP溶液39.63 グラム
(クメンヒドロペルオキシド換算で213.5 ミリモル)を
1時間かけて滴下し、そのまま同じ反応条件で4時間反
応させた。反応終了後、この反応混合液を濾過し、固体
を少量のターシャリーアミルアルコールおよびメタノー
ルで洗浄後、50℃で減圧乾燥させてインジゴ8.06グラム
を得た。インジゴ収率は72.0%であり、1時間当りのイ
ンジゴ収率は14.4%であった。
【0021】実施例5 攪拌機、温度計、および冷却管を装着した内容積500 ミ
リリットルの3ッ口フラスコにインドール10.0グラム
(85.4ミリモル)、触媒として正モリブデン酸一水和物
46.09 ミリグラム(0.26ミリモル) 、溶媒として2−ブ
タノール300 グラムおよびCHP溶液63.41 グラム(ク
メンヒドロペルオキシド換算で341.6 ミリモル)を一括
して仕込んだ。この液をオイルバスにより100 ℃に加熱
し、攪拌しながら6時間反応させた。反応終了後、この
反応混合液を濾過し、固体を少量の2−ブタノールおよ
びメタノールで洗浄後、50℃で減圧乾燥させてインジゴ
7.75グラムを得た。インジゴ収率は69.2%であり、1時
間当りのインジゴ収率は11.5%であった。
【0022】比較例2 攪拌機、温度計、および冷却管を装着した内容積500 ミ
リリットルの3ッ口フラスコにインドール10.0グラム
(85.4ミリモル)、触媒としてナフテン酸モリブデンの
トルエン溶液(モリブデン金属として6重量%含有)27
3.6 ミリグラム(モリブデン金属換算で0.17ミリモ
ル)、溶媒としてトルエン300 グラムおよびCHP溶液
39.63 グラム(クメンヒドロペルオキシド換算で213.5
ミリモル)を一括して仕込んだ。この液をオイルバスに
より100 ℃に加熱し、攪拌しながら7時間反応させた。
反応終了後、この反応混合液を濾過し、固体を少量のト
ルエンおよびメタノールで洗浄後、50℃で減圧乾燥させ
てインジゴ5.41グラムを得た。インジゴ収率は48.3%で
あり、1時間当りのインジゴ収率は6.9 %であった。
【0023】実施例6 攪拌機、温度計、および冷却管を装着した内容積50ミリ
リットルの3ッ口フラスコに七モリブデン酸六アンモニ
ウム四水和物5.00グラムおよびエチレングリコール43.9
5 グラムを仕込んだ。この液をオイルバスで100 ℃に加
熱し、30分攪拌した。30分後、七モリブデン酸六アンモ
ニウム四水和物はエチレングリコールに完全に溶解し、
無色透明の溶液が得られた。この溶液を分析すると、モ
リブデンが5.55重量%含まれていた。このようにして、
七モリブデン酸六アンモニウム四水和物のエチレングリ
コール溶液を調製した。攪拌機、温度計、および冷却管
を装着した内容積300 ミリリットルの3ッ口フラスコに
インドール10.0グラム(85.4ミリモル)、触媒として上
記の方法で調製した七モリブデン酸六アンモニウム四水
和物のエチレングリコール溶液73.8ミリグラム(モリブ
デン金属換算で0.043 ミリグラム原子)、溶媒としてタ
ーシャリーブチルアルコール150 グラム、CHP溶液3
6.46 グラム(クメンヒドロペルオキシド換算で196.4
ミリモル)および酢酸0.51グラム(8.5 ミリモル)を一
括して仕込んだ。この液をオイルバスにより加熱し還流
させ、攪拌しながら7時間反応させた。反応初期の液温
は86.5℃であったが、7時間後には84.8℃になってい
た。反応終了後、この反応混合液を濾過し、固体を少量
のターシャリーブチルアルコールおよびメタノールで洗
浄後、50℃で減圧乾燥させてインジゴ9.02グラムを得
た。インジゴ収率は80.6%であり、1時間当りのインジ
ゴ収率は11.5%であった。
【0024】実施例7 攪拌機、温度計および攪拌機を装着した50ミリリットル
の三ッ口フラスコに、七モリブデン酸六アンモニウム四
水和物3.00グラムと水9.00グラムを仕込み、50℃で10分
間攪拌した。10分後、七モリブデン酸六アンモニウム四
水和物は水に完全に溶解し、無色透明の溶液が得られ
た。この溶液を分析すると、モリブデンが13.6重量%含
