JP2550334B2 - 粒状性の改良されたハロゲン化銀カラ−写真感光材料 - Google Patents

粒状性の改良されたハロゲン化銀カラ−写真感光材料

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JP2550334B2 JP62017769A JP1776987A JP2550334B2 JP 2550334 B2 JP2550334 B2 JP 2550334B2 JP 62017769 A JP62017769 A JP 62017769A JP 1776987 A JP1776987 A JP 1776987A JP 2550334 B2 JP2550334 B2 JP 2550334B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はハロゲン化銀カラー写真感光材料に関し、特
に粒状性及び鮮鋭性に優れた画像が得られるハロゲン化
銀カラー写真感光材料に関する。
〔発明の背景〕
近年の小型カメラ等(例えば、ディスクカメラ、ハー
フサイズ)の普及に伴い、使用するハロゲン化銀写真感
光材料の高画質化の要請が強く、特に普及の著しいハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料において上記要請が強くな
っている。
ハロゲン化銀カラー写真感光材料は、複数の感色性層
を備えて形成され、更にインターイメージ効果を強調す
る観点から、いわゆるDIR化合物を添加してエッジ効果
により鮮鋭性の向上を図り、かつハロゲン化銀の現像性
を適度に抑制して粒状性を改良するようにしている。該
DIR化合物としては、特開昭59−131934号公報、特開昭5
7−154234号公報あるいは特公昭61−27738号などにおい
て種々提案されている。上記DIR化合物は、その効果がD
IR化合物を添加した層以外にも影響して、感色性層全体
のエッジ効果を強調し得、鮮鋭度を著しく改良すること
ができる。
一方、高画質化の一環として写真構成層のうちより下
層を形成する低感度層に上記DIR化合物を添加すること
が行われているが、低感度層に添加したDIR化合物の効
果を添加層以外にも及ばせる場合に、影響を受ける層に
ついてむしろその層に生成する色素雲のフラットネス化
を阻害し、粒状性が劣化することを本発明者らは新たな
知見として得た。更に究明した結果、同一感色性層を感
度の異なる複数の層として構成し、そのうちのより低感
度の層にDIR化合物を添加すると上述した劣化現象が著
しく、画像の粒状性等に高濃度部の粒状性が著しく劣化
することが明らかになった。
〔発明の目的〕
本発明は、拡散性DIR化合物の機能を十分に発揮させ
るとともに、粒状性の劣化を防止したハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料を提供することを目的とする。
〔発明の構成及び作用〕
本発明者らは、種々検討の結果、支持体上に、同一感
色性で互いに感度の異なる少なくとも2層のハロゲン化
銀乳剤層を有し、上記2層のハロゲン化銀乳剤層のうち
上記支持体に近い層に拡散性0.4以上の拡散性DIR化合物
(拡散性の評価手段は後に説明する)を含有したハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料において、上記2層のハロゲ
ン化銀乳剤層間に非感光性の中間層を介在させるととも
に、該中間層に上記感色性の吸収スペクトルと実質的に
同一領域のスペクトルを吸収する染料を透過濃度が0.01
〜0.3となるよう含有せしめたことを特徴とするハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料によって上記目的を達成でき
ることを見い出した。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、同一感
色性で互いに感度の異なる少なくとも2層のハロゲン化
銀乳剤層を有している。
ここで同一感色性とは、実質的に同一波長域の波長光
を吸収する特性のことをいう。
このような同一感色性を有し互いに感度の異なる層を
少なくとも2層備えることによって画像の階調をコント
ロールするものである。従って2層構造の場合には、低
感度層と高感度層を備え、3層構造であれば更に中間の
感度層が介在することになる。上記各層は直接隣接して
形成されてよく、あるいは、非感色性の中間層あるいは
上記中間感度層を介して形成されていてもよい。そして
より好ましい態様としては2層構造である。
尚、感度の調整は、一般にハロゲン化銀乳剤層に含有
されるハロゲン化銀粒子の粒径を変えること等によって
行われているが、本発明における感度の調整は、このよ
うな手段、その他各種の手段を用いることができる。
本発明の感光材料は、感色性層として単色のみなら
ず、多色の感色性層を有することができる。具体的に
は、青感色性層、緑感色性層及び赤感色性層を備えたも
のが好ましい。
本発明では感度を異にする隣接するハロゲン化銀乳剤
層のうちより支持体に近い層が拡散性DIR化合物を含ん
でいる。
このように支持体に近い感度層に拡散性DIR化合物を
含有せしめることによって上述したエッジ効果を強調
し、鮮鋭性の改良をするものである。
該効果は、視覚的に最も効果的に作用する緑感性色層
において顕著であり、次いで赤感色性層、青感色性層の
順に効果が発揮される。
本発明においては、隣接するハロゲン化銀乳剤層間に
非感光性の中間層を介在させている。該中間層によっ
て、例えば低感度層から高感度層への拡散性DIR化合物
の拡散を防止して、高感度層への拡散性DIR化合物によ
る悪影響、具体的には粒状性の劣化を防止するものであ
る。
ここで非感光性とは、入射スペクトルに対して感光し
ないか、感光しても無視し得る程度の感光性しか示しな
い特性をいう。
尚、かかる中間層を形成するには一般に用いられてい
るゼラチン等を用いることができる。
更に本発明では、上記中間層は上記感色性層の吸収ス
ペクトルと実質的に同一スペクトルを吸収する染料を透
過濃度が0.01〜0.3となるよう含有している。従って中
間層の上層、つまり高感度層を透過したスペクトルのう
ち該層と実質的に同一領域のスペクトルを吸収して下
層、つまり低感度層に到達する該スペクトルの光量を低
減させて低感度層の感度を調整するようにしている。こ
のように低感度層の感度を光量的に調整して拡散性DIR
化合物の上層への影響を軽減し、上記中間層自体の作用
と相俟って該感色性相の粒状性はより一層改良される。
ここで実質的に同一領域のスペクトルを吸収すると
