JP2551052Y2 - 摩擦圧接機用の外バリ切削装置 - Google Patents

摩擦圧接機用の外バリ切削装置

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JP2551052Y2
JP2551052Y2 JP1993058200U JP5820093U JP2551052Y2 JP 2551052 Y2 JP2551052 Y2 JP 2551052Y2 JP 1993058200 U JP1993058200 U JP 1993058200U JP 5820093 U JP5820093 U JP 5820093U JP 2551052 Y2 JP2551052 Y2 JP 2551052Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、摩擦圧接機用の外バリ
切削装置に関し、更に詳細にはバイトチップによる外バ
リの切削開始点と切削終了点を簡単に設定できるように
改良した外バリ切削装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本明細書で言う摩擦圧接機とは、管状被
加工物の周継ぎ手接合を摩擦圧接により行う装置であっ
て、一対の管状被加工物の一方を固定し、他方を回転し
つつ被加工物の一方に圧力下で接触させて、圧接するよ
うにした装置である。この種の摩擦圧接機には様々な形
式があるが、例として長尺管用の摩擦圧接機を挙げ、そ
の構成部品の平面配置を図3に示す。図示された摩擦圧
接機10は、床に固定された基台12と、パイプAを把
持するために基台12上に固定された固定把持装置14
と、基台12上を固定把持装置14に対し進退する作動
体16とを備えている。
【0003】作動体16には、回転装置18と、該作動
体16を貫通して延在し、一体的に進退すると共に回転
装置18により作動体16の進退方向線の周りに回転す
るようにされた円筒形主軸(図示せず)と、主軸と共に
回転する外バリ切削装置20とが設けてある。主軸は、
その内部にパイプBを収容すると共に固定把持装置14
側の主軸端部に主軸把持装置22を備えて収容したパイ
プBを把持する。更に、主軸はその内部に内バリ切削装
置を収容している。尚、図1はパイプBを主軸に収容し
ているが、パイプAとフランジ等の配管部品を接合する
場合には、主軸にかかるフランジ等の配管部品を収容す
る。尚、28は作動体16を進退させる油圧シリンダ
ー、30は内バリ切削装置を駆動する駆動装置及び32
はパイプBの端部を回転自在に把持する端部把持装置で
あって、駆動装置30及び端部把持装置32は、連結ロ
ッド34により作動体16に連結されて、一体的に進退
する。
【0004】摩擦圧接の過程で、摩擦熱によってパイプ
A、Bの軟化した部分が圧接のスラストにより管内外面
に排出されつつ接合される結果、元々の母材の部分が、
図4に示すように、バリとなって管内外面に隆起する。
Cは被加工物の外側に発生しているので、外バリと称
し、Dは被加工物の内側に発生しているので、内バリと
言う。摩擦圧接した被加工物を製品として出荷するに
は、かかるバリを切削して取り除く必要がある。よっ
て、摩擦圧接機では、外バリを外バリ切削装置により、
内バリを内バリ切削装置によりそれぞれ切削するように
構成されている。
【0005】本考案者等は、外バリ切削装置についても
研究し、種々の形式の装置を提案し、試用している。例
えば、特開平3−208503号には早送りと微速送り
の可能な外バリ切削装置を提案している。本明細書は、
前掲公報に開示されたその外バリ切削装置の要部を図5
及び図6において図示している。図5は外バリ切削装置
の正面断面図で外バリ切削装置を取り付けた摩擦圧接機
先端部の一部を切り欠いた状態で示している。図6は図
5の線I−Iでの断面図である。図3、図5及び図6に
示すように、前掲公報に開示された外バリ切削装置20
は、摩擦圧接機10の主軸把持装置22に取り付けられ
ていて、主軸把持装置22と一体的に矢印Xの方向に回
転する。図5及び図6において、Aは固定把持装置によ
