JP2544147B2 - 熱可塑性エラストマ−組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマ−組成物

Info

Publication number
JP2544147B2
JP2544147B2 JP62179182A JP17918287A JP2544147B2 JP 2544147 B2 JP2544147 B2 JP 2544147B2 JP 62179182 A JP62179182 A JP 62179182A JP 17918287 A JP17918287 A JP 17918287A JP 2544147 B2 JP2544147 B2 JP 2544147B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoplastic elastomer
thermoplastic
styrene
weight
block copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62179182A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6424839A (en
Inventor
輝隆 田中
和夫 柴多
正二 山守
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ADOBANSUDO ERASUTOMAA SHISUTEMUZU LP
Original Assignee
ADOBANSUDO ERASUTOMAA SHISUTEMUZU LP
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=16061372&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2544147(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by ADOBANSUDO ERASUTOMAA SHISUTEMUZU LP filed Critical ADOBANSUDO ERASUTOMAA SHISUTEMUZU LP
Priority to JP62179182A priority Critical patent/JP2544147B2/ja
Publication of JPS6424839A publication Critical patent/JPS6424839A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2544147B2 publication Critical patent/JP2544147B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、熱可塑性エラストマーに関する。更に詳し
くは自動車部品、工業機械部品、電気電子部品、土木建
築部品、医療部品などの多方面の用途に供せられ柔軟
性、高い機械強度、形状回復性、反ぱつ弾性、耐油性、
高温機械物性、耐熱老化性、耐候性などを要求される高
機能性熱可塑性エラストマーに関する。
(従来の技術) 熱可塑性エラストマーは、従来のゴムの代替として各
種用途に広く用いられている。最近、高度に架橋された
ゴムをポリオレフィン樹脂に含有させた熱可塑性エラス
トマーが上市されており、一例として三菱モンサント化
成((株))の「サントプレーン」をあげることができ
る。
高度に架橋されたゴムをポリオレフィン樹脂に含有さ
せた熱可塑性エラストマーは、これに含まれているゴム
成分が高度に架橋されているため、機械強度、圧縮永久
歪率に代表される形状回復性、耐油性、高温機械物性、
耐熱老化性などが優れている。このため、従来のクロロ
プレンゴム、EPDMゴム、クロロスルホン化ポリエチレン
ゴム(CSM)、NBRなどの合成ゴムの代替を中心として、
自動車分野、工業機械分野、電気機器分野、土木建築分
野、医療分野等の各分野で広く使用されている。
(発明が解決しようとした問題点) しかしながら、高度に架橋されたゴムをポリオレフィ
ン樹脂に含有させた熱可塑性エラストマーは、機械強度
が優れているものの、特に機械強度、永久伸びを重視す
る分野、例えばホース、チューブ、ダイヤフラム電線な
どの用途分野ではより高度の破断高度、破断伸び、低い
永久伸び等を要求される場合がある。本発明は、架橋ゴ
ム−ポリオレフィン樹脂系熱可塑性エラストマー自体が
所有する優れた諸性質を損なわずに、上記要求を満たす
熱可塑性エラストマーを提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は以上にあげられたような問題点を解決する手
段として、フェノール系架橋剤により高度に架橋された
