JP2543439Y2 - 化粧枠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 この考案は、断熱箱体の壁面と、温度の異なる室とを
区間する仕切部との間の隙間に介在し、室を互いに遮断
するＬの字状の化粧枠に関するものである。

b.従来の技術 第５図は冷凍冷蔵庫の側断面図であり、内部に発泡ス
チロールの充填された断熱箱体１は、仕切部としての仕
切壁２により冷凍庫３と冷蔵庫４とに画成されている。

第６図は第５図のア部拡大図であり、発泡スチロール
からなる仕切壁２はねじ止めされたアングル５に支持さ
れている。断熱箱体１と仕切壁２との間には軟質の断熱
部材６が介在している。断熱箱体１の背面1aと仕切壁２
との間のコーナ部にはコーキング材７がコーキングさ
れ、断熱箱体１と仕切壁２との間の隙間は無く、また断
熱部材６は冷凍庫３から遮断されている。

c.考案が解決しようとする課題 上記のように構成された従来の冷凍冷蔵庫では、コー
キング材７を仕切壁２の横方向（第６図の紙面に対して
垂直方向）にコーキングしなければならず、コーキング
距離が長いと作業性が悪く、熟練した技術を必要とする
問題点があった。

また、断熱部材６は長年冷凍冷蔵庫を使用するうちに
水分を含み、冷凍庫３と冷蔵庫４との間の断熱効果が無
くなり、冷凍庫３からの熱伝達によりアングル５の部分
から氷が発生し、成長するといった問題点もあった。

この考案は、かかる問題点を解消するためになされた
もので、簡単な作業で各室を物理的にも、熱的にも遮断
することができる化粧枠を得ることを目的とする。

d.課題を解決するための手段 この考案に係る化粧枠は、硬質のＬの字状の化粧枠本
体と、この化粧枠本体の第１片部の一側面に突設された
複数個の軟質の第１片部用シール部と、前記第１片部の
他側面に形成された係合部と、前記第２片部の先端部に
突設された軟質の第２片部用シール部からなっているも
のである。

e.作用 この考案においては、化粧枠を隙間に介在したとき
に、係合部が仕切部に第１片部用シール部からの弾発力
を受けて係合するとともに、隙間には第１片部用シール
部により複数個の空間部が形成され、かつ第２片部と仕
切部との間にも空間部が形成される。

f.実施例 以下、この考案の実施例を図について説明する。第１
図および第２図はこの考案の一実施例を示すもので、第
５図および第６図と同一または相当部分は同一符号を付
し、その説明は省略する。

図において、断熱箱体１と仕切壁２との間には第２図
に示した化粧枠10が介在している。化粧枠10は、Ｌ字状
の化粧枠本体11と、化粧枠本体11に形成されたひれ状で
軟質のシール部12とから構成されている。化粧枠本体11
の第１片部である長片部11aの中間部の仕切壁２側に
は、係合部としての突起11cが形成されている。

長片部11aの先端部には第２片部である短片部11bと反
対方向にかつ長片部11aと鋭角をなして第１片部用シー
ル部である第１のシール部12aが突設されている。長片
部11aの中間部には短片部11bと反対で横方向に第１片部
用シール部である第２のシール部12bが突設されてい
る。短片部11bの先端部には長片部11aの方向にかつ短片
部11bと鈍角をなして第２片部用シール部である第３の
シール部12cが突設されている。短片部11bの上面には斜
め上方向に延びて、かつ第１、第２および第３のシール
部12a,12b,12cよりも長く第４のシール部12dが突設され
ている。

上記のように構成された冷凍冷蔵庫では、断熱箱体１
と仕切壁２との間の空隙部に化粧枠10を嵌め込むことに
より、突起11cが仕切壁２の係合部である凹部2aにシー
ル部12a、12b、12dからの弾発力を受けながら係合し、
化粧枠10は仕切壁２に強固に組み付けられる。その結
果、第１、第２および第４のシール部12a,12b,12dは断
熱箱体１の背面に弾接し、第３のシール部12cは仕切壁
２に弾接しており、第１のシール部12aと第２のシール
部12bとの間、および第２のシール部12bと第４のシール
部12dとの間には第１、第２の空間部13a,13bが形成さ
れ、また化粧枠本体11の短片部11bと仕切壁２との間に
は第４の空間部13cが形成される。この空間部13cは、化
粧枠10の表面から受ける衝撃に対してクッションの役目
をするので、化粧枠本体11が破損するようなことはな
い。

