JP2544380B2 - 合成樹脂光伝送体 - Google Patents

合成樹脂光伝送体

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JP2544380B2
JP2544380B2 JP62090777A JP9077787A JP2544380B2 JP 2544380 B2 JP2544380 B2 JP 2544380B2 JP 62090777 A JP62090777 A JP 62090777A JP 9077787 A JP9077787 A JP 9077787A JP 2544380 B2 JP2544380 B2 JP 2544380B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐熱性可撓性にすぐれた合成樹脂光伝送体
に関し、これは自動車,船舶等の光伝送システムに利用
できる。
〔従来の技術〕
光フアイバは、従来、ガラス系材料を基本として製造
され、光信号伝送媒体として広く用いられている。しか
し、ガラス系材料を基材とした光伝送体の場合は、可撓
性に乏しいため、フアイバ径を太くすると折曲上の問題
があり、現在はせいぜい125μ程度の径である。そのた
め、フアイバ同士、又は、フアイバと各種デバイスとの
接続が非常に困難であり、結果として、接続のためのコ
ネクタがどうしても高精度化するため、伝送システムと
して高価なものとなつてしまう。また、接続技術自身が
高度であるため、民生用としての用堤には難点がある。
たとえば、自動車の伝送システムに応用した場合、伝送
システム関係を修理する場合は、接続技術が高度なため
に、通常の修理工場での修理が不能に近いものとなる。
この様な理由から、自動車に光伝送システムを採用する
と多くの利点が期待できても、なかなか採用に到つてい
ないのが現状である。
このような問題を解決するため、プラスチツクの利点
である可撓性を利用した大口径のプラスチツク光フアイ
バに対する関心が高まつている。そしてフアイバ径を1m
m程度としたものが現在、市販されている。
従つて、プラスチツク光フアイバの場合は接続等、シ
ステムとして組立てる作業は非常に容易になり、システ
ム全体のコスト低下、及び、接続の際は特別の技術を要
せず、どこでも可能となり、民生用として利用のきざし
が見えてきた。そして、各種装飾分野に広く用いられる
に到つた。しかし、現状のものは、熱可塑性樹脂からな
るプラスチツク光フアイバがほどんどであるため、耐熱
性が不充分であり、やはり前述の自動車,船舶等の光伝
送システムへの実用化が図られていないのが現状であ
る。
最近、合成樹脂系光伝送体の耐熱性を向上させる検討
が進められており、熱硬化型の樹脂を光伝送体のコアと
して用いるものとして、特開昭57−45502号公報,特開
昭61−273504号公報記載の技術が知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、前記特開昭57−45502号公報の場合
は、多官能性単量体を使用しているが、その使用量が非
常に少なく、熱硬化的性質はほとんどなく、耐熱性は熱
可塑性樹脂の場合とほとんど変化がない。また、特開昭
61−273504号公報の場合は、コア部が架橋剤の樹脂を用
いており、従来の熱可塑性樹脂をコアにしたプラスチツ
ク光フアイバに比べ、耐熱性が向上しており、温度的に
は自動車,船舶等の分野でも使用可能なレベルに達し、
かつ、フアイバ径、1mm程度でもガラスとは比較になら
ない程良好な可撓性を有するため、接続技術的には容易
になり、自動車,船舶等の光システムとして一応使用可
能な範ちゆうになつたと判断される。
しかし、実際にシステム組立に関する検討を進めて見
ると次の様な問題が判明した。すなわち、実際の光伝送
システムとしての必要な曲げ半径、及び強度で一応の可
能性が得られたものの、システム組立工程、又は不慮の
極度な曲げ力等が加わつた場合には破損するという重大
な欠点があつた。
すなわち、上記従来技術は、光伝送システムとしての
性能はほぼ満足しているものの、システム組立工程時の
曲げに対する強度的な配慮がされておらず、曲げ強度す
なわち、可撓性の点で不満足であつた。
システム組立て及び不慮の曲げに対する強度を種々調
べた結果、光フアイバを半径5〜10mm程度まで曲げるこ
とができれば、実用上ほぼ問題ないという結論に達し
た。
本発明の目的は、耐熱性及び可撓性に優れた架橋型樹
脂のコア材を用いた合成樹脂光伝送体を提供することに
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、コア−クラツド構造からなる合成樹脂光
伝送体において、前記クラツド材はチユーブであり、前
記コアが、一般式 (式中、R1はH又はCH3,R2はH又は炭素数が1〜18のア
