JPH05229995A - ロイシンの分離精製方法 - Google Patents

ロイシンの分離精製方法

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JPH05229995A
JPH05229995A JP3182592A JP3182592A JPH05229995A JP H05229995 A JPH05229995 A JP H05229995A JP 3182592 A JP3182592 A JP 3182592A JP 3182592 A JP3182592 A JP 3182592A JP H05229995 A JPH05229995 A JP H05229995A
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leucine
resin
aqueous solution
acid
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JP3182592A
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Yuji Yoshida
祐司 吉田
Masahiro Aoi
正廣 青井
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 不純物アミノ酸を含むロイシン水溶液を、金
属イオンを配位した樹脂と接触させて樹脂にロイシンを
吸着させ、そのあと吸着したロイシンを溶離することに
よりロイシンを分離精製する方法において、得られる精
製ロイシンの純度を高める。 【構成】 金属イオンを配位した樹脂とロイシン水溶液
との接触時間を5時間以内で行う。こうしてロイシンを
吸着した樹脂は、そのあとアンモニア水などの溶離剤と
接触させることにより、吸着したロイシンが溶離され
る。 【効果】 ロイシンを高純度で分離精製することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はロイシンの分離精製方法
に関するものであり、さらに詳しくは、金属イオンを配
位した官能基を有する樹脂を用いて、ロイシンを分離精
製する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ロイシンは通常、発酵法あるいは、カゼ
イン、ケラチンなどのタンパク質を加水分解する抽出法
のいずれかの方法で製造されている。しかしいずれの方
法も、不純物としてロイシン以外のアミノ酸を副生する
ので、純粋なロイシンを得るためには、それらの不純物
アミノ酸を除去する必要がある。
【0003】このような不純物アミノ酸を除去する方法
としては、イオン交換樹脂を用い、アミノ酸同士の電荷
の差を利用して分離する方法、あるいは溶解度差を利用
して晶析により分離する方法などが用いられている。し
かし、ロイシンに混入する不純物アミノ酸のなかでも中
性アミノ酸、特にイソロイシンやバリンは、電荷や溶解
度がロイシンと非常に近似しているため、前記のような
通常の分離法では除去が困難である。
【0004】そこで例えばバリンを除去する方法とし
て、特開昭 61-178952号公報に記載されるような、非極
性多孔質吸着剤を利用して分離する方法が知られてい
る。またイソロイシンを除去する方法として、「ファイ
ンケミカル」1982年3月15日号第10頁に記載されるよう
な、β−ナフタレンスルホン酸や2−ブロモ−5−トル
エンスルホン酸などの第三成分を加え、アミノ酸をかか
る第三成分の塩とし、その溶解度差を利用して晶析によ
り分離する方法が知られている。
【0005】バリンを除去するために多孔質吸着剤を用
いる方法は、吸着剤に対するロイシンの吸着容量が低い
ために効率が十分とはいえない。また、イソロイシンを
除去するために第三成分を加える晶析法は、晶析後さら
にその第三成分を除去する必要があり、製造時間が長く
なるなどの欠点を有している。
【0006】こうした従来法の欠点を改良するアミノ酸
