JP2544281Y2 - 海上コンテナの防音装置 - Google Patents

海上コンテナの防音装置

Info

Publication number
JP2544281Y2
JP2544281Y2 JP579892U JP579892U JP2544281Y2 JP 2544281 Y2 JP2544281 Y2 JP 2544281Y2 JP 579892 U JP579892 U JP 579892U JP 579892 U JP579892 U JP 579892U JP 2544281 Y2 JP2544281 Y2 JP 2544281Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cover
marine
container
marine container
refrigeration unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP579892U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0559179U (ja
Inventor
三郎 尾銭
栄治 横澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Yusen KK
Original Assignee
Nippon Yusen KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Yusen KK filed Critical Nippon Yusen KK
Priority to JP579892U priority Critical patent/JP2544281Y2/ja
Publication of JPH0559179U publication Critical patent/JPH0559179U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2544281Y2 publication Critical patent/JP2544281Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、海上コンテナを陸上に
設置し、農産物の出荷調整用の貯蔵設備等として使用す
る際の防音装置に係り、特に、冷却機能を少しも損なう
ことなく騒音を大幅に低減できる海上コンテナの防音装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、農産物を主流とする季節商品の
場合、一時的な流通量の拡大から貯蔵設備の不足を来た
し、ために輸送取扱いが簡易で投資効率の高い海上コン
テナの使用に対する需要が拡大している。
【0003】特に、供給と需要との量的アンバランスの
影響を最も受け易い産地側および中間流通業者にとっ
て、出荷調整は重要な問題であり、そのために、多大な
資本を要する恒久的な冷蔵設備に代わる簡易設備とし
て、海上コンテナが使用される場合が多い。
【0004】ところで、海上コンテナは、堅牢で充分な
冷却能力を有する点に主眼が置かれて開発され、騒音に
ついてはほとんど考慮されていないため、これを陸上に
設置して貯蔵設備とする際には、冷凍ユニットから発生
する騒音を低減させる必要がある。
【0005】例えば、相当数の住居と併せて商業・工業
等の用に供されるB地域においては、土地の境界線上に
おいて、夜間50ホ−ン以下という環境基準を満たす必
要があるが、海上コンテナをそのまま使用した場合に
は、発生騒音が70〜75ホ−ンにも達するため、これ
を環境基準以下にする必要がある。
【0006】そこで従来は、海上コンテナに搭載されて
いる冷凍ユニットを撤去して、新たな低騒音型の冷凍ユ
ニットを取付け、発生騒音自体を抑えて騒音の低減を図
っている。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】前記従来の方法におい
ては、騒音の点については環境基準を満たすことができ
るが、その改造に多大な費用と時間を要し、一時的な貯
蔵設備として利用する際に、利用者に与える経済的な負
担が大きいという問題があるとともに、需要に合わせて
必要な本数を確保することが容易でないという問題があ