エチレン・プロピレン・ジエン化合物共重合体ゴム(EP
DMゴム)をポリオレフィン系樹脂中に分散させた熱可塑
性エラストマーに、一般式A−(B−A)n(但しAは
ポリスチレンセグメント、Bはゴム状ポリマーセグメン
ト、nは1〜5の整数を意味する。)で表わされるブロ
ックコポリマーに部分水素添加したスチレン系熱可塑性
ブロックコポリマーを含有させたものであり、これによ
って、上記の高度に架橋したEPDMゴムをポリオレフィン
系樹脂中に分散させた熱可塑性エラストマーの他の物性
を著しく損なうことなく、機械物性を向上させた熱可塑
性エラストマー組成物に関する。
(発明の構成) 本発明において架橋EPDMゴム−ポリオレフィン樹脂系
熱可塑性エラストマーとは、熱可塑性のポリオレフィン
系樹脂のマトリックス中に、フェノール系架橋剤により
高度に架橋されたEPDMゴムに分散されているものをい
う。
本発明で使用する熱可塑性のポリオレフィン系樹脂
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、2−メチル−1−プロペン、3−メ
チル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−
メチル−1−ヘキセンの単独重合体およびこれらの2種
以上の共重合体である。市場で入手可能熱可塑性のポリ
オレフィン系樹脂例えばポリエチレン、ポリブテン−
1、エチレン−プロピレン共重合体およびポリプロピレ
ンまたはこれらの混合物が、本発明の実施に有利に使用
することができる。最も好ましいポリオレフィン系樹脂
は、ポリプロピレンである。
本発明で使用するエチレン・プロピレン・ジエン化合
物共重合体ゴム(EPDMゴム)は、エチレン−プロピレン
二成分共重合ゴム(EPR)のような飽和物質に少量の
(たとえば2〜20重量%)の少なくとも1種の共重合し
うるジエンモノマーを含有させて共重合体中に不飽和性
を付与したものである。ジエンモノマーの例としては、
ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリ
デンノルボルネン、1、4−ヘキサジエン、シクロオク
タジエンなどのジエン化合物があげられる。
架橋EPDMゴム−ポリオレフィン樹脂系熱可塑性エラス
トマーを調整するには、前記熱可塑性のポリオレフィン
系樹脂に、上記EPDMゴム分を架橋させた状態で分散させ
ればよい。この目的のためには、特公昭55−18448号公
報、特公昭58−46138号公報、特公昭61−18581号公報、
特開昭58−143233号公報等に記載されている方法のいず
れかによればよい。例えば、EPDMゴムをポリオレフィン
系樹脂と共に、ポリオレフィン系樹脂が軟化するのに十
分な温度で、特にポリオレフィン系樹脂が結晶性の場合
は、樹脂の融点以上の温度で十分剪断しながら混練した
後に、剪断混練を続けながらフェノール系架橋剤を加
え、この架橋剤を添加した後さらに混練を続ける、とい
う方法があげられる。
本発明で使用するフェノール系架橋剤としては、フェ
ノール系、臭素化フェノール系の架橋剤があげられ、こ
れらは一種でも二種以上を組み合わせてもよい。架橋反
応を効果的に行なわせるために、架橋補助剤を併用して
もよい。本発明でフェノール系架橋剤により高度に架橋
されたEPDMゴムとは、EPDMゴム可溶性溶媒に抽出可能な
EPDMゴムの量が23℃で10重量%以下になる程度に架橋さ
れたものであり、23℃のシクロヘキサンで抽出されるEP
DMゴム量が3重量%以下になるように架橋させたものが
特に好ましい。
フェノール系架橋剤により高度に架橋したEPDMゴムと
ポリオレフィン系樹脂の混合比は、該架橋EPDMゴムおよ
びポリオレフィン系樹脂の合計重量100部当たり、ポリ
オレフィン系樹脂の含有量が5重量部〜85重量部の範囲
である。ポリオレフィン系樹脂の含有量が5重量部以下
では加工性が著しく低下し、ポリオレフィン系樹脂の含
有量が85重量部以上では熱可塑性エラストマーの特徴で
ある柔軟性が不十分である。特に好ましい架橋EPDMゴム
−ポリオレフィン樹脂系熱可塑性エラストマーは架橋EP
DMがポリプロピレンに分散されてなるものであり、また
そのより好ましい含有割合は、ポリオレフィン系樹脂の
含有量が20〜80重量部、架橋EPDMゴムの含有量が80〜20
重量部(両者の合計量を100重量部とする)である。
前記ポリオレフィン系樹脂とEPDMゴムとを混練する途
中で、架橋剤添加前、または架橋剤添加後にエクステン
ダーオイル、充填剤、酸化防止剤、架橋助剤、帯電防止
剤、銅害防止剤、相溶化剤、着色剤、紫外線吸収剤、滑
剤などの加工助剤及びそれらの分散剤などを必要に応じ
て加えることができる。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物は、前記架
