JP2543516Y2 - 連結具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、蟻溝を備える長尺部材どうしを交差した状
態で連結する連結具に関する。

〔従来の技術〕

従来、ボルトとナットとから前記連結具を構成してあ
った。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、ボルトとナットで交差させた長尺部材どうし
を連結するためには、長尺部材夫々にボルト挿通用の貫
通孔を形成し、それらの貫通孔にボルトを挿通させた状
態でナットを締付けなければならず、連結のための手間
が多くかかるばかりか、両長尺部材を連結した後に、一
方の長尺部材を他方の長尺部材と直交する方向に相対的
に移動させて、交差位置を変更することが困難で、たと
えば長尺部材上に載置する機具や長尺部材に取付ける機
具等の設置位置が容易に変更できないという欠点があっ
た。

本考案の目的は、長尺部材どうしを簡単な施工手間に
より交差状態に連結できるようにすると共に、その交差
位置を容易に変更できるようにする点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の連結具の特徴構成は、連結具本体に対し、互
いに交差した一対の長尺部材のうちの一方の前記長尺部
材の蟻溝の開口部両側の内曲り片夫々に対して、その内
曲り片に外側から接当する舌片部と内側から接当する舌
片部とを備えた第１係止片と、他方の前記長尺部材の蟻
溝の開口部両側の内曲り片夫々に対して、その内曲り片
に外側から接当する舌片部と内側から接当する舌片部と
を備えた第２係止片とを、互いに前記連結具本体の表面
側と裏面側の反対方向に各別に突出させて一体連設して
あることにあり、その作用効果は、次の通りである。

〔作用〕

つまり、長尺部材どうしを連結するに、一対の長尺部
材夫々の蟻溝を対向させて交差させた状態で、連結具本
体を挟んで両長尺部材の一方の蟻溝に第１係止片を係止
させ、他方の蟻溝に第２係止片を係止させるだけで簡単
に両長尺部材は互いに連結し、しかも、両長尺部材どう
しを連結した状態で、蟻溝内でその長手方向に沿って第
１係止片又は第２係止片の少なくとも一方を摺動させる
ことによって、長尺部材どうしの交差連結部の位置変更
が簡単に行われる。

このとき、第１および第２の係止片は、蟻溝の開口部
両側の内曲り片夫々に対して、その内曲り片に外側から
接当する舌片部と内側から接当する舌片部とを備えてお
り、それが内曲り片夫々に対して外嵌係止するため、蟻
溝の深さや溝内部の幅に応じた形状にする必要がなく、
蟻溝内部の形状が異なる種々の長尺部材でも第１係止片
及び第２係止片を別々に係止させることができる。

〔考案の効果〕

従って、第１、第２係止片を蟻溝に係止させるだけで
よいために、長尺部材どうしの交差連結のための手間が
少なくてすむと共に、長尺部材どうしの交差連結部の位
置を、連結後に簡単に変更し得て、長尺部材上に載置す
る機具や取付ける機物の大きさや設置予定位置に合わせ
た調整が容易に行えるようになり、長尺部材による施工
作業の能率アップを効果的に助けて促進させられる連結
具を、提供できるようになった。その上、連結具本体に
第１、第２係止片を一体連設してあるので、長尺部材ど
うしを連結するのに一部材の使用ですみ、ボルトとナッ
トのように多部材を組付けて連結作業を行うのに較べて
作業性を向上させることができる。

また、連結具本体が板金製で、第１、第２係止片を切
起こして形成すれば、簡単な加工で連結具を製作でき、
製品コストを安価なものにすることができる。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を、図面に基づいて説明する。

第５図に示すように、天井（１）から吊下げられた４
本のアンカーボルト（２）に、互いに交差させて井桁状
に重ねられた４本の長尺部材（３）を取付け、長尺部材
（３）のうちの平行する２本に、空調用室外機（４）等
の機具を載置した状態で固定したり、第９図に示すよう
に、前記平行する２本の長尺体（３）にボルト（２′）
を介して空調用室内機（４′）を吊下げ固定して、機具
取付け構造を構成してある。

