JPH087582Y2 - デイスクカートリツジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はデイスクカートリツジに係り、特に記録媒体
への記録が可能であるか否かを識別させるために、外部
からそのスライド位置を選択可能とされたライトプロテ
クターを備えたデイスクカートリツジに関する。

［従来の技術］ 光デイスクカートリツジ等のデイスクカートリツジの
中には、上述したライトプロテクターを備えたものが知
られており、第７図〜第12図は斯るライトプロテクター
を備えた従来の光デイスクカートリツジ（5 1/4インチ
光デイスクカートリツジ）を示している。

第７図において、１はケースで、ケース半体2,3を一
体化したものよりなつており、該ケース１の内部には図
示せぬ光デイスクが回転自在であるように収納されてい
る。上記した両ケース半体2,3には、スピンドル穴４並
びに光学ヘツド用のヘツドウインド５が穿設され（図示
の例では両者4,5は連らなつている）ており、両者4,5は
デイスクカートリツジの不使用時には、閉鎖方向習性を
図示せぬバネによつて付与されたシヤツタ６によつて閉
鎖されており、一方、デイスクカートリツジのドライブ
装置への装着時には、シヤツタ６は開放位置へスライド
移行されて、スピンドル穴４並びにヘツドウインド５を
開放し、図示せぬ光デイスクのセンターハブ並びに記録
面の一部を露呈させるようになつている。なお、７はシ
ヤツタガイドプレート、８は、シヤツタ６と一体のスラ
イダ、９は、シヤツタ６並びにスライダ８に設けられた
切欠部で、ドライブ装置側のシヤツタ開放駆動部材が係
合する。10はガイド穴である。

図示のデイスクカートリツジは両面型のものとなつて
おり、第７図で例えば上側をＢ面、下側をＡ面とし、各
々のデイスク面への記録を禁止するか否かを指示するた
めに、前記ケース１内には２つのライトプロテクター2
0′がそれぞれスライド位置選択自在であるように収納
されている。第７図で右上側の第１ライトプロテクター
穴11から視認できるライトプロテクター20′がＢ面用と
され、また、第７図で左上側の第２ライトプロテクター
穴12から視認できるライトプロテクター20′がＡ面用の
ものとされていて、ケース半体２の第１ライトプロテク
ター穴11と対応するケース半体３の部位には第２ライト
プロテクター穴12が、また、ケース半体２の第２ライト
プロテクター穴12と対応するケース半体３の部位には第
１ライトプロテクター穴11がそれぞれ形成されている。

前記ライトプロテクター20′は、第12図（ａ），
（ｂ）に示したように、柱状基部21′、柱状基部21′の
上下に位置する第１突部22並びに第２突部23、柱状基部
21′から側方に互いに平行に延びた２本の弾性ある薄板
状のアーム部24が一体に形成されたものとなつており、
上記した第１突部22には小穴25が穿設され、また、アー
ム部24の先端には係合突起26が形成されている。

一方、前記ケース１には前記ライトプロテクター20′
をスライド自在に受容する保持部が設けられている。第
10図はケース半体３の内面の要部拡大図、第11図はケー
ス半体２の内面の要部拡大図（第11は第７図のケース半
体２を横に180°反転した状態で示してある）で、両ケ
ース半体2,3の相対向する部位には受容溝13,14がそれぞ
れ設けられている。この両受容溝13,14はケース半体2,3
の突堤15,16によつて形づくられており、前記ライトプ
ロテクター20′の柱状基部21′の上下部分が各々嵌り込
むようになつており、柱状基部21′の幅W1（第12図）よ
りも両受容溝13,14の幅W2を若干大き目に設定してあ
る。そして、ライトプロテクター20′は、第10図で２点
鎖線で示した位置へ予め組込まれた後、両ケース半体2,
3を接合することによつて前記ケース１内にスライド自
在に収納されるようになつている。

組立て状態においては、ライトプロテクター20′の前
記第１突部22は、前記受容溝13内の段凹部17内をスライ
ド自在とされ、また、ライトプロテクター20′の前記第
２突部23は、前記第２ライトプロテクター穴12にその頂
部が外方に突出せね程度に挿入されて、この第２プロテ
クター穴12の長手方向に沿つて案内・スライドされるよ
うになつている。また、前記受容溝13,14には前記突堤1
5,16と一体の係止突起18……が形成されていて、この係
止突起18と前記ライトプロテクター20′の前記係合突起
26との係合によつて、ライトプロテクター20′は、第８
図もしくは第９図の２つのスライド位置に選択的に位置
決めされるようになつている。