の相互分離による精製法として、本発明者らは先に、金
属イオンを配位したアミノカルボン酸型またはアミノホ
スホン酸型のキレート性官能基を有する樹脂とアミノ酸
水溶液を接触させてその樹脂にアミノ酸を吸着させ、次
いで吸着したアミノ酸を溶出することによるアミノ酸の
分離精製法を明らかにした(特開平 1-258652 号公
報)。この公報で開示した方法は、類似の特性を持った
アミノ酸の分離精製において、従来に見られない効果を
発揮する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金属
イオンを配位した樹脂を用いてアミノ酸を分離精製する
方法において、特にロイシンの分離性をより一層高める
ことにある。
【0008】研究の結果、金属イオンを配位した樹脂に
おいては、ロイシンの吸着速度が不純物アミノ酸の吸着
速度に比べて非常に速いことを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、金属
イオンを配位した樹脂と、ロイシンおよび不純物アミノ
酸を含む水溶液とを接触させるにあたり、接触時間を5
時間以内、さらに好ましくは1時間以内にして、その樹
脂にロイシンを選択的に吸着させ、次いで吸着したロイ
シンを溶離することによるロイシンの分離精製方法を提
供するものである。
【0010】本発明で用いる樹脂は金属イオンを配位し
たものであり、通常は、官能基、好ましくはキレート性
官能基を有する樹脂に、金属イオンを配位させることに
よって調製される。金属イオンを配位する官能基として
は、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アミ
ノ基などが挙げられ、金属イオンを配位した状態でロイ
シンを吸着するものであれば使用可能である。樹脂基体
は特に制限されるものでなく、スチレン系、アクリル
系、フェノール系など、通常のイオン交換樹脂やキレー
ト樹脂に用いられる不溶性高分子が、本発明においても
樹脂基体となりうる。
【0011】金属イオンを配位しうる官能基を有する樹
脂の具体例を以下に列挙する。
【0012】(1)カルボン酸基型のキレート樹脂: アミノ樹脂またはポリアミノ樹脂に、モノクロル酢
酸、モノブロム酢酸、モノクロルプロピオン酸、モノブ
ロムプロピオン酸、またはこれらのアルカリ金属塩もし
くはアルカリ土類金属塩のようなハロゲン化アルキルカ
ルボン酸化合物を反応させて得られる樹脂。ここで用い
るアミノ樹脂とは、1級または2級アミノ基を有するも
のであり、例えばニトリル基、クロルメチル基、スルホ
ニルクロリド基、イソシアナート基、カルボニルクロリ
ド基、エポキシ基、アルデヒド基、あるいは塩素、臭
素、ヨウ素のようなハロゲン原子など、アミン反応性基
を有する重合体に、アンモニアまたは、メチルアミンや
エチルアミンのような1級アミンを反応させることによ
って得られる。またポリアミノ樹脂とは、側鎖に二つ以
上の1級または2級アミノ基を有するものであり、例え
ば前記のようなアミン反応性基を有する重合体に、エチ
レンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジ
アミン、ノナメチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、ヒドラジン、グアニジンなどのポリアミンを反応さ
せることによって得られる。
【0013】 前記のようなアミノ樹脂またはポリア
ミノ樹脂に、アクリル酸、メタクリル酸、アセチレンジ
カルボン酸、マレイン酸のような不飽和カルボン酸、こ
れら不飽和カルボン酸のアルカリ金属塩もしくはアルカ
リ土類金属塩、またはメチルエステル、エチルエステル
のようなエステル類など(以下、アクリル酸系化合物と
称する)を反応させ、エステルの場合にはそのあと加水
分解を行って得られる樹脂。
【0014】 前記のようなアミン反応性基を有する
重合体に、グリシン、アラニン、β−アラニン、イミノ
ジ酢酸、イミノジプロピオン酸、エチレンジアミン二酢
酸、エチレンジアミン三酢酸などのアミノ酸化合物を反
応させて得られる樹脂。