橋EPDMゴム−ポリオレフィン樹脂系熱可塑性エラストマ
ーに、部分水素添加されたスチレン系熱可塑性ブロック
コポリマーを含有している。
本発明において部分水素添加されたスチレン系熱可塑
性ブロックコポリマーとは、一般式A−(B−A)n
(但し、Aはポリスチレンセグメント、Bはゴム状ポリ
マーセグメント、nは1ないし5の整数を意味する。)
で表わされるブロックコポリマーの分子鎖中にある二重
結合の一部が水素添加されたものをいう。
前記一般式で表わされるブロックコポリマーのポリス
チレンセグメントAは、スチレン、α−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物単量体
の一種又は二種以上の重合体ブロックをいう。ポリスチ
レンセグメントAの分子量は、重量平均分子量で5,000
〜125,000の範囲とするのが好ましい。
ゴム状ポリマーセグメントBとしては、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、ポリ−1,3−ペンタジエン、ポリ
−2,3−ジメチルブタジエン、エチレン・ブチレン共重
合体があげられる。ゴム状ポリマーセグメントBの分子
量は、重量平均分子量で10,000〜300,000の範囲とする
のが好ましい。このゴム状ポリマーセグメントBは、線
状型、逐次型、又は放射型構造のいずれであってもよ
い。好ましいブロックコポリマーは、中央のブロックの
分子量が末端ブロックの分子量より大きいのが好まし
い。末端ブロックは、全ブロックコポリマーの2〜60重
量%、好ましくは15〜40重量%の範囲とするのがよい。
好ましいブロックコポリマーは、水素添加されたポリブ
タジエン又は水素添加されたイソプレン中央ブロックを
有するものである。
前記一般式で表わされるブロックコポリマーは、例え
ば特公昭40−23798号公報に記載されているように、不
活性溶媒中で、リチウム触媒又はチーグラー触媒を用い
てブロック重合させることにより、当業者が容易に製造
することができる。
部分水素添加されたスチレン系熱可塑性ブロックコポ
リマーは、前記一般式で表わされるブロックコポリマー
を部分水素添加したものである。水素添加したブロック
コポリマーの平均不飽和度は、初期値の50%未満にまで
減少させるのが好ましい。中央ブロックBの不飽和度
は、初期値の30%以下、好ましくは20%以下まで減少さ
せるのが好ましい。本発明において不飽和度とは、スチ
レン系熱可塑性ブロックコポリマーにつき水素添加する
前の不飽和二重結合の水準(初期値)を100%とし、水
素添加した後不飽和二重結合が残っている割合を(%)
で表したものである。この不飽和度の減少は、ジエン不
飽和に関してはヨウ素価で測定するが、芳香族不飽和は
紫外線または赤外線分析で測定される。
ブロックコポリマーに水素添加するには、周知の方法
によることができる。例えば、特公昭42−8704号公報、
特公昭43−6636号公報、特公昭46−20814号公報等に記
載されているように、ブロックコポリマーを不活性溶媒
に溶解又は分散させ、ニッケル、ケイソウ土、ラニーニ
ッケル、クロム酸銅、酸化モリブデン等の水素添加触媒
を用い、容易に水素添加可能である。
スチレン−ブタジエン−スチレン型ブロックコポリマ
ー(以下「SBS」という。)を水素添加することによ
り、ブタジエンブロックの構造にもよるが、スチレン−
エチレン・ブチレン−スチレン型ブロックコポリマー
(以下「SEBS」という。)を含むものが得られる。この
SEBSは、SBSが有する耐熱老化性や耐候性が劣る等の欠
点が大幅に改良されるものであり、市販されているSEBS
としてシェル・ケミカル・カンパニーの「クレイトンG
(Kreton G)」フィリップ社の「水添ソルプレン」
(Solprene)などがある。
スチレン−イソプレン−スチレン型ブロックコポリマ
ー(以下「SIS」と略称する。)の分子鎖中にある二重
結合も、SBSの場合と同様にして水素添加し、分子鎖中
に残る二重結合を少なくしたものは、SEBSと同様に耐老
化性、耐候性が大幅に改良される。
部分水素添加されたスチレン系熱可塑性ブロックコポ
リマーの含有割合は、このコポリマーと架橋EPDMゴム−
ポリオレフィン樹脂系熱可塑性エラストマーとの合計量
を100重量部としたときに、前者が3〜50重量部の範囲
となるように選ぶものとする。前者が3重量部未満で
は、添加効果、すなわち機械強度、永久伸びなどの向上
効果が小さく、50重量部より多いと、耐油性が著しく低
下してしまい、架橋EPDMゴム−ポリオレフィン樹脂系熱
可塑性エラストマー自体がもっている優れた耐油性が生
かせないばかりでなく、成形品の金型からの離型が難か
しくなり好ましくない。
部分水素添加したスチレン系熱可塑性ブロックコポリ
マーの含有割合を上記範囲で選ばれた熱可塑性エラスト
マー組成物は、成形性が向上し、得られた成形品の外観
