JP2550118B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JP2550118B2 JP62322839A JP32283987A JP2550118B2 JP 2550118 B2 JP2550118 B2 JP 2550118B2 JP 62322839 A JP62322839 A JP 62322839A JP 32283987 A JP32283987 A JP 32283987A JP 2550118 B2 JP2550118 B2 JP 2550118B2
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【発明の詳細な説明】 [利用分野] 本発明はレーザ等の光により情報の記録・再生・消去
等を行う光磁気記録媒体に関する。更に詳細には、透明
合成樹脂基板上に膜面に垂直な方向に磁化容易方向を有
した金属薄膜よりなる記録層を形成し、磁化光学効果に
より情報を記録再生する光磁気記録に用いられる耐環境
性の秀れた光磁気記録媒体に関する。
[従来技術] 光記録媒体は高密度・大容量の情報記録として種々の
研究開発が行なわれている。特に情報の消去可能な光磁
気記録媒体は応用分野が広く種々の材料・システムが発
表されており、その実用化が待望されている。
上述の光磁気記録材料としては、例えば、特開昭52−
31703号公報記載のFe Tb,特開昭56−126907号公報記載
のFe Tb Gd,特開昭58−73746号公報記載のFe Tb Co,Fe
Co Dy,特開昭61−165846号公報記載のFe Nd等既に多く
の提案がある。しかし、これらの情報の消去可能な光磁
気記録媒体の実用化には、記録・再生特性のより一層の
向上及びその記録層を構成する記憶材料の大半は酸化等
の腐蝕を起こしやすい為、その耐酸化性を含めた耐久性
を向上させることが必要と言われている。
これに対して、例えば特開昭59−110052号公報には、
光メモリ素子の記録層を少なくとも一方が誘電体層であ
る2層の酸素を含有しない膜間に挟持することにより記
録層の酸化を防止することが提案されている。またこの
ような基板と記録層との間に誘電体を設けてカー回転角
を向上させることが広く知られている。そしてこの場合
においては誘電体層は酸素を含有していないことが必要
であり、誘電体層としてはAlN,MgF2,ZnS,CeF3,AlF3・3N
aF,Si3N4等の窒化物,弗化物等で形成されることが好ま
しいとされている。ところでこれらの中で耐環境性に秀
れているといわれるAlN,Si3N4等の窒化膜について検討
したところ、その製膜速度が遅いこと、また膜中ヒズミ
が大きく特にプラスチックス基板上に多層膜を形成した
場合、環境劣化試験によりグルーブに沿った剥離等が生
じる問題があり、耐酸化性とは別の面での耐久性での問
題があること等より一層の改善が必要なことがわかっ
た。
[発明の目的] 本発明はかかる現状に鑑みなされたもので、透明合成
樹脂基板上に誘電体層を介して記録層を有する耐久性の
良い光磁気記録媒体を目的とするものである。すなわ
ち、具体的には前記記録媒体の環境安定化をはかり特に
基板と誘電体層界面の劣化によるワレ,剥離を防止する
ことを第1の目的とする。また誘電体層と光磁気合金層
との界面の安定化を第2の目的とする。また、プラスチ
ック基板よりあるいは基板を通し光磁気記録層界面に侵
入する特にH2O等の劣化因子を抑制することを第3の目
的とする。
[発明の構成,作用] 上述の目的は、以下の本発明により達成される。すな
わち本発明は透明合成樹脂基板上に誘電体層を介して光
磁気記録層、更には必要に応じ保護層を設けた光磁気記
録媒体において、前記誘電体層がIn及びSnからなる群か
ら選ばれた少なくとも一つの元素の酸化物からなり、電
気抵抗率が1×10-1Ω・cm以上の誘電性の透明酸化物層
であることを特徴とする光磁気記録媒体である。なお、
