JP2547364Y2 - 各種機械へのシート材供給機におけるシート材位置修正装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は各種機械へのシート材
供給機に係り、例えば、スクリーン印刷機に対する給紙
機において、シート材位置決め部の載置台上に搬送され
て位置決めされたシート材の位置を修正する装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】このような給紙機では、紙位置決め部の
載置台上に搬送された印刷用紙が各種手段により搬出基
準位置に位置決めされるようになっている。しかし、印
刷用紙がこの基準位置に正確に位置決めされないことも
あるため、従来、印刷用紙の位置を修正する装置が付設
されたものもある。このような装置の一例を下記に示
す。

【０００３】搬送向き側である印刷用紙の前縁にあっ
て、搬送方向に沿う前後方向に対し直交する左右方向の
両側で位置決め孔が貫設されている。この印刷用紙の各
位置決め孔に対応して位置決めピンが紙載置台の下側で
上下方向へ移動可能に支持されている。そして、各位置
決めピンが紙載置台の開口を通って各位置決め孔に挿脱
されるようになっている。従って、位置決めピンの中心
と位置決め孔の中心との間に半径方向へのずれがある場
合、このずれをなくすように印刷用紙が移動するため、
正確に位置決めされる。

【０００４】ところが、各位置決めピンが各位置決め孔
に挿入されるとき、各位置決めピンの上端部にあるテー
パ面が各位置決め孔の内周縁に当接して各位置決め孔の
周辺で印刷用紙が持ち上がる。そのため、印刷用紙のず
れを調節する分力として各位置決めピンの挿入力が働き
にくくなり、印刷用紙の位置修正装置としての機能を充
分に発揮できない。

【０００５】そこで、各位置決めピンの挿入時に各位置
決め孔の外周を複数の押圧体により押さえて印刷用紙が
持ち上がらないようにしたものもある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】ところが、各位置決め
孔の外周を複数の押圧体により押さえているため、各位
置決めピンの挿入力により、各押圧体間で印刷用紙が破
れるおそれがあった。この場合にも、各位置決めピンの
挿入力は印刷用紙のずれを調節する分力として働きにく
くなり、印刷用紙を正確に位置決めすることができな
い。

【０００７】本考案はこのような押圧体を備えたシート
材位置修正装置においてこの押圧体を改良し、位置決め
ピンによるシート材の破損を防止することを目的として
いる。

【０００８】

【課題を解決するための手段】後記する実施例の図面に
示すように、搬送向き側であるシート材４の前縁４ａに
あって、搬送方向Ｄに沿う前後方向に対し直交する左右
方向の両側で位置決め孔２３が貫設されている。このシ
ート材４がシート材位置決め部６のシート材載置台８上
に搬送されて位置決めされたとき、シート材４の各位置
決め孔２３に対応する各位置決めピン２１が移動可能に
設けられている。この各位置決めピン２１はシート材載
置台８の開口２２を通って各位置決め孔２３に対し駆動
部１９により挿脱されるようになっている。

【０００９】前記各位置決めピン２１に対向して弾性押
圧体１６が移動可能に設けられている。この各弾性押圧
体１６はシート材４の各位置決め孔２３の外周に対し駆
動部１５により接離されるようになっている。

【００１０】

【作用】図２（ｂ）に示すように位置決めピン２１の中
心と位置決め孔２３の中心とが互いにずれている場合に
は、図３（ｂ）に示すように位置決めピン２１が位置決
め孔２３の内周縁に働き、それらの間のずれをなくす方
向へシート材４が移動する。このとき、弾性押圧体１６
が位置決め孔２３の外周を圧接するため、位置決めピン
２１の挿入力によりシート材４が持ち上がることはなく
なる。位置決めピン２１による持ち上げ力が押圧体１６
の弾性力よりも大きいと、弾性押圧体１６が撓んで、シ
ート材４が持ち上げられながら、シート材４のずれが調
整される。従って、シート材４の位置決め孔２３の外周
に押圧体１６の弾性力以上の力が与えられることはなく
なる。

