JP2553025Y2 - 露光装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はプリンタ等における露光装置に関し、特に光
シャッタアレイを用いた露光装置に関するものである。

（従来の技術） 従来から光シャッタアレイを用いた露光装置は種々の
ものが提案されているが、特開昭62-109076号公報に
は、ラインフィラメントを有する棒状ハロゲンランプを
光源として用い、その光を楕円反射鏡にてライン状に集
光して光シャッタアレイに入射させることによって、コ
ンパクトで安価な構成で光量むらのない照明を可能にし
たものが開示されている。

（考案が解決しようとする課題） ところが、上記構成では光源から発せられた光のうち
楕円反射鏡で反射されて光シャッタアレイに集光される
光以外の光、即ち光源から直接楕円反射鏡の開口側に発
せられた光の大部分及び楕円反射鏡の反射面で一部乱反
射した光は、そのまま外部に放散してしまい、有効に利
用されないため、それだけ出力の大きな光源を必要と
し、光源が大きくなるとともに、コスト高になるという
問題があった。

本考案は上記従来の問題点に鑑み、光源から発せられ
た光を有効に利用してコンパクトで安価な露光装置の提
供を目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案の露光装置は、上記目的を達成するため、光源
と、この光源からの光を選択的に透過させる光シャッタ
アレイと、この光シャッタアレイの像を感光体上に結像
させる結像素子とを備えた露光装置において、前記光源
と光シャッタアレイとの間に、光シャッタアレイに入射
しない光を光源背部の反射部材側に反射する反射板を設
けたことを特徴とする。

（作用） 本考案の上記構成によると、光源から発せられその背
部の反射部材等で反射されて光シャッタアレイに入射さ
れる光以外の光も、反射板にて再び反射部材側に反射さ
れて再利用されるため、光源からの光を有効に利用する
ことができ、それだけ出力の小さい光源を使用でき、コ
ンパクトで安価な露光装置を得ることができる。

（実施例） 以下、本考案を電子写真式プリンタの露光装置に適用
した一実施例を第１図及び第２図を参照しながら説明す
る。

１は、普通紙複写機における光源等に広く用いられて
いる棒状のハロゲンランプから成る光源であり、数セグ
メントに分かれたフィラメントを有している。この光源
１から発した光は、楕円反射面を有する反射鏡２によっ
て拡散反射板４上にスリット状に集光される。拡散反射
板４からの拡散光は液晶を用いた光シャッタアレイ５に
入射し、この光シャッタアレイ５を通過した光の像が、
結像素子としての収束性光伝送体アレイ（以下、SLAと
略記する）６を介して感光体７上に結像するように構成
されている。なお、前記光源１及び反射鏡２と拡散反射
板４との間には、赤外線をカットして光シャッタアレイ
５が過熱されるのを防止する防熱フィルタ３が配置され
ている。

前記反射鏡２は、SLA6の開口角θを光シャッタアレイ
５の入射側に延長して拡散反射板４上に投影したスリッ
ト状の領域Ａに光源１からの光を集光するように構成さ
れている。

また、拡散反射板４と光シャッタアレイ５の間に、光
シャッタアレイ５に入射する有効な光束を通過させるス
リット９を形成した反射板８が配設され、前記拡散反射
板４とこの反射板８にて前記反射鏡２の開口部を取り囲
み、スリット９を通過しない光を反射板８で反射させて
拡散反射板４及び反射鏡２側に戻すことによって、光源
１から発した光の大部分が前記スリット状の領域Ａの照
明に寄与するように構成されている。そのため、前記拡
散反射板４は、前記スリット状の領域Ａだけを拡散反射
面とし、その他の部分は正反射面とするのが好ましい。
なお、反射板８は、不要な光が感光体７に届かないよう
にする遮光の役目も果たす。