って水平に固定されたパイプ、Eは主軸把持装置22
(コレットチャック)のチャック爪36で把持されたネ
ック部の比較的長いウエルディングネック・フランジで
ある。パイプAとフランジEは、相互に対向して位置
し、フランジEの回転により圧接されて、接合部に外バ
リCを形成する。
【0006】図6に示すように、主軸38は、作動体1
6に回転自在に収容され、かつ作動体16と一体的に主
軸軸線方向(矢印Yで表示した方向)に移動すると共に
フランジEとの間にストッパ40を有して、圧接時にフ
ランジEに働く加圧推力を受けている。切削アーム42
は、先端に切削刃部44を有し、基端が切削シャフト4
6にキー48を介して取り付けられている。切削シャフ
ト46は、主軸38の軸線方向に対して平行に延び、か
つシリンダ50と一体的に組み立てられた切削シャフト
受け部52に収容されている。シリンダ50は、切削シ
ャフト受け部52に対して直角方向に、従って主軸38
に対して直角方向に延在し、前述したように被加工物の
把持装置として主軸38の先端に固定されているコレッ
トチャック22に取り付けられている。切削シャフト4
6の中央にはレバー53がキー54を介して取り付けら
れ、レバー53の他端は二股になったフォーク状部56
に形成され、後述するようにシリンダ50内に内蔵され
たロッド58に回動自在に連結している。
【0007】ロッド58は、図5に示すように、断面が
四角形の肉薄の短い部材でシリンダ50の軸線方向に対
し平行に延びてシリンダ50内に収容され、その中央部
に部材を横断するように形成された長方形の貫通孔60
を有しいる。その中には長方形の摺動片62が、上下に
摺動自在に嵌合していて、かつピン64を介してレバー
53のフォーク状部56に連結されている。よって、レ
バー53はフォーク状部56により摺動片62に連結
し、かつ摺動片62を介してロッド58に連結してい
る。ロッド58の右端にはピストン66がナット68に
より固定され、一方ロッド58の左端にはプランジャ7
0がロッド58と一体的に設けてある。プランジャ70
は、先端に先端部72を備えて送り制御部材Pに嵌合し
ている。送り制御部材Pはオイルダンパ74で形成さ
れ、プランジャ70とオイルダンパ74との対面距離H
は、外バリCの高さHと同一になるように調整されてい
る。オイルダンパ74に設けた油排出孔76には、オリ
フィス付きチェック弁が設けてある。
【0008】切削アーム42は、外バリ切削を行わない
ときには、上方に位置し(実線で表示)、ピストン66
は後退した位置にある。外バリCを切削する際には、油
通路78に作動油を導入してピストン66を押圧し、ロ
ッド58を介してプランジャ70及びオイルダンパ74
を共に図5で左方に移動させる。この移動に伴い、摺動
片62が、図5において、貫通孔60内を昇降しながら
ピン64を介してレバー53のフォーク状端部56を左
側へ移動させ、切削シャフト46を、従って切削アーム
42を反時計周りに(Z方向に)回動させて、切削刃部
44を外バリC側へ下降させる。下降した切削アーム4
2は、仮想線で示されている。
【0009】オイルダンパ74がエンドカバ80と接触
するまでは、切削アーム42は速い速度(早送り)で回
動し、両者が接触した時に切削刃部44が外バリCの切
削開始位置に到達する。更に、作動油を導入するとプラ
ンジャ70が更に左方に動いてプランジャ70とオイル
ダンパ74との間に滞留した作動油を油排出孔76のオ
リフィス付きチェック弁を介して少しずつ排出する。作
動油の制約された排出によって、プランジャ70の移動
速度が減速し、それによって切削アーム42の下降速度
が遅くなる。オイルダンパ74がエンドカバ80に接触
して切削アーム42の下降速度が減速開始するのと同時
に主軸38が回転し、外バリCが切削され始める。プラ
ンジャ70がオイルダンパ74に接触した時に外バリC
の切削が完了するように調整されている。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】上述の外バリ切削装置