【0015】 市販されているスミキレート MC-30、
MC-75、 MC-76、 MC-77、 MC-78、スミセパーレ AS-1
2、 AS-13、 AS-23〔以上、住友化学工業(株)製〕、
デュオライト C-464、 C-466〔以上、デュオライトイン
ターナショナル社製〕、ダイヤイオン WK-10、 WK-20、 C
R-10〔以上、三菱化成(株)製〕、ユニセレック UR-1
0、UR-20、 UR-30、 UR-40、 UR-50〔以上、ユニチカ
(株)製〕などのキレート樹脂。
【0016】(2)ホスホン酸基型のキレート樹脂: 前記のようなアミノ樹脂またはポリアミノ樹脂に、
クロルメチル燐酸、クロルエチル燐酸のようなアルキル
燐酸化剤あるいは、ホルムアルデヒドのようなアルキレ
ン化剤と、三塩化燐、亜燐酸、亜燐酸メチル、亜燐酸エ
チルのような燐酸化剤とを、塩酸、硫酸などの酸性触媒
下で反応させて得られる樹脂。
【0017】 市販されているスミキレート MC-95、
スミセパーレ AS-14、 AS-24〔以上、住友化学工業
(株)製〕、デュオライト C-467〔デュオライトインタ
ーナショナル社製〕、ユニセレック UR-3300〔ユニチカ
(株)製〕などのキレート樹脂。
【0018】(3)スルホン酸基を有する樹脂:市販さ
れているスミカイオン KC-470 〔住友化学工業(株)
製〕、デュオライト C-20 、 C-26 〔以上、デュオライ
トインターナショナル社製〕、ダイヤイオン SK1B 〔三
菱化成(株)製〕などの樹脂。
【0019】特に本発明においては、アミノカルボン酸
基やアミノホスホン酸基などのキレート性官能基を有す
る樹脂が好ましい。なかでもポリアミノ樹脂に、ハロゲ
ン化アルキルカルボン酸化合物、アクリル酸系化合物、
アミノ酸化合物、アルキル燐酸化剤、またはアルキレン
化剤および燐酸化剤を反応させて得られる樹脂、すなわ
ちポリアルキレンポリアミノ基を介して高分子主鎖(樹
脂基体)と結合するカルボン酸基またはホスホン酸基を
側鎖に有するいわゆるポリアミノカルボン酸型またはポ
リアミノホスホン酸型のキレート樹脂が好ましく用いら
れる。このようなポリアミノカルボン酸型またはポリア
ミノホスホン酸型のキレート樹脂を用いた場合は、キレ
ート性官能基に配位していた金属イオンが、分離精製後
のロイシンへ漏出することが少なく、またロイシンを吸
着する速度と他の不純物アミノ酸を吸着する速度の差が
大きいため、分離精製の効果が高くなる。
【0020】以上のような官能基を有する樹脂に配位さ
せる金属イオンは、前記樹脂に金属イオンが配位した状
態で、目的とするロイシンを配位できるものであればよ
く、特別に限定されるものでないが、一般には遷位金属
のイオンが好ましく用いられる。特に周期律表の第4周
期元素である鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛の各イ
オンは、製造価格の点および、分離精製工程において精
製ロイシン側に漏出する金属量が少ない点で、好ましく
用いられる。さらには、銅イオンおよびコバルトイオン
がより好ましい。
【0021】かかる金属イオンを、前記官能基を有する
樹脂に配位させる方法は、あらかじめ樹脂を充填した塔
に前記金属イオンを溶解した水溶液を通液させるか、あ
るいは金属イオンの水溶液に樹脂を投入して所定時間撹
拌接触させる方法などが採用できる。
【0022】官能基を有する樹脂に配位させる金属イオ
ンの量は特に制限されるものでないが、配位金属イオン
の量が少なくなるとロイシン水溶液の処理可能量が少な
くなるので、一般には樹脂1kgあたり約 0.1グラム原子
以上飽和容量までの金属イオンを配位させるのが好まし
い。
【0023】金属イオンを溶解した水溶液と前記官能基
を有する樹脂との接触条件は、金属イオンの種類および
濃度、接触温度、官能基を有する樹脂の種類および量な
どによって異なるので、適宜予備実験を行うことにより
決定される。一般には、官能基を有する樹脂1リットル
あたり、0.01〜0.5 モル/L程度の濃度を有する金属鉱
