JP2536586B2 - アミノ酸の分離精製法 - Google Patents

アミノ酸の分離精製法

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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、アミノ酸の分離精製法に関する。さらに詳
しくは、金属イオンを配位したキレート性官能基を有す
る樹脂を用いたアミノ酸の分離精製法に関する。
〈従来の技術〉 アミノ酸は、食品用、飼料用、医薬用、化粧品用、工
業品用等の広い分野で用いられている。アミノ酸は、発
酵法、合成法、抽出法のいずれかの方法で製造され、次
いで副生成物(他のアミノ酸等)及び/又は原料から分
離精製される。他のアミノ酸等の副生成物及び原料か
ら、目的とするアミノ酸の分離精製は、一般に溶解度差
を利用した晶析法にて行われている。
しかしながら、アミノ酸の一般の有機溶媒に対する溶
解度は低いので、水溶液による晶析法が用いられてい
る。そして、目的とするアミノ酸と他のアミノ酸の溶解
度が近似している場合が多いので、両者を分離して目的
とするアミノ酸の高純度品を得るためには、晶析法の繰
り返し等、煩雑な操作が必要となる。
特に、ロイシンとイソロイシンのような構造異性体で
あるアミノ酸同士の場合は、通常の晶析法では分離でき
ないことから、第三成分としてβ−ナフタレンスルホン
酸や2−ブロモ−5−トルエンスルホン酸等を加えて、
アミノ酸の第三成分塩を形成させ、それらの溶解度差を
利用して分離する(「ファインケミカル」1982年3月15
日号10頁)等の煩雑な方法によらなければならない。
〈発明が解決しようとする課題〉 このように従来のアミノ酸製造の分離精製工程には、
晶析の繰り返しを必要としたり、また特にロイシンとイ
ソロイシンの如く通常の晶析手段では分離不可能なアミ
ノ酸相互の分離精製には、非常に煩雑な処理操作が必要
となるため、製造時間が長く、かつ多数の処理装置を必
要とし、建設費や運転経費が嵩むといった欠点を有して
いる。
かかる事情に鑑み本発明者らは、アミノ酸の分離精製
を効率よく行う方法を見出すべく鋭意検討した結果、本
発明を完成するに至った。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は、金属イオンを配位したアミノカルボン酸又
はアミノホスホン酸型のキレート性官能基を有する樹脂
をアミノ酸水溶液と接触させてその樹脂にアミノ酸を吸
着させ、次いで吸着したアミノ酸を溶出させることを特
徴とするアミノ酸の分離精製法を提供するものである。
本発明に用いられるアミノカルボン酸型又はアミノホ
スホン酸型のキレート性官能基を有する樹脂は、公知の
方法にて製造することができ、樹脂基体、形状、製造方
法等は特に限定されるものではない。以下にそれらを例
示する。
(1) アミノカルボン酸型のキレート樹脂としては、 ニトリル基、クロルメチル基、スルホニルクロリド
基、カルボニルクロリド基、イソシアナート基、エポキ
シ基、アルデヒド基又は、塩素、臭素、ヨウ素の如きハ
ロゲン原子等のアミン反応性基を有した重合体に、アン
モニア、メチルアミン若しくはエチルアミンを反応させ
て、1級又は2級のアミノ基を有するアミノ樹脂とし、
あるいは上記アミン反応性基を有した重合体に、エチレ
ンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジ
アミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、ヒドラジン、グアニジン等
のポリアミンを反応させて、分子中に二つ以上の1級又
は2級のアミノ基を有するポリアミノ樹脂とし、これら
アミノ樹脂又はポリアミノ樹脂に、モノクロル酢酸、モ
ノブロム酢酸、モノクロルプロピオン酸、モノブロムプ
ロピオン酸、又はこれらのアルカリ金属若しくはアルカ
リ土類金属の塩の如きハロゲン化アルキルカルボン酸化
合物の反応させて得られる樹脂、 前記アミノ樹脂又はポリアミノ樹脂に、アクリル
酸、メタクリル酸、アセチレンジカルボン酸、マレイン
酸、これらの酸のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金