では、プランジャ70とオイルダンパ74との距離Hを
外バリCの高さと同じ寸法に調整するために、次の機構
を備えている。即ち、調整機構は、オイルダンパ74の
貫通孔に装入されたプランジャ70の先端部72に係合
し、かつ貫通孔に螺合している調整ネジ82を有してい
て、調整ネジ82のネジ込み長さを調整することによ
り、距離Hを調整することができる。更に、プランジャ
70の前進、従ってオイルダンパ74の前進に際し、オ
イルダンパ74から突き出たその調整ネジ82の頭部を
収容する空間Sをエンドカバー80の中央に設けてあ
り、その大きさは、エンドカバー80に螺合する別の調
整ネジ84により調整することができる。
【0011】しかし、上記外バリ切削装置10は、距離
Hを調整するために、シリンダ50の内部に存在する調
整ネジ82を調整することが必要であり、シリンダ50
の分解、再組立等のため、実際にはその調整に多くの時
間と手間を要した。また、部品間にどうしても若干の遊
びがあるため、プランジャ70とオイルダンパ74との
間隙を距離Hに設定しても、実際の切削開始点及び切削
終了点に合致しないことが多かった。しかるに一方、寸
法の異なる被加工物毎に外バリ切削の開始点と終了点と
を設定する必要があるが、被加工物の寸法は、種々様々
であるので、外バリ切削の開始点と終了点の設定作業の
頻度は多く、このため設定の容易な外バリ切削装置の開
発が望まれていた。また、外バリ切削装置10は、構成
が複雑で部品点数が多く、そのため製作工程も複雑にな
って、製作コストが嵩み、かつメンテナンスも容易でな
く、より簡単な機構の実用的な装置が望まれていた。
【0012】そこで、本考案の目的は、外バリ切削の開
始点及び終了点の設定が正確で容易であって、かつ装置
構成が簡単な外バリ切削装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案に係る摩擦圧接機用の外バリ切削装置は、摩
擦圧接機の主軸に対して平行に延びる切削シャフトの周
りに流体圧装置により回動するようにした切削アーム
と、その先端に切削刃部を備え、前記主軸先端の把持装
置に把持された被加工物の外バリを切削する、摩擦圧接
機用の外バリ切削装置において、前記流体圧装置は、流
体圧により進退自在なピストンと、ピストンに連結さ
れ、ピストンとの連結端からピストンの進行方向に沿っ
て大径ロッド部と大径部より径の小さい小径ロッド部と
を有し、ピストンと共に前記切削シャフトに直交する方
向に進退するピストンロッドと、並びにピストン及びピ
ストンロッドを収容するシリンダとを有し、シリンダ
は、ピストンが進退するピストン径と同じ径の大径シリ
ンダ室と、大径ロッド部の径と同じ径の小径シリンダ室
と、小径シリンダ室より径が大きい第3のシリンダ室と
をピストンの進行方向に沿って有し、かつ、外部から大
径シリンダ室のピストンの背後及び第3のシリンダ室に
流体をそれぞれ流出入させる第1流体接続口及び第2流
体接続口と、更に、大径シリンダ室と第3シリンダ室と
を連通させるようにシリンダ壁を貫通し、大径シリンダ
室内の流体を第3のシリンダ室に流入出させる連通孔
と、連通孔を横切り連通孔の孔断面積を調節する調整ネ
ジとを備え、リンク機構は、ピストンロッドの先端に取
り付けられ、かつピストンロッドの延長長さを調整でき
る延長ロッドと、一端が延長ロッドの先端に、他端が切
削アームの基端にそれぞれ回動自在に連結されたアーム
とからなって、ピストンに対する流体圧により進退する
ピストンロッドとリンク機構とを介して切削アームを回
動させ、前記切削刃部は、取り付け位置が調整可能であ
るように前記切削アームの先端に取り付けられ、流体圧
装置のピストンの行程と、ピストンロッドの延長長さ
と、切削刃部の取り付け位置とを被加工物及びその外バ
リの実寸に合わせて調整することにより、外バリの切削
開始点と切削終了点とを設定でき、かつピストンロッド
とシリンダとの協働により、切削刃部が被加工物に対し
高速接近し、次いで微速送りされ、及び切削刃部が被加
工物から微速離隔し、次いで高速離隔するようにしたこ