酸塩の水溶液を1〜100リットル程度の割合で、室温
下、 0.1〜24時間接触させる方法が採用される。
【0024】このようにして金属イオンを配位させた前
記官能基を有する樹脂はそのまま、あるいは必要に応じ
て水洗を行ったあと、分離精製対象のロイシン水溶液と
接触させられる。
【0025】本発明で処理対象になるロイシン水溶液
は、ロイシンの他に少なくとも1種の不純物アミノ酸を
含んでいる水溶液である。好ましくは、ロイシンおよび
他のアミノ酸の濃度がそれぞれ20g/L以下である水
溶液が用いられる。この水溶液中に含まれるロイシン以
外のアミノ酸は、特に制限されるものでないが、前述し
たバリンやイソロイシンなど、通常の方法ではロイシン
から分離しにくいアミノ酸を含むロイシン水溶液に対し
て、本発明の方法は顕著な分離精製効果を発揮する。し
たがって、このようなバリンやイソロイシンなどを不純
物として含むロイシン水溶液は、本発明による分離精製
対象として好ましいものである。
【0026】本発明に従って、金属イオンを配位した樹
脂とロイシン水溶液を接触させるにあたり、ロイシン水
溶液のpHは約2〜約12の範囲が好ましく、特にpH
約3〜約10の範囲がより好ましい。ロイシン水溶液の
pHがこの範囲をはずれて、約2未満になるかまたは約
12を越えると、精製効率が低下するので好ましくな
い。
【0027】金属イオンを配位した樹脂とロイシン水溶
液との接触は、この水溶液中へ前記樹脂を浸漬し、次い
で濾過分離することによって行われる。接触温度は特に
制限されるものでなく、約0℃から約100℃までの任
意の温度で実施される。より好ましい接触温度は、適宜
予備実験を行うことにより設定することができる。また
金属イオンを配位した樹脂の使用量も、適宜予備実験を
行うことにより設定できる。
【0028】この樹脂とロイシン水溶液の接触におい
て、ロイシン以外の不純物アミノ酸が吸着飽和に達しな
い条件を採用することが肝要である。そこで本発明で
は、この接触を5時間以内、好ましくは3時間以内、よ
り好ましくは1時間以内で行う。樹脂とロイシン水溶液
との接触時間が5時間を越えると、ロイシン以外の不純
物アミノ酸の吸着が多くなるので、分離精製効率が低下
する。適当な接触時間は、ロイシン水溶液中のロイシン
の量ならびに不純物アミノ酸の種類および量、樹脂の種
類および量、接触時間などによって変化するので、適宜
予備実験を行うなどして、最適の接触時間を設定するこ
とができる。
【0029】本発明の方法は、金属イオンを配位した樹
脂とロイシン水溶液を接触させ、ロイシンを樹脂に吸着
させるものである。したがって、吸着処理後のアミノ酸
水溶液は結果的にロイシン以外のアミノ酸を残留するこ
とになるので、この残留アミノ酸を精製する技術にも、
本発明の方法は応用が可能である。
【0030】ロイシンを吸着させた樹脂はそのまま、あ
るいは必要に応じて水洗を行ったあと、吸着したロイシ
ンを分離溶出剤により溶出させる。かかる分離溶出剤と
しては、ロイシンの回収の容易さなどの点から、水、ア
ンモニア水、鉱酸、アルカリ金属水酸化物の水溶液、ま
たはアルカリ土類金属水酸化物の水溶液が好ましく用い
られる。これらの分離溶出剤は、それぞれ単独で、また
は組み合わせて用いることができる。
【0031】このようにして樹脂から溶出させたロイシ
ン水溶液は、濃縮析出、乾燥などの公知の処理を施すこ
とにより、精製されたロイシンとすることができる。な
お、ロイシンを溶出させたあとの樹脂はそのまま、ある
いは必要に応じて再度金属イオンを配位させたあと、再
びロイシン水溶液の分離精製に繰り返し用いることがで
きる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
でない。なお以下の例において、ロイシンの純度は、次
式に従って計算された重量基準の値で表している。
【0033】ロイシン純度(%)=(ロイシン重量/ロ
イシンを含む全アミノ酸の重量)×100
【0034】実施例1:アミノカルボン酸型キレート性
官能基を有する市販のキレート樹脂であるスミセパーレ