る。
【0008】そこで一部では、前記問題点を解決する方
法として、既存の海上コンテナには手を加えることな
く、冷凍ユニットが搭載されたコンテナ本体の前端部を
カバ−で覆い、騒音がカバ−外に漏れないようにする方
法が提案されている。
【0009】ところがこの方法では、カバーにより騒音
の外部への漏れは少なくすることができるが、縮器等
から発生した熱がカバー内に籠ってしまうため、仮えカ
バーに冷気の吸気路および暖気の排気路を接続しても、
それだけでは放熱が充分ではなく、冷凍ユニットの冷却
機能が低下してしまうという問題がある。
【0010】これを解決する方法としては、吸気路ある
いは排気路にファンを設け、冷気をカバ−内に強制的に
供給するとともに、カバ−内の暖気を強制的に外部に排
出することが考えられるが、ファンが必要となるためコ
スト高となるとともに、ファンから発生する騒音につい
ても考慮しなければならず、装置構成が複雑になるとい
う問題もある。
【0011】本考案は、かかる現況に鑑みなされたもの
で、冷却機能を少しも損なうことなく騒音を大幅に低減
でき、しかも装置構成を簡素化して安価に製造すること
ができる海上コンテナの防音装置を提供することを目的
とする。
【0012】本考案の他の目的は、カバ−からの騒音の
漏れを少なくすることができる海上コンテナの防音装置
を提供するにある。
【0013】本考案の他の目的は、カバ−からの騒音の
漏れを、より少なくすることができる海上コンテナの防
音装置を提供するにある。
【0014】本考案の他の目的は、海上コンテナが狭い
場所に設置されている場合でも、何ら支障なく取付ける
ことができる海上コンテナの防音装置を提供するにあ
る。
【0015】本考案の他の目的は、吸気路あるいは排気
路を介して外部に漏れる騒音を低減できる海上コンテナ
の防音装置を提供するにある。
【0016】本考案のさらに他の目的は、消音機構を安
価に構成することができる海上コンテナの防音装置を提
供するにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本考案は、前記目的を達
成する手段として、後端にドアを有するコンテナ本体の
前端部に、蒸発器,凝縮器および凝縮器への送風手段を
有する冷凍ユニットを搭載した海上コンテナにおいて、
前記コンテナ本体の前端部に設置され、所定の内部空間
を有して冷凍ユニットの外面側を覆うカバ−と、このカ
バ−の内部空間を、前記送風手段吸気側の冷気空間と送
風手段排気側の暖気空間とに二分割する整流板と;前記
冷気空間に接続された吸気路と;前記暖気空間に接続さ
れた排気路と;をそれぞれ設けるようにしたことを特徴
とする。
【0018】そして、本考案においては、カバ−を、中
骨を介しその両面にパネル材を配して形成される中空パ
ネルと、この中空パネルの内面に配される遮音シ−トと
から構成することが好ましく、また遮音シ−ト上には、
その少なくとも一部に吸音材を配することがより好まし
い。
【0019】また、吸気路および排気路のうちの少なく
ともいずれか一方を、コンテナ本体の外面にそってドア
方向に延設することが好ましく、またその内部には、消
音機構を組込むことがより好ましい。そしてその際、消
音機構を、凹凸形状をなすコンテナ本体の外面で構成す
ることがさらに好ましい。
【0020】
【作用】本考案に係る海上コンテナの防音装置において
は、カバ−の内部空間が、整流板により冷気空間と暖気
空間とに二分割される。このため、冷凍ユニットの送風
手段を起動すると、カバ−外の冷気は、吸気路を介して
冷気空間内に吸引され、送風手段により凝縮器に送られ
て熱交換される。そして、熱交換後の暖気は、暖気空間
内に排出され、排気路を通って外部に排出される。
【0021】このように、カバ−の内部空間を整流板で
仕切ることにより、吸気路からカバ−の内部空間を通っ
て排気路に向かう空気の流れが、ファン等を追加するこ
となく確実に形成され、冷凍ユニットの冷却機能が、カ
バ−を設置したことにより損なわれるといった不具合が
ない。しかも、カバ−の設置により、冷凍ユニットを交
換することなく、騒音の低減が可能となる。
【0022】そして、本考案において、カバ−を、中骨
を介しその両面にパネル材を配して形成される中空パネ
ルと、この中空パネルの内面に配された遮音シ−トとか