前記長尺部材（３）は、その長手方向に沿って蟻溝
（５）を形成したチャンネル材から成り、その４本の長
尺部材（３）のうちの２本を、アンカーボルト（２）で
吊下げるには、長尺部材（３）夫々に一対のボルト挿通
孔（６）を形成して、そのボルト挿通孔（６）に夫々ア
ンカーボルト（２）を挿通させた状態で、ナット（７）
を介してアンカーボルト（２）に長尺部材（３）を吊下
げた状態で取付けてある。

前記吊下げた２本の長尺部材（３）に、残り２本の長
尺部材（３）を井桁状に交差させて載置する際には、連
結具（８）で長尺部材どうしを連結してある。

蟻溝（５）を備える長尺部材（３）どうしを交差した
状態で連結するための前記連結具（８）は、第１図ない
し第４図に示すように、板金製から成り、連結具本体
（8A）に対し、互いに蟻溝（５）を対向させて交差した
一対の長尺部材（３），（３）のうちの一方の長尺部材
（３）の蟻溝（５）の開口部両側の内曲り片夫々に対し
て、その内曲り片に外側から接当する舌片部と内側から
接当する舌片部とを備えた第１係止片（8B）と、他方の
長尺部材（３）の蟻溝（５）の開口部両側の内曲り片夫
々に対して、その内曲り片に外側から接当する舌片部と
を内側から接当する舌片部とを備えた第２係止片（8C）
とを、連結具本体（8A）から夫々切起こして形成して互
いに連結具本体（8A）の表面側と裏面側の反対方向に突
出させて一体連設してある。

〔別実施例〕

前記連結具（８）は、第６図のように、第１、第２係
止片（8B），（8C）を連結具本体（8A）の幅より小さく
形成してあってもよく、また、第７図及び第８図で示す
ように、第１、第２係止片（8B），（8C）のうちの第１
係止片（8B）にみに、連結具（８）が蟻溝（５）内に落
ち込むのを防止する突起（8D）を設けると共に、連結具
本体（8A）に雌ネジ部（９）を形成してあってもよく、
この場合には、両長尺部材（３），（３）どうしを連結
具（８）で連結させた状態で、一方の長尺部材（３）に
挿通させた連結ボルト（10）を、雌ネジ部（９）に螺合
させて締付けることによって両長尺部材（３），（３）
どうしを引き寄せて強固に連結固定できる。

前記連結金具（８）は、板金製以外に鋳造その他の方
法で製作されたものでもよい。

前記長尺部材（３）は、空調用室外機（４）以外に、
空調用室内機やその他機物各種のものを載置したり取付
けたりするものであってもよい。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便
利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は組付操作を示す分解斜視図、第２図は平面図、
第３図は第２図におけるIII-III線断面図、第４図は第
２図におけるIV-IV線断面図、第５図及び第９図は使用
状態を説明する斜視図、第６図及び第７図は夫々別実施
例を示す分解斜視図、第８図は第７図の連結具の使用状
態を示す側面図である。 （３）……長尺部材、（５）……蟻溝、（8A）……連結
具本体、（8B）……第１係止片、（8C）……第２係止
片。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】蟻溝（５）を備える長尺部材（３），
   （３）どうしを交差した状態で連結するための連結具で
   あって、 連結具本体（8A）に対し、 互いに交差した一対の前記長尺部材（３），（３）のう
   ちの一方の前記長尺部材の蟻溝（５）の開口部両側の内
   曲り片夫々に対して、その内曲り片に外側から接当する
   舌片部と内側から接当する舌片部とを備えた第１係止片
   （8B）と、 他方の前記長尺部材（３）の蟻溝（５）の開口部両側の
   内曲り片夫々に対して、その内曲り片に外側から接当す
   る舌片部と内側から接当する舌片部とを備えた第２係止
   片（8C）とを、 互いに前記連結具本体（8A）の表面側と裏面側の反対方
   向に各別に突出させて一体連設してある連結具。
2. 【請求項２】前記連結具本体（8A）が板金製から成り、
   前記第１、第２係止片（8B），（8C）を夫々前記連結具
   本体（8A）から切起こして形成してある請求項１記載の
   連結具。