JP2553300Y2 - 収納壁パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、壁パネル間に組み込ま
れることにより室内の壁面に収納スペースが設けられる
収納壁パネルに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、プレハブ住宅を施工する方法の一
つに、芯材を四角枠状に組んだ枠体の両面に、面板を貼
設してなる矩形状の木質パネルを使用して、床、壁等を
組み立てる方法が知られている。この木質パネルを使用
して外壁若しくは室内壁を施工するには、予め工場内で
製造された木質パネルを、基礎上に敷設された床上に複
数枚連接することにより壁が形成される。これにより、
工期短縮、あるいはコスト低減が図られるとともに、構
造強度上等においても有利な構造となる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで、従来の住宅
構造においては、新たに室内に収納部を確保しようとす
ると、室内に設置された収納部によって室内のデッドス
ペースが増えるため、室内スペースの有効利用という点
から課題があった。本考案は前記事情を考慮してなされ
たものであって、壁内部に収納スペースを設けることに
より、室内スペースの有効利用が可能な収納壁パネルを
提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案の収納壁パネル
は、壁パネルが連設されてなる壁体の一部に組み込まれ
ることにより壁面内部に収納スペースが設けられる収納
壁パネルであって、矩形状に枠組みされた枠体の室内側
となる片面に表面材が開口部を形成して貼設され、かつ
この枠体の他方の面全域に裏面材が貼設され、さらに開
口部の周縁に沿って表面材との間に面方向の隙間を形成
するように固定枠材が配設されてなる収納パネル本体
と、箱形に形成されその開口を室内側に向けて前記固定
枠材の内側側面に挿入された収納部とこの収納部の周縁
から前記固定枠材の表面部に沿って延びる周縁部とこの
周縁部の周縁から折り返され前記の隙間に挿入されて延
びる取付片とから構成された収納ボードとを有してな
り、この収納ボードが、前記収納パネル本体の隙間に着
脱自在に嵌入されたくさび部材によって収納パネル本体
に着脱自在に固定されたことを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】本考案の収納壁パネルによれば、壁パネル間に
収納壁パネルを組み込むだけで、新たに室内に収納部を
確保することなく壁面に収納スペースが設けられる。ま
た、収納壁パネルを複数連設することにより多くの収納
スペースが設けられ、また、その配置位置をニーズに合
わせて組み込むことにより多様化された室内構造が得ら
れる。さらに、収納ボードが、着脱自在なくさび部材に
よって収納パネル本体に固定されるので、現場での作業
性能が向上し、他の収納ボードと容易に交換することが
できる。

【０００６】

【実施例】以下、本考案の収納壁パネルは、壁パネルが
連設されてなる壁体の一部に組み込まれることにより壁
面内部に収納スペースが設けられるものでり、その具体
的実施例について、図１及び図２を参照して説明する。

【０００７】図１は、両面に面材が貼設された室内の壁
パネル２、２の間に、接着材若しくはスクリュー釘等に
よって連結されて組み込まれた収納壁パネル３を示すも
のである。壁パネル２は、芯材により四角枠状に組み込
まれた枠体５の両面に面材が貼設された構成になってお
り、これら壁パネル２、２の間に収納壁パネル３が組み
込まれている。

【０００８】収納パネル３は、図２に示すように、壁パ
ネル２と同一の厚さで設計された収納パネル本体４と、
この収納パネル本体４に組み入れられる収納ボード６
と、この収納ボード６を収納パネル本体４に固定するく
さび部材７と、収納パネル本体４の開口部８を開閉する
扉９とから概略構成されている。

【０００９】収納パネル本体４の枠体１０は、芯材に四
角枠状に枠組みされて形成されている。そして、この枠
体１０の片面の全域には合板等からなる裏面材（石膏ボ
ード）１１が貼設されている。また、枠体１０の他方の
面には、開口部８が形成された表面材となる石膏ボード
１３及び合板１２が貼設されている。

【００１０】さらに開口部８の周縁には、固定枠材１４
が枠体１０と連結して配設されている。そして、この固
定枠体１４の合板１２及び石膏ボード１３側の角部に
は、切欠が形成されており、これにより固定枠体１４と
合板１２及び石膏ボード１３との間には、面方向の隙間
１５が形成されている。

【００１１】また、収納ボード６は、ＦＲＰ等の樹脂材
により一体に成形された板状部材であり、収納パネル本
体４に開口を室内側に向けて固定されることにより収納
スペースとなる箱形に形成された収納部１６と、この収
納部１６の立ち上がり部１７の周縁から直角に折曲さ
れ、前記固定枠材１４の表面部に沿って延びる周縁部１
８と、この周縁部１８の周縁からさらに折り返され前記
の隙間１５に挿入されて裏面材１１方向に延びる取付片
１９とから構成されている。

【００１２】ここで、収納部の構造としては、内面の奥
行き方向に延びる凹状の長溝を形成して、図１に示すよ
うな棚板２０が組み込まれた構造としてもよく、さらに
はフック部材２１を設けた構造も考えられる。なお、周
縁部１８には突起２２が形成されており、扉９が設けら
れた際の戸当たり部とされている。そして、この収納ボ
ード６は、収納パネル本体４の開口部８に、収納部６内
部を室内側へ向け、かつ取付片１９を収納パネル本体４
の隙間１５に挿入させた状態で組み入れられるようにな
っている。