は、上記感色性相の吸収スペクトルと必ずしも完全に一
致した領域のスペクトルを吸収するということでなく、
主に該領域近傍のスペクトルを含めたスペクトルを吸収
することを意味する。
次に上記染料について説明する。該染料は、中間層が
介在する感色性層に対応した吸収スペクトルをもつ染料
であって、例えば感色性層が緑感色性層であれば緑色吸
収染料を、赤感色性層であれば赤色吸収染料をそれぞれ
適用することができる。そしてこれらの染料は一般に非
拡散性である。
非拡散性の緑色吸収染料及び非拡散性の赤色吸収染料
はカラー写真感光材料の製造過程において、非感光性親
水性コロイド層の調整時に添加され、該感光材料の製造
終了後にも他層に拡散することなく実質的に該非感光性
親水性コロイド層中に存在するものであれば任意のもの
を使用することができる。
非拡散性染料としては、例えば拡散性の酸性染料と塩
基性基の高分子媒染剤とを同一非感光性親水性コロイド
層中に共存させて酸性染料を非拡散化したものがある。
塩基性基を呈する高分子媒染剤としては、例えばイミ
ダゾール、ピリジン、アルキルアミノアルキル(メタ)
アクリレート、あるいはそれらの四級塩、アミノグアニ
ジン等を含有するポリマー等が挙げられる。好ましく用
いられる塩基性高分子媒染剤は、例えば米国特許第2,54
8,564号、同第2,675,316号、同第2,882,156号及び同第
3,706,563号等の明細書に記載されたものがあり、これ
らの中で本発明において特に好ましく用いることのでき
る塩基性高分子媒染剤は米国特許第2,882,156号、及び
同第3,706,563号明細書に記載されたポリビニルアルキ
ルケトンあるいはポリ−N−オキソアルキル(メタ)ア
クリルアミドとアミノグアニジンの縮合生成物である。
次に本発明に好ましく用いられる塩基性高分子媒染剤
としては次のものがある。
該塩基性高分子媒染剤と組み合わせて好ましく用いる
染料としては、上述の如く酸性染料であればいずれも用
いることができるが、好ましくはスルホ基またはカルボ
キシ基を有する酸性染料がよく、例えばアゾ系、トリフ
ェニルメタン系、アントラキノン系、スチリル系、ベン
ジリデン系、メロシアニン系、オキサノール系等の酸性
染料を使用することができる。
次に本発明に使用される酸性染料の代表例を次に挙げ
る。
本発明に使用される好ましい非拡散性緑色吸収性染料
としては、例えばマゼンタカプラーと発色現像主薬との
反応生成物が、また、好ましい非拡散性赤色吸収染料と
しては例えばシアンカプラーと発色現像主薬との反応生
成物が挙げられる。
上記マゼンタカプラーとしては、例えば下記一般式
(1)〜(5)で表されるものが挙げられる。
一般式(1) 一般式(2) 一般式(3) 一般式(4) 一般式(5) 一般式(1)〜(5)において、Z1〜Z4は各々水素原
子または発色現像主薬の酸化体との反応によって離脱し
得る基を表し、R1はアニリノ基、アシルアミノ基、ウレ
イド基または脂肪族基を表し、R2は置換基を有してもよ
いフェニル基を表し、R3〜R9は各々通常のマゼンタカプ
ラーにおいて用いられる置換基を表し、R3〜R7は各々水
素原子をも表す。n及びmは各々0〜4の整数を表し、
nが2以上のときR8は互いに同一及び異なったものを含
み、mが2以上のとき、R9は互いに同一及び異なったも
のを含む。
具体的には、例えばピラゾロン系、ピラゾロトリアゾ
ール系、ピラゾリノベンツイミダゾール系、インダゾロ
ン系のカプラーが挙げられる。このようなマゼンタカプ
ラーとしては、米国特許第2,600,788号、同第2,983,608
号、同第3,062,653号、同第3,127,269号、同第3,331,47
6号、同第3,419,391号、同第3,519,429号、同第3,558,3
19号、同第3,582,322号、同第3,615,506号、同第3,834,
908号、同第3,891,445号、西独特許第1,810,464号、西
独特許出願(OLS)第2,408,665号、同第2,417,945号、
同第2,418,959号、同第2,424,467号、特公昭40−6031
号、特開昭49−74027号、同49−74028号、同49−129538
号、同50−60233号、同50−159336号、同51−20826号、
同51−26541号、同52−42121号、同52−58922号、同53
−55125号、特願昭55−110943号等に記載のものが挙げ
られる。
上記シアンカプラーとしては、下記一般式(6)〜
(7)で表されるものがある。
一般式(6) 一般式(7) 一般式(6)及び(7)において、Z5及びZ6は各々水
素原子または発色現像主薬の酸化体との反応によって離
脱し得る基を表し、R10はアシル基、カルバモイル基、
オキシカルボニル基、脂肪族残基、芳香族残基またはヘ
テロ環残基を表し、R12はカルバモイル基を表し、R11
びR13は各々通常のフェノール系もしくはα−ナフトー
ル系シアンカプラーにおいて用いられる置換基を表し、
pは0〜3の整数を、qは0〜5の整数を表し、pが2
以上のときR11は互いに同一及び異なったものを含み、
qが2以上のときR13は互いに同一及び異なったものを
含む。
このようなシアンカプラーとしては、例えば米国特許
第2,423,730号、同第2,474,293号、同第2,801,171号、
同第2,895,826号、同第3,476,563号、同第3,737,326
号、同第3,758,308号、同第3,893,044号明細書、特開昭
47−37425号、同50−10135号、同50−25228号、同50−1
12038号、同50−117422号、同50−130441号公報等に記
載されたもの、特開昭58−98731号公報に記載されたも
のが好ましい。
上記カプラーと反応させる発色現像主薬としては、芳
香族第1級アミン系化合物、なかでも特にp−フェニレ
ンジアミン系のものが好ましい。
他の好ましい非拡散性赤色吸収染料としてはカラード
シアンカプラーが挙げられる。
カラードシアンカプラーとしては、例えば米国特許第
2,521,908号、同第3,034,892号、英国特許第1,255,111
号明細書、特開昭48−22028号公報等に記載されている
化合物が挙げられる。
更に米国特許第3,476,563号明細書、特開昭50−10135
号、同50−123341号公報等に記載されているような発色
現像主薬の酸化生成物との反応で色素が処理浴中に流出
していくタイプのカラードシアンカプラーを用いること
ができる。
特に好ましいカラードシアンカプラーは下記一般式
(8)−aないし(9)−bで示される化合物が挙げら
