JPH0518037Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は切削中の工具および加工物に切削油を
供給する装置に関する。

本考案は加工領域における給油ノズルからの切
削油の放射を受けて、工具および加工物の研削お
よび切屑処理効果の向上を図す切削油供給装置に
関する。この種の装置は、一般に、ノズル固定型
とノズル可動型があり、加工物の対象や加工条
件、材質および作業環境に対応して選択される。
前者は、加工物を把持するチヤツク頭上または側
面に固定され、取付工具の本数・刃先の方向およ
び工具長さに関係なく、ノズルの先を加工物に向
ける切削油集中放出をとる方式である。この方式
に類するものとしてシヤーワ方式があり、大物の
箱型加工物に用いられている。後者は、旋回型の
工具台上に、あらかじめ取付工具の本数・刃先方
向・工具長さに対応して、ノズルの先が工具に向
けて取り付けられていて、工具台の送り動作に追
従し加工物に沿つて移行するもので、ノズルと加
工物の相対位置が加工工程に応じて変ることに特
長がある。両者一長一短はあるが、最適な切削油
効果を望む場合には、後者の方が有利であろう。
本考案は後者に属するもので、従来、割出し可能
なタレツトまたはこの工具保持具上に取付工具の
数に対応して取付けられた給油ノズルと連通する
分岐給油系路は、タレツトの位置決め時における
カツプリングのアン・クランプ作用を介して、タ
レツトまたは工具保持具およびタレツトに対して
固定側の工具スライドに固定された給油の中継と
なる一対の給油中継継手部が着脱し、工具スライ
ド上に設けられた給油継手部と連通するメイン給
油系路と関係するもので、各々の工具が加工位置
に割出され位置決め時に双方の系路は合流するも
のである。しかしながら、旋回型のタレツトの中
には位置決め時のタレツトの浮動を必要とせず
に、ノツクピンまたはカムの動作により位置決め
を行うものがあり、上記のような中継の給油継手
方式をとることは不可能であり、給油ノズル固定
型とならざるをえない。本考案では、タレツトの
浮動を行わない型式のものでも、給油ノズル可動
型を適用できる切削油供給装置を提供することを
目的とするものである。以下、本考案を実施図に
基づき説明する。

１は円周上に等しい間隔をおいた工具取付面を
有して、タレツト軸を中心に旋回可能なタレツト
で、割出しはゼネバまたはギヤ等の周知の間欠手
段を介して行われる。タレツト１の位置決めは、
タレツト軸方向またはこの軸方向より直交する方
向に相対的に進退動可能なノツクピンまたはカム
等の位置決め手段を介して行われ、位置決め時の
タレツト軸方向のタレツトの浮上り動作をそれ自
体行わないタレツト制御方式である。２はタレツ
ト１を支承し加工領域に主軸回転軸線方向はもと
よりこの軸線に対して直交する方向に相対的に送
り動作可能な工具スライドである。３はタレツト
１の工具取付面上に取付けられた工具保持具で、
工具４を保持している。５は工具保持具３または
タレツト１上に取付けられた給油ノズルで、ノズ
ルの先が工具４の刃先に向い接近して伸びてい
る。該給油ノズル５の基部は工具保持具３に穿設
する分岐給油系路となる油路６と連結されてい
る。７は工具スライド２に装着された本考案の切
削油供給装置（以下、本体と記述する）で、本体
７内には互いに同軸上で連通する第１シリンダ室
８ａと第２シリンダ室８ｂから成るシリンダ室８
が形成され、第１シリンダ室８ａは外部に連通し
ている。第２シリンダ室８ｂ内にはシリンダ軸の
中央に軸方向に延びた突起状の閉塞体９が本体７
と付設して設けられている。該閉塞体９には本体
７の外部より切削油供給ポンプとに連結され切削
油のメイン給油系路となる油路１０が設けられ、
閉塞体９に設けた窓１１より第２シリンダ室８ｂ
に通じている。閉塞体９の先端は外径または内径
のテーパ面９ａを形成しシール材が被着されてい
る。１２は第１シリンダ室８ａに摺動可能に嵌合
され外部に挿通し突出して延びた中継油路１２ａ
とプランジヤ部１２ｂを形成する給油継手で、該
給油継手１２の軸の一端はシール材で被着され、
タレツト１または工具保持具３上に穿設された分
岐給油系路の油路６の入口と面している。給油継
手１２の軸の他端は閉塞体９の先端部と係合可能
なように内径または外径のテーパ面１２Ｃを形成
している。１３はシリンダ室８と給油継手１２と
の間に介在する圧縮バネで、給油継手８を外部に
向つて押圧している。１４は給油継手１２とタレ
ツト１もしくは工具保持具３側より遠ざかる方向
に作動油を第１シリンダ室８ａに注油する注油口
と連ながる給油継手作動油系路たる油路であつ
て、この油路１４には作動油吐出ポンプ（図示せ
ず）が連通しており、これらの油路１４および作
動油吐出ポンプによつて、タレツト１の位置決め
時に、第１シリンダ室８ａ内に作動油を注入し
て、給油継手１２をタレツト１の側から後退させ
て、中継油路１２ａと分岐給油路６とを離脱させ
ると共に、給油継手１２の基端側に配置された閉
塞体９によつて中継油路１２ａの基端側を塞いで
第２シリンダ室８ａから中継油路１２ａへの研削
油の供給を不能にする作動油供給手段が構成され
ている。

