JP2546259Y2 - 小便器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、小便器本体の前方の人
の存否を感知する人体検知センサと、小便器本体を洗浄
する洗浄水の供給路に挿入される給水弁と、人体検知セ
ンサの出力に基づいて給水弁を開閉制御するコントロー
ラとを備えた小便器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】小便器本体は、便所の壁面に当接して設
けられるのが普通である。従来のこの種の小便器はコン
トローラを壁面に設置しており、コントローラの操作部
を調節することにより給水弁の開閉状態を制御すること
ができる。コントローラを調節しようとするときは、壁
面に設置したコントローラを工具で外してから行なって
いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上述した構成では、コ
ントローラを調節するために、わざわざ壁面からコント
ローラを外さなければならないので、作業工数が増加し
不便であるという問題がある。本考案は上記問題に鑑み
て為されたものであって、その目的とするところはコン
トローラを調節するときの作業工数を少なくし作業時間
を短縮する小便器を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１の考案では、小便器本体の前方の人の存否
を検知する人体検知センサと、小便器本体を洗浄する洗
浄水の供給路に挿入され小便器本体に内蔵された給水弁
と、人体検知センサの出力に基づいて給水弁を開閉制御
するとともに人体検知センサの出力に呼応する給水弁の
開閉状態を調節する操作部を備えたコントローラと、小
便器本体の側面に形成されコントローラを出入自在とす
る開口に対して着脱自在に覆着された蓋板とを備え、蓋
板とコントローラは一体に結合されているのである。

【０００５】請求項２の考案では、請求項１の構成に加
えて、開口は小便器本体の前から向かって左側面に形成
された左開口であって、左開口の少なくとも下縁側の周
部には左側面から凹没した段部が形成され、左開口に覆
着された蓋板の下縁と段部の下縁との間には指を挿入す
ることができる指入れ間隙が形成されているものであ
る。

【０００６】請求項３の考案では、小便器本体の前方の
人の存否を検知する人体検知センサと、小便器本体を洗
浄する洗浄水の供給路に挿入され小便器本体に内蔵され
た給水弁と、人体検知センサの出力に基づいて給水弁を
開閉制御するとともに人体検知センサの出力に呼応する
給水弁の開閉状態を調節する操作部を備えたコントロー
ラと、小便器本体の側面に形成されコントローラを出入
自在とする開口に対して着脱自在に覆着された蓋板とを
備え、小便器本体の側面には開口に覆着された蓋板を小
便器本体の前方からは見えないように隠す膨出部が開口
よりも前方乃至上方に突設されているのである。

【０００７】

【作用】請求項１の考案の構成によれば、給水弁の開閉
状態を調節する操作部を備えたコントローラと、小便器
本体の側面に形成されコントローラを出入自在とする開
口に対して着脱自在に覆着された蓋板とを備え、蓋板と
コントローラは一体に結合されているので、蓋板と一緒
にコントローラを開口から引き出すことで、コントロー
ラの操作部を調節することができる。よって、コントロ
ーラを調節するときに従来のようにコントローラを外す
必要がなく、作業工数を少なくし作業時間を短縮するこ
とができるのである。

【０００８】請求項２の考案の構成によれば、蓋板の下
縁と左開口の下縁側の周部に設けられた段部との間に、
指の挿入が可能な指入れ間隙を設けているので、指入れ
間隙に指を入れて蓋板を外すことができ、蓋板の取り外
しを容易に行うことができる。また、蓋板と一体に結合
されたコントローラが左開口を出入するので、外した蓋
板を左手で持ったままの状態で右手でコントローラの操
作部を調節することができ、コントローラの調節がしや
すいのである。

【０００９】請求項３の考案の構成によれば、コントロ
ーラが開口から出入自在に設けられ、また小便器本体の
側面には開口に覆着された蓋板を小便器本体の前方から
は見えないように隠す膨出部が開口よりも前方乃至上方
に突設されているので、コントローラの調節が行ないや
すいことに加えて、小便器本体の前面から蓋板が見える
ことがなく、小便器本体の前面からの美観を保つことが
できる。

