JP2538283Y2 - 食器洗浄機のケーシング下降装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、食器洗浄機におけるケーシングの上方に
臨ませた作動部材を、最下降位置まで下降させることに
より該ケーシングを閉成する下降装置において、例えば
食器洗浄機の据付位置を移動したことによりケーシング
の閉成位置と、前記作動部材の最下降位置との間にずれ
を生じた場合に、作動部材の最下降位置の再調節を行な
うことなく、ケーシングを確実に閉成し得る下降装置に
関するものである。

従来技術 飲食に供された多量の皿、茶碗、コップ等の食器群を
自動的に洗浄する食器洗浄機が、主として喫茶店やレス
トラン等の厨房に設置され、業務上好適に使用されてい
る。この食器洗浄機は、例えば洗浄液体の噴射反力によ
り水平回転するノズルを上下に備えた洗浄槽と、この洗
浄槽を上方から昇降自在に被蓋して内部に洗浄室を画成
する箱状ケーシングと、洗浄液体を前記ノズルに圧力供
給するポンプとから基本的に構成され、前記洗浄室に食
器収容ラックを収納した後、洗浄運転がなされる。

ところで、従来の食器洗浄機では、洗浄すべき食器を
収容したラックを機内に搬入する作業および洗浄後のラ
ックを機外に搬出する作業には、何れも人手を要してい
る。通常の喫茶店やレストラン等の規模では、食器洗浄
量もさほど多くないのでこれでも差支えないが、大宴会
場を有するホテルや大規模のドライブイン等における厨
房では、これが無視し得ない問題となっている。

すなわち、前述の大規模飲食設備において、一度に大
量の要洗浄食器が生じた場合に、１人の作業者でラック
の搬入・排出に対処するのは、作業量・作業時間の点で
過重労働を強いることとなり、また洗浄機の稼動率も低
下する欠点がある。従ってこのような場合、ラックの搬
入作業と搬出作業とを２人の作業者で一般に分担し合う
が、このときは人件費が嵩む欠点が指摘される。

そこで、本件出願人は食器の効率的な洗浄を行なうと
共に、省力化を達成し得る食器洗浄装置につき鋭意開発
を行ない、その基本構成に関して、特願平1-178777号に
係る発明「食器洗浄装置」として特許出願を行なった。
この食器洗浄装置は、食器洗浄機、リフター装置および
ワゴンが直列に配設され、食器洗浄機へ搬入されたラッ
クに収容した食器の洗浄→洗浄機からのラック搬出→ワ
ゴンへのラック段積みを全自動で行なうことができる。

考案が解決しようとする課題 前記食器洗浄装置に組込まれる食器洗浄機は、そのケ
ーシングの昇降（開放および閉成）を自動的に行なう構
成となっている。しかし、汎用の食器洗浄機は、ケーシ
ングの上昇（開放）のみを自動的に行ない、該ケーシン
グの下降（閉成）は作業者による手作業により行なうよ
う構成されている。従って、前述した食器洗浄装置を導
入する場合は、従来から使用している食器洗浄機に改良
を加えるか、ケーシングの昇降機構を備えた食器洗浄機
を新たに購入する必要があった。

そこで、前記汎用の食器洗浄機を食器洗浄装置に組込
むために、第１図および第２図を参照して後述する如
く、例えば食器洗浄機に隣接配置されるリフター装置に
下降装置を配設することが提案される。この下降装置
は、ケーシングの上方に臨ませた作動部材を備え、この
作動部材を駆動手段を介して下降させることにより、ケ
ーシングを閉成位置まで強制的に下降させ得る。

ここで前記食器洗浄機は、ケーシングが所定位置（閉
成位置）まで下降した時点で、該ケーシングを内蔵のラ
ッチ等の固定手段により閉成状態で保持するよう構成さ
れている。このため、前記下降装置における作動部材の
最下降装置を調節して、ケーシングを所定の閉成位置ま
で確実に下降させる必要がある。しかるに、作動部材の
最下降位置を調節した後に、食器洗浄装置の据付位置を
変えた場合は、下降装置を配設したリフター装置と食器
洗浄機とが別体として構成されているので、予め設定し
た作動部材の最下降位置とケーシングの閉成位置とにず
れを生ずることがある。