が優れたものとなる。本発明に係る熱可塑性エラストマ
ー組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形等の成形
法で目的物に成形しうるが、射出成形、押出成形、ブロ
ー成形等によって目的物とする時にウェルド部分の強度
が向上し、ブロー成形時にパリソンに空気を吹き込む際
にパリソンが破れ難いので、ブロー比の大きな成形品を
得ることができる。
架橋EPDMゴム−ポリオレフィン樹脂系熱可塑性エラス
トマーに部分水素添加したスチレン系熱可塑性ブロック
コポリマーを含有させる手段は、ミルロール、バンバリ
ーミキサー、単軸あるいは二軸押出機のような通常のポ
リマー混練用装置を用いて行うことができる。
また架橋EPDMゴム−ポリオレフィン樹脂系熱可塑性エ
ラストマーに部分水素添加したスチレン系熱可塑性ブロ
ックコポリマーを含有させるときに、本発明に係る熱可
塑性エラストマー組成物に悪影響を与えない種類及び量
の充填剤、酸化防止剤、架橋助剤、帯電防止剤、銅害防
止剤、相溶化剤、難燃剤、着色剤、紫外線吸収剤、伸展
油、滑剤などの加工助剤及びそれらの分散剤などの添加
剤を混合することができる。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物は、成形性
に優れているので射出成形、押出成形、ブロー成形、カ
レンダー成形、圧縮成形、真空成形等の通常の熱可塑性
プラスチックの成形方法によって、容易に目的とする成
形品に成形することができる。成形品としては、自動車
部品、工業機械部品、電気電子部品、土木建築部品、医
療部品などの用途に供され、柔軟性、高い機械強度、形
状回復性、反ぱつ弾性、弾力性、耐油性、高温機械物
性、耐熱老化性、耐候性などが要求されるものがあげら
れる。
(効 果) 本発明における熱可塑性エラストマー組成物は、次の
ような特別に顕著な効果を奏し、その産業上の利用価値
は極めて大である。
(1)本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物は、架
橋ゴム−ポリオレフィン樹脂系熱可塑性エラストマーが
本来有している機能を損なうことなく、破断強度、破断
伸びが向上し、低い永久伸びを示し、弾力性、反ぱつ弾
性、形状回復性にすぐれている。
(2)本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物は、通
常の熱可塑性樹脂成形法によって目的物に成形しうる
が、この際ウェルド部分の強度劣化がおこらず、ブロー
成形時にパリソンの破れもおこりにくく、離型も容易で
成形性に優れている。
(3)本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物から得
られる成形品は、表面平滑性、表面光沢などに優れ、外
観の良好なものである。
(実 施 例) 以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、
本発明はその要旨を超えないかぎり、以下の例に限定さ
れるものではない。
物性測定および物性試験用試験片作成は下記方法で行
った。
1)硬度 ASTM D−2240、デュロメーターAタイプ 2)引張強度および破断伸び JIS−K6301、3号試験片 3)引裂強度 JIS−K6301、B型試験片 4)永久伸び JIS−K6301、伸張率100% 5)耐油性 JIS−K6301、JIS3号試験油を使用し、70℃で168時間
浸漬した後、重量変化率を測定 6)材料混練り条件 プラスチコーダー(ブラベンダー社)をもちいて、ジ
ャケット温度180℃ローター回転数100R.P.M.の条件で10
分間混練りした。
7)物性試験用試験片作成条件 プラスチコーダーで混練された熱可塑性エラストマー
組成物を、210℃で5分プレスしたのち室温まで冷却
し、厚さ2mmの平板を得た。この平板から、各物性測定
用試験片を打抜き法により作成した。
(参 考 例) 熱可塑性エラストマーの調整 EPDMゴム、パラフィン系エクステングー油およびポリ
プロピレンを、それぞれ第1表に示した割合で秤量し、
プラスチコーダーによってジャケット温度180℃で2.5分
間、ローター回転数の速度で混合しポリプロピレンを融
解し、均一なブレンド物を得た。
ついでこのブレンド物に臭化メチロールフェノール系
架橋剤を添加し、さらに4分間混合を続け4種の熱可塑
性エラストマーを得た。
〔実験例1〜6〕 熱可塑性エラストマーAと、部分水素添加されたスチ
レン系熱可塑性ブロックコポリマー(シェル・ケミカル
社のクレイトンG1650、スチレン/エチレン・ブチレン
の比率が28/72のもの)(実験例5、6では配合してい
ない。)とを、第2表に示した割合(重量部)でそれぞ
れ秤量し、プラスチコーダーで混練し、熱可塑性エラス
トマー組成物を得た。
