JPH0739101Y2 - ディスクカートリッジのシャッタとスライダの固定構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、光ディスク又は磁気ディスク等の記録媒体を
収納するためのディスクカートリッジにおける読取り書
込みヘッド挿入孔を開閉するためのシャッタと、カート
リッジの先端部分においてシャッタをガイドするための
スライダとを固定するための固定構造に関する。

〔従来の技術〕

一般に、光ディスク又は磁気ディスク等の記録媒体はプ
ラスチック製のディスクカートリッジ内に収納されてい
る。このディスクカートリッジ内には記録再生装置側に
設けられた読取り書込みヘッドを挿入するための読取り
書込みヘッド挿入孔が形成され、この挿入孔はカートリ
ッジ上に設けられたシャッタによって開閉自在とされて
いる。このシャッタはスライダに固定され、このスライ
ダは前記カートリッジの記録再生装置側先端に形成され
るガイド部に沿って摺動するようになっている。このス
ライダにシャッタの一部が固定され、その固定はシャッ
タの一部とスライダとをねじ止めすることによってなさ
れている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、従来のシャッタの一部とスライダとの固定は
単にシャッタの一部に開孔を設けると伴に前記スライダ
の対応する部分に開孔を設け、これらシャッタとスライ
ダとの開孔を整合せしめつつ固定ねじを挿入してシャッ
タとスライダとを固定していた。このように、両部材の
固定の際には、単にシャッタの一部に形成された開孔と
スライダの開孔とを整合させつつ固定ねじを挿入するよ
うにするのみであったので、ねじの締め付け中にスライ
ダとシャッタとの位置関係がずれることがあり、これに
よりシャッタと前記カートリッジの先端部分に形成され
るガイド部との係合状態が正規の位置からずれ、シャッ
タがスムーズにカートリッジ上を摺動しないという問題
点があった。

本考案は、係る点に鑑み、ディスクカートリッジのシャ
ッタとこれが固定されるスライダとをそれぞれの定位置
で確実に固定することができ、シャッタがカートリッジ
上をスムーズに移動できるようにするシャッタとスライ
ダとの固定構造を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、ディスクを収納するカートリッジの記録再生
装置側先端に形成されるガイド部にスライダを係合せし
め、このスライダに、カートリッジに形成された読取り
書込みヘッド挿入孔を開閉するためのシャッタの一部を
固定して前記シャッタがスライダを介してガイド部に沿
って摺動するようにしたディスクカートリッジのシャッ
タとスライダの固定構造において、前記スライダの前後
部にそれぞれ円柱形の凹部形状を有する嵌合凹部を形成
し、当該嵌合凹部の底辺中央にねじ孔を形成し、前記シ
ャッタのスライダ精合部に、前記各嵌合凹部と整合して
位置決めするよう形成した円柱形の凸部形状を有する嵌
合突部を形成し、この嵌合突部の底面を前記ねじ孔の軸
にほぼ直交する方向に伸びるように形成し、当該嵌合突
部の中央部に前記ねじ孔に対応する開口を穿孔し、前記
嵌合凹部に前記嵌合突部を嵌合位置合せした状態でヘッ
ドが拡開した傾斜面を有する固定ねじを前記嵌合突部の
開孔を通して前記固定ねじのヘツド部の周囲の傾斜面を
前記開孔に当接させつつ前記嵌合凹部のねじ孔に挿入す
るようにしたことを特徴とする。

〔作用〕

スライダに嵌合凹部を設けるとともに、シャッタのスラ
イダ結合部に前記嵌合凹部に嵌合する嵌合突部を設け、
前記嵌合突部を前記嵌合凹部内に嵌合せしめた後に、ヘ
ッドに傾斜面を有する固定ねじを挿通させる。したがっ
て、先ず前記嵌合凹部と嵌合突部との係合により固定ね
じ挿入位置が定まる。前記固定ねじがねじ孔に挿入され
るときにはそのヘッド部の傾斜面は前記シャッタのスラ
イダ結合部に形成されたねじを通すための開孔の周縁に
局部的に接触するのみであるので、ねじのヘッド部を締
め付ける際にシャッタのスライダ結合部と前記スライダ
との整合関係を偏らせることがなくなる。従って、シャ
ッタは前記カートリッジの摺動面に対して定位置に結合
され、これによりシャッタのカートリッジ上の摺動動作
が妨害されるということがなくなる。

また、例え、嵌合凸部が嵌合凹部内で僅かにずれていた
としてもねじの傾斜面と開口周縁との係合により、ねじ
の締付に応じて嵌合凸部が定位置に若干移動して固定さ
れる。

〔実施例〕

第１図において、プラスチック製のカートリッジ１は上
半片２とこの上半片２に重ね合される下半片３からなっ
ている。このカートリッジ１の中央部には記録再生装置
側に設けられる吸着部材が挿入される回転孔４とこの回
転孔４に隣接して読取り書込みヘツドが挿入されるヘッ
ド挿入孔５が形成されている。そしてこれら回転孔４及
びヘッド挿入孔５の開閉をカートリッジ上に設けられた
シャッタ６によって行なうようになっている。このシャ
ッタ６はスプリング７によって付勢されており、シャッ
タ６の下端は押板８によってガイドされ、この押板８の
下方には二重書込み防止装置9,9が設けられている。前
記シャッタ６は第２図に示すようにスライダ13が固定さ
れるスライダ結合部10を有し、このスライダ結合部10の
両側からは前記ヘッド挿入孔５及び回転孔４を開閉する
ための開閉板部11,11が追加され、この開閉板部11,11の
下端にはガイド板部12が設けられている。