ルキル基, から選ばれる基である) で表される一官能性単量体と一般式 (式中、R3,R4はH又はCH3から選ばれる基、nは1〜23
の整数である)で示される多官能性単量体を必須成分と
し、前記多官能性単量体を少なくとも3重量%含有して
なる組成物を共重合させて得られることを特徴とする合
成樹脂光伝送体により達成される。この共重合により、
耐熱性及び曲げ強さに優れた架橋樹脂が得られる。
本発明者らは、上記目的を達成するため以下に示す種
々の検討結果、上記技術を完成したものである。その検
討経過について以下説明する。
熱可塑性樹脂からなるコア材料の場合は強度的に、全
く問題ないが、耐熱性が低く、一方熱硬化型の場合は、
曲げ強さすなわち可撓性に劣り、曲げると破壊するとい
う問題が生じた。
両者の差異について考えてみると、熱可塑性材料の場
合は、フアイバ紡糸時に樹脂を加熱溶融し、ダイスで押
出し紡糸するが、この際に延伸して分子を配向させるこ
とにより、強度向上を図つている。実際に光フアイバ用
コア材料について延伸の有無によつて、曲げ強度を調べ
て見ると、延伸効果が非常に大きいことが明らかであ
る。しかし、熱硬化性樹脂の場合は、当然のことである
が、延伸効果も期待することができないため、強度向上
には研究を要するところが多い。しかしながら、プラス
チツク光フアイバの応用分野を広げるためには、現状の
熱可塑型のコア材からなる光フアイバより、一段と高い
耐熱性を有することが第一の重要課題であることも明確
である。しかし、熱可塑型の樹脂で、光損失が少なく、
かつ耐熱性を付与することは非常に困難である一方、熱
硬化型の樹脂をコアとするものは、曲げ強さ的に不十分
である。
そこで、熱可塑型の樹脂で、耐熱性の向上を図る方法
及び熱硬化型で可撓性の向上を図る方法の両者について
予備的に検討した結果、後者の方法、すなわち、熱硬化
型で可撓性の向上を図る方法が有利であると判断し、熱
硬化型で可撓性に優れた、すなわち曲げても破壊しにく
いコア材の研究を進めた。
以下、熱硬化型の樹脂について、種々の組成について
検討を進め、本発明に達した経過について述べる。
熱硬化型のコア材を得るには、一官能性単量体と多官
能性単量体、又は多官能性単量体単独を重合する。この
際、可撓性の良い重合体を得る単量体を用いると、得ら
れる重合体又は共重合体のガラス転移温度を低下させる
ため、耐熱性の低下が生じると一般に言われている。
しかしながら、本発明者らは、一般的な上記知見を無
視して、各種単量体の組み合せについて詳細に検討した
結果、合成樹脂伝送体の耐熱性、すなわち、コア材の耐
熱性は、ガラス転移温度と、無関係であるという、一般
常識では考えられない事実を見出した。
次に、コア材となる重合体を得るための単量体の種類
及び配合組成と、合成樹脂光伝送体の耐熱性及び曲げ強
さすなわち可撓性について詳細な検討を行つた結果、多
官能性の単量体を3重量%以上を含有すると、光伝送体
として十分に可撓性を有する、すなわちTgが低い組成で
も光伝送体としての必要な耐熱性が得られることが明ら
かになつた。なお、多官能性単量体の配合量が3%以下
の場合は、得られた共重合体は、耐硬化性的な性質が顕
著でないため、光伝送体として十分な耐熱性を得ること
ができなかつた。
本発明における一官能性の単量体としては、一般式 で示されるアクリル系,メタクリル系単量体等の透明な
重合体を得るものであれば特に限定されない。以下にそ
の例を示す。
メチルメタアクリレート、ステアリルメタアクリレー
ト、エチルメタアクリレート、シクロヘキシルメタアク
リレート、プロピルメタアクリレート、ジメチルアミノ
エチルメタアクリレート、ブチルメタアクリレート、ジ
エチルアミノエチルメタアクリレート、イソブチルメタ
アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタアクリレート、グリシジル
メタアクリレート、ラウリルメタアクリレート、メタク
ル酸、トリデシルメタアクリレート、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、p−メトキシベンゾイルメタ
クリレート、ベンジルメタクリレート、エチレンクロロ
ヒドリンメタクリレート、α−o−クロロフエニルエチ
ルメタクリレート、ペンタクロロフエニルメタクリレー
ト、シクロヘキシルシクロヘキシルメタクリレート、フ
エニルメタクリレート、オイゲノルメタクリレート、ベ
ンゾヒドリルメタクリレート、m−クレジルメタクリレ
ート、o−クロロベンゾヒドリルメタクリレート、ジア
セチンメタクリレート、p−シクロヘキシルフエニルメ
タクリレート、エチレングリコールベンゾエートメタク
リレート、エチルグリコレートメタクリレート、α−p
−ジフエニルエチルメタクリレート、メンチルメタクリ
