JP2539279B2 - 硬化型組成物 - Google Patents

硬化型組成物

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JP2539279B2 JP2097377A JP9737790A JP2539279B2 JP 2539279 B2 JP2539279 B2 JP 2539279B2 JP 2097377 A JP2097377 A JP 2097377A JP 9737790 A JP9737790 A JP 9737790A JP 2539279 B2 JP2539279 B2 JP 2539279B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は硬化型組成物に関し、特に高温暴露時におい
て、弾性の減少がなく、耐久性の良好な硬化物を与え、
シーリング材、接着剤等として用いるのに適した硬化型
組成物に関する。
〔従来の技術〕
1分子中に2個以上のチオール基を含むポリマーは、
酸化剤と混合すれば容易に反応して高分子量化し、硬化
物となることから、シーリング材、塗料、接着剤等に用
いられている。
これらのチオール基含有ポリマーの中で、米国特許第
2,466,963号に記載されているポリサルファイドポリマ
ーは、優れた耐油性、耐薬品性、可とう性等をもつこと
から、シーリング材の原料として長年使用されている。
またポリサルファイドポリマーとチオール基含有ポリ
エーテルポリマーからなる重合体組成物を本発明者らは
提案した(特願平1−271265号)。この組成物は、、汎
用の安価な可塑剤との相溶性が良好であり、かつ、その
使用量を少なくすることによって、硬化物に塗料を塗布
しても塗膜が軟化しないため、シーリング材として好適
なものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、ポリサルファイドポリマー、あるいは
ポリサルファイドポリマーとチオール基含有ポリエーテ
ルポリマーとを混合してなるポリマーを酸化剤により硬
化させた硬化物は、80℃以上の高温に暴露すると、剛直
となり、弾性を失い、耐久性に乏しいという問題があ
る。
したがって、本発明の目的は、高温暴露時において、
弾性の減少が少なく、しかも耐久性が良好な硬化物を与
える硬化剤組成物を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、ポリ
サルファイドポリマー、あるいはポリサルファイドポリ
マーとチオール基含有ポリエーテルポリマーとを混合し
てなるポリマーに二酸化鉛硬化剤とともに、所定量の特
定の化合物を添加すれば、高温暴露時の弾性の低下がな
くなり、かつ、耐久性が大幅に向上することを見出し、
本発明に想到した。
すなわち本発明の硬化剤組成物は、 (A)ポリサルファイドポリマー100重量部に対して、 (B)二酸化鉛硬化剤1〜50重量部と、 (C)下記(i)〜(v)から選ばれた少なくとも1つ
の化合物0.5〜50重量部 (i)炭素−炭素二重結合を有する化合物、 (ii)窒素含有複素環式化合物及び/又は芳香族アミン
類、 (iii)ホスホン酸エステル化合物、 (iv)ホスホン酸水素エステル化合物、 (v)チオエーテル系酸化防止剤、 とを含有することを特徴とする。
また本発明のもう一つの硬化型組成物は、 (A)(a)ポリサルファイドポリマー、 および (b)主鎖中に−(R1O)−(但し、R1は炭素数2〜
4のアルキレン基、nは6〜200の整数を示す。)、 およびジスルフィド結合を含み、かつ末端にチオール基
を有し、しかもポリマー中の硫黄含量/チオール基含量
の比が1.06以上であるチオール基含有ポリエーテルポリ
マーからなり、 (a)+(b)を100重量%として、(a)を5重量%
以上含有するポリマー100重量部に対して、 (B)二酸化鉛硬化剤1〜50重量部と、 (C)下記(i)〜(v)から選ばれた少なくとも1つ
の化合物0.5〜50重量部 (i)炭素−炭素二重結合を有する化合物、 (ii)窒素含有複素環式化合物及び/又は芳香族アミン
類、 (iii)ホスホン酸エステル化合物、 (iv)ホスホン酸水素エステル化合物、 (v)チオエーテル系酸化防止剤、 とを含有することを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の組成物における(A)のポリサルファイドポ
リマーは、下記一般式(1)で示される。
HS(R2SxmR2SH ・・・・・(1) 上記一般式中において、xは1〜5の整数であり、そ
の平均値は2である。mは1〜50の整数である。また、
R2は−CH2CH2−、−C2H4OC2H4−、−C2H4OCH2OC2H4−、
−C4H8OC4H8−等のアルキレン基又はアルキレンエーテ
ル基等の有機残基である。
本発明のポリサルファイドポリマーは、室温で流動性
を有し、分子量が100〜200,000、好ましくは400〜50,00
0である。
このようなポリサルファイドポリマーの好ましい例は
米国特許第2,466,963号に記載されている。
また、本発明においては上述の(a)ポリサルファイ
ドポリマーに(b)チオール基含有ポリエーテルポリマ
ーを混合したものを使用することができる。
本発明における(b)チオール基含有ポリエーテルポ
