JP2540039Y2 - ヘッドレストホルダー構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、車両用シートのヘッド
レストホルダー構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のヘッドレストホルダー構
造は図６に示すようにホルダー５０を備えており、この
ホルダー５０は、先端に係合爪部５１ａを形成した筒部
５１を有し、この筒部５１の上端部には鍔状部５２が形
成してある。

【０００３】このホルダー５０はシートバックのフレー
ム５３に装着されて、前記鍔状部５２でトリムカバー５
４およびパッド材５５を押さえている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のヘッドレストホルダー構造にあっては、トリムカバ
ー５４およびパッド材５５がフレーム５３に比較して通
常柔らか物となっており、前記鍔状部５２のトリムカバ
ー５４及びパッド材５５に対する押圧力が小さい場合に
は、乗員がシートに着座し、この着座状態で動いたりす
ると、トリムカバー５４及びパッド材５５が引っ張られ
てしまい、図７（１）に示すように、トリムカバー５４
の挿入孔５４ａが図示しないヘッドレストステー等によ
って拡大して、ずれ５６が生じて外観上見栄えを損じる
こととなる。又、このずれ５６を発生させないようにす
るために、鍔状部５２及び係合爪部５１ａによるフレー
ム５３とトリムカバー５４及びパッド材５５との挟着を
強くすることが考えられるが、このように挟着力を高く
すると、逆に、ホルダー装着時に図７（２）に示すよう
にトリムカバー５４に皺５７等が発生して、外観上見栄
えが悪くなるとともに、乗員の着座中の移動によりトリ
ムカバー５４或いはパッド材５５が引っ張られた場合に
ヘッドレストステー等によって挿入孔５４ａや５５ａよ
りトリムカバー５４やパッド材５５が破れる虞があり、
この点からも外観上の見栄えを悪くするという問題点が
あった。

【０００５】本考案は、上記の問題点に着目して成され
たものであって、その目的とするところは、トリムカバ
ーの穴ずれや皺の発生等を防止することができて外観上
見栄えがよくなるヘッドレストホルダー構造を提供する
ことにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本考案は、ホルダーを、ロック側ホルダー部とベ
ース側ホルダー部とに分割し、このロック側ホルダー部
の周縁部に係合部を設け、前記ベース側ホルダー部を、
筒部の上端部に鍔部を固着すると共に、この鍔部の周部
に挟持部を形成し、前記鍔部の上面にロック側ホルダー
係止部を形成して構成し、このロック側ホルダー係止部
にロック側ホルダー部を係止して、このロック側ホルダ
ー部の周縁部と前記鍔部の挟持部とでトリムカバーおよ
びパッド材を挟持したことを特徴とする。

【０００７】

【作用】かかる構成により、ホルダーをバックシートに
装着するにあたって、ロック側ホルダー部の周縁部と前
記鍔部の挟持部とでトリムカバーおよびパッド材を挟み
込み、トリムカバーおよびパット材をホルダーに取り付
けることができる。このために、トリムカバーの穴ずれ
や皺の発生等が防止される。

【０００８】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

【０００９】（実施例１） 図１乃至図５は本考案の一実施例を示し、図１は本考案
に係わるヘッドレストホルダー構造を備えた車両用シー
トの斜視図、図２は同ヘッドレストホルダー構造からヘ
ッドレストを外した状態の車両用シートの斜視図、図３
は図２Ｘ−Ｘ線に沿う断面図、図４はヘッドレストホル
ダー構造の分解斜視図である。

【００１０】本考案に係わるヘッドレストホルダー構造
のホルダー１はロック側ホルダー部２とベース側ホルダ
ー部３とより成る。このロック側ホルダー部２は図４の
示すようにお椀を伏せたようなキャップ部４を備えてお
り、このキャップ部４の中央部には貫通孔５が形成して
あり、このキャップ部４の周部一側には切欠部６が形成
してある。また、キャップ部４の周縁部は内方に湾曲し
ていて係合部７が形成してある。

【００１１】前記ベース側ホルダー部３は筒部８を備え
ており、この筒部８の下端部には一対の係合爪部９が形
成してある。また、筒部８の上端部には鍔部１０が固着
してあり、この鍔部１０の周部には周壁部１１が形成し
てあり、この周壁部１１の内周縁部に係止突起部１１ａ
が形成してあって、これらでロック側ホルダー係止部Ａ
が構成してある。

【００１２】また、前記鍔部１０の上面には平面馬蹄形
状の内側壁部１２が形成してあり、この内側壁部１２の
上縁部には外側に突出する係止突起部１２ａが形成して
あって、これらで挟持部Ｂが構成されている。そして、
内側壁部１２の、穴部８ａを挟んだ部位にはロックプレ
ート枢支部１４が一対形成してある。