第8,9図は第７図の右上部分の要部拡大平面図で、第
８図の状態からライトプロテクター20′の第１突部22の
前記小穴25にピン等を係合させることにより図示右方に
スライドさせると、第９図の状態に至り、また第９図の
状態から左方にスライドさせると第８図の状態に戻るよ
うになつている。そしてデイスクカートリツジのドライ
ブ装置への装着状態において、ドライブ装置側はライト
プロテクター20′のスライド位置を、光学的もしくはリ
ミツトスイツチ等の適宜手段によつて読み取り、光デイ
スク面への記録を禁止されているか否かを判別するよう
になつている。なお、第８図の状態がＢ面への記録が可
能な状態、第９図の状態がＢ面への記録が禁止された状
態である。

［考案が解決しようとする課題］ ところで上述した従来技術においては、前記ライトプ
ロテクター20′は、そのスライド方向に沿う中心線から
見て左右対称であり、また、ライトプロテクター20′が
組込み時に位置する受容溝13,14の円弧状端部13a′,14
a′もスライド方向の中心線から見て左右対称であるた
め、ライトプロテクター20′の上下を逆にしても組込み
可能であつた。このためライトプロテクター20′の上下
を逆にして誤挿入される虞が多く、上下を誤つて挿入さ
れると所期のスライド操作ができないという問題があつ
た。

従つて本考案の解決すべき技術的課題は上記従来技術
のもつ問題点を解消するにあり、その目的とするところ
は、ライトプロテクターの組込み時に上下を逆にして誤
挿入される虞のない、組立て信頼性に優れたデイスクカ
ートリツジを提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案は上記した目的を達成するため、ケース内に回
転自在に収納されたデイスクと、前記ケース内にスライ
ド可能に収納されたライトプロテクターとを備え、前記
ケース外より前記ライトプロテクターのスライド位置を
選択することによつて、前記デイスクへの記録が可能で
あるか否かを識別させるようにしたデイスクカートリツ
ジにおいて、前記ライトプロテクターは、柱状基部と、
該柱状基部の上下面に一体に突設された突部と、前記柱
状基部からスライド方向に一体に延びると共に先端に係
合突起をもつ左右対称な弾性ある一対のアーム部とを有
し、前記ライトプロテクターの前記柱状基部のスライド
方向端部を、スライド方向に沿う中心線から見て左右非
対称の形状とすると共に、前記ライトプロテクターをス
ライド可能に受容する前記ケースの受容溝の一端部を、
前記ライトプロテクターの柱状基部における左右非対称
な形状に対応した左右非対称な形状とした、構成とされ
る。

［作用］ 本考案は上述のように、ライトプロテクターが、先端
に係合突起を形成した左右対称な一対の弾性あるアーム
部をもつものであるので、スライド操作時の姿勢が安定
し、また、一対のアーム部の係合突起を用いてライトプ
ロテクターのスライド位置を保持させるものであるの
で、スライド位置の保持が確実であるというメリツトを
もつことを前提としたものにおいて、ライトプロテクタ
ーの柱状基部のスライド方向端部と、ケースの受容溝の
一端部とを共に対応する左右非対称な形状としているの
で、ライトプロテクターを受容溝の初期挿入位置へ組込
む際、上下を誤ると挿入が不能となり、ライトプロテク
ターの上下が常に正しい方向でのみ組込みが可能となる
ので、組込みの誤挿入が完全に排除される。

［実施例］ 以下、本考案を第１図〜第６図に示した１実施例によ
つて説明する。なお、同各図において前記従来例と均等
の部材、部位、寸法には同一符号を付し、その説明は重
複を避けるため割愛する。

実施例によるプラスチツク製のライトプロテクター20
は、第1,2,6図に示したように、柱状基部21の形状を除
き従来と均等のものであり、小穴25を穿設した第１突部
22、第２突部23、先端に係合突起26をもつアーム部24を
一体に具備したものとなつている。上記柱状基部21は、
その一端部がスライド方向の中心線から見て（平面方向
から見て）左右非対称な形状とされ、曲率半径の大きい
第１コーナ部21aと曲率半径の小さい第２コーナ部21bと
が形成されている。

一方、前記両ケース半体2,3の前記受容溝13,14の一端
部の13a,14aの形状も、第4,5図に詳細を示すように受容
溝13,14の長手方向（スライド方向）中心線から見て左
右非対称なものとされ、曲率半径の大きい第１コーナ部
13a1,14a1と、曲率半径の小さい第２コーナ部13a2,14a2
とが形成されている。そして、この第１コーナ部13a1
（14a1）に前記ライトプロテクター20の前記第１コーナ
部21aが合致・挿入可能とされ、他方第２コーナ部13a2
（14a2）にライトプロテクター20の前記第２コーナ部21
bが合致・挿入可能となつている（第1,2図参照）。ま
た、ライトプロテクター20の上下方向を誤まると、ライ
トプロテクター20と受容溝13（もしくは14）の曲率半径
の小さいコーナ部21bと曲率半径の大きいコーナ部13a1
（もしくは14a1）とがぶつかり、ライトプロテクター20
は正しい方向以外には受容溝13（もしくは14）へは挿入
不能となつている。従つて、斯様な構成をとることによ
つて、ライトプロテクター20は上下関係を誤ることなく
正しく挿入・位置決めされ、組立て信頼性は著しく向上
する。

