JP2548016Y2

JP2548016Y2 - ねじ止め式燃料タンクフィラーネック構造

Info

Publication number: JP2548016Y2
Application number: JP3248492U
Authority: JP
Inventors: 誠澤田
Original assignee: Mitsubishi Motors Corp
Current assignee: Mitsubishi Motors Corp
Priority date: 1992-05-18
Filing date: 1992-05-18
Publication date: 1997-09-17
Anticipated expiration: 2007-05-18
Also published as: JPH0589058U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、トラック等の車両の燃
料タンクに用いて好適の、ねじ止め式燃料タンクフィラ
ーネック構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、トラック等の車両に用いられる燃
料タンクでは、給油口のキャップを固定する手段とし
て、このキャップを燃料タンクの給油口に設けられたフ
ィラーネック部に嵌合させて、このキャップを固定する
嵌め込み式の手段が用いられている。また、このキャッ
プには、燃料タンク内の空気を大気中に放出するための
エアブリーザが設けられている。このエアブリーザは、
燃料タンク内の空気と外気とを連通させることによっ
て、外気温や気圧等の要因による燃料タンク内の圧力変
化を防止して、燃料タンクの膨脹または縮小を防止する
ものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで、この給油口
のキャップの開閉動作をさらに確実なものとするには、
キャップを固定する構造を嵌め込み式からねじ止め式に
することが考えられる。また、これにともない、エアブ
リーザからの空気抜けがさらに確実に行なわれるように
したい。

【０００４】しかし、従来のようにエアブリーザを燃料
タンクのキャップ側に設けると、車両の走行中の振動等
により、このエアブリーザの通気性を必ずしも確保でき
ないことが考えられる。そこで、図１０に示すように、
燃料タンク本体１の給油口２のフィラーネック４にエア
ブリーザ９を設ける構造が考えられた。これは、フィラ
ーネック基部５の外端部５Ａを折り曲げずに、フィラー
ネック４の外筒部分６にろう付けし、この外筒部分６の
外端部６Ａの近傍にエアブリーザ９を設けたものであ
り、特に燃料の跳ね上がりを防止するような部位を設け
ていないフィラーネック構造である。なお図１０におい
て、符号７はフィラーネック４の内筒部分、符号８はこ
の内筒部分７に形成された雌ねじ部、符号１１は外筒部
分６と内筒部分７とによって囲まれた空間である。

【０００５】しかし、このようなフィラーネック構造で
は車両の振動等によって、燃料タンク１内の燃料がエア
ブリーザ９に跳ね上がってしまい、エアブリーザ９の通
気性を損ないかねないうという課題がある。本考案は、
上述の課題に鑑み創案されたもので、キャップをねじ止
め式の構造にしながらも、車両の振動等に関係なくエア
ブリーザからの空気抜けがさらに確実に行なえるように
した、ねじ止め式燃料タンクフィラーネック構造を提供
することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このため、本考案のねじ
止め式燃料タンクフィラーネック構造は、キャップをね
じ止めする雌ねじ部を有する車両用燃料タンクをそな
え、該燃料タンクの上部に形成されたネジ止め式燃料タ
ンクフィラーネックにおいて、フィラーネック本体を形
成する外筒部分と、該外筒部分の外端部から中間部に亘
って延設され上記雌ねじ部を設けられた内筒部分とをそ
なえ、上記外筒部分の外端部近傍にエアブリーザが設け
られて、該エアブリーザの下方に該燃料タンク内の燃料
の該エアブリーザへの跳ね上がりを防止する跳ね上がり
防止壁が設けられていることを特徴としている。

【０００７】

【作用】上述の本考案のねじ止め式燃料タンクフィラー
ネック構造では、燃料タンク内の空気は、フィラーネッ
ク本体を形成する外筒部分の外端部近傍に設けられたエ
アブリーザを通じて外気と連通して燃料タンク内の通気
性が確保される。そして、車両の揺れ等により燃料タン
ク内の燃料が跳ね上がっても、エアブリーザの下方に設
けられた跳ね上がり防止壁がこの燃料のエアブリーザへ
の跳ね上がりを防止する。