以下この発明の光磁気記録媒体を本発明媒体,透明酸化
物層In及び/又はSnの酸化物層という。
本発明媒体において、In及び/又はSnの透明酸化物か
らなる誘電体層は、物理的堆積(Physical Vapor Depos
ition:PVD)法により形成される。
また本発明媒体において酸化物膜と光磁気膜との間に
金属チタン膜からなる保護層を設けることが耐酸化性,
耐透湿性の向上面から好ましい。金属チタン膜の膜厚は
記録・再生面から50Å以下、更には20Å以下が好まし
い。
本発明媒体の誘電体層はIn及び/又はSnの誘電性の酸
化物層で誘電体層の作用を奏するものであれば良いが、
記録特性面から電気抵抗率が1×10-1Ωcm以上の不良導
電性の充分酸化された酸化物が好ましい。かかる酸化物
としては例えば酸素濃度が充分高く、かつ欠陥等による
キャリアー濃度の少ない酸化インジウム(In2O3)膜及
び/又は錫酸化物(SnOx)膜である。またIn2O3及び/
又はSnOx酸化物中に不純物としてTa,Sb,F等を含んだも
のでも良い。中でもIn2O3膜或いは錫酸化物を含む主と
してIn2O3からなる酸化物膜が耐久面,読み取りレーダ
ー電力が低い面から好ましい。なお、この酸化物の錫酸
化物の含有量は30wt%以下、好ましくは7wt%以下であ
り、屈折率の面から更に好ましくは3wt%以下である。
これらのIn2O3及び/又はSnOxの層は前述の通り、公
知の真空蒸着法,スパッタリング法等のPVD法で作られ
るが、高温高湿耐環境性試験で生じるハガレを生じさせ
ないためにプラスチック基板との接着性が大きい条件で
作製することが好ましい。この為にはスパッタリング法
が好ましい。
なお、本発明の誘電体層を構成するIn及び/又はSn金
属を含む誘電性の酸化膜には以下の通り透明導電層とし
て知られた膜例えば酸化インジウム膜,インジウム・錫
酸化物膜(ITO)等は含まれない。すなわに、透明導電
膜として知られている導電性の電気抵抗率が10-2−10-4
Ω・cmのIn及び/又はSn金属を含む酸化膜は熱伝導性も
良く、レーザ光によりスポット状に高温となる媒体記録
部よりの導電性酸化膜側への熱の散逸が起り、必要記録
レーザパワーが高くなること、またビット形状が乱れC/
Nが低下する。更に、高湿度雰囲気において鉄系合金層
と導電性酸化物層との間に電気化学的電流が流れ、光磁
気記録媒体の環境劣化を促進する。このため、In及び/
又はSn含有の導電性酸化物層は光磁気記録媒体への適用
は困難である。更に、電気抵抗率が10-4Ω・cm程度の導
電性のIn又は/及びSnを含む酸化物層はキャリア−濃度
が高くプラズマ振動による近赤外レーザ光に対する反射
損失が生じる。
さらにポリカーボネート,アクリル樹脂等の透明プラ
スチックディスク基板に通常In及び/又はSn金属を含む
酸化膜を透明導電膜として形成するためには通常膜形成
時100℃程度の基板加熱が必要となり、この熱的因子に
よりプラスチック基板表面のグルーブが乱れ良好な媒体
の実現は困難である。以上より本発明には上述の透明導
電膜は適用されない。
本発明媒体においては、透明酸化物層はインジウムあ
るいは錫の酸化物、更にはこれらの両金属を含む酸化物
からなる。
本発明媒体において、錫酸化物層は誘電性具体的には
その電気抵抗率が1×10-1Ω・cm以上の錫の酸化物であ
れば、いかなるものでも良い。好ましくは、記録・再生
に使用されるレーザー光の吸収が小さい点から1≦X≦
2のSnOxである。
In及び/又はSnを含む酸化物からなる誘電体層の屈折
率は読み出しレーザー光の波長に対して1.7以上でなけ
ればならず、更にカー回転角を適当に増加させる面から
は1.9以上が好ましい。
次にIn及び/又はSn含有の酸化物層の効果を、従来技
術の対比しつつ説明する。
透明プラスチック基板を用い、膜面反射によるカー回
転角を大きくする為基板と光磁気記録層との間に誘電体