【００１１】

【実施例】以下、本考案をスクリーン印刷機に対する給
紙機に具体化した一実施例を図面を参照して説明する。

【００１２】図１に示すように、給紙機１においては、
紙送出し機構２により紙収納ケース３から印刷用紙４が
一枚づつ紙搬送コンベヤ５に送られ、この紙搬送コンベ
ヤ５により印刷用紙４が紙位置決め部６に搬送されるよ
うになっている。印刷用紙４はこの紙位置決め部６で搬
出基準位置に移動調節され、その後スクリーン印刷機７
に搬出されるようになっている。

【００１３】この紙位置決め部６において、紙載置台８
の前縁８ａは搬送方向Ｄに沿う前後方向に対し直交する
左右方向に沿って延設され、この前縁８ａに沿って複数
の前ストッパ９が並設されている。これらの前ストッパ
９は上下方向へ移動可能に支持され、エアシリンダ１０
により、紙載置台８の上方に突出する状態と、紙載置台
８の下方に没入する状態とを取り得るようになってい
る。この紙載置台８上においてその前縁８ａよりも後方
の左右両側で紙横送り機構１１が左右方向へ移動調節可
能に設けられている。これらの紙横送り機構１１は印刷
用紙４の側縁４ｂを挾持して左右方向へ送る周知のもの
であって、その内部には側ストッパ１２が設けられてい
る。

【００１４】紙載置台８上においてその前縁８ａと紙横
送り機構１１との間で門形の支持杆１３が取着され、こ
の支持杆１３には搬送中心Ｃの左右両側でそれぞれ一対
のブラッケト１４が固定されている。図２（ａ）に示す
ように、この各ブラッケト１４上には駆動部としてのエ
アシリンダ１５が取付けられ、そのピストンロッド１５
ａが紙載置台８に向けて下方へ延設されている。各ピス
トンロッド１５ａには押圧体１６が取付けられている。
これらの押圧体１６はピストンロッド１５ａに取着され
た頭部１７と、円筒圧縮コイルばね１８とからなる。こ
の圧縮コイルばね１８はその上端部で頭部１７に取着さ
れ、その下端部が紙載置台８に向けて下方へ延設されて
いる。

【００１５】この圧縮コイルばね１８の真下で紙載置台
８の下側には駆動部としてのエアシリンダ１９がブラッ
ケト２０により取付けられ、そのピストンロッド１９ａ
が上方へ延設されている。このピストンロッド１９ａ上
に円柱状の位置決めピン１１が前記圧縮コイルばね１８
に対向して上向きに取着され、この位置決めピン２１の
上端部には上方に向かうに従い径が細くなるテーパ状の
押圧面２１ａが形成されている。この位置決めピン２１
の真上で紙載置台８に円形状の開口２２が貫設されてい
る。この位置決めピン２１の中心と開口２２の中心とは
互いに一致し、開口２２の内径が位置決めピン２１の外
形よりも若干大きくなっている。また、前記円筒圧縮コ
イルばね１８の弾性方向に沿う中心はこの位置決めピン
２１の中心に一致し、この圧縮コイルばね１８の平均コ
イル径は開口２２の内径よりも大きくなっている。

【００１６】印刷用紙４の前縁４ａにおいて搬送中心Ｃ
の左右両側でそれぞれ円形状の位置決め孔２３が一対づ
つ貫設されている。この位置決め孔２３の内径は前記位
置決め孔２１の外形にほぼ等しくなっている。

【００１７】さて、印刷用紙４が紙載置台８上に搬送さ
れると、紙載置台８上に突出する各前ストッパ９に印刷
用紙４がその前縁４ａで当接して停止するとともに、左
右の紙横送り機構１１のうち一方のものに印刷用紙４の
一側縁４ｂが挿入される。前述した印刷用紙４の前縁４
ａの位置決め後、印刷用紙４の一側縁４ｂが紙横送り機
構１１により搬送中心Ｃに対し離間する方向へ送られ、
側ストッパ１２に当接して位置決めされる。

【００１８】この位置決め状態で、印刷用紙４の各位置
決め孔２３は紙載置台８の各開口２２上にあり、各圧縮
コイルばね１８が各位置決め孔２３の上方で待機してい
るとともに、各位置決めピン２１が各開口２２の下方で
待機している。そして、図３（ａ）に示すように、エア
シリンダ１５のピストンロッド１５ａにより押圧体１６
の圧縮コイルばね１８が下動するとともに、エアシリン
ダ１９のピストンロッド１９ａにより位置決めピン２１
が開口２２を通って上動する。従って、圧縮コイルばね
１８の下端部が印刷用紙４の位置決め孔２３の外周を圧
接するとほぼ同時に位置決めピン２１が位置決め孔２３
に挿通されて圧縮コイルばね１８内に突出する。

