JP2538247Y2 - ディスクカートリッジのシャッタの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、光ディスク又は磁気ディスク等の記録媒体
を収納するディスクカートリッジのシャッタの取付構造
に関する。

〔従来の技術〕

一般に、光ディスク又は磁気ディスク等の記録媒体は
プラスチック製のディスクカートリッジ内に収納されて
いる。このディスクカートリッジ内には記録再生装置側
に設けられた読取り書込みヘッドを挿入するための読取
り書込みヘッド挿入孔が形成され、この挿入孔は第11図
及び第12図で示されるようなディスクカートリッジ上に
設けられたシャッタ１によって開閉自在とされている。

このシャッタ１はスライダ２に固定され、このスライ
ダ２は前記ディスクカートリッジの記録再生装置側先端
に形成されるガイド部３に沿って摺動するようになって
いる。

このスライダ２へのシャッタ１の固定は、シャッタ１
の頂板をスライダ２の頂部にあてがい、捩子４で止める
ことによってなされている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、従来のシャッタ１のスライダ２への取付
は、シャッタ１の頂板５に形成された凸部６をスライダ
２の凹部７と係合させ、しかる後凸部６及び凹部７に夫
々予め設けられた開孔８と捩子孔９とを整合させてそこ
に固定捩子４を捩じ込むようにしているので、シャッタ
１とスライダ２との間にズレを生じたまま捩子４の締め
付けがなされてしまう場合がある。

このような捩子シャッタ１とスライダ２との間にズレ
等が発生すると、スライダ２が動き難くなり、シャッタ
１がスムーズにディスクカートリッジ上を摺動しなくな
る。

本考案は、係る点に鑑み、ディスクカートリッジのシ
ャッタをスライダに固定する際に両者間に位置ズレを生
じさせないようにすることができるシャッタの取付構造
を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、ディスクカートリッジ10の記録再生装置側
先端に形成されるガイド部28にスライダ16が係止され、
前記ディスクカートリッジ10に形成された読取り書込み
ヘッド挿入孔14を開閉するためのシャッタ15が前記スラ
イダ16にあてがわれ、前記シャッタ15の頂板25が前記ス
ライダ16の頂部30に捩子34で固定されたディスクカート
リッジ10のシャッタ15の取付構造において、前記スライ
ダ16の頂部30の前記捩子34で固定される箇所以外の箇所
に低所が形成されると共に該低所上に突起22が設けら
れ、前記シャッタ15の頂板25には前記低所内に入り込む
陥没部37が形成されると共に該陥没部37に前記突起22を
挿入する穴36が設けられているディスクカートリッジの
シャッタの取付構造を採用している。

〔作用〕

シャッタとスライダとの結合に際し、まず突起が穴に
挿入されることから、シャッタとスライダとの間の位置
合わせが正確になされる。

この後、捩子孔に固定捩子が捩じ込まれてシャッタと
スライダとが連結される。この捩子締めの際両者間にズ
レを生ずることがない。

従って、スライダ及びシャッタは取付後においても円
滑に動作し、シャッタの開閉動作が正確になる。

〔実施例〕

第８図ないし第10図で示されるように、プラスチック
製のディスクカートリッジ10は上半片11とこの上半片11
に重ね合される下半片12からなっている。

このディスクカートリッジ10の中央部には記録再生装
置側に設けられる吸着部材が挿入される円形孔13とこの
円形孔13に隣接して読取り書込みヘッドが挿入されるヘ
ッド挿入孔14が形成されている。

これら円形孔13及びヘッド挿入孔14の開閉は、ディス
クカートリッジ10上に設けられたシャッタ15によって行
なわれるようになっている。

また、このシャッタ15はスライダ16を介してディスク
カートリッジ10に移動可能に跨架されており、ディスク
カートリッジ10とスライダ16との間に介装されるスプリ
ング17によって閉じ方向に常時付勢されている。

なお、シャッタ15の下端は押板18によってガイドさ
れ、この押板18の下方には二重書込み防止装置19,19が
設けられている。

前記スライダ16は、第１図ないし第４図に示されるよ
うに、細長いブロック体であり、その頂部には長手方向
に適宜間隔を配して２つの凹部20,20が設けられてい
る。各凹部20の中央には捩子孔21が形成されている。

前記２つの凹部20,20の間、すなわち捩子止め箇所以
外の箇所には、２つの突起22,22がスライダ長手方向に
突設されている。突起22の高さは、シャッタ15の材料の
肉厚に略等しく、スライダ16の頂面よりも低くなってい
る。

該スライダ16の後端には、読取り書込み装置側に設け
られる開閉ピン23を受けるためのピン受け穴24が形成さ
れている。該ピン受穴24はシャッタ15の頂板25に穿設さ
れた開孔26に対向している。

また、該スライダ16の左右にはガイド溝27,27が形成
され、このガイド溝27は、第８図に示されるように、デ
ィスクカートリッジ10の先端部分に形成されるガイド部
28のガイドレール29,29と係合するようになっている。

一方、前記スライダ16に結合されるべきシャッタ15
は、第１図，第５図及び第６図に示されるように、スラ
イダ16の頂部30と接し得る細長い頂板25を有している。
この頂板25の両側からは前記ヘッド挿入孔14及び円形孔
13を開閉するための開閉板部31,31が頂板に垂直に伸び
ており、この開閉板部31,31の下端に前記押板18により
ガイドされるガイド板部32が設けられている。