【０００８】

【実施例】以下、図面により、本考案の一実施例として
のねじ止め式燃料タンクフィラーネック構造について説
明すると、図１はその要部を模式的に示す横断面図、図
２はそのキャップ装着状態を示す模式図であって図８の
Ａ−Ａ断面図、図３，図４，図５，図６はいずれもその
要部の変形例を示す横断面図、図７はそのキャップ装着
状態を示す模式図であって図８のＡ−Ａ断面図、図８は
本考案の構造を用いた燃料タンクの全体正面図、図９は
本考案の構造を用いた燃料タンクの全体側面図である。

【０００９】図８，図９に示すように、この燃料タンク
本体１は、例えば、車両のフレーム１５にボルト止めさ
れた２つの燃料タンク固定用ブラケット１６，１６上に
搭載され、さらに、燃料タンク固定用金具１７，１７を
用いて、車両に固定されるようになっている。そして、
燃料タンク本体１の給油口２は、燃料の給油作業を容易
にするために、車両搭載時には車両の外側に向くよう
に、燃料タンク本体１の上部に傾けて設けられている。

【００１０】この給油口２には、図１に示すように、フ
ィラーネック４が設けられており、このフィラーネック
４は、燃料タンク本体１に溶着されたフィラーネック基
部５と外筒部分６とから構成されたフィラーネック本体
４Ａをそなえている。そして、このフィラーネック本体
４Ａの内側に、雌ねじ部８が設けられている。つまり、
このフィラーネック４は、外筒部分６と内筒部分７とを
そなえており、内筒部分７に雌ねじ部８が形成されてい
る。この雌ねじ部８は、図２に示すように、キャップ３
側に設けられた雄ねじ部３Ａと係合するようになってお
り、これにより、キャップ３がフィラーネック本体４Ａ
に確実に固定されるようになっている。

【００１１】そして、図１に示すように、この内筒部分
７は、外筒部分６と一体に形成されており、内筒部分７
と外筒部分６との間には空間１１が設けられている。ま
た、このフィラーネック４とフィラーネック基部５と
は、外筒部分６の下端とフィラーネック基部５の上端と
を一部重ね合わせて、この重ね合わせ部（オーバラップ
部）１３において、ろう付けによって固着されている。

【００１２】そして、図１に示すように、外筒部分６に
は、燃料タンク本体１内の空気を外気に放出させるため
のエアブリーザ９が設けられている。このエアブリーザ
９は、外筒部分６の外端部６Ａの近傍のうちの、燃料タ
ンク本体１の車両搭載時に上向きになるような位置に設
けられている。一方、フィラーネック基部５には、跳ね
上がり防止壁１０が設けられている。この跳ね上がり防
止壁１０は、燃料タンク本体１内の燃料が、車両の走行
時の振動等によって、エアブリーザ９へ跳ね上がるのを
防止するようになっている。これにより、エアブリーザ
９には空気のみが通過して、燃料がエアブリーザ９から
洩れないようになっている。

【００１３】この跳ね上がり防止壁１０は、フィラーネ
ック基部５の外端部５Ａに設けられており、図１に示す
ように、フィラーネック基部５の外端部５Ａを給油口２
の内周方向に折り曲げて、外筒部分６と雌ねじ部８との
間の空間１１を閉塞するようになっている。また、この
跳ね上がり防止壁１０には、通気孔１２が設けられてい
る。この通気孔１２は、エアブリーザ９の反対側、すな
わち防止壁１０上で高さが１番低くなる位置に設けられ
ている。

【００１４】そして、燃料タンク本体１内の空気は、通
気孔１２，空間１１及びエアブリーザ９を介して外気と
通じている。本考案の一実施例としてのねじ止め式燃料
タンクフィラーネック構造は、上述のように構成されて
いるので、燃料タンク本体１内の空気は、通気孔１２か
ら空間１１を通って、エアブリーザ９から放出される。