ら構成することにより、カバ−を透過して外部に漏れる
騒音量を大幅に低減することが可能となる。またこの
際、遮音シ−ト上の少なくとも一部に、吸音材を配する
ことにより、カバ−を透過する騒音量をより低減するこ
とが可能となる。
【0023】また、吸気路および排気路のうちの少なく
ともいずれか一方を、コンテナ本体の外面にそってドア
方向に延設することにより、海上コンテナを狭い場所に
設置する場合であっても、吸気路あるいは排気路が邪魔
になることがなく、しかも20フィ−トあるいは40フ
ィ−トの長い通路を確保して、騒音の外部への漏れ量を
少なくすることが可能となる。そしてその際、吸気路お
よび排気路のうちの少なくともいずれか一方の内部に、
消音機構を組込むことにより、外部に漏れる騒音量をよ
り低減できる。また、消音機構を、凹凸形状をなすコン
テナ本体の外面で形成することにより、構造が簡素化さ
れてコストダウンを図ることが可能となる。
【0024】
【実施例】以下、本考案の第1実施例を図面を参照して
説明する。図1は、本考案に係る海上コンテナの防音装
置の一例を示すもので、図中、符号1は海上コンテナで
あり、この海上コンテナ1は、前後方向に長い方形の箱
形をなすコンテナ本体2を備えている。
【0025】このコンテナ本体2の後端部には、図1に
示すように観音開きに開放されるドア3が設けられてお
り、またコンテナ本体2の前端部には、蒸発器5,蒸発
器用ファン6,凝縮器7,凝縮器用ファン8およびコン
プレッサ9を有する冷凍ユニット4が搭載され、凝縮器
7,凝縮器用ファン8およびコンプレッサ9は、隔壁1
0により庫内から隔離されて外部に開放設置されてい
る。
【0026】以上の構成を有する海上コンテナ1は、図
1に示すように、グランド面11上に例えば4個の設置
ブロック12を介して設置されており、コンテナ本体2
の前端部には、前記冷凍ユニット4の外面側を覆うカバ
−13が設置されている。
【0027】このカバ−13の内部には、図1に示すよ
うに、所定の容積を有する内部空間14が形成されてお
り、カバ−13の上端部には、コンテナ本体2の上面側
から冷気を内部空間14内に吸込むための吸気路15が
設けられている。
【0028】この吸気路15の天壁15aは、図1にお
いて左下がりの傾斜面に形成されており、吸引した冷気
をスム−スに内部空間14内に導くことができるように
なっている。
【0029】一方、コンテナ本体2とグランド面11と
の間には、図1に示すように、両側部が側壁板16によ
り閉止されてドア3側にのみ開口する排気路17が形成
されており、この排気路17の前端部は、前記内部空間
14の下端部に接続されている。
【0030】前記コンテナ本体2の底面には、図1に示
すように、補強材18が配されていて凹凸形状をなして
おり、この凹凸形状が、排気路17の消音機構19とし
て機能するようになっている。
【0031】なお、この消音機構19は、内燃機関の排
気消音機と同様の構造のものを、排気路17内に別に設
けるようにしてもよく、この場合には、吸気路15内に
も設置することが可能となる。
【0032】前記カバ−13内には、図1に示すよう
に、その内部空間14を、凝縮器用ファン8の吸気側に
位置する冷気空間14aと、凝縮器用ファン8の排気側
に位置する暖気空間14bとに二分割する整流板20が
設置されており、この整流板20により、内部空間14
内に、吸気路15から排気路17に到る空気の流れが確
実に形成され、カバ−13を設置しても冷凍ユニット4
の冷却機能が損なわれることがないようになっている。
これについては、後に詳述する。
【0033】この整流板20は、図1に示すように、凝
縮器用ファン8に向かって下り勾配に設置されており、
これにより、冷気空間14a内の冷気をスム−スに凝縮
器7に送ることができるようになっている。
【0034】前記カバ−13は、図2に示すように、例
えば15mm厚の木製の中骨21aと、この中骨21a
を介しその両面に配した例えば9mm厚のベニヤ製のパ
ネル材21bとから形成される中空パネル21を備えて
おり、この中空パネル21の内面には、例えば特殊ゴム
化アスファルト(3、0 Kg/m)製の遮音シ−ト22が
貼着され、この遮音シ−ト22の上面には、例えば厚さ
50mm,密度48Kg/m3 のグラスファイバ製の吸