属塩又はメチル若しくはエチルエステル等(以下、アク
リル酸系化合物という)を反応させ、エステルの場合に
は加水分解を行うことにより得られる樹脂、 前記アミン反応性基を有した重合体に、グリシン、
アラニン、β−アラニン、イミノジ酢酸、イミノジプロ
ピオン酸、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン
三酢酸等のアミノ酸化合物を反応させて得られる樹脂、 市販のスミキレートMC−30、MC−75、MC−76、MC−
77、MC−78(以上住友化学社製)、デュオライトC−46
6(デュオライトインターナショナル社製)、ダイヤイ
オンCR−10(三菱化成社製)、ユニセレックUR−10、UR
−20、UR−30、UR−40、UR−50(以下ユニチカ社製)等
のキレート樹脂 などが挙げられる。
(2) アミノホスホン酸型のキレート樹脂としては、 1級若しくは2級のアミノ基を有するアミノ樹脂又
はポリアミノ樹脂に、クロルメチルホスホン酸、クロル
エチルホスホン酸の如きアルキルホスホン酸化剤又は、
ホルムアルデヒド、トリオキシメチレン等のアルキレン
化剤と、三塩化燐、亜燐酸、次亜燐酸、亜燐酸メチル、
亜燐酸エチル等の燐酸化剤とを、塩酸、硫酸等の酸性触
媒下で反応させて得られる樹脂、 市販のスミキレートMC−95(住友化学社製)、デュ
オライトC−467(デュオライトインターナショナル社
製)、ユニセレックUR−3300(ユニチカ社製)等のキレ
ート樹脂 などが挙げられる。
これらのなかでも、ポリアミノ樹脂にハロゲン化アル
キルカルボン酸化合物、アクリル酸系化合物、アミノ酸
化合物、アルキルホスホン酸剤又は、アルキレン化剤と
燐酸化剤とを反応させて得られる樹脂、すなわちポリア
ルキレンポリアミノ基を介して高分子主鎖と結合するカ
ルボン酸基又はホスホン酸基を側鎖に有する、いわゆる
ポリアミノカルボン酸又はポリアミノホスホン酸基型の
キレート樹脂は、分離精製後のアミノ酸へのキレート性
官能基に配位していた金属イオンの漏出が少なく、かつ
分離精製の効果が高いので、好ましく用いられる。とり
わけ、上記ポリアミノカルボン酸又はポリアミノホスホ
ン酸基がアクリル系基体に結合してなるキレート樹脂
が、分離精製効率の点から特に好ましく採用される。
アミノカルボン酸又はアミノホスホン酸型のキレート
性官能基に配位させる金属イオンは、前記キレート性官
能基に該金属が配位した状態で、分離精製を目的とする
アミノ酸が配位できるものであればよく、特に限定され
るものではないが、一般には遷移金属イオンが好ましく
用いられる。特に、周期律表の第4周期元素である鉄、
コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛イオンは、製造価格の
点及び分離精製工程で精製アミノ酸側に漏洩した金属イ
オンの除去が容易である点で、好ましく用いられる。か
かる金属イオンを前記キレート性官能基を有する樹脂に
配位させる方法は、予め該樹脂を充填した塔に前記金属
イオンを溶解した水溶液を通液させるか、金属イオンの
水溶液に前記キレート性官能基を有する樹脂を投入して
所定時間撹拌接触させる方法などが採用される。
前記キレート性官能基を有する樹脂に配位させる金属
イオンの量は特に限定されるものではないが、配位金属
イオン量が少なくなるとアミノ酸の分離精製可能処理量
が少なくなるので、一般には樹脂1kg当り、約0.1グラム
原子以上、飽和容量までの金属イオンを配位させた樹脂
が用いられる。
金属イオンを溶解した水溶液と前記キレート性官能基
を有する樹脂との接触条件は、金属イオンの種類、金属
イオンの濃度、水溶液の温度、前記キレート性官能基を
有する樹脂の種類及び量により異なるので、適宜予備実
験を行うことにより設定される。一般には、前記キレー
ト性官能基を有する樹脂1に対し、室温下で、0.01〜
0.5mol/濃度の金属鉱酸塩又は金属アミン錯塩の水溶
液1〜100を0.1〜24時間接触させる方法が採用され
る。
このようにして金属イオンを配位させた前記キレート
性官能基を有する樹脂は、そのまま、あるいは必要に応
じて水洗を行った後、分離精製対象のアミノ酸水溶液と
接触させられる。