層を設けた従来の光磁気記録媒体では、前述の通り誘電
体膜として代表的な公知のSiO,ZnS,AlN,Si3N4等を用い
ディスクを構成した場合、高温高湿及び又はヒートサイ
クルによる耐久性試験を行うとディスクに亀裂がはいり
光磁気特性が急に劣化することが観察された。これは本
発明者らの研究によれば、主にプラスチック基板界面で
の誘電体膜のはがれに起因する。
ところが本発明による誘電体層にIn及び/又はSn金属
の誘電性の酸化膜を用いたディスクではおどろくべきこ
とにこの界面での劣化によるハクリは生じず、ディスク
の耐久性が著しく改善される作用があることを見出し
た。これは該In及び/又はSn金属の酸化膜とプラスチッ
ク界面、特にポリカーボネート基板との親和性が大きい
ことによるものと思われる。これらの改良は通常の環境
下での長期安定性と共にヒートサイクル,ヒートショッ
クに対して特に有効となる。また、さらに本発明の酸化
物膜の誘電体層と光磁気記録層との間にTiの薄膜を設け
ることにより酸化物表面に吸着するO2あるいはH2Oをト
ラップする作用があり、酸素による光磁気記録層の劣化
を防ぎ、耐久性をより増すことができる。Tiの熱膨脹率
は誘電体層と記録層の鉄系合金の熱膨脹率の中間値とな
るので、そのインターフェースでの熱的ショックに起因
するストレスが減少し、媒体は安定化する。保護層のチ
タンは酸化されるが、その屈折率は元々1.8以上であ
り、その変化は小さい。チタンは屈折率の酸化への依存
性が上述の小さい範囲にある限り合金であっても良い。
チタン保護層は記録・再生面から50Å以下の厚さが好ま
しく、この場合にこの層により光吸収は20%以下とな
る。厚み20Å以下のチタン保護層が該光吸収が5%以下
である点で更に好ましい。
次に本発明媒体、すなわちIn及び/又はSnの誘電性透
明酸化物層の誘電体層を備えたもの、この誘電体層と記
録層との間にチタン保護層を備えたものにおける光磁気
記録層,合成樹脂基板,光磁気記録層の保護層について
説明する。
本発明の光磁気記録層としては、光磁気効果により記
録,再生できるものであれば良く、公知の膜面に垂直な
方向に磁化容易方向を有し任意の反転磁区を作ることに
より光磁気効果に基いて情報の記録再生が可能な磁性金
属薄膜、例えばFe Tb合金系のFe Tb Co合金,Fe Tb Gd合
金等,FeCoDyNd,FeCoDyNdTi等のFe−Nd系の合金,Fe−Pr,
Fe−Sm,Fe−Ce系の各合金等が適用できる。
本発明における合成樹脂基板としてはポリカーボネー
ト樹脂,アクリル樹脂,エポキシ樹脂,4−メチル−ペン
テン樹脂などまたそれらの共重合体などが適用できる
が、機械強度,耐候性,耐熱性、透湿量の点でポリカー
ボネート樹脂が好ましい。
本発明の光磁気記録層の基板と反対側に設ける保護膜
としては、誘電体及び/又は金属等が用いられる。保護
膜の場合は酸化物膜と異なりプラスチック基板との接着
性は特に問題とならないため誘電体としてはAlN,MgF2,Z
nS,CeF3,AlF3・3NaF,Si3N4,SiO,SiO2,TiO2,Zr2O3,In2O3
などの窒化物,弗化物,酸化物などが適用できる。また
金属としては熱伝導度の小さい物質、すなわちTi,Zr等
好ましい。これらは公知の真空蒸着法,スパッタリング
法で作製できる。
以上の通り本発明はプラスチック基板上に誘電性のIn
及び/又はSn金属の酸化膜を設けることにより耐環境性
が極めて秀れ且つカー回転角の向上により秀れた動特性
を有する光磁気媒体を実現したものである。
以下、本発明の実施例を説明する。
[実施例1] 直径200mm,厚さ1.2mmの円板で2.5μmピッチのグルー
ブを有するアクリル樹脂(PMMA)のディスク基板を3タ
ーゲットの高周波マグネトロンスパッタ装置(アネルバ
(株)製SPF−430型)の真空槽内に固定し、4×10-7To
rr以下になるまで排気する。なお、基板1は水冷し、15
rpmで回転させた。