この場合において、作動部材の最下降位置がケーシン
グの閉成位置よりも上方にずれた場合は、ケーシングの
完全閉成がなされず、食器洗浄運転を中断させてしまう
重大な不都合を招くに至る。また、逆に作動部材の最下
降位置がケーシングの閉成位置より下方にずれた場合
は、作動部材や駆動手段に過負荷が加わって、各種部材
に損傷を来すことが予想される。従って、食器洗浄装置
の据付位置を変えた場合は、その都度前記作動部材の最
下降位置を微調節する必要があり、これが煩雑な作業と
なる。また、作動部材を金属材料で構成した場合は、ケ
ーシングの作動部材との当接部が傷付いたり、当接時に
衝撃音が発生する等のおそれもある。

考案の目的 この考案は、前述したケーシングの下降装置に内在し
ている前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案
されたものであって、ケーシングの閉成位置と下降装置
の最下降位置との間にずれが生じても、煩雑な調節作業
を行なうことなくケーシングを確実に閉成位置まで下降
させ得る手段を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 前述した課題を克服し、所期の目的を好適に達成する
ため本考案は、食器洗浄中は下降して洗浄槽を閉成する
と共に、洗浄完了指令により自動的に上昇して該洗浄槽
を開放するケーシングを備え、適宜の駆動手段により下
降付勢される作動部材を前記ケーシングの頂面に当接さ
せることにより、該ケーシングを強制的に下降させて洗
浄槽を閉成するようにした食器洗浄機において、 前記作動部材におけるケーシングとの当接部に、取付
部を形成した弾性を有する材料からなる緩衝部材を、そ
の取付部を介して配設し、 この緩衝部材には、中空形成されて前記取付部から下
方に突出し、前記ケーシングにおける頂面との当接時に
撓曲変形する緩衝部を設けたことを特徴とする。

実施例 次に、本考案に係る食器洗浄機のケーシング下降装置
につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しなが
ら説明する。第１図は、実施例に係るケーシング下降装
置を示す概略斜視図、第２図は、下降装置の要部断面
図、第３図は、下降装置が配設されたリフター装置を、
後述するラック搬入装置、食器洗浄機およびワゴンと組
合わせた食器洗浄装置の全体構成を概略的に示す正面図
である。なお、本考案に係る下降装置の理解を容易にす
るため、食器洗浄装置の各ユニットにつき個別に説明す
る。

（ラック搬入装置について） 第３図に示すように、後述する食器洗浄機10の一側に
は、その洗浄槽12中の定位置までラック14の搬入を行な
うラック搬入装置16が配置されている。このラック搬入
装置16は、被洗浄食器15を収容したラック14を載置可能
なテーブル状の水平基台18から基本的に構成される。ま
た前記基台18は、その上面レベルを洗浄槽12のラック受
入れレベルと一致させて、該基台18に載置したラック14
を下流側に位置する食器洗浄機10に円滑に搬入し得るよ
う設定されている。

前記基台18には、適宜の駆動機構（図示せず）が配設
され、この駆動機構に基台18の僅か上方に配設したプッ
シャー20が取付けられ、このプッシャー20は駆動機構の
往復駆動に伴い、基台18の僅か上方を水平に進退移動す
る。すなわち基台18に載置したラック14は、プッシャー
20の前進移動により食器洗浄機10の洗浄槽12に送り込ま
れる。

（食器洗浄機について） 第３図に示す食器洗浄機10は、上方に全面開放する矩
形状の洗浄槽12と、該洗浄槽12を上方から被蓋可能で昇
降自在な箱状ケーシング22とを基本的に備え、該ケーシ
ング22は洗浄槽12を被蓋した状態で、内部に洗浄室が画
成されるようになっている。この食器洗浄機10の構造自
体は、業務用洗浄機として一般的なものであって、上下
の関係で水平に対向し合う回転ノズル、洗浄液やすすぎ
水を圧力噴射するポンプその他貯湯タンク等の諸部材
（何れも図示せず）が配設されている。なお、洗浄槽12
には、使用に供されて洗浄を要する食器15を収容したラ
ック14が、下部ノズルの真上の定位置に載置可能になっ
ている。

前記ケーシング22は、食器洗浄機10に内蔵の上昇機構
（図示せず）により、食器洗浄が完了した際に自動的に
上昇して洗浄槽12を開放するよう構成されている。この
上昇機構は汎用の食器洗浄機10において公知のものであ
って、例えばケーシング22を弾性部材により常に上方に
引上げるよう構成すると共に、ケーシング22を弾性部材
の弾力に抗して下降（閉成）させた際に、ラッチ等によ
り固定して洗浄槽12を被蓋するようになっている。従っ
て、洗浄槽12を開放する場合は、前記ラッチを解放する
ことにより、ケーシング22は弾性部材の弾力付勢下に自
動的に上昇する。