れる。
一般式(8)−a 一般式(8)−b 一般式(8)−a及び(8)−bにおいて、R1及びR2
は各々水素原子、炭素原子数1〜30の直鎖または分岐の
アルキル基、モノあるいはビシクロアルキル基、テルペ
ニル基、アリール基、ヘテロ環基またはモルホリン、ピ
リジンの如きヘテロ環を形成するに必要な非金属原子を
表す。上記アルキル基、アリール基及びヘテロ環基は置
換されたものを含み、該置換基としては、例えばハロゲ
ン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基(カプ
ラーが非カプリング位に少なくとも炭素原子数12または
相当のバラスト基を持つ場合)、アミノ基、アリール
基、置換アミノ基、カルボン酸エステル基、アミド基、
カルバミル基、スルファミル基(カプラーが非カプリン
グ位に少なくとも炭素原子数12または相当のバラスト基
を持つ場合N−プロピルスルファミル、N−トリルスル
ファミル等)、アルコキシ基、スルホ基(カプラーが非
カプリング位に少なくとも炭素原子数12または相当のバ
ラスト基を持つ場合)、置換スルホニル基等が挙げられ
る。
R3は−COR5及び−COOR5で表される(ここでR5は炭素
原子数1〜20のアルキル基または置換アルキル基を表
す。)基であり、R4は水素原子または炭素原子数1〜10
のアルキル基を表す。
一般式(9)−a 一般式(9)−b 一般式(9)−a及び(9)−bにおいて、R′
炭化水素残基、R′はアミノ基、アルキル基、アシル
アミノ基、ウレイド基、アルコキシカルボニル基及びこ
れらの置換体、カルボキシル基等を表す。−L−は炭素
数1〜6のアルキレンオキシ基を表し、mは0または1
を表す。
[DD]は拡散性色素残基を表し、アゾ、アゾメチン、
インドアニリン、インドフェノール、アントラキノン等
の色素部分を有する拡散性色素残基を表す。
好ましい[DD]としては下記一般式で表されるものが
ある。
本発明に使用される好ましい他の非拡散性染料の例と
しては下記一般式(10)で示される化合物が挙げられ
る。
一般式(10) BallXnCol ここで−Ballはアルカリ処理組成物中で現像する間に
該化合物を非拡散性にならしめるような分子の大きさ並
びに配置を有する有機安定基を表す。
該有機安定基としては、例えば下記一般式(11)〜
(13)で表されるものがある。
一般式(11) 一般式(11)中、Zは、OY基が結合するベンゼン環に
対し、その5位と6位で結合する飽和炭素環(5員ない
し7員)を形成するに必要な非金属原子群を表す。Yは
水素原子であるときが最も好ましいが、飽和せしめられ
る感光材料の用途及び性質によっては水酸イオン濃度10
-5ないし2モル/で酸素原子との結合が開裂する基で
あってもよい。後者の基のうち、より好ましい効果を奏
するのは、 で表される基である。ここに、R(1)は炭素原子数1〜18
のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1
〜18のアルキル基、フェニル基または置換フェニル基を
表す。
Bは上記一般式(10)で表される化合物をカラー写真
感光材料中で非拡散性にする有機基を表し、該有機基と
しては、長鎖アルキル基若しくはベンゼン系やナフタレ
ン系等の芳香族基、または適当な2価基の一端に結合す
る長鎖アルキル基若しくはベンゼン系やナフタレン系の
芳香芳香族基を代表的なものとして挙げることができ
る。ここに上記長鎖アルキル基または芳香族基は置換基
を有するものであってもよく、また適当な2価基とは、
−O−;−S−; −SO2−;−SO−; −CR(3)R(4)−;−CR(3)=C(4)−(ここで、R(2)は水素
原子、アルキル基またはアリール基を表し、R(3)及びR
(4)はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基ま
たはアリール基を表す。);及び置換若しくは未置換の
芳香族2価基、非芳香族炭素環基及び非芳香族ヘテロ環
基からなる群の中から選ばれた1つを構成要素とし、こ
れらを任意に直鎖状に組み合わせてなる2価基である。
一般式(12) 一般式(12)中、Wは上記一般式(10)で表される化
合物をカラー写真感光材料中で非拡散性にする有機基を
表し、一般に8〜20個の炭素原子を有する脂肪族基、芳
香族基、脂環式基、複素環式をもつ有機安定化基が挙げ
られる。本発明の化合物はこれらの基がインドール環の
5位または6位に窒素原子を介して結合するが、このよ
うな窒素原子を介する態様としては、−NHCO−基、−NH
SO2−基、−NR3−基(R3は水素原子またはアルキル基を
表す。)等の基を介するものが挙げられる。上記有機安
定化基はインドール環の5位または6位に結合するが、
5位に結合することが好ましい。
一般式(12)においてR″は1価の有機基を表し、
該基として、アルキル基及びアルコキシ基等が挙げられ
るが、炭素原子数1〜3のアルキル基及びアルコキシ基
が好ましい。
一般式(12)においてR″は炭素原子を介して結合
している低分子基を表し、該基としては、炭素原子数1
〜9の置換基が好ましく、例えば炭素原子を1〜9個有
するアルキル基、フェニル基及び (R″4,R″は水素原子または炭素原子数1〜4のア
ルキル基を表す。R″及びR″が同時に環を形成し
てもよい。)が挙げられる。
R″としては、非置換またはハロゲン原子、アセチ
ルアミド基、メチルスルホンアミド基、ニトロ基、カル
ボキシ基、スルホ基、メタンスルホン基、アルキル基及
びアルコキシ基からなる群から適宜選ばれる基で置換さ
れたフェニル基が更に好ましい。
一般式(13) 一般式(13)において、Eはそれぞれ上記6員芳香族
環に直接または (Rはアルキル基)、アルキレン基(分岐状であって
もよい。)、−O−、−S−、−SO2−、フェニレン基
(アルキル基等で置換されてもよい。)若しくは、これ
らを任意に組み合わせてなる基を介して結合しているハ
ロゲン原子、スルホ基、カルボキシ基、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ニトロ
基、アミノ基、シアノ基、アルキルアミノ基、アリール
アミノ基、シアノ基、アルキルチオ基、ピリジル基等の
複素環基等を表し、任意に選ばれる基は同一であっても
異なっていてもよい。ここでnは0〜4の整数を表す。
Dは−OR1または−NHR2で表される基を表す。ここにR
1は水素原子または水酸イオン濃度10-5〜2モル/の
条件下でR3とOとの間の結合が開裂する基を表し、好ま
しくは水素原子、 で表される基である。ここにR3はアルキル基、特に炭素