本発明の対象となるアミノ酸水溶液は、金属イオンを
配位したアミノ基を有する樹脂と親和力があり、かつそ
の親和力がそれぞれ異なるアミノ酸及び不純物化合物を
含む水溶液であれば、特に限定されるものではない。こ
のようなアミノ酸及び不純物化合物としては、例えば、
メチオニン、シスチン、システイン、チロシン、バリ
ン、フェニルアラニン、アラニン、トリプトファン、プ
ロリン、セリン、リジン、ヒスチジン、アミノ酪酸、ロ
イシン、イソロイシン等のアミノ酸、アンスラニル酸、
2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸、2−ヒドロキシ
−3−フェニルプロピオン酸、デンプン、糖蜜、酢酸、
n−パラフィン、グリコース等のアミノ酸合成原料など
が挙げられる。
本発明の方法は、ヒスチジン、セリン、リジン、フェ
ニルアラニン、メチオニン、ロイシン又はイソロイシン
を含む水溶液から、これらのいずれかを分離精製する能
力に優れている。特に、カゼイン、ケラチン、ヘモグロ
ビン等を酸加水分解し、これをアルカリで中和して沈澱
製造した、イソロイシンやメチオニン等を不純物として
含有するロイシンの分離精製において、優れた効果が認
められる。
金属イオンを配位させた前記キレート性官能基を有す
る樹脂とアミノ酸水溶液との接触処理は、前記樹脂に対
する分離精製対象のアミノ酸の親和性の低下を防止する
ため、アミノ酸水溶液のpHが約2〜12の範囲、特にpH3
〜10の範囲で実施するのが好ましい。アミノ酸水溶液の
pHが約2を下回るか又は約12を越えると、分離精製対象
のアミノ酸の樹脂に対する親和力が低下し、精製効率が
低下するので、あまり好ましくない。
金属イオンを配位させた前記キレート性官能基を有す
る樹脂とアミノ酸水溶液との接触方法は特に制限される
ものではなく、例えば、前記樹脂を充填した塔内へアミ
ノ酸水溶液を通液する方法、アミノ酸水溶液中に前記樹
脂を浸漬し、次いで濾過分離する方法などが採用され
る。一般には、前記キレート樹脂を塔内に充填してアミ
ノ酸水溶液を通液する方法が、操作性の良さから好まし
く採用される。さらに、前記金属イオンを配位させたキ
レート性官能基を有する樹脂を充填した塔の後に、該金
属イオンに対して配位能力があり、かつ金属イオンを配
位していないキレート樹脂を充填した塔を直列に連結す
る方法は、前記金属イオンを配位させたキレート性官能
基からの金属イオンが分離精製したアミノ酸水溶液へ混
入することを防止できるので、好ましく用いられる。
金属イオンに対して配位能力のあるキレート樹脂とし
ては、本発明方法で用いる前記のキレート性官能基を有
する樹脂が一般に用いられるが、前記金属イオンに対し
て配位能力を有するものであれば、特に限定されない。
金属イオンに対して配位能力のあるキレート樹脂の使用
量は、キレート樹脂の種類、漏出金属の種類等により異
なるため、適宜予備実験を行うことにより設定される。
一般には、前記金属イオンを配位させたキレート性官能
基を有する樹脂に対して、1/1〜1/10倍量用いる方法が
採用される。
金属イオンを配位させた前記キレート性官能基を有す
る樹脂とアミノ酸水溶液と接触温度も特に制限されるも
のではなく、通常約0〜100℃で実施される。また、接
触時間も特に制限されるものではない。接触温度や接触
時間等は、適宜予備実験を行うことにより設定できる。
金属イオンを配位させた前記キレート性官能基を有する
樹脂の使用量も、適宜予備実験を行うことにより設定で
きる。
本発明方法は、金属イオンを配置させた前記キレート
性官能基を有する樹脂にアミノ酸水溶液の接触処理を行
い、該樹脂にアミノ酸等を吸着させ、次いで分離精製を
目的とするアミノ酸と他のアミノ酸又は不純物との分離
を行うものである。この分離は、各アミノ酸又は不純物
と金属イオンを配位させた前記キレート性官能基を有す
る樹脂との親和力の差を利用したクロマト分離の原理に
基づく方法により行われる。
このクロマト分離を行う分離溶出剤の種類及び量は、
各アミノ酸又は不純物の種類、金属イオンを配位させた
アミノ基を有する樹脂の種類、樹脂に配位したアミノ酸
又は不純物の量等により異なり、適宜予備実験を行うこ
とにより設定される。かかる分離溶出剤としては、公知