リマーは、主鎖にポリエーテル部分として−(R1O)
−を含む。ここでR1は炭素数2〜4のアルキレン基、n
は6〜200の整数を示す。このポリエーテル部分の分子
量は400〜10,000が好ましい。分子量が400未満ではポリ
サルファイドポリマーと混合した場合に可塑剤との相溶
性を改良する効果が少なく、また10,000を超えると、ポ
リマーの粘度が高くなるため好ましくない。
また、このチオール基含有ポリエーテルポリマーは主
鎖中にジスルフィド結合を含み、かつ、末端にチオール
基を有し、しかもポリマー中の硫黄含量/チオール基含
量の重量比が1.06以上である。硫黄含量/チオール基含
量の比が1.06未満ではジスルフィド結合の割合が少な
く、ポリサルファイドポリマーとの相溶性が乏しい。
このようなチオール基含有ポリエーテルポリマーの好
ましい例としては、特公昭47−48279号に記載されてい
る公知の方法で合成されるものを挙げることができる。
すなわちポリプロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール等のポリアルキレングリコールにエピクロロヒド
リン、エピブロモヒドリン等のエピハロヒドリンを付加
した後に、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム等の水硫
化アルカリと反応させることにより、下記一般式(2)
で表されるような官能基を有するポリエーテルポリマー
が得られる。
(ただしR3は水素又はメチル基であり、pは6〜200の
整数である。) このようにして得られるポリマーの主鎖には一部ジス
ルフィド結合が含まれており、本発明のチオール基含有
ポリエーテルポリマーとして好適である。
(a)ポリサルファイドポリマーと(b)チオール基
含有ポリエーテルポリマーとを混合する場合、ポリサル
ファイドポリマーの含有量は、(a)+(b)を100重
量%として、5重量%以上である。ポリサルファイドポ
リマーが全体の5重量%未満では、硬化物の耐候性が悪
くなる。好ましいポリサルファイドポリマーの含有量
は、5〜95重量%である。
本発明の組成物において、二酸化鉛硬化剤の配合量
は、ポリサルファイドポリマー(チオール基含有ポリエ
ーテルポリマーを混合する場合には、ポリサルファイド
ポリマーとチオール基含有ポリエーテルポリマーの混合
物)100重量部に対して、1〜50重量部である。
本発明の組成物に添加する特定の化合物(C)として
は、 (i)炭素−炭素二重結合を有する化合物、 (ii)窒素含有複素環式化合物及び/又は芳香族アミン
類、 (iii)ホスホン酸エステル化合物、 (iv)ホスホン酸水素エステル化合物、 (v)チオエーテル系酸化防止剤、 が挙げられる。
ここで、(i)炭素−炭素二重結合を有する化合物と
は、不飽和エステル、不飽和カルボン酸、不飽和アミン
類等であり、好ましくは炭素−炭素二重結合は分子内の
他のエステル、カルボニル、カルボキシル基等の炭素−
酸素二重結合とは共役しない構造の化合物である。この
ような化合物としては、オレイン酸オレイル、オレイン
酸オクチル、12−アセチルリシノール酸メチル、トリオ
レイルホスフェート、オレイン酸モノグリセライド、ジ
オレイルアジペート、オレイン酸、樹脂酸、オレイルア
ルコール等が挙げられる。
(ii)窒素含有複素環式化合物及び/又は芳香族アミ
ン類のうち、窒素含有複素環式化合物は、分子中に含ま
れる窒素原子のうち少なくとも1つが、芳香族環を構成
しており、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2ジヒドロキ
ノリン等が挙げられる。また、芳香族アミン類は、芳香
族環に結合した少なくとも1つのアミノ基を有し、その
アミノ基はアルキル基を1つ以上有するのが好ましい。
このような芳香族アミン類としては、N−フェニル−
N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミンp−アミ
ノ安息香酸、4−アミノ−m−クレゾール、5−アミノ
−o−クレゾール等が挙げられる。
(iii)ホスホン酸エステル化合物としては、例えば
2−エチルヘキシルホスホン酸−ジ−2−エチルヘキシ
ルエステル等が挙げられる。
(iv)ホスホン酸水素エステル化合物としては、例え
ば2−エチルヘキシルホスホン酸−モノ−2−エチルヘ
キシルエステル等が挙げられる。
(v)チオエーテル系酸化防止剤としては、ペンタエ
リトリットテトラ〔β−アルキル(C12〜C18)チオプロ
ピオン酸エステル〕等が挙げられる。
上記化合物(i)〜(v)は、1種だけ添加すればよ
いが、必要に応じ2種以上を混合して添加することもで
きる。
本発明の組成物において上記化合物(i)〜(v)の
1種又は2種以上の配合量は、(A)のポリマー(ポリ
サルファイドポリマー単独、又はそれとポリエーテルポ
リマーとの合計)100重量部に対して、0.5〜50重量部、
好ましくは1〜30重量部である。化合物の配合量が0.5
重量部未満では、80℃以上の加熱暴露時の弾性低下を抑
え、耐久性を向上させる効果が乏しく、一方50重量部を
超えると、配合コストが高価となる。
本発明の硬化型組成物には、さらに経済性、組成物を
施工する際の作業性及び硬化後の物性を改良する目的
で、炭酸カルシウム、タルク、クレー、酸化チタン、シ