原子数1〜18のアルキル基である。
一般式(10)におけるXは2価の基を表し、2価の基
として、例えば−O−;−S−; −SO2−;−SO−;−NR1CO−;−NR1SO2−;CR2R3−;−
CR3=CR4−等が挙げられる。ここでR1は水素原子、アル
キル基またはアリール基を表し、R2及びR3はそれぞれ水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基を
表す。
一般式(10)における−Colは拡散性のマゼンタ若し
くはシアン染料成分またはこれらの染料の前駆物質成分
を表す。
かかる成分としては、例えばアゾ、アゾメチン、アゾ
ピラゾロン、インドアニリン、インドフェノール、アン
トラキノン、トリアリールメタン、アリザリン、メロシ
アニン、ニトロ、キノリン、シアニン、インジゴイド、
フタロシアニン、金属錯体形成染料等の染料、並びにロ
イコ染料、pH値の変動、錯体形成物質との反応等の異な
る周囲環境を適用した場合に浅色的または深色的に変移
する「変移(shisted)」染料等の染料前駆物質を含有
する。また、−Colとしては、カップラー成分、例えば
フェノール、ナフトール、インダゾロン、ピラゾロン、
米国特許第2,756,142号明細書に記載の化合物等が挙げ
られる。これらの成分は、必要に応じて可溶性化基を有
していてもよい。
−Colの例としては、例えば一般式(14)〜(19)で
表されるものがある。
一般式(14) 一般式(15) 一般式(16) 一般式(14)〜(16)において、QはGに対して5位
または8位にあり、水酸基または式−NHCOR3若しくは−
NHSO2R3(式中、R3は炭素原子数1〜6のアルキル基、
炭素原子数1〜6の置換アルキル基、ベンジル基、フェ
ニル基または炭素原子数6〜9の置換フェニル基を表
す)の基を表し、Gは水酸基若しくはその塩または式 (式中、R4は炭素原子数1〜18のアルキル基、フェニル
基または炭素原子数6〜18の置換フェニル基を表す)で
表される加水分解可能のアシルオキシ基を表し、γは1
または2の整数を表し、Zはシアノ基、トリフルオルメ
チル基、フルオルスルホニル基、カルボキシ基、式−CO
OR4(式中、R4は前記のものを表す。)のカルボン酸エ
ステル、アゾ結合に対して2位または8位のニトロ基、
フッ素、塩素若しくは臭素原子、炭素原子数1〜8のア
ルキル−若しくは置換アルキルスルホニル基、炭素原子
数6〜9のフェニル−若しくは置換フェニルスルホニル
基、炭素原子数2〜5のアルキルカルボニル基、式−SO
2NR5R6(式中、R5は水素原子、炭素原子数1〜8のアル
キルまたは置換アルキル基を表し、R6は水素原子、炭素
原子数1〜6のアルキル若しくは置換アルキル基、ベン
ジル基、フェニル基若しくは置換アルキル基、ベンジル
基、フェニル基若しくは炭素原子数6〜9の置換フェニ
ル基、炭素原子数2〜7のアルキル基若しくは置換アル
キルカルボニル基、炭素原子数7〜10のフェニル−若し
くは置換フェニルカルボニル基、炭素原子数1〜6のア
ルキル基若しくは置換アルキルスルホニル基、炭素原子
数6〜9のフェニル−若しくは置換フェニルスルホニル
基を表すか、またはR5及びR6はこれらが結合している窒
素原子と一緒になって、モルホリン基またはピペリジノ
基を表す)のスルファモイル基、または式−CON(R5
(式中、R5はそれぞれ同一及び異なったものを含み、
上記のものを表す)のカルバモイル基を表し、Z1は水素
またはZを表し、R1は水素原子、炭素原子数1〜4のア
ルキル基、炭素原子数1〜4の置換アルキル基、炭素原
子数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子を表し、
Dはシアノ基、スルホ基、フルオルスルホニル基、ハロ
ゲン原子、−SO3−フェニル基若しくは炭素原子数6〜
9の置換−SO3−フェニル基、炭素原子数1〜8のアル
キル基若しくはアルキルスルホニル基、炭素原子数6〜
9のフェニル−若しくは置換フェニル基スルホニル基、
炭素原子数1〜8のアルキル−若しくは置換アルキルス
ルフイニル基、炭素原子数6〜9のフェニル−若しくは
置換フェニルスルフイニル基、式−SO2NR5R6のスルファ
モイル基、または式−CON(R5(式中R5及びR6はそ
れぞれZに関する上記定義と同じものを表す)のカルバ
モイル基を表すが、該化合物に1個より多くのスルホ基
は存在せず、1個より多くのカルボキシ基は存在しな
い。
一般式(17) 一般式(18) 一般式(19) 一般式(17)〜(19)において、Yは水素原子、 を表す。
ここでR12は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル
基またはアリール基を表し、R13はアシル基、ヒドロキ
シアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシアル
キレンオキシアルキル基、カルボキシアルキル基、カル
ボキシフェニル基、カルボキシアルキルフェニル基、ヒ
ドロキシアルキルフェニル基またはアルコキシフェニル
基あるいはR12が示す基と同義の基を表す。Wは−CO−
または−SO2−を表し、R7は炭素原子数1〜6のアルキ
ル基、アリール基または を表す。(ここでR14及びR15は水素原子、炭素原子数1
〜8のアルキル基またはアリール基を表す。但しR14
びR15が同時に水素原子になることはない。) R8は炭素原子数1〜6のアルキル基または炭素原子数
6〜10のアリール基を表す。
R9は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数1
〜8のジアルキルアミノ基を表し、R10は炭素数1〜8
のアルキル基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、アリー
ルチオ基、ハロゲン原子、または炭素数1〜10アシルア
ミノ基を表す。ここでnは0,1または2の整数である。
R11は炭素数1〜6のアルキル基または芳香族基(例
えばフェニル基等)を表す。
次に本発明に用いられる非拡散性緑色吸収染料及び非
拡散性赤色吸収染料の具体的代表例を示すが、本発明に
用いられる化合物はこれらに限定されるものではない。
本発明の非拡散性染料は、例えば特開昭48−33826
号、同50−115528号、同57−85055号、同54−54021号、
米国特許第4,053,312号、特開昭54−99431号、同53−50
736号公報等に記載の方法によって合成することができ
る。
本発明における好ましい非拡散性緑色吸収染料及び非