なお、食器洗浄機10のラック搬入側（ラック搬入装置
16が配設される側）に、ラック搬入装置16の基台18上面
から所定高さだけ上方に臨む規制板72を配設し、リフタ
ー装置26による搬入・搬出またはワゴン24に段積みする
のに支障を来たすような、所定寸法以上の食器15を収容
したラック14の搬入を阻止するようにしてある。

（リフター装置について） 第３図に示す如く、前記食器洗浄機10の一側部（前記
ラック搬入装置16の配設側と反対側）には、洗浄の完了
した前記ラック14を食器洗浄機10から搬出すると共に、
該ラック14を後述するワゴン24に段積みするリフター装
置26が設置されている。このリフター装置26は、支持骨
格をなす枠体28の内部に、該枠体28に沿って水平に昇降
可能な搬送体30が配設されている。また前記枠体28に
は、ラック14の搬入および搬出に支障を来すことのない
位置に、前記搬送体30の昇降機構32が配設され、搬送体
30は該昇降機構32を介して枠体28に沿って昇降移動する
よう構成されている。

なお、搬送体30は、適宜の検知手段（図示せず）を介
して、所要レベル（搬送体30に載置されたラック14をワ
ゴン24の棚段部材34へ搬入させ得る位置）で位置決め停
止されるよう構成されている。また、搬送体30には昇降
架台36が配設され、この昇降架台36に、食器洗浄機10か
らラック14を引き出してリフター装置26に移載すると共
に、当該リフター装置26のラック14を前記ワゴン24に搬
出する積込み装置38が設けられている。

（ケーシングの下降装置について） 前記リフター装置26の背面側には、第１図および第２
図に示す如く、ケーシング12の下降装置40が配設されて
いる。すなわち、リフター装置26の背面板42に上下方向
に延在する一対のガイドレール44,44が所定間隔離間し
て平行に配設される。このガイドレール44,44には、支
持体46が複数のローラ48を介して摺動自在に配設される
と共に、該支持体46に後述する作動部材50の保持部材52
が配設されている。この保持部材52は、適宜位置に穿設
した長孔52a,52aに挿通したねじ54,54を介して支持体46
に固定されており、該ねじ54,54を緩めることにより、
当該保持部材52を上下方向に位置調節することができ
る。

前記保持部材52のガイドレール44に沿う一側縁部に
は、第２図に示す如く、断面形状の取付部52bが形成
され、この取付部52bに作動部材50の垂直部50aが配設固
定されている。第１図に示す如く、パイプ材からなる作
動部材50は、保持部材52に取付けられて上方に所定長さ
だけ垂直に延在する垂直部50aと、該垂直部50aの上端か
ら食器洗浄機10方向に直角に折曲された水平部50bと、
該水平部50bの先端から前記ケーシング22の上方に延在
するよう折曲された作動部50cとから構成されている。
作動部50cには、弾性を有する材料からなる緩衝部材56
が着脱自在に配設され、この緩衝部材56の下端をケーシ
ング22の頂面に当接した状態で、該ケーシング22の強制
下降がなされる。この緩衝部材56としては、ゴムが好適
に使用されるが、軟質の合成樹脂等も使用可能である。

緩衝部材56は、第１図および第４図（ａ）に示す如
く、正面小判形状を呈し、上部には長手方向に沿って取
付穴56aが穿設され、この取付穴56aに前記作動部材50の
作動部50cが嵌挿される。前記取付穴56aの下方には、空
洞56bを穿設した緩衝部56cが形成されており、該緩衝部
56cは、後述する如くケーシング22の強制下降時に変形
して、該ケーシング22の閉成位置と予め設定した作動部
材50の最下降位置とのずれを補うべく機能する。また緩
衝部材56は、ケーシング22との当接面を傷めるのを防止
すると共に、ケーシング22が上昇したときに生ずる衝撃
を軽減する機能も兼ねる。

第１図に示す如く、リフター装置26の内部上方にモー
タ58が配置され、このモータ58における前記背面板42か
ら外方に突出する出力軸58a先端にスプロケット60が固
定され、また背面板42の下方にスプロケット62が回転自
在に枢支されている。そして、両スプロケット60,62の
間に無端チェン64が巻掛けられ、このチェン64の適宜位
置に、前記支持体46が固定されている（第２図参照）。
従って、前記モータ58の正逆方向の回転駆動に伴うチェ
ン64の走行により、前記支持体46はガイドレール44,44
に沿って昇降して、その下降時にケーシング12の強制下
降を行なう。