まれていた。このようにして、七モリブデン酸六アンモ
ニウム四水和物の水溶液を調製した。実施例6におい
て、触媒として七モリブデン酸六アンモニウム四水和物
のエチレングリコール溶液の代わりに、上記の方法で調
製した七モリブデン酸六アンモニウム四水和物の水溶液
120 ミリグラム(モリブデン金属換算で0.17ミリグラム
原子)を用い、CHP溶液の代わりに73重量%1−フェ
ニルエチルヒドロペルオキシド(慣用名エチルベンゼン
ヒドロペルオキシド)のエチルベンゼン溶液37.16 グラ
ム(エチルベンゼンヒドロペルオキシド換算で196.3 ミ
リモル)を用い、さらに酢酸の代わりに安息香酸1.04グ
ラム(8.5 ミリモル) を用いた以外は実施例6と同様に
反応および後処理を行ったところ、インジゴが8.65グラ
ム得られた。インジゴ収率は77.3%、1 時間当たりのイ
ンジゴ収率は11.0%であった。
【0025】比較例3 実施例6において、溶媒としてターシャリーブチルアル
コール150 グラムの代わりに1級アルコールである1−
ヘプタノール150 グラムを用いた以外は、実施例6と同
量のインドール、七モリブデン酸六アンモニウム四水和
物のエチレングリコール溶液、CHP溶液および酢酸を
仕込んだ。この液を反応温度を85℃に保って7時間反応
させた。反応終了後、反応混合液を濾過し、固体を少量
の1−ヘプタノールおよびメタノールで洗浄後、50℃で
減圧乾燥させてインジゴ5.52グラムを得た。インジゴ収
率は49.3%であり、1時間当たりのインジゴ収率は7.0
%であった。
【0026】実施例8 攪拌機、温度計、および冷却管を装着した内容積300 ミ
リリットルの3ッ口フラスコにインドール10.0グラム
(85.4ミリモル)、触媒としてドデカモリブドリン酸無
水物12.98 ミリグラム(モリブデン金属換算で0.085 ミ
リグラム原子)、溶媒としてイソプロピルアルコール15
0 グラム、CHP溶液47.53 グラム(クメンヒドロペル
オキシド換算で256.1 ミリモル)およびプロピオン酸0.
63グラム(8.5 ミリモル)を一括して仕込んだ。この液
をオイルバスにより加熱し還流させ、攪拌しながら7時
間反応させた。反応初期の液温は85.6℃であったが、7
時間後には84.7℃になっていた。反応終了後、この反応
混合液を濾過し、固体を少量のイソプロピルアルコール
およびメタノールで洗浄後、50℃で減圧乾燥させてイン
ジゴ7.75グラムを得た。インジゴ収率は69.2%であり、
1時間当りのインジゴ収率は9.9 %であった。
【0027】
【発明の効果】本発明の方法によれば、2位および3位
に置換基を有しないインドール類と有機ヒドロ過酸化物
とを反応させることにより該インドール類に対応するイ
ンジゴ類を製造するに際し、特定の溶媒である2級また
は3級アルコールと特定の触媒であるモリブデン酸類ま
たはそれらの塩とを組み合わせて用いて反応させるとい
う簡便な方法によって、一段でしかも従来技術よりも高
い収率および高い生成速度で、原料のインドール類に対
応するインジゴ類を製造することができるという、極め
て効果的なインジゴ類の製造方法となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 烈 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2位および3位に置換基を有しないイン
    ドール類と有機ヒドロ過酸化物を反応させて、該インド
    ール類に対応するインジゴ類を製造するに際し、溶媒と
    して2級または3級アルコールを用い、かつ、触媒とし
    てモリブデン酸類またはそれらの塩を用いて反応させる
    ことを特徴とするインジゴ類の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機カルボン酸類の存在下に反応させる
    特許請求の範囲第1項記載の方法。
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