次にAr,O2混合ガス(O220Vol%)を真空槽内に導入
し、圧力1×10-2Torrになるように混合ガスの流量を調
整し、直径100mm,厚さ5mmのInの円盤をターゲットと
し、放電電力100W,放電周波数13.56MHzで高周波反応ス
パッタリングを行ない、誘電体層2としてIn2O3膜を約8
00Å堆積した。続いて、記録層3としてターゲットをFe
69Tb23Co8合金(添数字は組成(原子%)を示す)に変
えAr(アルゴン)ガス(5N)を真空槽に導入し上述と同
様の放電条件でFe Tb Co合金膜を約1000Å堆積した。
最後に保護層4として誘電体層2と同様にIn2O3膜を
約800Å堆積した。
以上の順序で第1図(a)に示すPMMA/In2O3/TbFeCo/
In2O3の積層体すなわち光磁気記録媒体を得た。この媒
体の1点(第1図(b)参照)の周囲を光学顕微鏡にて
観察し、欠点,剥離が無いことを確認した。
この積層体を60℃,90%RHの恒温恒湿下に90時間放置
した。
その後、光学顕微鏡にて前述の媒体の1点Aの周囲を
観察したが放置前と同様で欠点,剥離は無かった。ま
た、同一条件でIn2O3単独膜を作成し電気抵抗を測定し
たところ表面抵抗は10MΩ/sq以上、対応する電気抵抗率
の値は8×10Ω・cm以上の絶縁性膜であった。
[比較例1] 直径200mm,厚さ1.2mmの円板で2.5μmピッチのグルー
ブを有するアクリル樹脂(PMMA)のディスク基板を3タ
ーゲットの高周波マグネトロンスパッタ装置(アネルバ
(株)製SPF−430型)の真空槽内に固定し、4×10-7To
rr以下になるまで排気する。なお基板1は水冷し、15rp
mで回転させた。
次にAr,N2混合ガス(N250Vol%)を真空槽内に導入
し、圧力1×10-2Torrになるように混合ガスの流量を調
整し、直径100mm,厚さ5mmのSiの円盤をターゲットと
し、放電電力100W,放電周波数13.56MHzで高周波反応ス
パッタリングを行ない、誘電体層2としてSin膜を約800
Å堆積した。
続いて、記録層3としてターゲットをFe69Tb23Co8
金(添数字は組成(原子%)を示す)に変え上述と同様
の放電条件でFe Tb Co合金膜を約1000Å堆積した。
最後に保護層4として誘電体層2と同様にSiN膜を約8
00Å堆積した。
以上の順序で第1図(a)に示すPMMA/SiN/TbFeCo/Si
Nの積層体すなわち光磁気記録媒体を得た。
実施例1と同様に、この媒体の1点A(第1図(b)
参照)の周囲を光学顕微鏡にて観察し、欠点,剥離が無
いことを確認した。
この積層体を60℃,90%RHの恒温恒湿下に90時間放置
した。
その後、光学顕微鏡にて前述の媒体の1点Aの周囲を
観察すると、グルーブに沿った剥離が観察された。剥離
部分をX線マイクロアナライザー(XMA)により元素の
面分析を行なったところ誘電体層2の部分から剥離が生
じていることが確認された。
実施例1,比較例1より本発明の有為性が示された。
[実施例2] 直性200mm,厚さ1.2mmの円板で1.6μmピッチのグルー
ブを有するポリカーボネート樹脂(PC)のディスク基板
を3ターゲットの高周波マグネトロンスパッタ装置(ア
ネルバ(株)製SPF−430型)の真空槽内に固定し、4×
10-7Torr以下になるまで排気する。なお、基板1は水冷
し、15rpmで回転させた。
次にAr,O2混合ガス(O210Vol%)を真空槽内に導入
し、圧力1×10-2TorrになるようにAr,O2混合ガスの流
量を調整し、直径100mm,厚さ5mmのIn2O3焼結体の円盤を
ターゲットとし、放電電力100W,放電周波数13.56MHzで
高周波反応スパッタリングを行ない、誘電体層2として
In2O3膜を約800Å堆積した。
続いて、第1の保護層5としてターゲットをTiに変え
Arガス(5N)を真空槽内に導入し上述と同様の放電条件
でTi膜を約10Å堆積した。
更に記録層3としてターゲットをFe69Tb23Co8合金