拡散性赤色染料は該染料を高沸点有機溶媒と酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、シクロヘ
キサン、テトラヒドロフラン、四塩化炭素、クロロホル
ム等の低沸点有機溶媒に溶解した後、界面活性剤を含有
するゼラチン水溶液と混合し、次いで撹拌機、ホモジナ
イザー、コロイドミル、フロージェットミキサー、超音
波分散装置等の分散手段を用いて乳化分散した後、非感
光性親水性コロイド層用塗布組成物中に添加して使用す
る。
上記高沸点有機溶媒としては、有機酸アミド類、カル
バメート類、エステル類、ケトン類、尿素誘導体、フェ
ノール誘導体を1種または2種以上併用して用いること
ができる。
本発明において、染料は、透過濃度が0.01〜0.3とな
るように含有せしめる。例えば具体的には、フィルター
層に例えば非拡散性染料を添加する場合、その使用量
は、一般的にはフィルター層の透過濃度が赤色吸収フィ
ルター層は赤感性乳剤層の赤色域(600〜700nm)の感色
性に見合った波長域の光で、緑色吸収フィルター層は緑
感性乳剤層の緑色域(500〜600nm)の感色性に見合った
波長域の光で測定して、0.01〜0.3、好ましくは0.03〜
0.15、より好ましくは0.03〜0.1である透過濃度で含有
せしめる。上記染料を含有させる中間層であるフィルタ
ー層等の厚さは、0.1〜3.0μm、特に0.3〜1.5μmが好
ましい。
本発明においては、感度の異なるハロゲン化銀乳剤層
のうち支持体に近い層に拡散性DIRを含有している。該
拡散性DIR化合物を含有せしめることによって上述した
如く鮮鋭性を改良するものである。
次に本発明における上記拡散性DIR化合物について説
明する。
本発明において拡散性DIR化合物とは、発色現像主薬
の酸化体との反応により離脱する、現像抑制剤または現
像抑制剤を放出できる化合物の拡散性が、後記評価法に
よる拡散性で0.40以上のものである。
拡散性は下記の方法により評価する。
透明支持体上に下記組成の層を有する感光材料試料
(I)及び(II)を作成する。
試料(I):緑感色性ハロゲン化銀乳剤層を有する試料 緑感色性に分光増感した沃臭化銀(沃化銀6モル%、
平均粒径0.48μm)及び下記のカプラーを銀1モル当た
り、0.07モル含有するゼラチン塗布液を塗布銀量が1.1g
/m2、ゼラチン付量が3.0g/m2になるように塗布し、その
上に保護層として化学増感及び分光増感を施していない
沃臭化銀(沃化銀2モル%、平均粒径0.08μm)を含有
するゼラチン塗布液を塗布銀量が0.1g/m2、ゼラチン付
量が0.8g/m2になるように塗布する。
試料(II):上記試料(I)の保護層から沃臭化銀を除
いたもの。
各層には上記の他にゼラチン硬化剤や界面活性剤を含
有させてある。
試料(I)、(II)をウエッジを用いて白色露光後、
下記の処理方法に従って処理する。現像液には試料(I
I)の感度を60%(対数表示で、−ΔlogE=0.22)に抑
制する量の各種現像抑制剤を添加したものと、現像抑制
剤を添加していないものとを用いる。
処理工程(38℃) 発色現像 2分40秒 漂 白 6分30秒 水 洗 3分15秒 定 着 6分30秒 水 洗 3分15秒 安定化 1分30秒 乾 燥 各処理工程において使用した処理液組成は下記の通り
である。
〈発色現像液〉 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒド
ロキシエチル)−アニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 2.0 g 無水炭酸カリウム 37.5 g 臭化ナトリウム 1.3 g ニトリロトリ酢酸・3ナトリウム塩(1水塩) 2.5 g 水酸化カリウム 1.0 g 水を加えて1とする。
〈漂白液〉 エチレンジアミン四酢酸鉄アンモニウム塩 100.0 g エチレンジアミン四酢酸2アンモニウム塩 10.0 g 臭化アンモニウム 150.0 g 氷酢酸 10.0ml 水を加えて1とし、アンモニア水を用いてpH=6.0に
調整する。
〈定着液〉 チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1とし、酢酸を用いてpH=6.0に調整す
る。
〈安定液〉 ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(小西六写真工業社製) 7.5ml 水を加えて1とする。
現像抑制剤未添加の試料(I)の感度をS0とし、試料
(II)の感度をS0′とし、現像抑制剤添加の時の試料
(I)感度をSIとし、試料(II)の感度をSIIとする
と、 試料(I)の減感度 ΔS=S0−SI 試料(II)の減感度 ΔS0=S0′−SII 拡散性=ΔS/ΔS0と表される。
但し、感度は全て、かぶり濃度+0.3の濃度点の露光
量の逆数の対数(−logE)とする。
この方法により求めた数種の現像抑制剤の拡散性を次
の表に例示する。
本発明においては拡散性DIR化合物は放出された基の
拡散性が上記した範囲内であれば、その化学構造によら
ず、いずれのものも用いることができる。
以下に代表的な構造式を示す。
一般式(D−1) A−(Y) Aはカプラー残基を表し、mは1または2を表し、Y
はカプラー残基Aのカップリング位と結合し発色現像主
薬の酸化体との反応により離脱する基で拡散性が0.40以
上の現像抑制剤基もしくは現像抑制剤を放出できる基を
表す。
一般式(D−1)においてYは代表的には下記一般式
(D−2)〜(D−19)で表される。
一般式(D−2) 一般式(D−3) 一般式(D−4) 一般式(D−5) 一般式(D−6) 一般式(D−7) 一般式(D−8) 一般式(D−9) 一般式(D−2)〜(D−7)において、Rd1は水素
原子、ハロゲン原子、またはアルキル、アルコキシ、ア
シルアミノ、アルコキシカルボニル、チアゾリリデンア
ミノ、アリールオキシカルボニル、アシルオキシ、カル
バモイル、N−アルキルカルバモイル、N,N−ジアルキ
ルカルバモイル、ニトロ、アミノ、N−アリールカルバ
モイルオキシ、スルファモイル、N−アルキルカルバモ
イルオキシ、ヒドロキシ、アルコキシジカルボニルアミ
ノ、アルキルチオ、アリールチオ、アリール、ヘテロ
環、シアノ、アルキルスルホニルもしくはアリールオキ
シカルボニルアミノの各基を表す。nは0、1または2
を表し、nが2のとき各Rd1は同じでも異なっていても
よいn個のRd1に含まれる炭素数の合計は0〜10であ
る。また一般式(D−6)におけるRd1に含まれる炭素
数は0〜15である。