リカ等の充填材を添加することができる。また、本発明
の硬化型組成物は、ジオクチルフタレート(DOP)、ジ
ヘプチルフタレート(DHP)等のエステルを添加するこ
とが可能である。塩素化パラフィン、水添ターフェニル
等の可塑剤も添加することができる。
〔実施例〕
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。
合成例1 プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加
して得られる二官能性ポリプロピレングリコール(OH価
162)1000gと、294.4gのエピクロロヒドリンと、2.0gの
塩化第二錫五水塩とを2の反応容器に仕込み、110℃
で3時間撹拌した。さらに、254.6gの水硫化ソーダ(純
度70%)を加え、100℃に昇温し、1.5時間撹拌した。そ
の後、塩を除去して淡黄色透明な液状ポリマーを得た。
得られたポリマーとポリサルファイドポリマー(東レチ
オコール(株)製 商品名“チオコールLP55")を重量
比1/1で混合したところ、チオール基含量3.5%、粘度60
ポイズ(25℃)の褐色透明なポリマーを得た。
実施例1〜15及び比較例1 合成例1で得たポリマーに、可塑剤、充填剤を第1表
の割合で配合して主剤Aを得た。また過酸化鉛と可塑
剤、加硫化剤、充填剤とを第2表に示す割合で配合して
硬化剤Aを得た。この主剤Aおよび硬化剤Aと、第3表
に示した種々の化合物(C)とを混合して、被着体にア
ルミニウム板を用い、JIS A−5758に従って引張り接着
性の試験を行なった。養生条件は50℃、7日とし、さら
に90℃で14日間加熱したものについても、同様の試験を
行った。
一方、比較例1として、主剤Aと、硬化剤Aのみを用
い、化合物(C)を添加しない配合物について、同様の
試験を行った。これらの結果を第4表に示す。
実施例16〜19及び比較例2 ポリサルファイドポリマー(東レチオコール(株)製
商品名“チオコールLP58")に可塑剤、充填剤を第5
表の割合で配合して主剤Bを得た。また、過酸化鉛と、
可塑剤とを第6表に示す割合で配合して硬化剤Bを得
た。この主剤Bと硬化剤Bに、第7表に示した種々化合
物(C)を混合したものについて、実施例1と同様の試
験を行った。また比較例2として、主剤Bと硬化剤Bの
みを用い、化合物(C)を添加しない配合物について、
同様の試験を行った。これらの結果を第8表に示す。
〔発明の効果〕 以上詳述した通り、本発明の硬化型組成物は、80℃以
上の高温暴露時にも弾性の減少が小さく、また耐久性が
飛躍的に向上した硬化物を与える。このような硬化型組
成物は、シーリング材等に使用するのに極めて適してい
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/16 C08K 5/16 5/41 5/41 5/5333 5/5333 (56)参考文献 特開 昭48−18346(JP,A) 特開 昭47−34448(JP,A) 特開 昭59−168032(JP,A) 特開 昭58−187452(JP,A) 特開 昭58−29855(JP,A) 特開 昭57−128722(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリサルファイドポリマー100重量
    部に対して、 (B)二酸化鉛硬化剤1〜50重量部と、 (C)下記(i)〜(v)から選ばれた少なくとも1つ
    の化合物0.5〜50重量部 (i)炭素−炭素二重結合を有する化合物、 (ii)窒素含有複素環式化合物及び/又は芳香族アミン
    類、 (iii)ホスホン酸エステル化合物、 (iv)ホスホン酸水素エステル化合物、 (v)チオエーテル系酸化防止剤、 とを含有することを特徴とする硬化型組成物。
  2. 【請求項2】(A)(a)ポリサルファイドポリマー、
    および(b)主鎖中に−(R1O)−(但し、R1は炭素
    数2〜4のアルキレン基、nは6〜200の整数を示
    す。)、およびジスルフィド結合を含み、かつ末端にチ
    オール基を有し、しかもポリマー中の硫黄含量/チオー
    ル基含量の比が1.06以上であるチオール基含有ポリエー
    テルポリマーからなり、 (a)+(b)を100重量%として、(a)を5重量%
    以上含有するポリマー100重量部に対して、 (B)二酸化鉛硬化剤1〜50重量部と、 (C)下記(i)〜(v)から選ばれた少なくとも1つ
    の化合物0.5〜50重量部 (i)炭素−炭素二重結合を有する化合物、 (ii)窒素含有複素環式化合物及び/又は芳香族アミン
    類、 (iii)ホスホン酸エステル化合物、 (iv)ホスホン酸水素エステル化合物、 (v)チオエーテル系酸化防止剤、 とを含有することを特徴とする硬化型組成物。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の硬化型組成物にお
    いて、前記化合物(C)の(i)炭素−炭素二重結合を
    有する化合物が、不飽和カルボン酸、不飽和エステル、
    不飽和アミン類から選ばれた1種又は2種以上であるこ
    とを特徴とする硬化型組成物。
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