第１図に示す如く、無端チェン64の配設側と離間する
側のガイドレール44に近接して、一対の検知手段66,68
が上下方向に所定間隔離間して配設され、この検知手段
66,68は前記支持体46に配設した検知片70を検知可能に
設定されている。すなわち、第５図（ａ）に示す如く、
前記モータ58を正転駆動して支持体46を下降させ、作動
部材50がケーシング22を閉成位置まで下降させた最下降
位置に達した際に、下方に配設した検知手段68が支持体
46の下降を検知し、モータ58の回転方向を逆転させる。
また、上方に配設した検知手段66は、モータ58の逆転に
より支持体46が所定の待機位置（作動部材50の最上昇位
置）まで上昇したときに、これを検知してモータ58を停
止させるべく機能する。この検知手段66,68としては、
近接センサが好適に使用されるが、その他の検出方式の
センサであっても採用可能である。

前記検知手段66,68は、第１図に示す如く、上下方向
に位置調節可能に構成されており、両検知手段66,68の
位置を可変することにより、前記作動部材50の最上昇位
置と最下降位置とを調節し得るようになっている。

（ワゴンについて） 前記リフター装置26の食器洗浄機10を挟む反対側に、
第３図に示す如く、複数のキャスター84を介して移動自
在に構成したワゴン24が着脱自在にセットされる。この
ワゴン24には、ラック14の搬入方向と平行なＬ字形状の
棚段部材34,34（一方のみ図示する）が、ラック14を載
置し得る寸法だけ離間して対向的に配設され、この対を
なす棚段部材34,34は、上下方向に所定間隔離間して複
数組（実施例では４組）配設されている。

実施例の作用 次に、実施例に係るケーシング下降装置の作用につ
き、食器洗浄装置全体の動作との関係において以下説明
する。先ず、使用に供されて汚れた食器15を収容したラ
ック14を、第３図に示す如く、ラック搬入装置16の基台
18上に載置する。このとき、食器洗浄機10におけるケー
シング22は定位置まで上昇して停止し、洗浄槽12を開放
してラック搬入を待機している。また、リフター装置26
に配設したケーシング22の下降装置40における支持体46
は、第４図（ａ）に示す如く、所定の待機位置に停止し
て、前記作動部材50に配設した緩衝部材56をケーシング
22の頂面に当接している。このとき、緩衝部材56の緩衝
部56cは、第４図（ｂ）に示す如く、その形状を変形し
ていない状態でケーシング22に当接している。

なお、前記作動部材50の最上昇位置と最下降位置と
は、前記検知手段66,68の位置調節により、予めケーシ
ング22の昇降ストロークに対応するよう調節されてい
る。

この状態で、食器洗浄装置の始動ボタン（図示せず）
を押すと、搬入装置16の駆動機構が正転方向に駆動さ
れ、前記プッシャー20によりラック14は食器洗浄機10の
洗浄槽12上に搬入される。ラック14が洗浄槽12の所定位
置まで搬入されると、リフター装置26に設けた下降装置
40のモータ58が正逆方向に始動して、前記無端チェン64
を介して支持体46がガイドレール44,44に沿って下降す
る。これにより、第５図（ａ）に示す如く、前記作動部
材50に配設した緩衝部材56がケーシング22の頂面に当接
した状態で、該ケーシング22は閉成位置まで強制的に下
降され、洗浄槽12の上方に位置するラック14を囲繞す
る。

なお、支持体46が所定位置（作動部材50が最下降位置
に達したとき、すなわちケーシング22が洗浄槽12を被蓋
した位置）まで下降すると、前記検知手段68がこれを検
出し、モータ58を逆転させる。そして支持体46が原待機
位置（作動部材50が最上昇位置に達したとき）まで上昇
すると、上方に配設した検知手段66がこれを検出し、モ
ータ58を停止させる。

前記ケーシング22の被蓋を、適宜の検知手段が検知す
ると、食器洗浄機10での洗浄が開始され、所定時間後に
食器15の洗浄・すすぎが完了すると、ケーシング22が洗
浄機10に設けた上昇機構により所期の待機位置まで上昇
して停止する。なお、前記作動部材50の最上昇位置を、
該作動部材50に配設した緩衝部材56が、ケーシング22の
上昇待機位置より僅か下方に臨むようにしておけば、ケ
ーシング22が内蔵の昇降機構により勢いよく上昇した
際、該ケーシング22の頂面が緩衝部材56に当接する。こ
のとき、緩衝部材56の緩衝材56cが変形して、ケーシン
グ22の支持機構や昇降機構（図示せず）に加わる衝撃を
軽減することができる。また、衝撃音等が発生するのも
未然に防止し得る。