音材23が設置されている。
【0035】前記吸気路15および整流板20は、前記
中空パネル21と同一構成の中空パネルで構成されてお
り、その内面あるいは表面には、必要に応じ遮音シ−ト
および吸音材が配置されるようになっている。
【0036】次に、本実施例の作用について説明する。
冷凍ユニット4を起動すると、コンプレッサ9で加圧さ
れた高温冷媒は、凝縮器7に送られて周囲に熱を放出
し、その後、図示しない膨張弁を介し蒸発器5に送られ
る。そして、この蒸発器5での吸熱により、コンテナ本
体2の庫内を冷却し、冷却後の低圧冷媒は、再びコンプ
レッサ9に戻される。
【0037】ところで、前記凝縮器7は、凝縮器用ファ
ン8からの送風により冷却されることになるが、カバ−
13がない場合には、凝縮器7を冷却して昇温した暖気
は、そのまま大気に放出されるので、凝縮器7の温度が
極端に上昇して冷凍ユニット4の冷却機能が損なわれる
といった不具合はない。
【0038】ところが、カバ−13で冷凍ユニット4の
外面側を覆った場合には、凝縮器7を冷却して昇温した
暖気が外部に放出されず、そのまま凝縮器用ファン8の
入側に戻ってしまい、仮え吸気路15および排気路17
が設けられていても、カバ−13の内部空間14内で空
気が循環するだけになってしまうといった事態が発生す
る。そしてこの場合には、凝縮器7の冷却が不充分とな
って、冷凍ユニット4の冷却機能が損なわれるととも
に、場合によっては、凝縮器7の温度が極端に上昇し
て、冷凍ユニット4がスティックするおそれがある。こ
のことは、後述する本考案者等の実験により確認されて
いる。
【0039】そこで本実施例においては、カバ−13内
に整流板20を設置し、内部空間14を、冷気空間14
aと暖気空間14bとに二分割するようにしている。そ
してこれにより、カバ−13内には、吸気路15 ―
冷気空間14a ― 凝縮器用ファン8 ― 凝縮器7
― 暖気空間14b ― 排気路17を順次通る空気
の流れが確実に形成され、凝縮器7を、カバ−13がな
い場合と同様に冷却することが可能となる。
【0040】すなわち、カバ−13の内部空間14内
を、整流板20により仕切った場合、凝縮器用ファン8
を起動すると、冷気空間14a内の空気が凝縮器用ファ
ン8に吸引され、これに伴ない、外気が吸気路15を介
して冷気空間14a内に導入される。
【0041】一方、凝縮器用ファン8から凝縮器7に送
られて昇温した暖気は、暖気空間14b内に送出され
る。この暖気は、内部空間14内を上昇しようとする
が、整流板20により、冷気空間14aとの間が仕切ら
れているので、それ以上は上昇せず、しかも凝縮器用フ
ァン8により連続して空気が送られてくるので、暖気空
間14b内を下降し、強制的に排気路17に送り出され
る。このため、暖気空間14b内に暖気が籠ることがな
く、凝縮器7が確実に冷却される。
【0042】ところで、冷凍ユニット4における騒音源
としては、凝縮器用ファン8とコンプレッサ9とが考え
られるが、そのうちの大部分はコンプレッサ9が占めて
いる。これらの騒音源からの騒音は、空気振動としてカ
バ−13に伝えられるが、カバ−13の内面には、図2
に示すように吸音材が配されているので、大部分は、こ
の吸音材23で吸収される。このため、吸音材23から
の反射波は極端に弱めている。
【0043】一方、吸音材23を透過した個体波は、中
空パネル21に伝導されることになるが、中空パネル2
1の内面には、遮音シ−ト22が配されているので、前
記個体波は、遮音シ−ト22で反射され、中空パネル2
1に伝導される振動量が抑えられる。
【0044】中空パネル21の内側のパネル材21bを
透過した個体波は、両側のパネル材21bの間で空気振
動に変わり、その後、外側のパネル材21bを透過して
カバ−13外に伝播されるが、その間に大幅に減衰され
る。このため、カバ−13を透過して外部に漏れる騒音
量を、大幅に低減することができる。
【0045】前記吸音材23で反射した反射波は、さら
に同様の反射を繰返し、吸気路15あるいは排気路17
に到り、これらを通して外部に伝播されるが、反射を繰
返す間に大幅に減衰するとともに、吸気路15側につい
ては、整流板20を透過する間にさらに減衰する。ま
た、排気路17側については、消音機構19により減衰