以下、本考案の作用効果について説明する。

給油継手１２は、工具４による切削中、給油継
手１２の先端が圧縮バネ１３と切削油供給ポンプ
より吐出される切削油の圧油を受けて、給油継手
１２の中継油路１２ａと連がる分岐給油系路であ
る油路６の入口と連通して接している。一方、切
削油供給ポンプより吐出された切削油は本体７と
に連がるメイン給油系路である油路１０を径て、
閉塞体９の窓１１より第２シリンダ室８ｂに流入
し、閉塞体９の先端に向つて流れ、給油継手１２
の中継油路１２ａをぬけて、給油ノズル５に連が
る分岐給油系路である油路６に注入される。切削
油は分岐給油系路の油路６を経て給油ノズル５よ
り強く吹出し、工具４の刃先に向つて放射され
る。所定の工具による加工が終ると、次の加工に
そなえて、タレツト１が割出さねばならなく、こ
のタレツトの割出し時に同期して給油継手作動油
系路の油路１４と連通する作動油吐出ポンプが作
動し、本体７に通じる給油継手作動油系路の油路
１４の注油口より第１シリンダ室８ａに作動油が
注入し、給油継手１２のプランジヤ部１２ｂを作
動さす。プランジヤ部１２ｂの作動により給油継
手１２の先端がタレツト１より遠ざかり分岐給油
系路の油路６の入口より離脱し、タレツト１の旋
回動作とは無関係になる。一方、給油継手１２の
閉塞体９側に面する一端は、プランジヤ１２ｂの
後退より閉塞体９と給油継手１２双方のテーパ面
９ａ，１２ｃと係合し、メイン給油系路の油路１
０の切削油の流入を阻止する。

以上より本考案においては、タレツトの浮動を
とらないタレツト制御のものにおいても適用で
き、最適な切削油効果をもたらすと共に、切削油
給油作動停止時には、メイン給油系路の通路を給
油継手と閉塞体の相互作用により切削油の給油ノ
ズルからの漏れを防止する。ここで、給油継手を
前進させて給油ノズルから研削油を噴射可能な状
態に切り換えるにあたつて、研削油の圧力自身お
よび圧縮バネの付勢力を利用しているため、給油
継手に対する前進駆動源およびその油圧経路など
を別に設ける必要がないなど、装置の簡素化を図
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の切削油供給装置を示す断面
図。 １……タレツト、２……工具スライド、５……
給油ノズル、９……閉塞体、１２……給油継手、
１３……圧縮バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 位置決め時のタレツト軸方向のタレツトの浮上
   がり動作をそれ自体行わない割り出し装置のタレ
   ツト１の側には、タレツト１もしくは工具保持具
   ３の側に取り付けられた給油ノズル５に連通する
   分岐給油路６を有する一方、工具スライド２の側
   には、第１および第２シリンダ室８ａ，８ｂを備
   えるシリンダ室８と、このシリンダ室８に配置さ
   れ、前記第２シリンダ室８ｂに供給された切削油
   の圧力および圧縮バネ１３の付勢力によつて前記
   タレツト１の側に向かつて前進して、内部の中継
   油路１２ａの先端側が前記分岐給油路６に接続す
   ると共に、基端側で前記第２シリンダ室８ｂから
   切削油が前記中継油路１２ａに供給される給油継
   手１２と、タレツト１の位置決め時に、前記第１
   シリンダ室８ａ内の作動油圧を高めて、前記給油
   継手１２を前記タレツト１の側から後退させ、前
   記中継油路１２ａと前記分岐給油路６とを離脱さ
   せると共に、前記給油継手１２の基端側に配置さ
   れた閉塞体９によつて前記中継油路１２ａの基端
   側を塞いで前記第２シリンダ室８ｂから前記中継
   油路１２ａへの研削油の供給を不能にする作動油
   供給手段と、を有することを特徴とする切削油供
   給装置。