【００１０】

【実施例】以下に本考案の実施例を図に基づいて説明す
る。図１及び図２に示すように、便所に配設される小便
器本体１は上下方向に長く、内側に断面形状が略し字形
で洗浄水が沿って流れるボウル面１ｃを形成し、ボウル
面１ｃの下端部に排水口（図示せず）を備えている。小
便器本体１の下端部には床面に固定する固定具（図示せ
ず）が貫通する貫通孔１ｂが上下方向に穿設されてい
る。小便器本体１の上部には赤外線を用いて小便器本体
１の前方の人の存在を検知する人体検知センサ４が、検
知領域を前方に向けて配設されている。小便器本体１の
背面には、図５に示すように小便器本体１のボウル面１
ｃを洗浄する洗浄水の流路を開閉する止水栓８と、小便
器本体１に流す洗浄水の流路に挿入された電磁弁よりな
る給水弁１０と、人体検知センサ４からの出力変化に基
づいて給水弁１０を開閉制御するコントローラ６とが組
み込まれている。止水栓８には外部からの給水管が接続
され止水栓８と給水弁１０との間は流水管３を介して接
続される。また、給水弁１０を通った水はボウル面１ｃ
の上部から洗浄水として流される。人体検知センサ４及
び給水弁１０とコントローラ６とは電線９を介して電気
的に接続されている。

【００１１】図２及び図５に示すように、前面から向か
って小便器本体１の左側面には、略矩形状の左開口１ａ
が設けられ、右側面には左開口１ａと略同じ高さ位置に
右開口１ｆが夫々設けられている。左開口１ａ及び右開
口ｆの周部には小便器本体１の側面から凹没した段部１
ｅが形成されている。左開口１ａ及び右開口１ｆの前方
乃至上方には左開口１ａ及び右開口１ｆを遮るように膨
出部１ｄが突設されている。膨出部１ｄは図６に示すよ
うに小便器本体１の両側に左右対称になるように設けら
れ、小便器本体１と滑らかな外観形状を呈し、前面から
の美観を損ねないように配置されている。

【００１２】左開口１ａには略矩形状の左蓋板２が、右
開口１ｆには右蓋板１２が夫々嵌着される。図４に示す
ように、左蓋板２にはコントローラ６が一体に結合さ
れ、左蓋体２においてコントローラ６側の一面の上端部
と下端部には、板バネ７及び位置決め突起２ａが突設さ
れる。両板バネ７は先端側ほど距離を広げるように取り
付けられている。左蓋板２を左開口１ａに覆着すれば板
バネ７が小便器本体１の内面に弾接することで、左蓋板
２が小便器本体１に保持される。左蓋板２が左開口１ａ
に嵌着されたときにコントローラ６は小便器本体１内に
収納され、位置決め突起２ａが小便器本体１に当接する
ことで、左蓋板２は小便器本体１の左側面とは略面一に
配置される。右蓋板１２にも左蓋板２と同様に上端部及
び下端部から板バネ７及び位置決め突起２ａが突設さ
れ、小便器本体１の右側面と略面一に配置される。図３
及び図６に示すように左蓋板２及び右蓋板１２は小便器
本体１に嵌着されたときには、前面からは膨出部１ｄに
より遮られて見えないようになっており、左蓋板２の下
縁と段部１ｅの下縁との間には側方から指を挿入するこ
とが可能な寸法を有した指入れ間隙５が形成されてい
る。この指入れ間隙５に指を入れて図１に二点鎖線で示
すように、左蓋板２を外せばコントローラ６を容易に引
き出すことができる。

【００１３】コントローラ６は電池を内蔵し、図４に示
すように表面に操作パネル６ａを備え、操作パネル６ａ
には電池を収納するカバー６ｂと、給水弁１０の開閉状
態を調節する操作部である操作つまみ６ｃ、６ｄとを備
えている。操作つまみ６ｃは人が小便器本体１の前に立
ったときに流す洗浄水の量を設定するのであって、操作
つまみ６ｄは人が小便器本体１の前を離れた後に流す洗
浄水の量を設定する。操作つまみ６ｃ、６ｄを操作して
給水弁１０の開閉状態を調節しようとするときは、上述
したように指入れ間隙５に左手の指を入れて、左蓋板２
を引き出すことで、左蓋板２に一体に結合されたコント
ローラ６を小便器本体１から引き出すことができる。そ
の後、左蓋板２を左手で保持した状態で、右手で操作つ
まみ６ｃ、６ｄを操作すればよい。つまり、左手で抜き
出した左蓋板２にコントローラ６が結合され、コントロ
ーラ６を右手で調節できるので、調節作業が簡単になり
作業時間が短縮されるのである。また、コントローラ６
には電池が内蔵されているので外部から電源を引き込む
ことが不要である。従って、外部からの配線等が不要で
あり、小便器本体１の設置には、小便器本体１の据え付
けと配管工事とのみを行なえばよく、設置施工が容易に
なるのである。