の高速液体クロマトグラフィー用の展開液を用いること
も可能であるが、アミノ酸の回収の容易さ等の点から、
水、アンモニア水、鉱酸、苛性アルカリ金属水溶液、苛
性アルカリ土類金属水溶液、アミン水溶液のそれぞれ単
独又は組合せが好ましく用いられる。
分離精製した溶出液からは、濃縮析出処理、乾燥等の
公知の方法により、精製されたアミノ酸を得ることがで
きる。またアミノ酸を分離溶出した後の樹脂は、そのま
ま、又は必要に応じて再度金属イオンを配位させた後、
再びアミノ酸水溶液の分離精製に繰り返し用いることが
できる。
〈発明の効果〉 本発明の方法によれば、純度の高いアミノ酸を極めて
容易に得ることができるので、その価値は非常に高い。
〈実施例〉 以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例1 架橋度6モル%のアクリロニトリル−ジビニルベンゼ
ン共重合体600gにジエチレントリアミン5150gと水1290g
を加え、115〜125℃で4時間反応させ、濾過、水洗し
て、2420g(未乾燥)のアミノ化樹脂aを得た。このア
ミノ化樹脂aの242gにアクリル酸144gと水36gを加え、4
0〜60℃で12時間反応させた後、濾過、水洗して、302g
(未乾燥)のポリアミノカルボン酸基を有するキレート
樹脂(これをキレート樹脂Aとする)を得た。
次いで、水1にCuSO4を0.1モルとNH3を0.5モル加え
て調整した水溶液300mlに、上で得られたキレート樹脂
Aの30mlを室温で1時間接触させた後、濾過、水洗する
ことにより、キレート樹脂Aに1.3gの銅イオンを配位さ
せた。この銅イオン配位キレート樹脂をカラムに充填
し、さらにそのカラムの下に、金属イオンを配位させて
いないキレート樹脂Aを10ml充填したカラムを直列に連
結させた。
このカラムに脱イオン交換水を満たし、次にカラム塔
頂より、pH6.2で、L−ヒスチジンとL−メチオニンを
各々10g/濃度で含む混合水溶液20mlを30分で通液し、
次いで第1の分離溶出剤として脱イオン交換水200mlを
2時間で、さらに第2の分離溶出剤として1規定濃度の
アンモニア水200mlを2時間で通液したところ、第1図
に示すように、L−ヒスチジンとL−メチオニンが分離
精製された分離溶出液が得られた。この分離溶出液をさ
らに減圧濃縮したところ、脱イオン交換水分離溶出液か
らは、銅含量が0.1ppm以下で純度98%のL−ヒスチジン
を0.19g(L−ヒスチジン収率93%)、またアンモニア
水分離溶出液からは、銅含量が0.1ppm以下で純度99%の
L−メチオニンを0.18g(L−メチオニン収率90%)得
た。
実施例2〜4 実施例1で用いたL−ヒスチジンとL−メチオニンの
混合水溶液を、L−セリンとL−ロイシンの混合水溶
液、L−リジンとL−フェニルアラニンの混合水溶液、
又はL−イソロイシンとL−ロイシンの混合水溶液に変
えた以外は、実施例1と同様の方法で分離精製を行っ
た。結果を第1表及び〜第2〜4図に示す。
比較例1〜4 金属イオンを配位させたキレート樹脂Aの替わりに、
金属イオンを配位させていないキレート樹脂Aを用いた
以外は、実施例1〜4と同様にして、L−ヒスチジンと
L−メチオニンの混合水溶液、L−セリンとL−ロイシ
ンの混合水溶液、L−リジンとL−フェニルアラニンの
混合水溶液、及びL−イソロイシンとL−ロイシンの混
合水溶液から、各アミノ酸の分離精製を行った。
その結果、上記いずれの組合せにおいても、分離溶出
剤として脱イオン交換水を50ml通液した段階ですべての
アミノ酸が樹脂塔系外に溶出し、各アミノ酸の分離はま
ったくできなった。
実施例5〜6 実施例1で銅イオン配位キレート樹脂A30mlのカラム
の下に連結させた金属イオンを配位させていないキレー
ト樹脂A10mlのカラムを取り外した以外は、実施例1及
び実施例4と同様の方法で分離精製を行った。その結果
を第2表に示した。
比較例5〜6 キレート樹脂Aの替わりに、実施例1で得たアミノ化
樹脂aの30mlに1.2gの銅イオンを配位させた樹脂を用い
た以外は、実施例5及び6と同様の方法で分離精製を行
った。その結果を第3表に示した。
実施例7 実施例1の前半で得たアミノ化樹脂aの242gにモノク