得られた熱可塑性エラストマー組成物から、プレス成
形法によって、厚さ2mmのシートを作成した。このシー
トから切り出した試験片について、機械物性、耐油性を
評価した。評価結果を、第2表に示す。
第2表より、次のことが明らかとなる。
(1)実験例1〜4から、熱可塑性エラストマーに添加
する部分水素添加したスチレン系熱可塑性ブラックコポ
リマーの量が多くなると、引張強度、破断伸びが著しく
改善される。
(2)実験例1のものは、部分水素添加したスチレン系
熱可塑性ブラックコポリマーを含まない実験例5のもの
に比較して、硬度が低下しているにもかかわらず、引張
強度、破断伸びが改善されている。
(3)実験例1および2のものは、ほぼ同じ硬度の実験
例6の熱可塑性エラストマーB単味のものに較べると、
引張強度、破断伸びが改良されているほか、引張強度も
大幅に改善されている。
(4)実験例4のものは、実験例5および6のものに比
較して、引張強度、破断伸び、永久伸びは明らかに改善
されているが、耐油性が著しく低下し、工業用途には適
切でない。
〔実験例7〜10〕 熱可塑性エラストマーDと、クレイトンG1650(実験
例10では配合していない)とを、第3表に示した割合
(重量部)でそれぞれ秤量し、プラスチコーダーで混練
し、熱可塑性エラストマー組成物を得た。
得られた熱可塑性エラストマー組成物から、プレス成
形法によって、厚さ2mmのシートを得た。このシートか
ら切り出した試験片について、機械物性、耐油性を評価
した。評価結果を、第3表に示す。
第3表より、部分水素添加したスチレン系熱可塑性ブ
ロックコポリマーを含有する熱可塑性エラストマー組成
物(実験例7〜9)は、これを含有しないもの(実験例
10)に較べて、引張強度、破断伸びに向上が認められ、
さらに硬度変化が小さいにもかかわらず、永久伸びが著
しく改善された。
[実験例 11〜12] 熱可塑性エラストマーC 80重量部とクレイトンG165
0 20重量部とを所定量V、バンバリーミキサーでジャ
ケット温度150℃ローター回転数136rpmの速度で、混合
物温度が200℃に達するまで約5分間混練し、ペレット
にした。
上で得られたペレット(実験例11)と、熱可塑性エラ
ストマーCのみの(実験例12)について、次に記載した
とおり、射出成形法、押出成形法および押出ブロー成形
法で成形品を製造し成形品について各種の評価試験を行
なった。評価試験結果を、第4表に示す。
(イ)射出成形 i.使用した射出成形機:住友重機工業(株)製住友ネス
タールネオマット350/120B(型締力120t) ii.使用した金型:内径20mm,外径24mm,長さ30mmの円筒
形状の成形品が得られるキャビティを有し、ゲートを円
筒端面に1個設けたもの iii.成形条件:シリンダー温度 後部180℃ 中部200℃
前部200℃,ノズル温度 200℃,金型温度 40℃射出
圧 60kg/cm2(ゲージ),射出速度6/12(スケール) iv.成形品についての評価試験 ・ウェルド部の引張り強度の測定−ウェルドは円筒状成
形品のゲートを設けた位置とは反対側に、円筒の長さ方
向に沿って生成するゲートを設けた位置から円筒の長さ
方向に沿って切断し、切断した端を保持し、試験を行
い、引張強度を測定した。
・成形品表面の艶:日本電色工業(株)製のグロスメー
ターを用い入射角、反射角ともに60度の条件で測定し
た。
(ロ)押出成形 i.使用した成形機:(株)プラ技研製、単軸押出機 PG
50−32(バレル型50mm) ii.使用したダイ:幅25mm、厚さ2mmのスリットダイ iii.成形条件:シリンダー温度ゾーン1 80℃、ゾーン
2 190℃、ゾーン3 200℃、ゾーン4 200℃、ダイ
温度 200℃、スクリュー回転数30rpm、ダイから押出さ
れる成形品は、直ちに水で冷却した。
iv.成形品についての評価試験 成形品の表面粗さを、小坂製作所(株)製の表面粗さ
測定機によって測定した。
(ハ)押出ブロー成形 i.使用した成形機:(株)日本製鋼所製JB−105(押出
機バレル径50mm) ii.使用した金型:外径75mm、長さ100mmの円筒状キャビ
ティを有する金型 iii.パリソン:外径30mm、内径28mm iv.成形条件:シリンダー温度、ゾーン1 180℃、ゾー
ン2 190℃、ゾーン3 200℃、クロスヘッド温度 20
0℃、金型温度 40℃、スクリュー回転数 20rpm、吹込
空気圧 2kg/cm2 v.ブロー成形性の試験 金型キャピティ外径とパリソン外径との比で表わされ
るブロー比2.5になるように空気を吹き込んだ時に、パ
リソンに破れが発生するか否か観察した。
第4表より、次のことが明らかになる。
(1)本発明に係る熱可塑性エラッストマー組成物(実
験例10)は、成形の際発生しやすいウエルド部分の強度
が成形品の他の部分に較べて劣ることがない。