【００１４】

【考案の効果】請求項１の考案は、給水弁の開閉状態を
調節する操作部を備えたコントローラと、小便器本体の
側面に形成されコントローラを出入自在とする開口に対
して着脱自在に覆着された蓋板とを備え、蓋板とコント
ローラは一体に結合されているので、蓋板と一緒にコン
トローラを開口から引き出すことで、コントローラを調
節することができる。よって、コントローラを調節する
ときに従来のようにコントローラを外す必要がなく、作
業工数を少なくし作業時間を短縮することができるとい
う利点を有する。

【００１５】請求項２の考案は、請求項１の考案に加え
て、蓋板の下縁と左開口の下縁側の周部に設けられた段
部の下縁との間に、指の挿入が可能な指入れ間隙を設け
ているので、指入れ間隙に指を入れて蓋板を外すことが
でき、蓋板の取り外しを容易に行うことができる。ま
た、蓋板と一体に結合されたコントローラが左開口を出
入するので、外した蓋板を左手で持ったままの状態で右
手でコントローラを調節することができ、コントローラ
の調節がしやすいという利点を有する。

【００１６】請求項３の考案は、コントローラが開口か
ら出入自在に設けられ、また小便器本体の側面には開口
に覆着された蓋板を小便器本体の前方からは見えないよ
うに隠す膨出部が開口よりも前方乃至上方に突設されて
いるので、コントローラの調節が行ないやすいことに加
えて、小便器本体の前面から蓋板が見えることがなく、
小便器本体の前面からの美観を保つことができるという
利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の斜視図である。

【図２】本考案の実施例の左蓋板を外した状態の側面図
である。

【図３】本考案の実施例の左蓋板を付けた状態の側面図
である。

【図４】本考案の実施例のコントローラの正面図であ
る。

【図５】本考案の実施例の背面図である。

【図６】本考案の実施例の平面図である。

【符号の説明】

１ 小便器本体 １ａ 左開口 １ｄ 膨出部 ２ 左蓋板 ６ コントローラ

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 小便器本体の前方の人の存否を検知する
   人体検知センサと、小便器本体を洗浄する洗浄水の供給
   路に挿入され小便器本体に内蔵された給水弁と、人体検
   知センサの出力に基づいて給水弁を開閉制御するととも
   に人体検知センサの出力に呼応する給水弁の開閉状態を
   調節する操作部を備えたコントローラと、小便器本体の
   側面に形成されコントローラを出入自在とする開口に対
   して着脱自在に覆着された蓋板とを備え、蓋板とコント
   ローラは一体に結合されて成る小便器。
2. 【請求項２】 上記開口は小便器本体の前から向かって
   左側面に形成された左開口であって、左開口の少なくと
   も下縁側の周部には左側面から凹没した段部が形成さ
   れ、左開口に覆着された蓋板の下縁と段部の下縁との間
   には指を挿入することができる指入れ間隙が形成されて
   成る請求項１記載の小便器。
3. 【請求項３】 小便器本体の前方の人の存否を検知する
   人体検知センサと、小便器本体を洗浄する洗浄水の供給
   路に挿入され小便器本体に内蔵された給水弁と、人体検
   知センサの出力に基づいて給水弁を開閉制御するととも
   に人体検知センサの出力に呼応する給水弁の開閉状態を
   調節する操作部を備えたコントローラと、小便器本体の
   側面に形成されコントローラを出入自在とする開口に対
   して着脱自在に覆着された蓋板とを備え、小便器本体の
   側面には開口に覆着された蓋板を小便器本体の前方から
   は見えないように隠す膨出部が開口よりも前方乃至上方
   に突設されて成る小便器。