JP2553890Y2 - ディスクカートリッジのシャッタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、記録媒体たる光ディスク又は磁気ディスク
等を収納したディスクカートリッジを開閉するためのシ
ャッタに関する。

〔従来の技術〕

一般に、磁気ディスク又は光ディスクは、２枚の上下
両半片からなるディスクカートリッジ内に収納され、こ
のディスクカートリッジの中心部にはディスクを回転さ
せるためのターンテーブルが挿入されるターンテーブル
挿入穴が設けられると共にディスクの記録面を横切るよ
うに読取り書込みヘッドが挿入されるヘッド挿入穴が設
けられている。

かかるディスクカートリッジは例えば実開昭62-16817
6号公報に開示される。このカートリッジは第５図に示
すように、前記ターンテーブル挿入穴１及びヘッド挿入
穴２を開閉するためのシャッタ３を備えている。このシ
ャッタ３は、ディスクカートリッジ４の半片の壁面に沿
って左右に動くことによって前記穴1,2を開閉するよう
になっている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、前記シャッタ３の前記ターンテーブル挿入
穴１及びヘッド挿入穴２を開閉する鏡板部分５は平らな
比較的薄い板であり、変形を生じやすい。また、シャッ
タ３は頻繁に往復動するので、上下両半片の四角形の壁
面６との接触面積が大きく、摩擦抵抗も大きい。

本考案は、かかる点に鑑み、シャッタの強度の向上を
図り、かつその開閉動作の際の摩擦力の軽減を図ること
ができるディスクカートリッジのシャッタを提供するこ
とを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、前記課題を解決するため、ディスクカート
リッジに形成されたターンテーブル挿入穴11及びヘッド
挿入穴12の両方の穴を覆う大きさの鏡板部分14,15を有
し、上記両方の穴11,12を開けるに際しディスクカート
リッジ上を一方向へスライドさせ上記両方の穴11,12上
から上記鏡板部分14,15を離れさせるようにしたディス
クカートリッジのシャッタにおいて、上記鏡板部分14,1
5にその周縁部を残すようにして外方向に突出する膨出
部16が形成されたディスクカートリッジのシャッタの構
成を採用している。

〔作用〕

鏡板部分の膨出部により該鏡板部分の剛性が高められ
るので、鏡板部分は容易に変形しなくなる。

また、膨出部は外方向に突出するので、鏡板部分とデ
ィスクカートリッジの半片の壁面との接触面積が減じ、
シャッタの動きが円滑となる。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本考案の一実施例について説明
する。

第３図及び第４図において、本考案のシャッタ７を備
える例えば光ディスク収納用ディスクカートリッジ８
は、上半片９と下半片10を合わせるようにして形成さ
れ、その中心部には、ターンテーブル挿入穴11が形成さ
れ、このターンテーブル挿入穴11に連なってヘッド挿入
穴12が形成されている。

当該ディスクカートリッジ８には、このターンテーブ
ル挿入穴11及びヘッド挿入穴12を開閉するためのシャッ
タ７が左右方向にスライド可能に設けられている。

前記シャッタ７は、第２図に示されるように、１枚の
ステンレス製板を２つ折りにするようにして形成され、
重なり合った半片9,10を挟持しうる幅の細長い頭板部分
13と、これから垂直に伸びる２枚の相対向した鏡板部分
14,15とを与えられている。

前記鏡板部分14,15には、第１図ないし第４図に示さ
れるように、外方向に突出する膨出部16が形成されてい
る。該膨出部16は前記鏡板部分14,15の輪郭に沿って鏡
板部分14,15の中央部が台状に隆起するように形成さ
れ、その上面は平らになっている。

また、前記鏡板部分14,15の下端にはスライド部17が
設けられ、ディスクカートリッジ８の両半片9,10の壁面
18に貼着された押え板19によってガイドされるようにな
っている。

当該シャッタ７の頭板部分13は、細長いスライダ20を
覆うように該スライダ20にねじ21,21によって固着され
ている。このネジ21,21は頭板部分13の開口22,22を介し
てスライダ20の受穴23,23に螺合するようになってい
る。