(添数字は組成(原子%)を示す)に変えArガス(5N)
を真空槽内に導入し上述と同様の放電条件でFe Tb Co合
金膜を約1000Åに堆積した。
なお、上述の各膜形成のときIn2O3膜,Ti膜及びFe Tb
Co合金膜は直径200mmの基板上において中心から半径90m
mまで堆積する様にマスクが設置されている。
最後にこのマスクを取り外し基板全面に膜が堆積する
様にし、第2の保護層6としてTiターゲットに変え、上
述と同様の放電条件でTi膜を約200Å堆積した。
以上の順序で第2図に示す第2の保護層6により記録
層3を含む全層の側面まで被覆したPC/In2O3/Ti/Fe Tb
Co/Tiの積層体すなわち光磁気記録媒体を得た。
この積層体のC/N[なお、C/N=S/N+10log(雑音帯
域)/(分解能帯域幅)]を測定した。この測定は光磁
気記録再生装置(ナカミチOMS−1000Type(III))を用
い、900rpmでディスクを回転させ1.024MHzの信号を5.0m
W半導体レーザ光で記録したのち、0.8mWの半導体レーザ
光で読み出した。印加磁界は500Oe(エルステッド)で
ある。結果を表1の実施例2に示す。
次にこの積層体を60℃,90%RHの恒温,恒湿下に500時
間放置した。その後のC/Nを測定した。結果を表1の実
施例2に示す。
なお、得られたIn2O3膜の表面抵抗は10MΩ/sq以上で
電気抵抗率は8×10Ω・cm以上の絶縁性の膜であった。
[比較例2] 直性200mm,厚さ1.2mmの円板で1.6μmピッチのグルー
ブを有するポリカーボネート樹脂(PC)のディスク基板
を3ターゲットの高周波マグネトロンスパッタ装置(ア
ネルバ(株)製SPF−430型)の真空槽内に固定し、4×
10-7Torr以下になるまで排気する。なお、基板1は水冷
し、15rpmで回転させた。
次にArガス(5N)を真空槽内に導入し、圧力1×10-2
TorrになるようにArガスの流量を調整し、直径100mm,厚
さ5mmのZnSの円盤をターゲットとし、放電電力100W,放
電周波数13.56MHzで高周波スパッタリングを行ない、誘
電体層2としてZnS膜を約800Å堆積した。
続いて、記録層3としてターゲットをFe69Tb23Co8
金(添数字は組成(原子%)を示す)に変え上述と同様
の放電条件でFe Tb Co合金膜を約1000Å堆積した。
最後に保護層4としてZnSターゲートに変え、上述の
同様の放電条件でZnS膜を約800Å堆積した。
以上の順序で第1図(a)に示す積層構成で保護層4
により記録層3を含む全層の側面まで被覆したPC/ZnS/F
e Tb Co/ZnSの積層体すなわち光磁気記録媒体を得た。
この積層体のC/Nを実施例2と同じ条件で測定した。
結果を表1の比較例2に示す。
次にこの積層体を60℃,90%RHの恒温恒湿下に500時間
放置した。その後のC/Nを測定した。ディスクを観察し
たところ媒体面に多くのワレが観測された。結果を表1
の比較例2に示す。
表1から明らかなごとく本実施例2においてC/N及び
外観は全く変化していないのに対し、比較例2において
C/Nは51dBから44dBへ減少し、外観も腐蝕劣化と思われ
るシワが認められた。
上述のごとく本発明の有為性が示された。
[実施例3] 直径200mm,厚さ1.2mmの円板で1.6μmピッチのグルー
ブを有するポリカーボネート樹脂(PC)のディスク基板
を3ターゲットの高周波マグネトロンスパッタ装置(ア
ネルバ(株)製SPF−430型)の真空槽内に固定し、4×
10-7Torr以下になるまで排気する。なお、基板1は水冷
し、15rpmで回転させた。
次にAr,O2混合ガス(O220Vol%)を真空槽内に導入
し、圧力2×10-2TorrになるようにAr,O2混合ガスの流
量を調整し、直径100mm,厚さ5mmのSnO2焼結体の円盤を
ターゲットとし、放電電力50W,放電周波数13.56MHzで高