する。したがって、吸気路15および排気路17の開口
端における騒音量を、大幅に低減することができる。
【0046】(実験1) 本考案者等は、前記第1実施例に係る海上コンテナの防
音装置を用い、防音装置の有無による騒音量の変化の実
験を行なった。
【0047】まず、防音装置を装着しないで騒音量を測
定した処、海上コンテナ1のドア3側については、10
m離れた位置で62〜64ホ−ン,20m離れた位置で
58〜60ホ−ンであった。また冷凍ユニット4側につ
いては、10m離れた位置で65〜70ホ−ン,20m
離れた位置で62〜64ホ−ンであった。
【0048】一方、防音装置を装着して騒音量を測定し
た処、海上コンテナ1のドア側については、10m離れ
た位置で53〜55ホ−ン,20m離れた位置で47〜
49ホ−ンまで低減できることが判った。また、冷凍ユ
ニット4側については、10m離れた位置で48〜51
ホ−ン,20m離れた位置で43〜45ホ−ンまで低減
できることが判った。
【0049】(実験2) 本考案者等はまた、防音装置の有無による凝縮器用ファ
ン8出側の暖気およびコンプレッサ9付近の暖気の温度
変化の実験を行なった。なお、コンテナ本体2の庫内設
定温度は6℃,外気温は28〜36℃であった。
【0050】その結果、凝縮器用ファン8出側の暖気温
度は、防音装置なしの場合には、35〜42℃であった
ものが、防音装置の装着により、36〜43℃までの上
昇が認められた。また、コンプレッサ9付近の暖気温度
は、防音装置なしの場合には37〜43℃であったもの
が、防音装置の装着により、38〜45℃までの上昇が
認められた。しかしながら、庫内温度の変化は全くな
く、この程度の温度上昇では、冷凍ユニット4の冷却機
能が損なわれることは全くないことが確認された。
【0051】なお、冷凍ユニット4のデフロスト後の再
起動の際には、コンプレッサ9付近の暖気の温度は、最
高47.6℃まで上昇した。これは、再起動当初は、カ
バ−13の内部空間14内に充分な空気の流れが形成さ
れていないためと思われる。しかしながらこの温度上昇
も、再起動後数分間で正常値まで急激に降下し、整流板
20により、内部空間14内に迅速かつ確実に空気の流
れが形成されることが判った。
【0052】(実験3) 本考案者等はさらに、整流板20の効果を確認するた
め、カバ−13内から整流板20を撤去して、実験2と
同様の実験を行なった。
【0053】その結果、冷凍ユニット4の起動後十数分
間で、コンプレッサ9付近の暖気温度は最高55、5℃
にも達し、冷凍ユニット4の冷却能力保証限界として定
められている50℃を大幅に上廻ってしまった。そして
この温度上昇は、30分間運転を続行しても、一向に降
下する気配が見られなかった。そこで、ステックを防止
するため、即座に運転を停止した。
【0054】なお、前記第1実施例においては特に説明
しなかったが、カバ−13の内側に、冷凍ユニット4を
覆う内カバ−を設けて二重構造にしたり、あるいはグラ
ンド面11上や排気路17内に吸音材を配置するように
してもよい。そしてこれにより、騒音量をより低減する
ことができるものと期待される。
【0055】また、前記第1実施例においては、コンテ
ナ本体2の上部に吸気路15を形成し、コンテナ本体2
の下部に排気路17を形成する場合につい説明したが、
冷凍ユニット4の構造に応じ、吸気路15および排気路
17の位置を、上下逆にしてもよい。
【0056】また、前記第1実施例においては、整流板
20がカバ−13内に固定されている場合について説明
したが、例えば図1の左端あるいは長手方向中央部を支
点として回動できるようにしてもよい。
【0057】そしてこのように構成すれば、整流板20
を垂直にした状態で、カバ−13をコンテナ本体2に装
着し、装着後に、整流板20を回動させて図1の状態で
固定するようにすることにより、カバ−13のコンテナ
本体2への装着が容易になるとともに、機種によつて生
じる寸法差を、整流板20の回動量を調節することで吸
収することができる。
【0058】なお、整流板20を、その長手方向中央部
を支点として回動させる場合、長手方向一端が、カバ−
13内面あるいはコンテナ本体2に接触しているにも拘
らず、他端が非接触となる場合があるので、この場合に
は、整流板20の少なくとも一端部に、例えばスライド