とを特徴とする摩擦圧接機用の外バリ切削装置。
【0014】本考案で使用する流体圧装置には、油圧シ
リンダ、水圧シリンダ、空気圧シリンダ等の常用の装置
を使用できる。切削刃部の取り付け位置を調整する手段
は、既知の取り付け手段であって、例えば、調整方向に
長い長孔を切削刃部に、ネジ山付きボルト孔を切削アー
ムの先端にそれぞれ設け、その長孔にボルトを通し、調
整方向に位置を調整しながら固定する。また、延長ロッ
ドによってピストンロッドの延長長さを調整する手段
は、特に限定は無いが、例えば、延長ロッドの端部と、
ピストンロッドの先端部とを螺合させ、そのネジ込み長
さを調整することにより行うことができる。本明細書
で、外バリの切削開始点とは、外バリ切削装置が切削を
開始する時の外バリ切削装置の各構成素子の位置を意味
し、切削終了点とは、外バリ切削装置が切削を終了した
時の外バリ切削装置の各構成素子の位置を意味する。
【0015】
【作用】本考案では、切削刃部の取り付け位置及びピス
トンロッド長さを調整自在とし、流体圧装置のピストン
の行程の調整に加えて、それらを調整することにより、
外バリの切削開始点及び切削終了点の設定を容易にして
いる。また、本考案では、第1流体接続口から流体、例
えば作動油をシリンダに導入すると、ピストンは、大径
シリンダ室内の流体を小径シリンダ室及び第3シリンダ
室を経由して並びに連通孔及び第3シリンダ室を経由し
て第2流体接続口から流出させつつ、大径シリンダ室を
高速で前進し、よってピストンロッドを高速で伸長す
る。これにより切削刃部は被加工物に高速接近すること
ができる。ピストンが前進して、ピストンロッドの大径
ロッド部の先端が、小径シリンダ室の前端に到達する
と、もはや大径シリンダ室内の流体は小径シリンダ室を
経由して大量に排出することはできず、連通孔を経由し
て少量排出できるのみであるから、ピストンロッドの前
進は、急速に遅くなる。大径ロッド部の先端が、小径シ
リンダ室の前端に到達すると、切削刃部が被加工物の切
削開始点に到達するように調整されており、これによ
り、切削刃部が被加工物の切削開始点に到達した時点
で、切削刃部は被加工物に対して微速送りされつつ、切
削を開始する。微速送りの速度は、連通孔を横切り連通
孔の孔断面積を調整する調整ネジの進退により、調節す
ることができる。ピストンは、小径シリンダ室の前端に
到達すると、前進を停止し、よって切削刃部の送りもそ
こで停止し、切削が終了する。以上の操作を逆にして、
流体を第2流体接続口から第3シリンダ室に送れば、流
体圧はピストンに作用してピストンロッドを後退せ、ピ
ストンとシリンダとの間の流体は、第1流体接続口を介
して、急速に排出されるので、ピストンは高速で後退
し、よってピストンロッドは高速で油圧シリンダ内に引
っ込み、それと共に切削刃部は最初緩やかに上昇して被
加工物から離れ、次いで速やかに被加工物から離れる。
【0016】
【実施例】以下、添付図面を参照し、実施例に基づいて
本考案をより詳細に説明する。図1は本考案に係る外バ
リ切削装置の実施例の構成を示すために摩擦圧接機の主
軸の正面から見た図、図2は図1に示した外バリ切削装
置の油圧シリンダの下半分の長手方向部分断面図であっ
て、その構成と作動を示す。尚、図1及び図2中の符号
は、図5及び図6とは独立に付したものであって、符号
が同じでも、部品、部位が図5及び図6のものとは異な
る。本実施例の外バリ切削装置20は、図1及び図3に
示すように、摩擦圧接機10の主軸先端の把持装置22
に取り付けられていて、それと一体的にX方向に回転
し、被加工物Aの外バリCを切削する切削部40と、主
軸と平行に延びる切削シャフトの周りに切削部40を回
動させる回動部41とから構成されている。
【0017】図1に示すように、切削部40は、バイト
チップ42を下端に有する板状の切削刃部43と、切削
刃部43を先端に取り付けた比較的長い部材の切削アー
ム44と、切削アーム44と一体的に回動する切削シャ
フト45とからなる。切削刃部43は、被加工物Aに対
する関係において切削アーム44に対する取り付け位置