【００１５】また、燃料タンク本体１内の燃料は、跳ね
上がり防止壁１０によって空間１１及びエアブリーザ９
への跳ね上がりが防止される。なお、車両の振動等によ
って通気孔１２から流入した燃料は、この後、自重によ
り燃料タンク本体１内に戻るので、エアブリーザ９を通
じて空気のみが大気に放出され、タンク内の空気が外気
と通じる。また、キャップ３側の構造を雄ねじ部３Ａ
と、内筒部分７に設けられた雌ねじ部８とが係合するよ
うな、ねじ込み式とすることで、キャップ３がフィラー
ネック４に確実に固定される。

【００１６】したがって、給油口のキャップ３の開閉動
作を確実なものとしながらも、車両の走行中の振動等の
要因に関係なくエアブリーザ９の通気性を確保でき、こ
のエアブリーザ９から効率良く空気抜けが行なわれる。
そして、外気温や気圧等の要因による燃料タンク内の圧
力変化を防止して、燃料タンクの膨脹または縮小を防止
することができる。

【００１７】また、このフィラーネック構造の第１の変
形例として、図３に示すような構造も考えられる。これ
は、跳ね上がり防止壁１０を内筒部分７に設けたもので
あり、フィラーネック基部５の外端部５Ａは、フィラー
ネック４の外筒部分６にろう付けされるようになってい
る。そして、跳ね上がり防止壁１０は、内筒部分７の下
端部７Ａを給油口２の外周側に折り曲げて形成され、こ
の跳ね上がり防止壁１０をフィラーネック基部５に突き
当てることによって、エアブリーザ９への燃料の跳ね上
がりを防止するようになっている。

【００１８】ところで、図４に示すように、このフィラ
ーネック構造の第２の変形例として、フィラーネック基
部５の外端部５Ａを給油口２の内周方向に略１８０°折
り返して、この折り返し部５Ｂを外筒部分６と雌ねじ部
８との空間１１に嵌合させるという構造も考えられる。
この時の通気孔１２の位置は、この折り返し部５Ｂ上に
設け、この折り返し部５Ｂが跳ね上がり防止壁１０とし
て機能するようになっている。

【００１９】また、図５はフィラーネック構造の第３の
変形例を示すものであり、フィラーネック基部５の外端
部５Ａを内側へ折り曲げて、この折り曲げ部を跳ね上が
り防止壁１０としている。なお、図１０に示すフィラー
ネック基部５のように、外端部５Ａを折り曲げないで成
形しようとすると、製造上の理由（例えば、機械の型と
コストとの関係等）により、フィラーネック基部５の外
端部５Ａが図５に示すようなバリ状なってしまうことが
考えられる。第３の変形例の跳ね上がり防止壁１０は、
このように必然的に形成されるバリ部分を利用して形成
することも考えられる。

【００２０】さらに、図６は第４の変形例を示してい
る。第４の変形例では燃料の跳ね上がりをより完全に防
止するように、図６に示すような跳ね上がり防止壁１０
としてのゴムパッキン１４を空間１１に嵌合させて、燃
料の跳ね上がりを防止するようになっているものであ
る。このとき、ゴムパッキン１４に通気孔１２としての
切り欠き部１４Ａを設けることによって、この切り欠き
部１４Ａから空間１１を通って、エアブリーザ９から放
出されるようになっている。この通気孔１２としての切
り欠き部１４Ａは、上述の他の例と同様にエアブリーザ
９の反対側の位置に設けられている。

【００２１】上述の各変形例においても、実施例とほぼ
同様の作用及び効果を得られる。そして、本実施例及び
上述した第１〜第４の変形例では、いずれも非常に簡単
な構成により、低コストで信頼性の高いねじ止め式燃料
タンクフィラーネック構造を提供することができる。

【００２２】

【考案の効果】以上詳述したように、本考案のねじ止め
式燃料タンクフィラーネック構造によれば、キャップを
ねじ止めする雌ねじ部を有する車両用燃料タンクをそな
え、該燃料タンクの上部に形成されたネジ止め式燃料タ
ンクフィラーネックにおいて、フィラーネック本体を形
成する外筒部分と、該外筒部分の外端部から中間部に亘
って延設され上記雌ねじ部を設けられた内筒部分とをそ
なえ、上記外筒部分の外端部近傍にエアブリーザが設け
られて、該エアブリーザの下方に該燃料タンク内の燃料
の該エアブリーザへの跳ね上がりを防止する跳ね上がり
防止壁が設けられいるという構成により、燃料タンク内
の空気は、跳ね上がり防止壁に設けられた通気孔から内
筒部分と外筒部分との間の空間を通って、エアブリーザ
から放出される。また、燃料タンク内の燃料は、跳ね上
がり防止壁によって空間及びエアブリーザへの跳ね上が
りが防止される。