式の長さ調節機構を設け、これにより、整流板20の両
端部を確実に接触させることができるようにすることが
好ましい。
【0059】図3は、本考案の第2実施例を示すもの
で、カバ−13の内部を、整流板20により左右に二分
割し、吸気路15および排気路17を、コンテナ本体2
の側壁にそって延設するようにしたものである。なお、
その他の点については、前記第1実施例と同一構成とな
っており、作用も同一である。
【0060】しかして、冷凍ユニット4の構造によって
は、整流板20によりカバ−13の内部を上下に二分割
するよりは、左右に二分割した方がよい場合もあり、本
実施例ではこのような場合に有効である。
【0061】図4(a),(b)は、本考案の第3実施
例を示すもので、吸気路15および排気路17を、コン
テナ本体2の外面にそって設けず、騒音が許容される方
向に向けて吸気路15および排気路17を設けるように
したものである。なお、その他の点については、前記第
1実施例と同一構成となつており、作用も同一である。
【0062】しかして、吸気路15および排気路17
が、騒音が許容される方向に向いているので、それらの
構造を簡素化してコストダウンを図ることができる。
【0063】
【考案の効果】以上説明したように本考案は、冷凍ユニ
ットの外面側をカバ−で覆うとともに、このカバ−の内
部空間に、吸気路と排気路とを接続し、かつカバ−の内
部空間を、整流板により冷気空間と暖気空間とに二分割
するようにしているので、冷却機能を少しも損なうこと
なく騒音を大幅に低減でき、しかも装置構成を簡素化し
て安価に製造することができる。
【0064】そして、本考案において、カバ−を、中骨
を介しその両面にパネル材を配して形成される中空パネ
ルと、この中空パネルの内面に配される遮音シ−トとか
ら構成することにより、カバ−を透過して外部に伝播さ
れる騒音量を大幅に低減することができる。そしてその
際、遮音シ−ト上の少なくとも一部に吸音材を配するこ
とにより、騒音量を低減することができる。
【0065】また、吸気路および排気路のうちの少なく
ともいずれか一方を、コンテナ本体の外面にそってドア
方向に延設することにより、海上コンテナを狭い場所に
設置する場合であっても、吸気路あるいは排気路が邪魔
になることがなく、しかも20フィ−トあるいは40フ
ィ−トの長い通路を確保して、騒音の外部への漏れ量を
少なくすることができる。そしてその際、吸気路および
排気路のうちの少なくともいずれか一方の内部に、消音
機構を組込むことにより、外部に漏れる騒音量をより低
減でき、また消音機構を、凹凸形状をなすコンテナ本体
の外面で形成することにより、構造を簡素化してコスト
ダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例に係る海上コンテナの防音
装置を示す断面図である。
【図2】カバ−の壁面構造を示す要部拡大断面図であ
る。
【図3】本考案の第2実施例に係る海上コンテナの防音
装置を示す概略構成図である。
【図4】(a),(b)は本考案の第3実施例に係る海
上コンテナの防音装置をそれぞれ示す説明図である。
【符号の説明】
1 海上コンテナ 2 コンテナ本体 3 ドア 4 冷凍ユニット 7 凝縮器 8 凝縮器用ファン 9 コンプレッサ 11 グランド面 12 設置ブロック 13 カバ− 14 内部空間 14a 冷気空間 14b 暖気空間 15 吸気路 16 側壁板 17 排気路 19 消音機構 20 整流板 21 中空パネル 21a 中骨 21b パネル材 22 遮音シ−ト 23 吸音材

Claims (6)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後端にドアを有するコンテナ本体の前端
    部に、蒸発器,凝縮器および凝縮器への送風手段を有す
    る冷凍ユニットを搭載した海上コンテナにおいて、前記
    コンテナ本体の前端部に設置され、所定の内部空間を有
    して冷凍ユニットの外面側を覆うカバ−と;このカバ−
    の内部空間を、前記送風手段吸気側の冷気空間と送風手
    段排気側の暖気空間とに二分割する整流板と;前記冷気
    空間に接続された吸気路と;前記暖気空間に接続された
    排気路と;を具備することを特徴とする海上コンテナの
    防音装置。