が調整できるように、調整方向に長い長孔を設け、その
長孔にボルト43aを通して切削アーム44の先端部に
取り付けてあって、所望の位置で切削アーム44の先端
部に固定できる。よって、切削刃部43を動かすことに
よって、切削アーム44の位置を変えることなく、被加
工物Aに対するバイトチップ42の位置を調整すること
ができる。切削シャフト45は、摩擦圧接機10の主軸
把持装置22の外側に設置されたハウジング(図示せ
ず)内に収容され、主軸に対して平行に延在し、切削シ
ャフト45の軸芯周りに回動自在に軸支されている。
【0018】回動部41は、油圧シリンダ46と、油圧
シリンダ46のピストンロッド47に連結された延長ロ
ッド48と、延長ロッド48の先端に軸49を介して回
動自在に連結された第1アーム50と、一端が軸51を
介して第1アーム50の他端に回動自在に連結され、か
つ他端が切削シャフト45に一体的に結合された第2ア
ーム52とから構成されている。延長ロッド48は、ピ
ストンロッド47側の端部にネジ山付きの盲孔53を長
手方向に備え、一方、ピストンロッド47の先端部には
盲孔53のネジ山に合致するネジ山が刻設されており、
延長ロッド48は、ピストンロッド47の先端部をネジ
込みにより盲孔53内に収容する。ネジ込み具合により
ピストンロッド47の先端部が深く入ってピストンロッ
ド47と延長ロッド48との長さの和(換言すれば、延
長されたピストンロッド47の長さ)が短くなり、ピス
トンロッド47の先端部が浅く入ると、逆に長くなる。
本実施例では、第2アーム52の回動により切削シャフ
ト45が回転し、それと一体に切削アーム44が回動す
るようにしているが、切削アーム44と第2アーム52
とを一体にし、それを切削シャフト45の周りに回動さ
せるようにすることもできる。
【0019】以上の構成により、油圧シリンダ46のピ
ストンロッド47が伸長すると、切削アーム44は、矢
印Uの方向に回動し、それによりバイトチップ42は下
降して被加工物Aの外バリCに接触し、切削する。逆
に、油圧シリンダ46のピストンロッド47が収縮する
と、切削アーム44は、矢印Wの方向に回動し、それに
よりバイトチップ42は上昇して被加工物Aから離れ
る。
【0020】油圧シリンダ46は、図2に示すような構
成を備え、ピストンロッド47を高速及び微速の2段階
で伸長させることができ、把持装置22に固定された適
当な取り付け台68に取り付けられている。油圧シリン
ダ46は、ピストンロッド47と、それと一体的に形成
されたピストン54と、それらを収容するシリンダ本体
55と、シリンダ本体55のピストン54側端部を閉塞
するヘッドカバー56とから構成されている。ピストン
ロッド47は、ピストン54との結合端から順次先端に
向かって形成された、径が大きい大径ロッド部57と、
大径ロッド部57から小径に移行する移行ロッド部58
と、大径部より径の細い小径ロッド部59とから構成さ
れている。
【0021】一方、シリンダ本体55では、ピストン5
4の径と同じ径を有して、ピストン54が摺動して進退
する大径シリンダ室60と、大径ロッド部57の径と同
じ径の小径シリンダ室61と、小径シリンダ室61より
径の大きい第3シリンダ室62とが、ヘッドカバー56
から順次先端に向かって形成されている。また、ヘッド
カバー56及びシリンダ本体55には、ヘッドカバー5
6とピストン54との間の大径シリンダ室60に作動油
を流出入させる第1作動油接続口63及び第3シリンダ
室62に作動油を流出入させる第2作動油接続口64が
設けてある。更に、連通孔65が、シリンダ本体55の
壁を貫通して大径シリンダ室60と第3シリンダ室61
とを連通させ、大径シリンダ室60内の作動油をそこを
介して第3シリンダ室61に流出させることができる。
また、連通孔65を横切る調整ネジ66が設けてあっ
て、連通孔65の孔断面積を調節して、連通孔65を流
れる作動油の流量を調整する。尚、図2中、67はリン
グパッキンで作動油の漏れを防止するために装着されて
いる。
【0022】以上の構成により、作動油接続口63から