レート、トリエチルカルビニルメタクリレート、メタク
リリツクアンハイドライド、ブチルメルカプチルメタク
リレート、m−ニトロベンゾイルメタクリレート、o−
クロロベンジルメタクリレート、2−ニトロ−2−メチ
ル−プロピルメタクリレート、Ter−ブチルメタクリレ
ート、α−メタクリルメタクリレート、α−フエニル−
n−アミルメタクリレート、β−メタリルメタクリレー
ト、α−ナフチルメタクリレート、α−フエニルエチル
メタクリレート、シンナミルメタクリレート、β−フエ
ニルエチルメタクリレート、o−クレジルメタアクリレ
ート、テトラハイドロフルフリルメタクリレート、フル
フリメタクリレート、ビニルメタクリレート、β−アミ
ノエチルメタクリレート、フエニルセロソルブメタクリ
レート、メチルα−ブロモアクリレート、シクロヘキシ
ルα−エトキシアクリレート、2−クロロシクロヘキシ
ルメタクリレート、1,8,ジクロロプロピル2−メタクリ
レート、1−フエニルシクロヘキシルメタクリレート、
2−メチルシクロヘキシルメタクリレート、トリエトキ
シシリコルメタクリレート、p−ブロモフエニルメタク
リレート、3−メチルシクロヘキシルメタクリレート、
2−8−ジブロモプロピルメタクリレート、4−メチル
シクロヘキシルメタクリレート、1−メチルシクロヘキ
シルメタクリレート、トリメチル−3,3,5−シクロヘキ
シルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、フ
ルオレニルメタクリレート、β−ブロモエチルメタクリ
レート、α−ナフチルカルビニルメタクリレート、メチ
ルα−クロロアクリレート、β−ナフチルメタクリレー
ト、N−n−ブチルメタクリルアミド、メタクリルメチ
ルサリシレート、エチレングリコールモノメタクリレー
ト、N−ベンジルメタクリルアミド、β−フエニルスル
フオンエチルメタクリレート、N−メチルメタクリルア
ミド、N−アリルメタクリルアミド、メタクリルフエニ
ルサリシレート、N−p−メトキシエチルメタクリルア
ミド、N−β−フエニルエチルメタクリルアミド。
多官能性単量体としては、一般式 で示される、エチレングリコールジメタクリレート,ポ
リエチレングリコールジメタクリレート又は、エチレン
グリコールジアクリレート,ポリエチレングリコールジ
アクリレート系単量体等の透明な重合体を得るものであ
れば特に限定されない。式中のnの値は、1〜23の範囲
内で、共重合相手の一官能性単量体の種類によつて得ら
れる共重合体、すなわちコアとなる材料の可撓性によつ
て適度の値を選定できる。
上記一官能性単量体を1種以上と、上記多官能性単量
体の一般式においてnの値の異なるものを1種以上から
成る単量組成を任意に組合せることができる。ただし、
多官能性単量体を3%以上含有し、かつ共重合体の可撓
性の有する範囲で組合せる必要がある。
また、重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイ
ド,ラウロイルパーオキサイドを始めとするジアシルパ
ーオキサイド類,ケトンパーオキサイド類,パーオキシ
ケタール類,ハイドロパーオキサイド類,ジアルキルパ
ーオキサイド類,パーオキシジカーボネート類,パーオ
キシエステル類など、通常のラジカル重合開始剤を用い
ることができ、単量体の種類及び重合温度等によつて任
意に選択できる。
さらに、合成樹脂光伝送体の長期熱安定性を改善する
目的で、上記単量体組成物に酸化防剤等の熱安定剤を添
加することができる。安定剤としては例えば以下の様な
ものがあげられる。
トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチ
ル−5−メチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネ
ート〕、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネー
ト〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネ
ート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4
−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5
−トリアジン、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プ
ロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネート、2,
2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフエノー
