JPH0755721Y2 - ディスクカートリッジのシャッタの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、光ディスク又は磁気ディスク等の記録媒体を
収納するディスクカートリッジのシャッタの取付構造に
関する。

〔従来の技術〕

一般に、光ディスク又は磁気ディスク等の記録媒体はプ
ラスチック製のディスクカートリッジ内に収納されてい
る。このディスクカートリッジ内には記録再生装置側に
設けられた読取り書込みヘッドを挿入するための読取り
書込みヘッド挿入孔が形成され、この挿入孔は第５図及
び第６図で示すようなカートリッジ上に設けられたシャ
ッタ１によって開閉自在とされている。このシャッタ１
はスライダ２に固定され、このスライダ２は前記カート
リッジの記録再生装置側先端に形成されるガイド部３に
沿って摺動するようになっている。このスライダ２にシ
ャッタ１の一部が固定され、その固定はシャッタ１の一
部とスライダ２とをねじ４で止めることによってなされ
ている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、従来のシャッタのスライダへの取付は、単に
シャッタ１の一部に形成された開孔５とスライダ２のね
じ孔６とを整合させてそこに固定ねじ４を捩じ込むのみ
であったので、ねじの締め付けに伴い、スライダ２の前
記ねじ孔５に沿う部分７が膨出し、これがカートリッジ
のガイド部３に接触することがある。また、この膨出の
程度が顕著であると、ガイド部３及びシャッタ１までも
が変形する。このようなねじ止めによるスライダ２の変
形等が発生すると、スライダ２が動き難くなり、シャッ
タ１がスムーズにカートリッジ上を揺動しなくなる。

本考案は、係る点に鑑み、ディスクカートリッジのシャ
ッタをスライダに固定する際にスライダに変形を生じさ
せないようにすることができるシャッタの取付構造を提
供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

そこで、本考案は、ディスクを収納するカートリッジ８
の記録再生装置側先端に形成されるガイド部33にスライ
ダ20を係合せしめ、このスライダ20に、カートリッジ８
に形成された読取り書込みヘッド挿入孔を開閉するため
のシャッタ13を固定ねじ29により固定して前記シャッタ
13がスライダ20を介してガイド部33に沿って摺動するよ
うにしたディスクカートリッジのシャッタ13の取付構造
において、前記スライダ20の前記ガイド部33と対峙する
箇所には、前記固定ねじ29と螺合するねじ孔22に沿って
凹部34が設けられた構成を採用した。

〔作用〕

シャッタとスライダとの結合に際し、スライダのねじ孔
に固定ねじを捩じ込んでも、ねじ孔に沿う凹部の存在か
ら、スライダの膨出変形部分はガイド部に接触するまで
に至らない。

従って、スライダの動きはシャッタ取付後においても円
滑となり、シャッタのカートリッジ上の摺動動作が妨害
されるということがなくなる。

〔実施例〕

第２図ないし第４図で示されるように、プラスチック製
のカートリッジ８は上半片９とこの上半片９に重ね合さ
れる下半片10からなっている。この場合カートリッジ８
はポリカーボネート樹脂又はABS樹脂で作られている。
このカートリッジ８の中央部には記録再生装置側に設け
られる吸着部材が挿入される円形孔11とこの円形孔11に
隣接して読取り書込みヘッドが挿入されるヘッド挿入孔
12が形成されている。

そして、これら円形孔11及びヘッド挿入孔12の開閉をカ
ートリッジ８上に設けられたシャッタ13によって行なう
ようになっている。このシャッタ13はスプリング14によ
って付勢されており、シャッタ13の下端は押板15によっ
てガイドされ、この押板15の下方には二重書込み防止装
置16,16が設けられている。

前記シャッタ13は第１図に示すようにスライダ20が固定
されるスライダ結合部17を有し、このスライダ結合部17
の両側からは前記ヘッド挿入孔12及び円形孔11を開閉す
るための開閉板部18,18が追加され、この開閉板部18,18
の下端にはガイド板部19が設けられている。