そして、次のラック14を搬入装置16により食器洗浄機
10に送り込むと、洗浄済みのラック14が後続のラック14
により押し出される。搬入装置16の動作に連動してリフ
ター装置26のラック積込み装置38が始動し、洗浄槽12か
ら押し出されたラック14をリフター装置26に移載する。
積込み装置38が停止すると、リフター装置26に配設した
昇降機構32が駆動されて、前記搬送体30を昇降移動さ
せ、前記ワゴン24における所要レベルの棚段部材34,34
の前面で位置決め停止する。次いで前記積込み装置38が
再始動され、ラック14は昇降架台36からワゴン24の棚段
部材34,34に積込まれる。そして、搬送体30が所期の待
機位置に戻って停止することにより、１サイクルが終了
する。

ここで、食器洗浄装置の据付位置を変えたり、メンテ
ナンス等により各ユニットを分離した後、再び組合わせ
た場合、下降装置40における作動部材50の最下降位置
と、食器洗浄機10におけるケーシング22の閉鎖位置とが
ずれてしまう。しかるに実施例では、作動部材50におけ
る作動部50cに、所定範囲内で寸法が変動する緩衝部材5
6を配設してあるので、作動部材50の最下降位置とケー
シング22の閉成位置とのずれは、第５図（ｂ）に示す如
く、ケーシング22を閉成した際の緩衝部56の変形の度合
により補うことができる。

すなわち、予め設定した作動部材50の最下降位置に対
して、ケーシング22の閉成位置が下方にずれた場合は、
緩衝部56cの変形が小さな状態で、該ケーシング22は閉
成位置まで下降する。また、逆に作動部材50の最下降位
置に対して、ケーシング22の閉成位置が上方にずれた場
合は、緩衝部56cが大きく変形した状態で、該ケーシン
グ22は閉成位置まで下降する。従って、食器洗浄装置の
移動の都度、前記検知手段68の位置調節を行なう必要が
ない。また、緩衝部材56が変形することにより、作動部
材50やモータ58等に過負荷が加るのを防止し得る。

考案の効果 以上に述べた如く、本考案に係る食器洗浄機のケーシ
ング下降装置によれば、作動部材におけるケーシングと
の当接部に、弾性を有すると共に寸法が変動可能な緩衝
部材を配設し、該緩衝部材の変形の度合により、ケーシ
ングの閉成位置と作動部材の最下降位置との間に発生し
たずれを補うよう構成してある。従って、ケーシングの
閉成位置と作動部材の最下降位置との間に位置ずれが発
生しても、作動部材の最下降位置を再調節する必要がな
くなる。また、ケーシングが傷付いたり、作動部材や駆
動手段に過負荷が加わるのを防止し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、実施例に係るケーシング下降装置の要部を示
す概略斜視図、第２図は、第１図に示す下降装置の横断
面図、第３図は、下降装置を備えたリフター装置を組込
んだ食器洗浄装置の全体を示す概略正面図、第４図
（ａ）は、下降装置により食器洗浄機のケーシングを下
降させる前の状態を示すリフター装置と食器洗浄機の背
面図、第４図（ｂ）は、第４図（ａ）に示す状態での緩
衝部材を示す説明図、第５図（ａ）は、下降装置により
食器洗浄機のケーシングを閉成位置まで下降させた状態
を示すリフター装置と食器洗浄機の背面図、第５図
（ｂ）は、第５図（ａ）に示す状態での緩衝部材を示す
説明図である。 12……洗浄槽、14……ラック 22……箱状ケーシング、50……作動部材 56……緩衝部材、56c……緩衝部 58……モータ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】食器洗浄中は下降して洗浄槽（12）を閉成
   すると共に、洗浄完了指令により自動的に上昇して該洗
   浄槽（12）を開放するケーシング（22）を備え、適宜の
   駆動手段（58）により下降付勢される作動部材（50）を
   前記ケーシング（22）の頂面に当接させることにより、
   該ケーシング（22）を強制的に下降させて洗浄槽（12）
   を閉成するようにした食器洗浄機（10）において、 前記作動部材（50）におけるケーシング（22）との当接
   部に、取付部（56a）を形成した弾性を有する材料から
   なる緩衝部材（56）を、その取付部（56a）を介して配
   設し、 この緩衝部材（56）には、中空形成されて前記取付部
   （56a）から下方に突出し、前記ケーシング（22）にお
   ける頂面との当接時に撓曲変形する緩衝部（56c）を設
   けた ことを特徴とする食器洗浄機のケーシング下降装置。