【００２３】なお、車両の振動等によって通気孔から流
入した燃料は、この後、自重により燃料タンク内に戻る
ので、エアブリーザからは空気のみが大気に放出され
る。また、燃料タンクのキャップの構造をこのキャップ
の雄ねじ部と、内筒部分に設けられた雌ねじ部とが係合
するような、ねじ込み式とすることで、キャップがフィ
ラーネックに確実に固定される。

【００２４】したがって、給油口のキャップの開閉動作
を確実なものとしながらも、車両の走行中の振動等の要
因に関係なくエアブリーザの通気性を確保でき、このエ
アブリーザから効率良く空気抜けが行なわれる。そし
て、外気温や気圧等の要因による燃料タンク内の圧力変
化を防止して、燃料タンクの膨脹または縮小を防止する
ことができる。また、本考案は、非常に簡単な構成によ
り、低コストで信頼性の高いねじ止め式燃料タンクフィ
ラーネック構造を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例としてのねじ止め式燃料タン
クフィラーネック構造の要部を模式的に示す模式図であ
る。

【図２】本考案の一実施例としてのねじ止め式燃料タン
クフィラーネック構造のキャップ装着状態を示す模式図
であって図８のＡ−Ａ断面図である。

【図３】本考案の一実施例としてのねじ止め式燃料タン
クフィラーネック構造の要部の変形例を示す横断面図で
ある。

【図４】本考案の一実施例としてのねじ止め式燃料タン
クフィラーネック構造の要部の変形例を示す模式図であ
る。

【図５】本考案の一実施例としてのねじ止め式燃料タン
クフィラーネック構造の要部の変形例を示す模式図であ
る。

【図６】本考案の一実施例としてのねじ止め式燃料タン
クフィラーネック構造の要部の変形例を示す模式図であ
る。

【図７】本考案の一実施例としてのねじ止め式燃料タン
クフィラーネック構造のキャップ装着状態を示す模式図
であって図８のＡ−Ａ断面図である。

【図８】本考案の一実施例としてのねじ止め式燃料タン
クフィラーネック構造を用いた燃料タンクの全体正面図
である。

【図９】本考案の一実施例としてのねじ止め式燃料タン
クフィラーネック構造を用いた燃料タンクの全体側面図
である。

【図１０】従来の燃料タンクフィラーネック構造の要部
を示す模式図である。

【符号の説明】

１燃料タンク本体２給油口３キャップ３Ａキャップ雄ねじ部４フィラーネック４Ａフィラーネック本体５フィラーネック基部５Ａフィラーネック基部外端部５Ｂ折り返し部６外筒部分６Ａ外筒部分外端部７内筒部分８内筒部分雌ねじ部９エアブリーザ１０跳ね上がり防止壁１１空間１２通気孔１３オーバラップ部１４ゴムパッキン１４Ａ切り欠き部１５車両側フレーム１６燃料タンク固定用ブラケット１７燃料タンク固定用金具

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】キャップをねじ止めする雌ねじ部を有す
る車両用燃料タンクをそなえ、該燃料タンクの上部に形
成されたネジ止め式燃料タンクフィラーネックにおい
て、フィラーネック本体を形成する外筒部分と、該外筒
部分の外端部から中間部に亘って延設され上記雌ねじ部
を設けられた内筒部分とをそなえ、上記外筒部分の外端
部近傍にエアブリーザが設けられて、該エアブリーザの
下方に該燃料タンク内の燃料の該エアブリーザへの跳ね
上がりを防止する跳ね上がり防止壁が設けられているこ
とを特徴とする、ねじ止め式燃料タンクフィラーネック
構造。