上記一般式(D−6)のXは酸素原子または硫黄原子
を表す。
一般式(D−8)においてRd2はアルキル基、アリー
ル基もしくはヘテロ環基を表す。
一般式(D−9)においてRd3は水素原子またはアル
キル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロ環の各
基を表し、Rd4は水素原子、ハロゲン原子、またはアル
キル、シクロアルキル、アリール、アシルアミノ、アル
コキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルア
ミノ、アルカンスルホンアミド、シアノ、ヘテロ環、ア
ルキルチオもしくはアミノの各基を表す。
Rd1、Rd2、Rd3もしくはRd4がアルキル基を表すとき、
このアルキル基は置換基を有するものを含み、直鎖もし
くは分岐鎖のいずれであってもよい。
Rd1、Rd2、Rd3もしくはRd4がアリール基を表すとき、
アリール基は置換基を有するものを包含する。
Rd1、Rd2、Rd3もしくはRd4がヘテロ環基を表すとき、
このヘテロ環基は置換基を有するものを包含し、ヘテロ
原子として窒素原子、酸素原子、及びイオウ原子から選
ばれる少なくとも1つを含む5員または6員環の単環も
しくは縮合環が好ましく、例えばピリジル、キノリル、
フリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリ
ル、チアゾリル、トリアゾリル、ベンゾトリアゾリル、
イミド、オキサジンの各基などから選ばれる。
一般式(D−6)及び(D−8)における、Rd2に含
まれる炭素数は0〜15である。
上記一般式(D−9)において、Rd3及びRd4に含まれ
る炭素数の合計は0〜15である。
一般式(D−10) −TIME−INHIBIT 式中、TIME基はAのカップリング位と結合し、発色現
像主薬の酸化体との反応により開裂できる基であり、カ
プラーより開裂した後、INHIBIT基を適度に制御して放
出できる基である。INHIBIT基は上記放出により現像抑
制剤となる基(例えば前記一般式(D−2)〜(D−
9)で表される基)である。
一般式(D−10)において−TIME−INHIBIT基は代表
的には下記一般式(D−11)〜(D−19)で表される。
一般式(D−11) 一般式(D−12) 一般式(D−13) 一般式(D−14) 一般式(D−15) 一般式(D−16) 一般式(D−17) 一般式(D−18) 一般式(D−19) 一般式(D−11)〜(D−15)及び(D−18)におい
て、Rd5は水素原子、ハロゲン原子またはアルキル、シ
クロアルキル、アルケニル、アラルキル、アルコキシ、
アルコキシカルボニル、アニリノ、アシルアミノ、ウレ
イド、シアノ、ニトロ、スルホンアミド、スルファモイ
ル、カルバモイル、アリール、カルボキシ、スルホ、ヒ
ドロキシもしくはアルカンスルホニルの各基を表し、一
般式(D−11)〜(D−13)、(D−15)、(D−18)
においては、Rd5同士が結合して縮合環を形成してもよ
く、一般式(D−11)、(D−14)、(D−15)及び
(D−19)において、Rd5はアルキル、アルケニル、ア
ラルキル、シクロアルキル、ヘテロ環またはアリールの
各基を表し、一般式(D−16)及び(D−17)におい
て、Rd7は水素原子またはアルキル、アルケニル、アラ
ルキル、シクロアルキル、ヘテロ環もしくはアリールの
各基を表し、一般式(D−19)におけるRd8及びRd9はそ
れぞれ水素原子またはアルキル基(好ましくは炭素数1
〜4のアルキル基)を表し、一般式(D−11)、(D−
15)〜(D−18)におけるkは0、1または2の整数を
表し、一般式(D−11)〜(D−13)、(D−15)、
(D−18)におけるlは1〜4の整数を表し、一般式
(D−16)におけるmは1または2の整数の表し、mが
2のとき各Rd7は同じでも異なってもよく、一般式(D
−19)におけるnは2〜4の整数を表し、n個のRd8
びRd9はそれぞれ同じでも異なってもよく、一般式(D
−19)〜(D−18)におけるBは酸素原子または (Rd6はすでに定義したのと同じ意味を表す。)を表
し、一般式(D−16)における 単結合であっても、二重結合であってもよいことを表
し、単結合の場合はmは2であり、2重結合の場合はm
は1であり、INHIBIT基は一般式(D−2)〜(D−
9)で定義した一般式と炭素数以外は同じ意味を表す。
INHIBIT基においては一般式(D−2)〜(D−7)
における一分子中のR1に含まれる炭素数は合計して0〜
32であり、一般式(D−8)におけるRd2に含まれる炭
素数は1〜32であり、一般式(D−9)におけるRd3
びRd4に含まれる炭素数の合計は0〜32である。
Rd5、Rd6及びRd7がアルキル基、アリール基またはシ
クロアルキル基を表すとき、置換基を有するものを包含
する。
拡散性DIR化合物の中で、好ましいのは、Yが一般式
(D−2)、(D−3)または(D−10)で表されるも
のであり、(D−10)の中では、INHIBITが一般式(D
−2)、(D−6)(特に一般式(D−6)のXが酸素
原子のとき)、または(D−8)(特に一般式(D−
8)のRd2が、ヒドロキシアリールまたは炭素数1〜3
のアルキルのとき)で表されるものが好ましい。
一般式(D−1)においてAで表されるカプラー成分
としてはイエロー色画像形成カプラー残基、マゼンタ色
画像形成カプラー残基、シアン色画像形成カプラー残基
及び無呈色カプラー残基が挙げられる。
本発明で用いられる好ましい拡散性DIR化合物として
は次に示すような化合物があるが、これらに限定される
ものではない。
次に上記感色性層を形成するハロゲン化銀乳剤につい
て説明する。該ハロゲン化銀乳剤には、ハロゲン化銀と
して臭化銀、沃臭化銀、沃塩化銀、塩臭化銀、及び塩化
銀等の通常のハロゲン化銀乳剤に使用される任意のもの
を用いることができるが、好ましい乳剤としては沃臭化
銀を用いたものである。該ハロゲン化銀乳剤に用いられ
るハロゲン化銀粒子は、酸性法、中性法及びアンモニア
法のいずれで得られたものであってもよい。ハロゲン化
銀乳剤は、いかなる粒子サイズ分布を持つものを用いて
も構わない。したがって粒子サイズ分布の広い乳剤、い
わゆる多分散乳剤を用いてもよいし、粒子サイズ分布の
狭い乳剤、いわゆる単分散乳剤を単独または数種類混合
してもよく、多分散乳剤と単分散乳剤を混合して用いて
もよく、好ましくは単分散乳剤である。
本発明を実施する際に好ましく用いることのできるハ
ロゲン化銀の粒径としては、0.4μm〜5.0μmであり、
より好ましくは0.5μm〜3.0μmで、特に好ましくは0.