ロル酢酸189gと2規定苛性ソーダ水溶液1を加え、pH
が8〜10となるように1規定苛性ソーダ水溶液を併注し
ながら40〜50℃で10時間反応を行った後、濾過、水洗し
た。得られた樹脂を10重量%濃度の苛性ソーダ水溶液50
0gに室温で30分間浸漬し、次いで濾過、水洗して、339g
(未乾燥)のポリアミノカルボン酸基型のキレート樹脂
(これをキレート樹脂Bとする)を得た。
次いで、水1をCuSO4を0.1モルとNH3を0.5モル加え
て調製した水溶液300mlに、上で得られたキレート樹脂
Bの30mlを室温で1時間接触させた後、濾過、水洗する
ことにより、キレート樹脂Bに1.2gの銅イオンを配位さ
せた。この銅イオン配位キレート樹脂をカラムに充填
し、さらにそのカラムの下に、金属イオンを配位させて
いないキレート樹脂Bを10ml充填したカラムを直列に連
結させた。
このカラムに脱イオン交換水を満たし、次にカラム塔
頂より、pH3で、NaClを3重量%、L−イソロイシンを
0.15g/、L−ロイシンを1.5g/の各濃度で含み、L
−ロイシン純度〔=L−ロイシン含量×100/(L−ロイ
シン+L−イソロシン)含量〕が90.9%の混合水溶液50
mlを30分で通液し、次いで第1の分離溶出剤として脱イ
オン交換水200mlを2時間で、さらに第2の分離溶出剤
として0.5規定濃度のアンモニア水200mlを2時間で通液
して、L−イソロイシンとL−ロイシンの分離精製を行
った。その結果、脱イオン交換水側で、L−イソロイシ
ン純度〔=L−イソロイシン含量×100/(L−ロイシン
+L−イソロイシン)含量〕が99.2%の溶出液を、また
アンモニア水側で、L−ロイシン純度が99.3%の溶出液
を得た。
実施例8 実施例1の前半で得たアミノ化樹脂aの242gに25重量
%ホルマリン水溶液290g、亜燐酸164g及び36重量%塩酸
200gを加え、90〜100℃で4時間反応させた後、濾過、
水洗して、323g(未乾燥)のジエチレントリアミンメチ
レンホスホン酸基を有するアミノホスホン酸型キレート
樹脂(これをキレート樹脂Cとする)を得た。
次いで、水1にCuSO4を0.05モルとNH3を0.25モル加
えて調製した水溶液300mlに、上で得られたキレート樹
脂Cの30mlを室温で1時間接触させた後、濾過、水洗す
ることにより、キレート樹脂Cに0.6gの銅イオンを配位
させた。この銅イオン配位キレート樹脂をカラムに充填
し、さらにそのカラムの下に、金属イオンを配位させて
いないキレート樹脂Cを10ml充填したカラムを直列に連
結させた。
このカラムに脱イオン交換水を満たし、次にカラム塔
頂より、pH4.7で、メチオニンを12g/、N−メチオニ
ルメチオニンを0.6g/、硫酸ナトリウムを220g/の各
濃度で含有するメチオニン工場排水100mlを1時間で通
液し、次いで第1の分離溶出剤として脱イオン交換水10
0mlを1時間で、さらに第2の分離溶出剤として1規定
濃度のトリエチルアミン水溶液200mlを2時間で流し
て、N−メチオニルメチオニンとメチオニンの分離精製
を行った。その結果、N−メチオニルメチオニンは、メ
チオニン工場排水及び脱イオン交換水通液の工程でほと
んど溶出し、両者を合わせた水溶液(以下第1の分離溶
出剤と称す)中のN−メチオニルメチオニンの純度〔=
N−メチオニルメチオニン含量×100/(N−メチオニル
メチオニン+メチオニン)含量〕は98%であった。一
方、第2の分離溶出剤中のメチオニン純度〔=メチオニ
ン含量×100/(N−メチオニルメチオニン+メチオニ
ン)含量〕は99%であった。
実施例9〜12 実施例8で用いたキレート樹脂Cに配位させる金属イ
オンの種類と配位量を第4表に示すように変えた以外
は、実施例8と同様にして、メチオニンとN−メチオニ
ルメチオニンの分離精製を行った。結果を第4表に示
す。
実施例13〜21 キレート樹脂D: アミノ化樹脂aの242gに替えて、173gのクロルメチル
化スチレン−ジビニルベンゼン共重合体に20重量%アン
モニア水300gをオートクレーブ中60℃で24時間反応させ
た後、濾過、水洗を行って得た310g(未乾燥)のアミノ
化樹脂bを用いた以外は、実施例7と同様のカルボン酸
基導入反応を行って、390g(未乾燥)のアミノカルボン