このように、第１、第２および第４のシール部12a,12
b,12dは断熱箱体１の背面に弾接して、空間部13a、13b
が形成されて、冷凍庫３内と冷蔵庫４内とは区画され、
冷凍庫３内から冷蔵庫４内に水分が毛細管現象により侵
入するようなことはない。また、冷凍庫３と冷凍庫４と
の間には、第１、第２の空間部13a,13bおよび第３の空
間部13cが介在し、各空間部13a,13b,13c内の空気の断熱
効果により、冷凍庫３と冷蔵庫４とは熱的に遮断されて
いる。

第３図はこの考案が適用された他の実施例を示す恒温
高湿庫の側断面図である。この恒温高湿庫の場合には、
断熱箱体１とその断熱箱体１内に収納された仕切部とし
ての収納箱20との間に通路21が形成され、この通路21
に、冷却器22からの冷気が通過して、収納箱20を介して
収納箱20内は冷却されるようになっている。

第４図は第３図のイ部の拡大図である。カバー体23と
収納箱20との間の空隙部には化粧枠10が嵌め込まれ、ま
たその突起11cが収納箱20の端面20aに係止されている。
なお、第３のシール部12cの弾発力により突起11cと収納
箱20の端面20aとが強固に係止される。そして、このも
のの場合には、庫内と通路21とは化粧枠10を介して冷却
器22からの乾燥した冷気が、第１のシール部12a、第２
シール部12bおよび第４のシール部12dにより遮断され、
庫内は安定した高湿度を保つことができる。

なお、上記実施例ではシール部12a,12b,12c,12dが全
部で４個ある化粧枠10について説明したが、室間の熱
的、物理的遮断をより完全にする必要があるときには、
シール部の数を増やせばよい。また、化粧枠本体11に係
合部としての突起11cを形成したが、化粧枠本体11に凹
部を形成し、仕切壁２に突起を形成してもよい。さら
に、上記実施例では、冷凍冷蔵庫、恒温高湿庫にこの考
案が適用された場合について説明したが、この考案は断
熱箱体内が区画された他のものにも適用することができ
るのは勿論である。

g.考案の効果 以上説明したように、この考案の化粧枠によれば、硬
質のＬの字状の化粧枠本体と、この化粧枠本体の第１片
部の一側面に突設された複数個の軟質の第１片部用シー
ル部と、前記第１片部の他側面に形成された係合部と、
前記第２片部の先端部に突設された軟質の第２片部用シ
ール部からなっているので、簡単な作業で断熱箱体内の
各室を物理的にも、熱的にも強固に遮断することができ
るという効果がある。また、第２片部と仕切部との間に
形成された空間部および第２片部用シール部の弾発力
は、第２片部に受ける衝撃に対してクッションの役割を
しており、第２片部に対する衝撃による化粧枠本体の破
損発生を防止できる効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す要部断面図、第２図
は第１図の化粧枠の断面図、第３図は恒温高湿庫の側断
面図、第４図は第３図のイ部の拡大図、第５図は従来の
冷凍冷蔵庫の側断面図、第６図は第５図のア部拡大図で
ある。 図において、１は断熱箱体、２は仕切壁、３は冷凍庫、
４は冷蔵庫、10は化粧枠、11は化粧枠本体、11aは長片
部（第１片部）、11bは短片部（第２片部）、11cは突
起、12a,12bは第１および第２のシール部（第１片部用
シール部）、12cは第３のシール部（第２片部用シール
部）、13a,13b,13cは第１、第２および第３の空間部、2
0は収納箱である。 なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を示すも
のである。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】断熱箱体の壁面と、温度の異なる室とを区
   画する仕切部との間の隙間に介在して、前記室を互いに
   遮断する化粧枠において、硬質のＬの字状の化粧枠本体
   と、この化粧枠本体の第１片部の一側面に突設された複
   数個の軟質の第１片部用シール部と、この第１片部の他
   側面に形成された係合部と、前記第２片部の先端部に突
   設された軟質の第２片部用シール部からなり、前記隙間
   に介在したときには前記係合部が前記仕切部に前記第１
   片部用シール部からの弾発力を受けて係合するととも
   に、前記隙間には前記第１片部用シール部により複数個
   の空間部が形成され、かつ第２片部と前記仕切部との間
   にも空間部が形成されることを特徴とする化粧枠。