ル)、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフオスフオネ
ート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−
トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、A:ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、B:ポ
リエチレンワツクス(50%)とからなる化合物、トリス
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
−イソシアヌレイト、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオニル〕ヒ
ドラジン、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフエニ
ル)−4,4′−ビフエニレンフオスフオナイト、2−
(5−メチル−2−ヒドロキシフエニル)ベンゾトリア
ゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−
ジメチルベンジル)フエニル〕−2H−ベンゾトリアゾー
ル、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフエ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5
−メチル−2−ヒドロキシフエニル)−5−クロロベン
ゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒ
ドロキシフエニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフエニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−エトキシ−2′−エチル
オキザリツクアシツドビスアニリド、2−エトキシ−5
−t−ブチル−2′−エチルオキザリツクアシツドビス
アニリド、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエ
チル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジン重縮合物、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ポリ
〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,
3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン
〔〔2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミ
ノ〕〕既存化学物質No.(7)−2170。
〔作用〕
以上の様に合成樹脂光伝送体は、一般の構造材料とし
ての用途と全く異なり、ほとんど無加重状態で用いられ
るため、一般の材料として考えられる耐熱性への必要性
能が異なる。すなわち構造材料等、加重が加わる場合
は、Tg以上に加熱されると変形が生じるが、光伝送体の
場合は、ほとんど無加重で用いられるために、Tg以上に
なつても熱硬化型すなわち、架橋型の重合体となつてい
れば、加熱だけでは変形しないため、Tg以上の温度での
変形がほとんどない。その結果として、十分に可撓性を
付与した組成、すなわちTgが低くとも、光伝送体として
の加熱による変形が生じないので、可撓性と、光伝送体
の耐熱性の両立が達成される。
〔実施例〕
以上これらの材料を組み合せて重合し、性能評価を行
つた実施例を用いて説明する。
[実施例1] (1)コア材の単量体組成 ・メチルメタクリレート 70 g .エチレングリコールジメタクリレート 20 g .ブチルアクリレート 10 g .ラウロイルパーオキサイド 0.5g (2)合成樹脂光伝送体の作製 水温を80℃に調節した恒温水槽中に、内径1mmφのテ
フロンチユーブを沈めておき、このテフロンチユーブを
小型プランジヤーポンプに接続し、このポンプでテフロ
ンチユーブ中に(1)の単量体組成物を送り込み、チユ
ーブの先端より流出させて、気泡を十分に追い出す。そ
の後、ポンプの送り速度を極度に小さくし、チユーブの
先端を折り曲げて封止する。
この様にして、テフロンチユーブ中で、80℃で重合す
る単量体は、重合の進展により体積収縮が起こり、テフ
ロンチユーブ内で“ひけ”が生じ、重合体、すなわち、
コアの表面が平滑性を失うと共に、真円度がくずれる。
この現象を防ぐためポンプで極度に小さな速度で送るか
又は、加圧するという目的でポンフを稼動し続ける。こ
の様にして、80℃2時間加熱重合し、次にポンプより切