酸基型のキレート樹脂を得た。これをキレート樹脂Dと
する。
キレート樹脂E: 173gのクロルメチル化スチレン−ジビニルベンゼン共
重合体を、266gのイミノジ酢酸、80gの苛性ソーダ及び1
000gの水の混合液に加え、60〜70℃で24時間反応を行っ
た後、濾過、水洗して、436g(未乾燥)のイミノジカル
ボン酸基型のキレート樹脂を得た。これをキレート樹脂
Eとする。
キレート樹脂F: キレート樹脂Dの合成で用いた20重量%アンモニア水
300gの替わりに、80重量%エチレンジアミン水溶液394g
を用いた以外は、キレート樹脂Dの合成と同様にアミノ
化反応及びカルボン酸基導入反応を行って、443g(未乾
燥)のポリアミノカルボン酸基型のキレート樹脂を得
た。これをキレート樹脂Fとする。
キレート樹脂G: キレート樹脂Dの合成で用いた20重量%アンモニア水
300gの替わりに、80重量%ジエチレントリアミン水溶液
494gを用いた以外は、キレート樹脂Dの合成と同様にア
ミノ化反応及びカルボン酸基導入反応を行って、447g
(未乾燥)のポリアミノカルボン酸基型のキレート樹脂
を得た。これをキレート樹脂Gとする。
キレート樹脂H: 市販のフェノール樹脂を母体としたイミノジカルボン
酸基型のキレート樹脂ユニセレックUR−50(ユニチカ社
製)をキレート樹脂Hとする。
キレート樹脂I: 市販のフェノール樹脂を母体としたアミノホスホン酸
基型のキレート樹脂ユニセレックUR−3300(ユニチカ社
製)をキレート樹脂Iとする。
キレート樹脂J: 市販のアクリル系樹脂を母体としたポリアミノカルボ
ン酸基型のキレート樹脂スミキレートMC−76(住友化学
社製)をキレート樹脂Jとする。
キレート樹脂K: 市販のアクリル系樹脂を母体としたポリアミノホスホ
ン酸基型のキレート樹脂スミキレートMC−75(住友化学
社製)をキレート樹脂Kとする。
キレート樹脂L: 市販のスチレン系樹脂を母体としたアミノホスホン酸
基型のキレート樹脂デュオライトC−467(デュオライ
トインターナショナル社製)をキレート樹脂Lとする。
キレート樹脂Bの替わりに、以上のキレート樹脂D、
E、F、G、H、I、J、K又はLを用いた以外は、実
施例7と同様の方法で、銅イオンの配位及びL−イソロ
イシンとL−ロイシンの分離精製を行った。結果を第5
表に示した。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図及び第4図は、それぞれ実施例
1、実施例2、実施例3及び実施例4における分離溶出
液量と分離溶出液中のアミノ酸濃度の関係を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 229/36 C07C 229/36 323/58 323/58 C07D 233/64 106 C07D 233/64 106

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノカルボン酸又はアミノホスホン酸型
    のキレート性官能基であって金属イオンを配位したもの
    を有する樹脂(L−プロリン−金属錯塩固定化樹脂を除
    く)を、アミノ酸水溶液と接触させることにより、該樹
    脂にアミノ酸を吸着させ、次いで吸着したアミノ酸を溶
    出させることを特徴とするアミノ酸の分離精製法。
  2. 【請求項2】アミノカルボン酸又はアミノホスホン酸型
    のキレート性官能基であって金属イオンを配位したもの
    を有する樹脂(L−プロリン−金属錯塩固定化樹脂を除
    く)を充填した塔の後に、金属イオンを配位する能力の
    あるキレート性官能基を有する樹脂であって金属イオン
    を配位していないものを充填した塔を直列に連結して、
    アミノ酸の吸着及びその後の溶出を行う請求項1記載の
    アミノ酸の分離精製法。
  3. 【請求項3】該樹脂中のアミノカルボン酸又はアミノホ
    スホン酸型のキレート性官能基が、ポリアルキレンポリ
    アミノ基を介して高分子主鎖と結合している請求項1又
    は2記載のアミノ酸の分離精製法。
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