周波スパッタリングを行い、誘電体層2としてSnO2膜を
約800Å堆積した。
続いて第1の保護層5としてターゲットをTiに変えAr
ガス(5N)を真空槽内に導入し上述と同様の放電条件で
Ti膜を約10Å堆積した。
更に記録層3としてターゲットをTbFeCo複合ターゲッ
トに変えArガス(5N)を真空槽内に導入し上述と同様の
放電条件でFeTbCo合金膜を約1000Å堆積した。
最後に第2の保護層6としてTiターゲットに変え、上
述と同様の放電条件でTiを約200Å堆積した。
以上の順序で第2図に示す第2の保護層6により記録
層3を含む全層の側面まで被覆したPC/SnOx/Ti/FeTbCo/
Tiの積層体すなわち光磁気記録媒体を得た。
この積層体のC/N[なお、C/N=S/N+10log(雑音帯
域)/(分解能帯域幅)]を測定した。この測定は光磁
気記録再生装置(ナカミチOMS−1000Tmpe(III))を用
い、900rpmでディスクを回転させ1.024MHzの信号を7.5m
W半導体レーザ光で記録したのち、0.8mWの半導体レーザ
光で読み出した。印加磁界は500Oe(エルステッド)で
ある。結果を表2の実施例3に示す。
次にこの積層体を60℃,90%RHの恒温,恒湿下に500時
間放置した。その後のC/Nを測定した。結果を表2の実
施例3に示す。又ディスク面から観察したところ、腐蝕
劣化で見られるシワ,シミ等は見られなかった。表2に
は比較のため前述の比較例2の結果を併記してある。
なお、得られたSnO2の膜の表面抵抗は10MΩ/sq以上で
電気抵抗率は8×10Ω・cm以上の絶縁性の膜であった。
更にその屈折率をエリプソメータ(溝尻光学(株)製)
を用いて測定したところ、このSnO2膜は波長830nmにお
いて2.0の屈折率を持つことがわかった。
表2から明らかなごとく本実施例3においてC/N及び
外観はほとんど変化していないのに対し、比較例2にお
いてC/Nは51dBから44dBへ減少し、外観も腐蝕劣化と思
われるシワが認められた。
なお、実施例2よりも本例の方が半導体レーザによる
書き込みパワーが大きいのは、In2O3層よりSnOx層の屈
折率が小さいことによると思われる。
[実施例4] 耐食性評価の1つとして以下の検討を行なった。
1000Åの膜厚の誘電性のSnO2含有のIn2O3薄膜を水冷
した10×20mm角,1.2mm厚のガラス基板上に実施例2と同
様に高周波スパッタ法により形成した。スパッタ条件は
Ar/O2混合ガス(O2;20Vol%)でガス圧は1×10-2Torr,
ターゲットはIn−Sn(Sn;5wt%)合金であった。形成さ
れたSnO2含有のIn2O3膜は電気抵抗率が1×10Ω・cm
で、表面抵抗が100MΩ/sq以上で誘電体であった。
光磁気膜は、同じ寸法の1.2mm厚のポリカーボネート
基板上に、実施例2と同様にFe69Co8Tb23合金ターゲッ
トを用い高周波マグネトロンスパッタ法でArガス雰囲気
下、形成した。
このようにして形成した2つの膜を電極にして、5cm
間隔で対向させて0.1mol/のNaCl溶液に浸し、120分間
で電極間に流れる電流を測定した。電流はわずかに流
れ、総電荷量は1.4×10-2クーロンであった。
[比較例3] 1000Åの膜厚の誘電性のSnO2含有のIn2O3薄膜を実施
例2と同じ装置を用い、高周波スパッタ法により実施例
4と同じ寸法のガラス基板上に形成した。ターゲットは
In2O3−SnO2(5wt%SnO2)焼結ターゲットでAr雰囲気
中、1×10-2Torrのガス圧で基板温度は130℃とした。
形成されたSnO2含有のIn2O3膜は電気抵抗率が5×10-3
Ω・cmで表面抵抗が500Ω/sqの透明導電膜であった。
実施例4と同じのボリカーボネート上に形成したFeCo
Tbの光磁気膜を対向する電極とし、実施例4と同じよう
にして0.1mol/のNaCl溶液に浸したところ電極間にか
なりの電流が流れた。120分の間の電荷の総量は1.3クー