り離し、テフロンチユーブと一体になつている状態で、
120℃15時間加熱重合して、テフロンをクラツドとする
合成樹脂光伝送体を作製した。
(3)特性評価 (a)短期耐熱性評価法として、(2)で得られた合成
樹脂光伝送体の光伝送特性の変化により耐熱温度を評価
した。すなわち、測定温度で20分間保持し、また次の温
度でも20分間保温し、測定するという方法、すなわち、
それぞれの温度に20分間放置した後、測定を行つた。測
定は、光伝送体の初期の光伝送性(光の透過量)に対す
るそれぞれの温度における光の透過量を調べた。その結
果を第1図に示す。200℃でも光の透過量は初期値に対
して90%以上であり、良好な耐熱性をもつことがわか
る。
(b)上記(2)で得られた光伝送体を、種々の直径を
有する円柱状のステンレス丸棒に、その周にそつて曲
げ、破断するときの直径を調べた。その結果、本実施例
1で得られた光伝送体は、直径3mmまで曲げても破断す
ることがなかつた。
[比較例1] (1)組成 ・メチルメタクリレート 99.5g .エチレングリコールジメタクリレート 0.5g .ラウロイルパーオキサイド 0.5g 上記組成からなる単量体混合物を実施例1と同様の方
法にて合成樹脂光伝送体を作製した。その結果、第1図
に示すように、多官能性単量体の使用量が少ないため、
ほとんど熱硬化性樹脂の性質が表われず、耐熱性の改良
にはならなかつた。
実施例2〜12 実施例1と同様の方法にて、実施例2〜12までの単量
体組成について実施した。ただし、クラツド材として
は、実施例1のテフロンチユーブ以外に種々の材料で行
つた。実施例2〜12のコア材となる単量体の配合組成
と、クラツド材として用いた内径1mmφチユーブの材質
及び各実施例にて得られた合成樹脂光伝送体の耐熱性
と、曲げ強さすなわち、コアが破損することができる直
径の値を表1に示した。
〔発明の効果〕 本発明の組成による架橋型の樹脂をコアとすると、合
成樹脂光伝送体に必要な耐熱性と、すぐれた可撓性を有
するので、光伝送体の耐熱性と、曲げ強さの両立を図れ
ることがわかつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、合成樹脂光伝送体の耐熱性を光量保持率によ
り表わした線図である。
フロントページの続き (72)発明者 竹谷 則明 日立市久慈町4026番地 株式会社日立製 作所日立研究所内 (72)発明者 江口 州志 日立市久慈町4026番地 株式会社日立製 作所日立研究所内 (72)発明者 志村 正人 日立市久慈町4026番地 株式会社日立製 作所日立研究所内 (72)発明者 阿部 富也 日立市日高町5丁目1番地 日立電線株 式会社電線研究所内 (72)発明者 浅野 秀樹 日立市久慈町4026番地 株式会社日立製 作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−45502(JP,A) 特開 昭61−117506(JP,A) 特開 昭62−269904(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コア−クラツド構造からなる合成樹脂光伝
    送体において、前記クラツド材はチユーブであり、前記
    コアが、一般式 (式中、R1はH又はCH3、R2はH又は炭素数が1〜18の
    アルキル基、 から選ばれる基である) で表される一官能性単量体と一般式 (式中R3、R4はH又はCH3から選ばれる基、nは1〜23
    の整数である)で示される多官能性単量体を必須成分と
    し、前記多官能性単量体を少なくとも3重量%含有して
    なる組成物を共重合させて得られ、しかもコアの表面が
    平滑であり、真円度を保持した状態で構成されているこ
    とを特徴とする合成樹脂光伝送体。
  2. 【請求項2】コア−クラツド構造からなる合成樹脂光伝
    送体において、前記クラツド材はチユーブであり、前記
    コアが、一般式 (式中、R1はH又はCH3、R2はH又は炭素数が1〜18の
    アルキル基、 から選ばれる基である) で表される一官能性単量体と一般式 (式中R3、R4はH又はCH3から選ばれる基、nは1〜23
    の整数である)で示される多官能性単量体及び酸化防止
    剤を必須成分とし、前記多官能性単量体を少なくとも3
    重量%含有してなる組成物を共重合させて得られ、しか
    もコアの表面が平滑であり、真円度を保持した状態で構
    成されていることを特徴とする合成樹脂光伝送体。
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Cited By (1)

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