作動油をピストン54とヘッドカバー56との間のシリ
ンダ室69に導入すると、ピストン54は、大径シリン
ダ室60内の作動油を小径シリンダ室61、第3シリン
ダ室62を経由して並びに連通孔65、第3シリンダ室
62を経由して第2作動油接続口64から流出させつ
つ、大径シリンダ室60を高速で前進し、よってピスト
ンロッド47を高速で伸長する。これが、高速送り段階
である。ピストン54が前進して、ピストンロッド47
の大径ロッド部57の先端が、小径シリンダ室61の前
端(仮想線に示す位置)に到達すると、もはや大径シリ
ンダ室60内の作動油は小径シリンダ室61を経由して
大量に排出することはできず、連通孔65を経由して少
量排出できるのみであるから、ピストンロッド47の前
進は、急速に遅くなり、微速送りとなる。その前進速度
は、調整ネジ66を調節することにより、調節すること
ができる。ピストン54は、小径シリンダ室61の前端
に到達すると、停止し、よってピストンロッド47の伸
長もそこで停止する。以上の操作を逆にして、作動油を
第2作動油接続口64から第3シリンダ室62に送れ
ば、油圧は移行ロッド部58及びピストン54に作用し
てピストンロッド47を後退せる。ピストン54とヘッ
ドカバー56との間のシリンダ室69にある作動油は、
第1作動油接続口63を介して、急速に排出されるの
で、ピストン54は高速で後退し、よってピストンロッ
ド47は高速で油圧シリンダ46内に引っ込み、それと
共に切削刃部43は速やかに上昇して被加工物Aから離
れる。
【0023】以上の構成により、高速送り段階では、ピ
ストン54の前進速度、即ちピストンロッド47の伸長
速度が速いので、切削刃部43が速やかに下降して被加
工物Aの外バリCに接触する。ここが、切削開始点であ
って、ここからピストン54の前進が微速段階に入る。
微速段階では、ピストン54の前進速度が遅くなること
により、切削刃部43の下降速度も遅くなる。切削開始
点に到達すると同時に、摩擦圧接機10の固定把持装置
14により固定された被加工物Aに対して、主軸と共に
外バリ切削装置20を回転させて外バリCの切削を開始
する。ピストン54が、小径シリンダ室61の前端に到
達すると、切削刃部43の下降も停止し、切削作業が終
了する。停止した時に、切削刃部43は、被加工物Aの
外周面Bに丁度到達していて、完全に外バリCを切削し
ており、ここが切削終了点となる。切削が終了すると、
後退段階に移行し、切削刃部43は高速で上昇し、被加
工物Aから離れれる。
【0024】被加工物Aの寸法によって、外バリの切削
開始点及び切削終了点が異なるので、寸法の異なる被加
工物A毎に、開始点及び終了点の調整を行う必要があ
る。開始点の調整を行うには、先ず、ピストンロッド4
7の大径ロッド部57が小径シリンダ室61の前端に接
触した状態で、バイトチップ42が被加工物Aの外バリ
Cに当接するように切削刃部43の取り付け位置を調節
する。次に、終了点を調整するには、延長ロッド48内
にねじ込むピストンロッド47の長さを調整して、ピス
トン54が小径シリンダ室61の前端に接触して状態
で、バイトチップ42が被加工物Aの外周面B(図1参
照)に当接するようにする。
【0025】また、以上の調整において、調整が難しい
時には、ピストン54の前進開始位置を調整することに
より、ピストン54の行程長さを変え、それにより切削
開始位置を調整することができる。尚、ピストン54の
行程長さの調整が容易なように、例えば、ヘッドカバー
56を貫通してシリンダ室内に延びる調整ネジ68を設
け、貫入長さを調整することにより、ピストン54の行
程長さを調節するようにすることもできる。
【0026】
【考案の効果】本考案によれば、流体圧シリンダのピス
トンの行程、ピストンロッドの延長長さ、及び切削刃部
の取り付け位置を調整することにより、バイトチップに
よる切削開始点と切削終了点とを極く簡単に設定でき
る。よって、摩擦圧接機による圧接作業の能率が向上す
る。また、本考案に係る外バリ切削装置は、簡単な構成
により、従来の装置と同様に、切削刃部の高速送りと微