  2. 【請求項2】 カバ−は、中骨を介しその両面にパネル
    材を配して形成される中空パネルと、この中空パネルの
    内面に配される遮音シ−トとを備えていることを特徴と
    する請求項1記載の海上コンテナの防音装置。
  3. 【請求項3】 遮音シ−ト上には、その少なくとも一部
    に吸音材が配されていることを特徴とする請求項2記載
    の海上コンテナの防音装置。
  4. 【請求項4】 吸気路および排気路のうちの少なくとも
    いずれか一方は、コンテナ本体の外面にそってドア方向
    に延設されていることを特徴とする請求項1,2または
    3記載の海上コンテナの防音装置。
  5. 【請求項5】 吸気路および排気路のうちの少なくとも
    いずれか一方の内部には、消音機構が組込まれているこ
    とを特徴とする請求項1,2,3または4記載の海上コ
    ンテナの防音装置。
  6. 【請求項6】 消音機構は、凹凸形状をなすコンテナ本
    体の外面で構成されていることを特徴とする請求項5記
    載の海上コンテナの防音装置。
JP579892U 1992-01-20 1992-01-20 海上コンテナの防音装置 Expired - Lifetime JP2544281Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP579892U JP2544281Y2 (ja) 1992-01-20 1992-01-20 海上コンテナの防音装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP579892U JP2544281Y2 (ja) 1992-01-20 1992-01-20 海上コンテナの防音装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0559179U JPH0559179U (ja) 1993-08-06
JP2544281Y2 true JP2544281Y2 (ja) 1997-08-13

Family

ID=11621104

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP579892U Expired - Lifetime JP2544281Y2 (ja) 1992-01-20 1992-01-20 海上コンテナの防音装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2544281Y2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0559179U (ja) 1993-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3824010B1 (ja) 冷蔵庫
JPH0424481A (ja) 組合せ冷蔵庫
JP2544281Y2 (ja) 海上コンテナの防音装置
JPH0618194Y2 (ja) 冷蔵庫
JP3823997B2 (ja) 冷蔵庫
JPH07167551A (ja) 断熱箱体
JP2524187B2 (ja) 冷蔵冷凍輸送コンテナ
JP2672993B2 (ja) エンジン駆動冷凍コンテナ
JP2577039B2 (ja) 冷蔵冷凍輸送コンテナ
JP3992930B2 (ja) 配膳車
JP2001263919A (ja) 冷凍装置
JPH01172018A (ja) 車両用冷房装置
KR20080050155A (ko) 냉장고 기계실의 소음저감구조
JP2695884B2 (ja) エンジン駆動冷凍コンテナ
JP2940723B2 (ja) 自動販売機
KR100750252B1 (ko) 김치냉장고 기계실의 소음 방지 구조
JPS629496Y2 (ja)
JP2503255Y2 (ja) 冷却機構を備える装置の熱交換空気流通構造
JP2005030627A (ja) 冷却貯蔵庫
JPH0560448A (ja) 冷蔵庫
JPH1144479A (ja) 冷蔵庫
JP4177153B2 (ja) 冷凍ユニット
JPH1144478A (ja) 冷蔵庫
JPH05141840A (ja) 冷蔵庫
JPH06159908A (ja) 冷蔵庫