ロンであった。
前述の実施例4との比較により、高湿度雰囲気下では
比較例3の如き導電性の前記In2O3膜上に形成した光磁
気膜では局部電池が形成され劣化の原因となることが確
認され、実施例4の如き誘電性の前記In2O3膜ではかか
る劣化が大巾に改善されることが確認された。
[実施例5] 実施例2において、そのIn2O3層に替えてSnO2を7wt%
含有するIn2O3からなるターゲットを用いてSnO2含有のI
n2O3層を形成する以外は、実施例2と全く同様にして媒
体を作成した。得られた媒体はPC/In2O3(SnO2)/Ti/Fe
TbCo/Tiの構成であった。
実施例2と同じテストをしたところ、実施例2と同様
の結果を得た。
[実施例6] 実施例2においてそのIn2O3層に代えて、SnO2を30wt
%含有するIn2O3からなるターゲットを用いてSnO2含有
のIn2O3層を形成した以外は、実施例2と全く同様にし
て媒体を作成した。得られた媒体はPC/In2O3(SnO2)/T
i/FeTbCo/Tiの構成であった。実施例2と同じテストを
したところ、実施例2と同様の結果を得た。
[実施例7] 直径200mm,厚さ1.2mmの円板で2.5μmピッチのグルー
ブを有するアクリル樹脂(PMMA)のディスク基板を3タ
ーゲットの高周波マグネトロンスパッタ装置(アネルバ
(株)製SPF−430型)の真空槽内に固定し、4×10-7To
rr以下になるまで排気する。なお、基板1は水冷し、15
rpmで回転させた。
次にAr,O2混合ガス(O220Vol%)を真空槽内に導入
し、圧力1×10-2Torrになるように混合ガスの流量を調
整し、直径100mm,厚さ5mmのInの円盤をターゲットと
し、放電電力100W,放電周波数13.56MHzで高周波反応ス
パッタリングを行ない、誘電体層2としてIn2O3膜を約8
00Å堆積した。
続いて、ターゲットを記録層3堆積用のターゲットす
なわちNd7.5Dy17.5Fe52.5Co22.5合金(添数字は組成
(原子%)を示す)に変えAr(アルゴン)ガス(5N)を
真空槽に導入し上述と同様の放電条件でNdDyFeCo合金膜
を約1000Å堆積した。
最後に保護層4として誘電体層2と同様にIn2O3膜を
約800Å堆積した。
以上の順序で第1図(a)に示すPMMA/In2O3/NdDyFeC
o/In2O3の積層体すなわち光磁気記録媒体を得た。この
媒体の1点A(第1図(b)参照)の周囲を光学顕微鏡
にて観察し、欠点,剥離が無いことを確認した。
この積層体を60℃,90%RHの恒温高湿下に200時間放置
した。
その後、光学顕微鏡にて上述の媒体の1点Aの周囲を
観察したが放置前と同様で欠点,剥離は無く、テスト前
に比し変化は無かった。
また、同一条件でIn2O3単独膜を作成し電気抵抗を測
定したところ表面抵抗は10MΩ/sq以上、対応する電気抵
抗率の値は8×10Ω・cm以上の絶縁性膜であった。
[比較例4] 実施例2と同じ装置でIn2O3膜を作る時、基板温度を1
00℃,ターゲットをIn2O3(5wt%SnO2)焼結体,スパッ
タガスを純Arガス(5N)とする外は実施例2と同じ条件
でディスクを作成した。得られたIn2O3(SnO2)膜は、
表面抵抗500Ω/sq,電気抵抗率4×10-3Ω・cm以上の透
明導電膜であった。このディスクを900rpmで回転させ、
1.024MHzの信号を5.0mW半導体レーザ光で記録した後、
0.8mW半導体レーザ光で読み出したところC/Nは44dBであ
った。書き込みレーザ光パワーを8.5mWにあげたところ4
9dBの値が得られた。
これより透明電極として用いられる導電性のIn2O3(S
nO2)膜を同一構成の多層膜として用いた媒体は、書き
込みレーザパワーのエネルギー損失が大きく好ましくな
いことが判明した。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)は実施例における積層体の断面