(2)本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物は、吹
込み成形する際ブロー比が2.5と大きくてもパリソンが
破損することがなく、成形性に優れている。
(3)本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物から得
られる成形品は、表面艶が高く、表面粗さが小さく、外
観が極めて優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−60739(JP,A) 特開 昭59−6236(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール系架橋剤により高度に架橋され
    たエチレン・プロピレン・ジエン化合物共重合体ゴム
    (EPDMゴム)をポリオレフィン系樹脂中に分散させた熱
    可塑性エラストマーに、一般式A−(B−A)n(但し
    Aはポリスチレンセグメント、Bはゴム状ポリマーセグ
    メント、nは1〜5の整数を意味する。)で表わされる
    ブロックコポリマーに部分水素添加したスチレン系熱可
    塑性ブロックコポリマーを含有させたことを特徴とする
    熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】熱可塑性エラストマーのポリオレフィン系
    樹脂が、結晶性ポリプロピレンであることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の熱可塑性エラストマー組成
    物。
  3. 【請求項3】熱可塑性エラストマーが、結晶性ポリプロ
    ピレン5〜85重量部及び高度に架橋されたエチレン・プ
    ロピレン・ジエン化合物共重合体ゴム(EPDMゴム)95〜
    15重量部(両者の合計量を100重量部とする。)からな
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の熱可塑
    性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】スチレン系熱可塑性ブロックコポリマー
    が、スチレン−ブタジェン−スチレン型の部分水素添加
    物であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】スチレン系熱可塑性ブロックコポリマー
    が、スチレン−イソプレン−スチレン型の部分水素添加
    物であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 【請求項6】高度に架橋されたゴムをポリオレフィン系
    樹脂中に分散させた熱可塑性エラストマーと、部分水素
    添加されたスチレン系熱可塑性ブロックコポリマーとの
    合計重量部を100重量部としたとき、部分水素添加され
    たスチレン系熱可塑性ブロックコポリマーの含有量が3
    〜50重量部であることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の熱可塑性エラストマー組成物。
JP62179182A 1987-07-20 1987-07-20 熱可塑性エラストマ−組成物 Expired - Lifetime JP2544147B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62179182A JP2544147B2 (ja) 1987-07-20 1987-07-20 熱可塑性エラストマ−組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62179182A JP2544147B2 (ja) 1987-07-20 1987-07-20 熱可塑性エラストマ−組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6424839A JPS6424839A (en) 1989-01-26
JP2544147B2 true JP2544147B2 (ja) 1996-10-16

Family

ID=16061372

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62179182A Expired - Lifetime JP2544147B2 (ja) 1987-07-20 1987-07-20 熱可塑性エラストマ−組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2544147B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0368363A (ja) * 1989-07-07 1991-03-25 Daikyo Rubber Seiko:Kk 医薬品栓体用樹脂組成物及び医薬品用栓体