6μm〜2.0μmである。
カラー写真感光材料の感色性層として、一般に青感色
性層、緑感色性層及び赤感色性層があり、フルカラー用
とする場合にはこれら全ての感色性層が積層されて形成
される。本発明では緑感色性層において特に有効である
ことは上述の通りである。
然して、該緑感色性層はマゼンタカプラーを含有し、
マゼンタカプラーとしては、例えば5−ピラゾロン系カ
プラー、ピラゾロベンツイミダゾール系カプラー、ピラ
ゾロトリアゾール系カプラー、開鎖アシルアセトニトリ
ル系カプラーを好ましく用いることができる。
赤感色性層はシアンカプラーを含有し、シアンカプラ
ーとしては、例えばナフトール系カプラー及びフェノー
ル系カプラーを好ましく用いることができる。
青感色性層はイエローカプラーを含有し、イエローカ
プラーとしては、例えば、アシルアセトアニリド系カプ
ラーを好ましく用いることができ、これらのうちベンゾ
イルアセトアニリド系及びビバロイルアセトアニリド系
化合物が好適である。
本発明における支持体は、写真構成層を支持できる材
質であればよく、透明であっても不透明であってもよ
く、目的に応じて種々の材料を任意に選択することがで
きる。
上記写真構成層には各種添加剤を添加することがで
き、目的に応じて湿潤剤、膜物性改良剤、塗布助剤等各
種の写真用添加剤を加えることもできる。更にその他の
写真用添加剤として、ゼラチン可塑剤、界面活性剤、紫
外線吸収剤、pH調整剤、酸化防止剤、帯電防止剤、増粘
剤、粒状性向上剤、染料、モルダント、増白剤、現像速
度調節剤、マット剤等を使用することもできる。
また、色素画像の短波長の活性光線による褪色を防止
するため紫外線吸収剤、例えばチアゾリドン、ベンゾト
リアゾール、アクリロニトリル、ベンゾフェノン系化合
物を用いることは有用である。
上記感光材料に用いるハロゲン化銀乳剤層には、保護
コロイドあるいは結合剤(バインダー)として、ゼラチ
ンの他に目的に応じて適当なゼラチン誘導体を用いるこ
とができ、また、目的に応じて他の親水性結合剤(バイ
ンダー)を含ませることができる。上記写真感光材料と
して乳剤層あるいは中間層、保護層、フィルター層、裏
引層等の写真構成層に目的に応じて添加することがで
き、更に上記親水性バインダーには目的に応じて適当な
可塑剤、湿潤剤等を含有せしめることができる。
また、上記写真感光材料の構成層は任意の適当な硬膜
剤で硬化せしめられることができる。
本発明に係るハロゲン化銀カラー写真感光材料は、特
にネガ型写真感光材料に好適である。
〔実施例〕
以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本発明の実
施の態様はこれらに限定されない。
以下の全ての実施例において、ハロゲン化銀写真感光
材料中の添加量は特に記載のない限り1m2当たりのもの
を示す。また、ハロゲン化銀とコロイド銀は銀に換算し
て示した。
トリアセチルセルロースフィルム支持体上に、下記に
示すような組成の各層を順次支持体層から形成して、多
層カラー写真感光材料試料No.1を作製した。
試料No.1(比較) 第1層;ハレーション防止層(HC−1) 黒色コロイド銀を含むゼラチン層。
第2層;中間層(I.L.) 2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンの乳化分散物を
含むゼラチン層。
第3層;低感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層(RL−1) 平均粒径()0.40μm,AgI 6モル%を含むAgBrIからな
る 単分散乳剤(乳剤I)……銀塗布量1.8g/m2 増感色素I……銀1モルに対して5.0×10-4モル 増感色素II……銀1モルに対して0.8×10-4モル シアンカプラー(C−1)……銀1モルに対して0.085
モル カラードシアンカプラー(CC−1)……銀1モルに対し
て0.005モル DIR化合物(D′−23)……銀1モルに対して0.0015モ
ル DIR化合物(D′−25)……銀1モルに対して0.002モル 第4層;高感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層(RH−1) 平均粒径()0.8μm,AgI 6.0モル%を含むAgBrIから
なる 単分散乳剤(乳剤II)……銀塗布量1.3g/m2 増感色素I……銀1モルに対して2.5×10-4モル 増感色素II……銀1モルに対して0.8×10-4モル シアンカプラー(C−2)……銀1モルに対して0.07モ
ル シアンカプラー(C−3)……銀1モルに対して0.027
モル カラードシアンカプラー(CC−1)……銀1モルに対し
て0.0015モル DIR化合物(D′−25)……銀1モルに対して0.001モル 第5層;中間層(I.L.)(0.8μm) 第2層と同じゼラチン層。
第6層;低感度緑感性ハロゲン化銀乳剤層(GL−1) 乳剤−I……塗布銀量1.5g/m2 増感色素III……銀1モルに対して2.0×10-4モル 増感色素IV……銀1モルに対して1.0×10-4モル マゼンタカプラー(M−1)……銀1モルに対して0.09
0モル カラードマゼンタカプラー(CM−1)……銀1モルに対
して0.004モル DIR化合物……下記表に示す。
第7層;中間層 下記表に示したゼラチン層 第8層;高感度緑感性ハロゲン化銀乳剤層(GH−1) 下記表乳剤……塗布銀量1.5g/m2 増感色素III……銀1モルに対して1.2×10-4モル 増感色素IV……銀1モルに対して0.8×10-4モル マゼンタカプラー(M−1)……銀1モルに対して0.01
5モル カラードマゼンタカプラー(CM−1)……銀1モルに対
して0.002モル 第9層;イエローフィルター層(YC−1) 黄色コロイド銀と2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノ
ンの乳化分散物とを含むゼラチン層。
第10層;低感度青感性ハロゲン化銀乳剤層(BL−1) 平均粒径0.48μm,AgI 6モル%を含むAgBrIからなる 単分散乳剤(乳剤III)……銀塗布量0.9g/m2 増感色素V……銀1モルに対して1.3×10-4モル イエローカプラー(Y−1)……銀1モルに対して0.29
モル 第11層;高感度青感性乳剤層(BH−1) 平均粒径0.8μm,AgI 7モル%を含むAgBrIからなる 単分散乳剤(乳剤IV)……銀塗布量0.5g/m2 増感色素V……銀1モルに対して1.0×10-4モル イエローカプラー(Y−1)……銀1モルに対して0.08
モル DIR化合物(D′−25)……銀1モルに対して0.0030モ
ル 第12層;第1保護層(Pro−1) 沃臭化銀(AgI1モル%平均粒径0.07μm)銀塗布量0.5g
/m2 紫外線吸収剤UV−1,UV−2を含むゼラチン層 第13層;第2保護層(Pro−2) ポリメチルメタクリレート粒子(直径1.5μm)及びホ
ルマリンスカベンジャー(HS−1)を含むゼラチン層 尚各層には上記組成物の他に、ゼラチン硬化剤(H−
1)及び(H−2)や界面活性剤を添加した。
試料No.1の各層に含まれる化合物は下記の通りであ
る。
増感色素I;アンヒドロ−5,5′−ジクロロ−9−エチル
−3,3′−ジ−(3−スルホプロピル)チアカルボシア
ニンヒドロキシド 増感色素II;アンヒドロ−9−エチル−3,3′−ジ−(3
−スルホプロピル)−4,5,4′,5′−ジベンゾチアカル
ボシアニンヒドロキシド 増感色素III;アンヒドロ−5,5′−ジフェニル−9−エ
チル−3,3′−ジ−(3−スルホプロピル)オキサカル
ボシアニンヒドロキシド 増感色素IV;アンヒドロ−9−エチル−3,3′−ジ−(3
−スルホプロピル)−5,6,5′,6′−ジベンゾオキサカ
ルボシアニンヒドロキシド 増感色素V;アンヒドロ−3,3′−ジ−(3−スルホプロ
ピル)−4,5−ベンゾ−5′−メトキシチアシアニンア
ンヒドロキシド このようにして作成した各試料No.1〜16を、白色光を