なお、第1,2,4,5図においては、便宜上ケース半体２
に受容溝13が、またケース半体３に受容溝14が形成され
ている如く示されているが、前述したようにケース半体
２とケース半体３には、それぞれ前記第１ライトプロテ
クター穴11と連通した受容溝13並びに前記第２ライトプ
ロテクター穴12と連通した受容溝14とが設けられており
（第３図）、一方のケース半体の受容溝13が他方のケー
ス半体の受容溝14にそれぞれ向い合つていることは言う
までもない。

なお、上述してきた実施例においては、両面型のデイ
スクカートリツジを示しているが、本考案は片面型にも
適用可能であり、シヤツタ形状、ライトプロテクター収
納部以外のケース形状の変更等も任意で、場合によつて
は光デイスクカートリツジ以外の磁気デイスクカートリ
ツジにも適用可能である。また、ライトプロテクター20
の小穴25は、該小穴25に鉛筆のシン等がつまつた場合、
これを容易に排出するため、場合によつては（接触検出
方式において、接触感知ピンの径が該小穴25より小さい
場合）上下に完全に貫通したものとしても良い。

［考案の効果］ 以上のように本考案によれば、ライトプロテクター
は、先端に係合突起を形成した左右対称な一対の弾性あ
るアーム部をもつものであるので、スライド操作時の姿
勢が安定し、また、一対のアーム部の係合突起を用いて
ライトプロテクターのスライド位置を保持させるもので
あるので、スライド位置の保持が確実であるというメリ
ツトをもつことを前提としたものにおいて、ライトプロ
テクターの組込み時に上下を誤って挿入する虞がなく、
ライトプロテクターが常に所期の位置関係に組込める組
立て信頼性の高いデイスクカートリツジが提供でき、そ
の実用的価値は高い。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第６図は本考案の１実施例によるデイスクカー
トリツジに係り、第１図は要部分解斜視図、第２図は一
方のケース半体を取り除いた状態の要部平面図、第３図
は一方のケース半体の内面を示す平面図、第４図（ａ）
は一方の受容溝を示す要部平面図、同図（ｂ）は同図
（ａ）の横断面図、第５図（ａ）は他方の受容溝を示す
要部平面図、同図（ｂ）は同図（ａ）の横断面図、第６
図はライトプロテクターを示しており、同図（ａ）は平
面図、同図（ｂ）は側面図、同図（ｃ）は側断面図、第
７図〜第12図は従来例に係り、第７図はデイスクカート
リツジの斜視図、第８図及び第９図はそれぞれライトプ
ロテクターの異なるスライド位置を示す説明図、第10図
及び第11図はそれぞれ受容溝を示す容部平面図、第12図
はライトプロテクターを示し、同図（ａ）は平面図、同
図（ｂ）は側面図である。 １……ケース、2,3……ケース半体、４……スピンドル
穴、５……ヘツドウインド、６……シヤツタ、７……シ
ヤツタガイドプレート、８……スライダー、９……切欠
部、10……ガイド穴、11……第１ライトプロテクター
穴、12……第２ライトプロテクター穴、13,14……受容
溝、13a,14a……一端部、13a1,14a1……第１コーナ部、
17……段凹部、18……係止突起、20……ライトプロテク
ター、21……柱状基部、21a……第１コーナ部、21b……
第２コーナ部、22……第１突部、23……第２突部、24…
…アーム部、25……小穴、26……係合突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ケース内に回転自在に収納されたデイスク
   と、前記ケース内にスライド可能に収納されたライトプ
   ロテクターとを備え、前記ケース外より前記ライトプロ
   テクターのスライド位置を選択することによつて、前記
   デイスクへの記録が可能であるか否かを識別させるよう
   にしたデイスクカートリツジにおいて、前記ライトプロ
   テクターは、柱状基部と、該柱状基部の上下面に一体に
   突設された突部と、前記柱状基部からスライド方向に一
   体に延びると共に先端に係合突起をもつ左右対称な弾性
   ある一対のアーム部とを有し、前記ライトプロテクター
   の前記柱状基部のスライド方向端部を、スライド方向に
   沿う中心線から見て左右非対称の形状とすると共に、前
   記ライトプロテクターをスライド可能に受容する前記ケ
   ースの受容溝の一端部を、前記ライトプロテクターの柱
   状基部における左右非対称な形状に対応した左右非対称
   な形状としたことを特徴とするデイスクカートリツジ。