【００１３】前記ベース側ホルダー部３はフレーム１５
の装着孔１５ａに挿入されて係止爪部９がフレーム１５
に引っ掛けられている。また、前記ロックプレート枢支
部１４にはロック機構１３のロックプレート１６が枢支
ピン１６ａにより取り付けてあり、このロックプレート
１６の先端には摘み１７が固着してあり、また、ロック
プレート１６には孔部１８が形成してあって、ロックプ
レート１６はスプリング１９により反時計回り方向に付
勢されている。

【００１４】そして、前記ベース側ホルダー部３にパッ
ド材２０とこのパッド材２０に重ねられたトリムカバー
２１を被せて、パッド材２０およびトリムカバー２１に
形成した孔部２２から前記ロックプレート枢支部１４お
よびロック機構１３を外方に突出させて孔部２２の周部
のパッド材２０およびトリムカバー２１を前記鍔部１０
の周壁部１１内方に位置させる。

【００１５】この状態で、前記ロック側ホルダー部２の
係合部７を鍔部１０の内側壁部１２の係止突起部１２ａ
に挿入係止して、このロック側ホルダー部２のキャップ
部４の周縁部４ａと前記鍔部１０の周壁部１１の係止突
起部１１ａとでトリムカバー２１およびパッド材２０を
挟み込み、ホルダー１がバックシートＣが装着してあ
る。

【００１６】この場合、前記ロック機構１３のロックプ
レート１６の先端の摘み１７は前記キャップ部４の切欠
部６から外方に突出している。

【００１７】上記の構成のヘッドレストホルダー構造の
ホルダー１にはヘッドレスト３０のステー３１が挿入さ
れて前記ロック機構１３で固定される。すなわち、この
ステー３１には複数個の切り込みから成る係合溝３１ａ
が形成してあり、このステー３１が前記ロック側ホルダ
ー部２のキャップ部４の孔部５からロックプレート１６
の孔部１８を経てベース側ホルダー部３の筒部８の穴部
８ａ内に挿入され、ロックプレート１６がスプリング１
９の付勢力により持ち上がることによりロックプレート
１６の孔部１８の縁部が前記係合溝３１ａに係合するこ
とでロックがされている。

【００１８】上記のようにホルダー１をバックシートＣ
に装着するにあたって、ロック側ホルダー部２のキャッ
プ部４の周縁部４ａと前記鍔部１０の周壁部１１の係止
突起部１１ａとでトリムカバー２１およびパッド材２０
を挟み込むようにしたので、トリムカバー２１の穴ずれ
や皺の発生等が防止される。

【００１９】

【考案の効果】以上説明したように、本考案は、ホルダ
ーをバックシートに装着するにあたって、ロック側ホル
ダー部の周縁部と前記鍔部の挟持部とでトリムカバーお
よびパッド材を挟み込んでトリムカバーおよびパッド材
をホルダーに取り付けることができる。このために、ト
リムカバーの穴ずれや皺の発生等を防止することができ
て、外観上見栄えがよくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係わるヘッドレストホルダ
ー構造を備えた車両用シートの斜視図である。

【図２】同ヘッドレストホルダー構造からヘッドレスト
を外した状態の車両用シートの斜視図である。

【図３】図２Ｘ−Ｘ線に沿う断面図である。

【図４】ヘッドレストホルダー構造の分解斜視図であ
る。

【図５】ベース側ホルダー部の斜視図である。

【図６】従来のヘッドレストホルダー構造のシートバッ
クの上部への取付け状態を示す説明図である。

【図７】（１）は従来のヘッドレストホルダー構造を取
り付けたシートバックの上部の斜視図である。（２）は
従来のヘッドレストホルダー構造を取り付けたシートバ
ックの上部の斜視図である。

【符号の説明】

１ ホルダー ２ ロック側ホルダー部 ３ ベース側ホルダー部 ４ キャップ部 ８ 筒部 １０ 鍔部 １１ 係合孔部 １１ａ 係止突起部 ２０ パッド材 ２１ トリムカバー Ａ ロック側ホルダー係止部 Ｂ 挟持部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホルダーを、ロック側ホルダー部とベー
   ス側ホルダー部とに分割し、このロック側ホルダー部の
   周縁部に係合部を設け、前記ベース側ホルダー部を、筒
   部の上端部に鍔部を固着すると共に、この鍔部の周部に
   挟持部を形成し、前記鍔部の上面にロック側ホルダー係
   止部を形成して構成し、このロック側ホルダー係止部に
   ロック側ホルダー部を係止して、このロック側ホルダー
   部の周縁部と前記鍔部の挟持部とでトリムカバーおよび
   パッド材を挟持したことを特徴とするヘッドレストホル
   ダー構造。