前記スライダ20にはその長手方向に適宜間隔を配して２
つの嵌合凹部21,21が設けられている。この嵌合凹部21
の中央にはねじ孔22が形成されている。前記スライダ20
の後端に隣接して前記読取り書込み装置側に設けられる
開閉ピン23を受けるためのピン受け穴24が形成され、こ
のピン受穴24は前記シャッタ13のスライダ結合部10にく
り抜かれた開孔25に対向している。そして前記スライダ
20の左右にガイド溝26,26が形成され、このガイド溝26
は第２図に示すようにカートリッジ８の先端部分に形成
されるガイド部33のガイドレール27,27が係合するよう
になっている。スライダ20は滑り良いポリアセタール系
樹脂又はフッ素系樹脂で作られている。

一方、前記シャッタ13のスライダ結合部17には前記スラ
イダ20の嵌合凹部21,2に対向してこの嵌合凹部21に係合
する嵌合突部28,28が設けられている。そして、この嵌
合突部28の中央には固定ねじ29を挿通するための開孔30
が形成されている。前記固定ねじ20はヘッド部31とこの
ヘッド部31から伸びるねじ部32からなっている。前記ヘ
ッド部31は逆三角錐台をなし、その周囲には傾斜面が形
成されている。

また、前記スライダ20の前記固定ねじ29と螺合するねじ
孔22に沿う部分であって前記ガイド部33と対峙する箇所
には凹部34が設けられている。この場合、スライダ20は
細長く形成され、かつねじ孔22はスライダ20の中心線に
沿った二か所に設けられているので、凹部34は全体とし
て４か所に形成されている。

前記シャッタ13とスライダ20とを結合させるときには、
前記シャッタ13のスライダ結合部17内にスライダ20を差
し込み、前記嵌合突部28とこれに対向するスライダの嵌
合凹部21とを嵌め合わせる。この時、前記嵌合突部28の
開孔30と前記スライダ20のねじ孔22とは定位置に整合し
ており、この状態で固定ねじ29がねじ孔22内に挿入され
る。前記固定ねじ29の締め付け時には前記ヘッド部31の
傾斜面が前記開孔30の周縁部に局部的に接触するのみで
あるので、前記ヘッド部31を強く締め付けたとしてもス
ライダ20とシャッタ13のスライダ結合部17との位置関係
がずれることがない。また、スライダ20のねじ孔22に固
定ねじ29を捩じ込む時に、スライダ20のねじ孔22に沿う
部分が膨出するが、第２図で示すようにその膨出は凹部
34の存在からガイド部33に接触するまでに至らない。従
って、スライダ20の動きはシャッタ取付後においても円
滑である。

〔考案の効果〕

本考案は、以上のように構成したので、シャッタをスラ
イダに固定するための固定ねじをスライダのねじ孔に捩
じ込んだときそのねじ孔周辺に膨出変形を生じたとして
もその変形がガイド部に至らないようにすることができ
る。従って、スライダの動きを阻害することがなく、カ
ートリッジ上でのシャッタの円滑な摺動を確保するとい
う効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の一実施例を示し、第１図
はシャッタ及びスライダの斜視図、第２図はシャッタ，
スライダ及びカートリッジの三者の結合関係を示す断面
図、第３図はシャッタが閉じた状態のカートリッジの斜
視図、第４図はシャッタが開いた状態のカートリッジの
斜視図、第５図及び第６図は従来例を示し、第５図は第
１図に対応してしめす斜視図、第６図は第２図対応して
しめる断面図である。 ８…カートリッジ、13…シャッタ、20…スライダ、22…
ねじ孔、29…固定ねじ、33…ガイド部、34…凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスクを収納するカートリッジの記録再
   生装置側先端に形成されるガイド部にスライダを係合せ
   しめ、このスライダに、カートリッジに形成された読取
   り書込みヘッド挿入孔を開閉するためのシャッタを固定
   ねじにより固定して前記シャッタがスライダを介してガ
   イド部に沿って摺動するようにしたディスクカートリッ
   ジのシャッタの取付構造において、前記スライダの前記
   ガイド部33と対峙する箇所には、前記固定ねじ29と螺合
   するねじ孔22に沿って凹部34が設けられていることを特
   徴とするディスクカートリッジのシャッタの取付構造。