用いてウエッジ露光したのち、下記現像処理を行った。
処理工程(38℃) 発色現像 3分15秒 漂 白 6分30秒 水 洗 3分15秒 定 着 6分30秒 水 洗 3分15秒 安定化 1分30秒 乾 燥 各処理工程において使用した処理液組成は下記の通り
である。
〈発色現像液〉 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒド
ロキシエチル)−アニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 2.0 g 無水炭酸カリウム 37.5 g 臭化ナトリウム 1.3 g ニトリロトリ酢酸・3ナトリウム塩(1水塩) 2.5 g 水酸化カリウム 1.0 g 水を加えて1とする。
〈漂白液〉 エチレンジアミン四酢酸鉄アンモニウム塩 100.0 g エチレンジアミン四酢酸2アンモニウム塩 10.0 g 臭化アンモニウム 150.0 g 氷酢酸 10.0ml 水を加えて1とし、アンモニア水を用いてpH=6.0に
調整する。
〈定着液〉 チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1とし、酢酸を用いてpH=6.0に調整す
る。
〈安定液〉 ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(小西六写真工業社製) 7.5ml 水を加えて1とする。
上記処理をした後、上記各試料に得られた画像の鮮鋭
度及び粒状性を測定して得られた結果を表に示した。
緑色光を用いて上記緑感色性層の鮮鋭度(MTF)及び
粒状度(RMS)を測定した。
試料No.1の鮮鋭度の改良効果は色素画像のMTF(Modul
ation Transfer Function)を求め、10本/mmでのMTFの
相対値(試料No.1を100とする)で示した。
RMS値は最小濃度+1.0の濃度を開口走査面積250μm2
のマイクロデンシトメーターで走査した時に生じる濃度
値の変動の標準偏差の1000倍値を、試料No.1を100とし
た相対値で示した。
上記表に示された結果から次のことが判る。
(1)低感度緑感性ハロゲン化銀乳剤層(第6層)に拡
散性DIR化合物を添加した場合における、中間層(第7
層)の介在する試料No.1と介在しない試料No.4の感度、
RMS及びMTFを比較すると、中間層がある試料No.1は中間
層のない試料No.4よりも感度及びRMSが改良されている
ことが判る。従って中間層を設けることによって拡散性
DIR化合物の高感度緑感性ハロゲン化銀乳剤層(第8
層)への悪影響を防止しているものの、鮮鋭性は殆ど改
良されていないことが判る。
(2)これに対して中間層である第7層を設け、更に該
第7層に染料を添加した試料No.6〜11及びNo.13〜16で
はRMS及びMTF共に著しく改良されていることが判る。
ところが、第7層に対する染料の添加量が少な過ぎる
と試料No.5の如く、その添加効果を殆ど認めることがで
きない。
(3)また、第8層の乳剤のハロゲン化銀の粒径の影響
について試料No.7と11とを比較すると、粒径の大きい試
料No.11は試料No.7よりもRMSは若干低下するものの感度
が著しく上昇し、MTFも改良されていることが判る。RMS
が低下しているといっても比較試料No.1及び4と比較す
れば大巾に改良されていることが判る。
(4)また染料の添加量が多いと減感巾は多少大きい
が、RMS及びMTFは共に著しく改良されていることが試料
No.16からも明らかである。
(5)尚、本実施例では緑感色性層について本発明を適
用したものについて説明したが、赤感色性層である第3
層、第4層に、本発明を適用しても同様の効果が奏し得
られることを本発明者らは確認している。
〔発明の効果〕 本発明によれば、高感度であり、なおかつ粒状性及び
鮮鋭性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料を得る
ことができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、同一感色性で互いに感度の異
    なる少なくとも2層のハロゲン化銀乳剤層を有し、上記
    2層のハロゲン化銀乳剤層のうち上記支持体に近い層に
    拡散性0.4以上の拡散性DIR化合物を含有したハロゲン化
    銀カラー写真感光材料において、上記2層のハロゲン化
    銀乳剤層間に非感光性の中間層を介在させるとともに、
    該中間層に上記感色性の吸収スペクトルと実質的に同一
    領域のスペクトルを吸収する染料を透過濃度が0.01〜0.
    3となるよう含有せしめたことを特徴とするハロゲン化
    銀カラー写真感光材料。 拡散性は下記の方法により評価する。 透明支持体上に下記組成の層を有する感光材料試料
    (I)及び(II)を作成する。 試料(I):緑感色性ハロゲン化銀乳剤層を有する試料 緑感色性に分光増感した沃臭化銀(沃化銀6モル%、平
    均粒径0.48μm)及び下記のカプラーを銀1モル当た
    り、0.07モル含有するゼラチン塗布液を塗布銀量が1.1g
    /m2、ゼラチン付量が3.0g/m2になるように塗布し、その
    上に保護層として化学増感及び分光増感を施していない
    沃臭化銀(沃化銀2モル%、平均粒径0.08μm)を含有
    するゼラチン塗布液を塗布銀量が0.1g/m2、ゼラチン付
    量が0.8g/m2になるように塗布する。 試料(II):上記試料(I)の保護層から沃臭化銀を除
    いたもの。 各層には上記の他にゼラチン硬化剤や界面活性剤を含有
    させてある。 試料(I)、(II)をウエッジを用いて白色露光後、下
    記の処理方法に従って処理する。現像液には試料(II)
    の感度を60%(対数表示で、−ΔlogE=0.22)に抑制す
    る量の各種現像抑制剤を添加したものと、現像抑制剤を
    添加していないものとを用いる。 処理工程(38℃) 発色現像 2分40秒 漂 白 6分30秒 水 洗 3分15秒 定 着 6分30秒 水 洗 3分15秒 安定化 1分30秒 乾 燥 各処理工程において使用した処理液組成は下記の通りで
    ある。 〈発色現像液〉 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒド
    ロキシエチル)−アニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 2.0 g 無水炭酸カリウム 37.5 g 臭化ナトリウム 1.3 g ニトリロトリ酢酸・3ナトリウム塩(1水塩) 2.5 g 水酸化カリウム 1.0 g 水を加えて1とする。 〈漂白液〉 エチレンジアミン四酢酸鉄アンモニウム塩 100.0 g エチレンジアミン四酢酸2アンモニウム塩 10.0 g 臭化アンモニウム 150.0 g 氷酢酸 10.0ml 水を加えて1とし、アンモニア水を用いてpH=6.0に
    調整する。 〈定着液〉 チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1とし、酢酸を用いてpH=6.0に調整す
    る。 〈安定液〉 ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(小西六写真工業社製) 7.5ml 水を加えて1とする。 現像抑制剤未添加の時の試料(I)の感度をS0とし、試
    料(II)の感度をS0′とし、現像抑制剤添加の時の試料
    (I)感度をSIとし、試料(II)の感度をSIIとする
    と、 試料(I)の減感度 ΔS=S0−SI 試料(II)の減感度 ΔS0=S0′−SII 拡散性=ΔS/ΔS0と表される。 但し、感度は全て、かぶり濃度+0.3の濃度点の露光量
    の逆数の対数(−logE)とする。
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