【００１９】図２（ｂ）に示すように位置決めピン２１
の中心と位置決め孔２３の中心とが互いにずれている場
合には、図３（ｂ）に示すように位置決めピン２１のテ
ーパ状押圧面２１ａが位置決め孔２３の内周縁に当接
し、位置決めピン２１の挿入力がその押圧面２１ａを介
して位置決め孔２３の内周縁に働き、それらの間のずれ
をなくす方向へ印刷用紙４が移動する。

【００２０】特に、本実施例においては、圧縮コイルば
ね１８が印刷用紙４の位置決め孔２３の外周を圧接する
ため、位置決めピン２１の挿入力により印刷用紙４が持
ち上がることはなくなる。位置決めピン２１の押圧面２
１ａが位置決め孔２３の内周縁に当接して印刷用紙４を
持ち上げる時、その持ち上げ力が圧縮コイルばね１８の
弾性力よりも大きいと、圧縮コイルばね１８が撓んで、
印刷用紙４が持ち上げられながら、印刷用紙４のずれが
調節される。従って、印刷用紙４の位置決め孔２３の外
周に圧縮コイルばね１８の弾性力以上の力が与えられる
ことはなくなり、印刷用紙４を正確に位置決めできるば
かりではなく、印刷用紙４の破損をも防止することがで
きる。

【００２１】前記実施例では弾性体として円筒圧縮コイ
ルばね１８を利用したが、円筒状のゴム体等、その他の
弾性体を利用しても良い。なお、スクリーン印刷機に対
する給紙機１以外にも、印刷用紙４に類するシート材を
各種機械に搬出するための供給機に本考案を応用するこ
ともできる。

【００２２】

【考案の効果】本考案にかかるシート材供給機のシート
材位置修正装置においては、シート材４を圧接する押圧
体１６に弾性を持たせたので、シート材４の位置決めを
正確に行うことができるばかりではなく、シート材４の
破損を防止することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本実施例にかかる給紙機を示す概略側
面図であり、（ｂ）はこの給紙機の紙位置決め部を示す
部分拡大平面図である。

【図２】（ａ）は本実施例にかかる位置修正装置におい
て印刷用紙のずれ修正前の状態を示す部分拡大側面図で
あり、（ｂ）は（ａ）の部分拡大断面図である。

【図３】（ａ）は本実施例にかかる位置修正装置におい
て印刷用紙のずれ修正後の状態を示す部分拡大側面図で
あり、（ｂ）は（ａ）の部分拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 給紙機、４ シート材としての印刷用紙、４ａ 前
縁、６ 紙位置決め部、７ スクリーン印刷機、８ 紙
載置台、１５ 駆動部としてのエアシリンダ、１６ 押
圧体、１７ 頭部、１８ 弾性体としての円筒圧縮コイ
ルばね、１９駆動部としてのエアシリンダ、２１ 位置
決め孔、２１ａ 押圧面、２２ 開口、２３ 位置決め
孔。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送向き側であるシート材（４）の前縁
   （４ａ）にあって、搬送方向（Ｄ）に沿う前後方向に対
   し直交する左右方向の両側で位置決め孔（２３）を貫設
   し、このシート材（４）がシート材位置決め部（６）の
   シート材載置台（８）上に搬送されて位置決めされたと
   きシート材（４）の各位置決め孔（２３）に対応する各
   位置決めピン（２１）を移動可能に設け、この各位置決
   めピン（２１）を各位置決め孔（２３）に対しシート材
   載置台（８）の開口（２２）を通して駆動部（１９）に
   より挿脱するようにした各種機械へのシート材供給機に
   おけるシート材位置修正装置において、 前記各位置決めピン（２１）に対向して弾性押圧体（１
   ６）を移動可能に設け、この各弾性押圧体（１６）をシ
   ート材（４）の各位置決め孔（２３）の外周に駆動部
   （１５）により接離させるようにしたことを特徴とする
   各種機械へのシート材供給機におけるシート材位置修正
   装置。