速送り並びに高速後退を実現し、しかも部品点数が少な
いので、製作費が安くなるのみならず、メンテナンスも
容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る外バリ切削装置の実施例の構成を
示すために摩擦圧接機の主軸の正面から見た図である。
【図2】図1に示した外バリ切削装置の油圧シリンダの
下半分の長手方向部分断面図であって、その構成と作動
を示す。
【図3】摩擦圧接機を構成する装置の平面配置図であ
る。
【図4】形成されたバリを説明する図である。
【図5】従来の外バリ切削装置の正面部分断面図であ
る。
【図6】図5の線I−Iの断面図である。
【符号の説明】
10 摩擦圧接機 40 切削部 41 回動部 42 バイトチップ 43 切削刃部 44 切削アーム 45 切削シャフト 46 油圧シリンダ 47 ピストンロッド 48 延長ロッド 49、51 軸 50 第1アーム 52 第2アーム 53 盲孔 54 ピストン 55 シリンダ本体 56 ヘッドカバー 57 大径ロッド部 58 移行ロッド部 59 小径ロッド部 60 大径シリンダ室 61 小径シリンダ室 62 第3シリンダ室 63 第1作動油接続口 64 第2作動油接続口 65 連通孔 66 調節ネジ 67 リングパッキン 68 調整ネジ 69 ピストンとヘッドカバーとの間のシリンダ室

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摩擦圧接機の主軸に対して平行に延びる
    切削シャフトの周りに流体圧装置により回動するように
    した切削アームと、その先端に切削刃部を備え、前記主
    軸先端の把持装置に把持された被加工物の外バリを切削
    する、摩擦圧接機用の外バリ切削装置において、前記流体圧装置は、流体圧により進退自在なピストン
    と、ピストンに連結され、ピストンとの連結端からピス
    トンの進行方向に沿って大径ロッド部と大径部より径の
    小さい小径ロッド部とを有し、ピストンと共に前記切削
    シャフトに直交する方向に進退するピストンロッドと、
    並びにピストン及びピストンロッドを収容するシリンダ
    とを有し、 シリンダは、ピストンが進退するピストン径と同じ径の
    大径シリンダ室と、大径ロッド部の径と同じ径の小径シ
    リンダ室と、小径シリンダ室より径が大きい第3のシリ
    ンダ室とをピストンの進行方向に沿って有し、かつ、外
    部から大径シリンダ室のピストンの背後及び第3のシリ
    ンダ室に流体をそれぞれ流出入させる第1流体接続口及
    び第2流体接続口と、更に、大径シリンダ室と第3シリ
    ンダ室とを連通させるようにシリンダ壁を貫通し、大径
    シリンダ室内の流体を第3のシリンダ室に流入出させる
    連通孔と、連通孔を横切り連通孔の孔断面積を調節する
    調整ネジとを備え 、 リンク機構は、ピストンロッドの先端に取り付けられ、
    かつピストンロッドの延長長さを調整できる延長ロッド
    と、一端が延長ロッドの先端に、他端が切削アームの基
    端にそれぞれ回動自在に連結されたアームとからなっ
    て、ピストンに対する流体圧により進退するピストンロ
    ッドとリンク機構とを介して切削アームを回動させ、 前記切削刃部は、取り付け位置が調整可能であるように
    前記切削アームの先端に取り付けられ、 流体圧装置のピストンの行程と、ピストンロッドの延長
    長さと、切削刃部の取り付け位置とを被加工物及びその
    外バリの実寸に合わせて調整することにより、外バリの
    切削開始点と切削終了点とを設定でき、かつピストンロ
    ッドとシリンダとの協働により、切削刃部が被加工物に
    対し高速接近し、次いで微速送りされ、 及び切削刃部が
    被加工物から微速離隔し、次いで高速離隔するようにし
    たことを特徴とする摩擦圧接機用の外バリ切削装置。
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