前記頂板25には前記スライダ16の凹部20,20に対向し
てこれらと係合する凸部33,33がスライダ側に突出する
ように設けられている。そして、この凸部33の中央には
固定捩子34を挿通するための開孔35が形成されている。
固定捩子34はこの場合タッピングスクリューである。

また、前記２つの凸部33,33の間、すなわち捩子止め
箇所以外の箇所には、前記スライダ16の突起22,22が挿
入される穴36a,36bが各突起22,22に対応して穿設されて
いる。

なお、一方の穴36aは真円であるが、他方の穴36bは長
穴となっている。これにより、突起22,22間の寸法のば
らつきを吸収することができる。

また、穴36a,36bは頂板25に形成された平らな陥没部3
7内に設けられている。このため、第７図に示されるよ
うに、突起22の高さをスライダ19の最上面よりも低く設
定することができることとなる。

次に、前記シャッタ15及びスライダ16をディスクカー
トリッジ10に装着する操作について説明する。

まず、上下両半片11,12を組み合わせる際に、ガイド
部28のガイドレール29,29にスライダ16の左右のガイド
溝27,27を係合せしめる。また、スプリング17を上下両
半片11,12とスライダ16との間に介装する。

これにより、スライダ16はガイドレール29,29に沿っ
て摺動可能となると共にシャッタ15の閉じ方向に常時付
勢されることとなる。

次に、第７図のように、シャッタ15をスライダ16に被
せ、スライダ16の突起22,22がシャッタ15の穴36,36に侵
入するようにしてシャッタ15の頂板25をスライダ16の頂
部30にあてがう。

これにより、スライダ16とシャッタ15との位置決めが
なされ、凸部33が凹部20内に入り込み、凹部20の捩子孔
21と凸部33の穴35とが正確に合致する。

次に、この状態で固定捩子34を捩子孔21内に捩じ込
む。固定捩子34の締め付け時にはシャッタ15等に力が加
わるが、前記のように突起22と穴36とが係合しているの
で、スライダ16とシャッタ15との位置関係がずれること
はない。

従って、スライダ16の動きはシャッタ取付後において
円滑である。

なお、前記実施例において、突起22をシャッタ15側
に、穴36をスライダ16側に設けることもできる。また、
突起22の横断面形状及び穴36の形状は円形のみならず、
矩形、楕円形等種々の形状に設定することができる。個
数も突起22と穴36を対として、１対又は３対以上の複数
対設けることもできる。

〔考案の効果〕

本考案は、以上のように構成したので、シャッタのス
ライドへの取り付けに際し、突起と穴の係合により捩子
止め前に両者間の位置決めを行うことができる。従っ
て、捩子止めに際し、シャッタに力が加わってもシャッ
タがスライダに対してズレを生ずることがなく、組立後
のスライダ及びシャッタの動きを円滑化し、シャッタの
開閉動作を確実ならしめることができる。また、スライ
ダの頂部に低所を形成しその上に突起を設け、シャッタ
の頂板には低所内に入り込む陥没部を形成すると共に該
陥没部に突起を挿入する穴を設けているので、突起の高
さをスライダまたはシャッタの最上面よりも低くするこ
とができ、したがって突起がシャッタ開閉時に駆動装置
内部で何かに引っ掛かったり接触したりするのを防止し
シャッタの開閉が確実になされるようにすることがで
き、またディスクカートリッジの搬送時等に突起が容器
壁等に接触したりするのを防止しディスクカートリッジ
に衝撃が加わるのを防止することができるという効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第10図は本考案の一実施例を示し、第１図
はシャッタ及びスライダの斜視図、第２図はスライダの
側面図、第３図はスライダの平面図、第４図は第３図中
IV−IV線断面図、第５図はシャッタの頂板側より見た平
面図、第６図は第５図中VI−VI線断面図、第７図はスラ
イダにシャッタが被せられた状態の第４図と同様な断面
図、第８図はシャッタ、スライダ及びディスクカートリ
ッジの三者の結合関係を示す断面図、第９図はシャッタ
が閉じた状態のディスクカートリッジの斜視図、第10図
はシャッタが開いた状態のディスクカートリッジの斜視
図、第11図及び第12図は従来例を示し、第11図は第１図
に対応して示す斜視図、第12図は第８図対応して示す断
面図である。 10…ディスクカートリッジ、11…上半片、12…下半片、
13…円形孔、14…ヘッド挿入孔、15…シャッタ、16…ス
ライダ、17…スプリング、20…凹部、21…捩子孔、22…
突起、25…頂板、27…ガイド溝、28…ガイド部、29…ガ
イドレール、30…頂部、31…開閉板部、33…凸部、34…
固定捩子、35…開孔、36a,36b…穴。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスクカートリッジの記録再生装置側先
   端に形成されるガイド部にスライダが係止され、前記デ
   ィスクカートリッジに形成された読取り書込みヘッド挿
   入孔を開閉するためのシャッタが前記スライダにあてが
   われ、前記シャッタの頂板が前記スライダの頂部に捩子
   で固定されたディスクカートリッジのシャッタの取付構
   造において、前記スライダの頂部の前記捩子で固定され
   る箇所以外の箇所に低所が形成されると共に該低所上に
   突起が設けられ、前記シャッタの頂板には前記低所内に
   入り込む陥没部が形成されると共に該陥没部に前記突起
   を挿入する穴が設けられていることを特徴とするディス
   クカートリッジのシャッタの取付構造。