JPH0826172B2 (ja) * 1991-07-08 1996-03-13 株式会社アサヒコーポレーション 靴底用ゴム組成物
WO2007024025A1 (ja) * 2005-08-25 2007-03-01 Jsr Corporation 熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法
JP5185018B2 (ja) 2007-10-05 2013-04-17 住友ゴム工業株式会社 熱可塑性エラストマー組成物

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5846138A (ja) * 1981-09-16 1983-03-17 東レ株式会社 ホツトロ−ラ装置
JPS596236A (ja) * 1982-07-05 1984-01-13 Mitsubishi Petrochem Co Ltd エラストマ−状組成物の製造方法
JPH0635520B2 (ja) * 1984-09-03 1994-05-11 旭化成工業株式会社 熱可塑性高弾性エラストマ−の組成物
DE3532357A1 (de) * 1985-09-11 1987-03-19 Bayer Ag Thermoplastische elastomere
JP3456032B2 (ja) * 1994-05-09 2003-10-14 富士写真フイルム株式会社 画像処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6424839A (en) 1989-01-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6114248A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
EP1405877B1 (en) Process for production of thermoplastic elastomer composition
JPH0358381B2 (ja)
JPH0217579B2 (ja)
JP4153577B2 (ja) 耐油性に優れた熱可塑性エラストマー
JPS58206644A (ja) エラストマ−状組成物
JP3610773B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法
JP2544147B2 (ja) 熱可塑性エラストマ−組成物
JP3702704B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP3326893B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3503352B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2003171511A (ja) 熱融着用熱可塑性エラストマー組成物および成形品
JP3984073B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP4909467B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法
JP3381236B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及び該熱可塑性エラストマー組成物を用いた配管用継ぎ手
JP3889964B2 (ja) チューブまたはホース用熱可塑性エラストマー組成物
JP4184206B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH0463852A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2007169662A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH0635520B2 (ja) 熱可塑性高弾性エラストマ−の組成物
JP7157257B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP4909468B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法
JP4676382B2 (ja) チューブまたはホース用熱可塑性エラストマー組成物
JP2003128871A (ja) 熱可塑性重合体組成物
JPH05140384A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term