前記拡散反射板４の拡散反射面は、酸化マグネシウム
や硫酸バリウム等の白色粉末を反射板に吹き付けること
によって容易に形成される。

以上の構成によると、光源１からの光を拡散反射板４
で拡散させ、その拡散光を光シャッタアレイ５にて選択
的に透過させ、これをSLA6にて感光体７上に結像させる
ことによって感光体７に対する露光が行われる。このよ
うに拡散光を用いると、光源１と拡散反射板４と光シャ
ッタアレイ５の配置位置に多少の誤差があっても、支障
を来すような光量むらを生ずることなく露光することが
できる。

又、光源１として普通紙複写機等で用いられている自
由度の高いハロゲンランプを用いることができ、総光束
の大きいハロゲンランプの使用が可能となる。即ち、従
来の露光装置のハロゲンランプではラインフィラメント
を用いて光量むらを無くしていたが、ラインフィラメン
トでは総光束の大きいものが得られ難かったのである。
そして、総光束の大きい光源１を用いることにより、拡
散光を用いても露光に必要な光量を十分に確保すること
ができるのである。

更に、反射板８のスリット９を通過せず、光シャッタ
アレイ５に入射しない光は、反射板８で反射して拡散反
射板４及び反射鏡２側に戻されるので、光源１から発し
た光の大部分が前記スリット状の領域Ａの照明に寄与す
るので、その分光源１として出力の小さいものを用いる
ことができる。

上記実施例では、拡散光を得るのに拡散反射板４を用
いた例を示したが、拡散透過板を用いてもよい。この拡
散透過板を用いた第２の実施例を第３図に示す。尚、第
１図及び第２図に示した第１の実施例と共通の構成要素
については同じ参照番号を付して説明を省略する。

第３図において、反射鏡２は光シャッタアレイ５及び
SLA6の光軸方向を向けて配置され、この反射鏡２と光シ
ャッタアレイ５との間に、反射鏡２の開口を覆うように
反射板18が配設され、この反射板18に光シャッタアレイ
５に入射する有効な光束を通過させるスリット19が形成
されるとともに、このスリット19にスリガラス等の拡散
透過板14が取付けられている。

この実施例においても第１の実施例と同様に拡散光を
用いたことによる作用が得られ、かつ反射鏡２と反射板
18にて光源１からの光を拡散透過板14に集光することが
できる。また、反射板18は、光源１に光を戻すことによ
り、光源１のフィラメントの温度を上昇させる効果を発
揮する。

以上の実施例では、反射鏡２として楕円反射面を有す
るものを示したが、平面や二次曲面の複数の反射面を組
み合わせたものでもよく、所望の領域に集光できるもの
であればよい。

また、反射板８、18は平面状の反射面を有するものを
示したが、反射面を曲面に構成してもよいことは言うま
でもなく、例えば反射板８は光をスリット状の領域Ａに
戻し、反射板18は光を光源１に戻すような円筒形状にす
れば、より効果的である。なお、これら反射板８、18の
反射面は正反射面でも拡散反射面でもよい。

（考案の効果） 本考案の露光装置によれば、以上の説明から明らかな
ように、光シャッタアレイに集光される光以外の光が、
反射板にて再び光源背部の反射部材側に反射されて再利
用されるため、光源からの光を有効に利用することがで
き、それだけ出力の小さい光源を使用でき、コンパクト
で安価な露光装置を得ることができるという効果を発揮
する。

【図面の簡単な説明】 第１図及び第２図は本考案の一実施例の露光装置を示
し、第１図は反射鏡の一部を破断して示した斜視図、第
２図は縦断正面図、第３図は本考案の他の実施例の縦断
正面図である。 １……光源 ２……反射鏡 ３……防熱フィルタ ４……拡散反射板 ５……光シャッタアレイ ６……SLA（結像素子） ７……感光体ドラム ８、18……反射板 ９、19……スリット 14……拡散透過板

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】光源と、この光源からの光を選択的に透過
   させる光シャッタアレイと、この光シャッタアレイの像
   を感光体上に結像させる結像素子とを備えた露光装置に
   おいて、 前記光源と光シャッタアレイとの間に、光シャッタアレ
   イに入射しない光を光源背部の反射部材側に反射する反
   射板を設けた ことを特徴とする露光装置。