図,平面図である。 第2図は他の実施例における断面図である。 1:基板,2:誘電体層,3:記録層,4,5,6:保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 和富 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝 人株式会社薄膜材料研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−209750(JP,A) 特開 昭58−215744(JP,A) 特開 昭63−197043(JP,A) 特開 昭63−195847(JP,A) 特開 昭63−149847(JP,A)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明合成樹脂基板上に透明誘電体層を介し
    て光磁気記録層、更に必要に応じて保護層を設けた光磁
    気記録媒体において、前記透明誘電体層がIn及びSnから
    なる群から選ばれた少なくとも一つの元素の酸化物から
    なる電気抵抗率が1×10-1・cm以上の誘電性の透明酸化
    物層であることを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】前記透明酸化物層がIn2O3である特許請求
    の範囲第1項記載の光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】前記透明酸化物層がインジウム酸化物を主
    成分として錫酸化物を含む混合酸化物である特許請求の
    範囲第1項記載の光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】前記インジウム酸化物がIn2O3であり錫酸
    化物がSnO2である特許請求の範囲第3項記載の光磁気記
    録媒体。
  5. 【請求項5】前記錫酸化物の含有量が30wt%以下である
    特許請求の範囲第3項若しくは第4項記載の光磁気記録
    媒体。
  6. 【請求項6】前記錫酸化物の含有量が7wt%以下である
    特許請求の範囲第5項記載の光磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】前記錫酸化物の含有量が3wt%以下である
    特許請求の範囲第6項記載の光磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】前記透明酸化物層が1≦X≦2のSnOXから
    なる特許請求の範囲第1項記載の光磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】前記保護層として前記透明誘電体層と前記
    記録層との間に金属チタン層を有する特許請求の範囲第
    1項〜第8項記載の光磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】前記金属チタン層は厚さが50Å以下かつ
    10Å以上である特許請求の範囲第9項記載の光磁気記録
    媒体。
  11. 【請求項11】前記光磁気記録層の前記透明合成樹脂基
    板側と反対側に第2の保護層を有する特許請求の範囲第
    1項〜第10項記載の光磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】前記第2の保護層がIn及びSnからなる群
    から選ばれた少なくとも1つの元素の酸化物層からなる
    特許請求の範囲第11項記載の光磁気記録媒体。
  13. 【請求項13】前記第2の保護層が金属チタンである特
    許請求の範囲第11項記載の光磁気記録媒体。
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