なお、前記頭板13の尾部には、記録再生装置の駆動部
側に設けられる開閉ピンＰが挿入される開閉ピン受穴24
が設けられている。またこの開閉ピン受穴24に対応して
前記スライダ20には受穴25が設けられ、この受穴25内に
第４図に示されるように開閉ピンＰのローラｒが係合さ
れるようになっている。

前記スライダ20の左右にはガイド溝26,26が設けられ
ている。このガイド溝26はディスクカートリッジ８の記
録再生装置側前端に形成された図示しないガイドレール
に係合するようになっている。

前記ディスクカートリッジ８の前端右側には捩りコイ
ルばね27が収納され、この捩りコイルばね27によってシ
ャッタ７が前記両穴11,12を閉鎖する方向に付勢されて
いる。

なお、第３図及び第４図において符号28で示されるも
のは前記ディスクカートリッジ８の記録再生装置の挿入
方向後端左右に設けられた二重書込み防止部である。

次に、前記シャッタ７の作動について説明すると、シ
ャッタ７は、ディスクの読取り等に際して開閉ピンＰに
より押されてスライドし、第３図の閉じた状態から、第
４図の開いた状態になる。また、開閉ピンＰによる拘束
を解かれると、捩りコイルばね27の復元力により再び閉
じた状態となる。

このようなシャッタ７の動きに際し、鏡板部分14,15
はその膨出部16の存在から両半片9,10の壁面18との接触
面積が小さくなり、かつ動作の際も変形せず、その開閉
は円滑となる。また、開閉動作の時だけでなく、ディス
クカートリッジ８の持ち運び時等においてもシャッタ７
の剛性が高いことから外力によっても容易に変形しな
い。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように、ディスクカートリッジに形成
されたターンテーブル挿入穴及びヘッド挿入穴の両方の
穴を覆う大きさの鏡板部分を有し、上記両方の穴を開け
るに際しディスクカートリッジ上を一方向へスライドさ
せて上記両方の穴上から離脱させるようにしたディスク
カートリッジのシャッタにおいて、上記鏡板部分にその
周縁部を残すようにして外方向に突出する膨出部が形成
されているので、摺接面積を小さくしシャッタの開閉動
作の際の摩擦抵抗を低減し、シャッタの開閉動作を円滑
化することができ、また、シャッタ閉時にはターンテー
ブル挿入穴及びヘッド挿入穴の双方を外界から適正に遮
断し埃等の侵入を防止し、さらに鏡板部分がターンテー
ブル挿入穴及びヘッド挿入穴の双方の穴を覆うようなス
ライド方向に直角な向きに長く伸びた形状であっても膨
出部によって鏡板部分の剛性を高めて変形を防止しシャ
ッタのスライド性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案に係るシャッタの一実施例を
示し、第１図は第２図中Ｉ−Ｉ線断面図、第２図はシャ
ッタをスライダと共に示す斜視図、第３図及び第４図は
前記シャッタを装着したディスクカートリッジを示し、
第３図はシャッタ閉状態の斜視図、第４図はシャッタ開
状態の斜視図、第５図は従来のシャッタを備えたディス
クカートリッジの平面図である。 ７……シャッタ、８……ディスクカートリッジ、9,10…
…半片、11……ターンテーブル挿入穴、12……ヘッド挿
入穴、14,15……鏡板部分、16……膨出部、18……壁
面、20……スライダ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスクカートリッジに形成されたターン
   テーブル挿入穴及びヘッド挿入穴の両方の穴を覆う大き
   さの鏡板部分を有し、上記両方の穴を開けるに際しディ
   スクカートリッジ上を一方向へスライドさせて上記両方
   の穴上から上記鏡板部分を離れさせるようにしたディス
   クカートリッジのシャッタにおいて、上記鏡板部分にそ
   の周縁部を残すようにして外方向に突出する膨出部が形
   成されたことを特徴とするディスクカートリッジのシャ
   ッタ。