前記スライダ13にはその長手方向に適宜間隔を配して２
つの嵌合凹部14,14が設けられている。この嵌合凹部14
の中央にはねじ孔15が形成されている。前記スライダ13
の後端に隣接して前記読取り書込み装置側に設けられる
開閉ピンを受けるためのピン受け穴17が形成され、この
ピン受穴17は前記シャッタのスライダ結合部にくり抜か
れた開孔16に対向している。そして前記スライダ13の左
右にはガイド溝18,18が形成され、このガイド溝18は第
３図に示すようにカートリッジ１の先端部分に形成され
るガイド部をなすガイドレール2a,3aが係合するように
なっている。一方前記シャッタのスライダ結合部には前
記スライダ13の嵌合凹部14,14に対向してこの嵌合凹部1
4に係合する嵌合突部19.19が設けられている。そして、
この嵌合突部の中央には固定ねじ20を挿通するための開
孔19aが形成されている。前記固定ねじ20はヘッド部21
とこのヘッド部から伸びるねじ部23からなっている。前
記ヘッド部21は逆三角錐台をなし、その周囲には傾斜面
22が形成されている。そして前記ヘッド部21の上面には
プラススクリュウを挿入するための受け穴19aが形成さ
れている。また、前記嵌合凸部19の底面19bはねじ孔15
の軸にほぼ直交する方向に伸び、前記開口19aの上縁19c
が傾斜面22に線接触する。

前記シャッタとスライダ13とを結合させるときには、前
記シャッタのスライダ結合部10内にスライダを差し込
み、前記嵌合突部19とこれに対向するスライダの嵌合凹
部14とを嵌合わせる。この時、前記嵌合突部19の開孔19
aと前記スライダ13のねじ孔15とは定位置に整合してお
り、この状態で固定ねじ20がねじ孔15内に挿入される。
前記固定ねじ20の締め付け時には前記ヘッド部21の傾斜
面22が前記開孔19aの周縁部に局部的に接触するのみで
あるので、前記ヘッド部21を強く締め付けたとしてもス
ライダ13とシャッタのスライダ結合部との位置関係がず
れることがない。

また、例え嵌合凸部19と、嵌合凹部14間に若干の遊びが
あったとしても、ねじの傾斜面22と開口19aの上縁19cと
が線接触してシャッタ10のスライダ結合部10を若干移動
させそれを定位置に固定できる。

〔考案の効果〕

本考案は、上述のように構成したことにより、シャッタ
のスライダ結合部の嵌合突部をスライダの嵌合凹部に係
合させるのみでシャッタとスライダとを常に一定位置に
位置決めすることが出来る。

また、シャッタのスライダ結合部とスライダとを結合さ
せる固定ねじを傾斜面を有する皿ねじとしたことによ
り、この固定ねじの締め付け時に皿ねじの頭部の円錐状
斜面と、スライダの開口の周縁部とが局部的な線接触状
態となるので、皿ねじを強く締め付けた場合でも、シャ
ッタとスライダとの結合整合位置が偏らないし、例え嵌
合凸部と嵌合凹部との間に若干の遊びがあったとして
も、傾斜面と開口との線接触によりシャッタが定位置に
移動できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はカートリッジの斜視図、第２図はシャッタとス
ライダとの斜視図、第３図はシャッタとスライダとの結
合関係を示す断面図である。 １……カートリッジ、２……上半片、３……下半片、６
……シャッタ、10……スライダ結合部、13……スライ
ダ、14……嵌合凹部、19……嵌合突部、20……固定ね
じ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスクを収納するカートリッジの記録再
   生装置側先端に形成されるガイド部にスライダを係合せ
   しめ、このスライダに、カートリッジに形成された読取
   り書込みヘッド挿入孔を開閉するためのシャッタの一部
   を固定して前記シャッタがスライダを介してガイド部に
   沿って摺動するようにしたディスクカートリッジのシャ
   ッタとスライダの固定構造において、 前記スライダの前後部にそれぞれ円柱形の凹部形状を有
   する嵌合凹部を形成し、 当該嵌合凹部の底辺中央にねじ孔を形成し、 前記シャッタのスライダ精合部に、前記各嵌合凹部と整
   合して位置決めするよう形成した円柱形の凸部形状を有
   する嵌合突部を形成し、この嵌合突部の底面を前記ねじ
   孔の軸にほぼ直交する方向に伸びるように形成し、 当該嵌合突部の中央部に前記ねじ孔に対応する開口を穿
   孔し、 前記嵌合凹部に前記嵌合突部を嵌合位置合せした状態で
   ヘッドが拡開した傾斜面を有する固定ねじを前記嵌合突
   部の開孔を通して前記固定ねじのヘッド部の周囲の傾斜
   面を前記開孔に当接させつつ前記嵌合凹部のねじ孔に挿
   入するようにしたことを特徴とするディスクカートリッ
   ジのシャッタとスライダの固定構造。