【００１３】また、くさび部材７は、硬質ゴム等からな
る長尺部材であり、断面水滴状に形成されたものであ
る。そして、このくさび部材７は、収納パネル本体４に
組み入れられた収納ボード６の取付片１９と合板１２及
び石膏ボード１３の間に嵌入され、取付片１９を固定枠
材１４側へ弾性変形させながら押圧することにより、収
納ボード６が収納パネル本体４に固定されるようになっ
ている。また、合板１２には、幅木２３が接合されてい
る。

【００１４】さらに、収納パネル本体４に固定された際
の収納ボード６の裏面側であって、面材１１の内面に
は、断熱シート２６が張られている。

【００１５】次に、上記構成からなる収納壁パネル３の
組立方法について説明する。先ず、この枠体１０の片面
の全域に合板等の裏面材１１を貼設する。また、枠体１
０の他方の面に、合板（表面材）１２と石膏ボード（表
面材）１３を開口部８を形成して貼設する。そして、開
口部８の周縁に沿って、固定枠材１４を枠体１０と連結
して配設する。その際、固定枠体１４の合板１２及び石
膏ボード１３側の角部に、切欠を形成して、固定枠体１
４と合板１２及び石膏ボード１３との間に面方向の隙間
１５を形成しておく。また裏面材１１の内面に、断熱シ
ート２６を張っておく。

【００１６】次に、収納ボード６を収納パネル本体４の
開口部８に組み入れる。その際に、収納部６の内部を室
内側へ向け、かつ取付片１９を収納パネル本体４の隙間
１５に挿入させる。これにより収納部１６の内部が収納
スペースとなる。そして、くさび部材７を、収納パネル
本体４に組み入れられた収納ボード６の取付片１９と合
板１２及び石膏ボード１３の間に嵌入させ、取付片１９
を固定枠材１４側へ弾性変形させながら押圧することに
より、収納ボード６を収納パネル本体４に容易に固定す
ることができる。

【００１７】次に、合板１２に幅木２３を接合する。そ
して、扉９を開口部８の開閉が自在となるように固定す
る。このように、短時間で手順を少なくして収納壁パネ
ル３が組み立てられる。この収納壁パネル３の組み立て
は、予め工場で行なってもよいし、現場作業者であって
も容易に行なえる。そして、この収納壁パネル３が壁パ
ネル２、２の間に組み込まれることにより、壁面に収納
スペースが設けられる。

【００１８】ここで、図２においては、壁パネル２、２
間に１つの収納壁パネル３を組み込んだ例を示したが、
例えば複数の収納壁パネル３を連続して配設して壁面を
構成することにより、連設された複数の収納スペースが
得られる。また、くさび部材７は容易に着脱が可能であ
るため、壁パネル２、２間に組み込まれた収納壁パネル
３から収納ボード６のみを取り外し、異なった収納部形
状を有する他の収納ボード６と容易に交換し固定するこ
とが可能である。

【００１９】以上、述べたことから容易に理解できるよ
うに、本実施例にあっては、壁パネル２、２の間に収納
壁パネル３を組み込むことにより、壁面に収納スペース
を設けることができるので、室内スペースの有効利用を
図ることができる。

【００２０】また、収納壁パネル３を複数連設すること
により多くの収納スペースが設けられ、また、その配置
位置をニーズに合わせて組み込むことにより多様化され
た室内構造を得ることができる。

【００２１】さらに、収納ボードが６、着脱自在なくさ
び部材７によって収納パネル本体４に固定されているの
で、現場での作業性能が向上するとともに、収納部の構
造が異なる収納ボード６と容易に交換することができ
る。

【００２２】

【考案の効果】以上説明したように、本考案の収納壁パ
ネルよれば、壁パネル間に収納壁パネルを組み込むだけ
で、新たに室内に収納部を確保することなく壁面に収納
スペースを設けることができるため、室内スペースの有
効利用を図ることができる。

【００２３】また、収納壁パネルを複数連設することに
より多くの収納スペースが設けられ、また、その配置位
置をニーズに合わせて組み込むことにより多様化された
室内構造を得ることができる。

【００２４】さらに、収納ボードが、着脱自在なくさび
部材によって収納パネル本体に固定される構造であるた
め、現場での作業性能が向上するとともに、収納部の構
造が異なる収納ボードを容易に交換することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】壁パネル間に組み込まれた収納壁パネルを示す
要部斜視図である。

【図２】収納壁パネルを示す縦断面図である。

【符号の説明】

２ 壁パネル ３ 収納壁パネル ４ 収納パネル本体 ６ 収納ボード ７ くさび部材 ８ 開口部 １０ 枠体 １１ 裏面材 １２、１３ 表面材 １４ 固定枠材 １５ 隙間 １６ 収納部 １９ 取付片

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁パネルが連設されてなる壁体の一部に
   組み込まれることにより壁面内部に収納スペースが設け
   られる収納壁パネルであって、 矩形状に枠組みされた枠体の室内側となる片面に表面材
   が開口部を形成して貼設され、かつこの枠体の他方の面
   全域に裏面材が貼設され、さらに開口部の周縁に沿って
   表面材との間に面方向の隙間を形成するように固定枠材
   が配設されてなる収納パネル本体と、箱形に形成されその開口を室内側に向けて前記固定枠材
   の内側側面に挿入された収納部とこの収納部の周縁から
   前記固定枠材の表面部に沿って延びる周縁部とこの周縁
   部の周縁から折り返され前記の隙間に挿入されて延びる
   取付片とから構成された収納ボードとを有してなり、 この収納ボードが、前記収納パネル本体の隙間に着脱自
   在に嵌入されたくさび部材によって収納パネル本体に着
   脱自在に固定された ことを特徴とする収納壁パネル。