AS-12〔住友化学工業(株)製〕を用意した。 一方、
硫酸銅五水和物12.5gおよび濃アンモニア水30mlを溶
解し、イオン交換水で全量を1リットルにして、硫酸銅
水溶液を調製した。この硫酸銅水溶液500mlに前記キ
レート樹脂20mlを投入して20時間撹拌し、次いで濾
過、水洗を行った。この結果、銅イオンを 1.1g吸着し
た吸着樹脂Aが20ml得られた。
【0035】上で得た吸着樹脂Aを5ml用い、これを、
ロイシン 1.0gとイソロイシン 1.0gを含むロイシン水
溶液50ml(ロイシン純度50%)に1時間接触させ、
次いで濾過、水洗を行った。こうして得られたロイシン
を吸着した樹脂を、5規定アンモニア水溶液100mlに
投入し、2時間撹拌することにより、吸着したアミノ酸
を溶離させた。その結果、溶離液中に含まれるアミノ酸
は、ロイシン0.35g、イソロイシン0.04gであり、ロイ
シン純度は89.7%であった。
【0036】比較例1:吸着樹脂Aを5ml用い、ロイシ
ン水溶液に接触させる時間を8時間に変更した以外は実
施例1と同様な操作を行った。得られたアンモニア溶離
液に含まれるアミノ酸は、ロイシン0.33g、イソロイシ
ン0.09gであり、ロイシン純度は78.5%であった。
【0037】実施例2:吸着樹脂Aを5ml用い、ロイシ
ン 1.0gとバリン 1.0gを含むロイシン水溶液50ml
(ロイシン純度50%)に1時間接触させ、次いで濾
過、水洗を行った。こうして得られたロイシンを吸着し
た樹脂を、5規定アンモニア水溶液100mlに投入し、
2時間撹拌することにより、吸着したアミノ酸を溶離さ
せた。得られた溶離液中に含まれるアミノ酸は、ロイシ
ン0.35g、バリン0.08gであり、ロイシン純度は81.4%
であった。
【0038】比較例2:吸着樹脂Aを5ml用い、ロイシ
ン水溶液に接触させる時間を8時間に変更した以外は実
施例2と同様な操作を行った。得られたアンモニア溶離
液に含まれるアミノ酸は、ロイシン0.31g、バリン0.29
gであり、ロイシン純度は51.7%であった。
【0039】実施例3〜5:次の吸着樹脂B、Cおよび
Dを調製した。
【0040】吸着樹脂B:アミノカルボン酸基を有する
市販のキレート樹脂であるスミセパーレ AS-13〔住友化
学工業(株)製〕20mlを、実施例1と同様に硫酸銅水
溶液で処理することにより、銅イオン 0.7gが配位した
樹脂20mlを得た。これを吸着樹脂Bとする。
【0041】吸着樹脂C:アミノホスホン酸基を有する
市販のキレート樹脂であるスミセパーレ AS-14〔住友化
学工業(株)製〕20mlを、実施例1と同様に硫酸銅水
溶液で処理することにより、銅イオン 0.7gが配位した
樹脂20mlを得た。これを吸着樹脂Cとする。
【0042】吸着樹脂D:スルホン酸基を有する市販の
キレート樹脂であるデュオライトC-26〔デュオライトイ
ンターナショナル社製〕10mlを、実施例1と同様に硫
酸銅水溶液で処理することにより、銅イオン 1.1gが配
位した樹脂10mlを得た。これを吸着樹脂Dとする。
【0043】上記の吸着樹脂B、CおよびDをそれぞれ
5mlずつ用いて、実施例1と同様な操作を行った。結果
を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】比較例3〜5:実施例3〜5で用いたのと
同じ吸着樹脂B、CおよびDそれぞれを用いて、比較例
1と同様な操作を行った。結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】実施例6〜8:実施例3〜5で用いたのと
同じ吸着樹脂B、CおよびDをそれぞれ5mlずつ用い
て、実施例2と同様な操作を行った。結果を表3に示
す。
【0048】
【表3】
【0049】比較例6〜8:実施例3〜5で用いたのと
同じ吸着樹脂B、CおよびDをそれぞれ用いて、比較例
2と同様な操作を行った。結果を表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】実施例9:吸着樹脂Aを5ml用い、ロイシ
ン 1.0gとメチオニン 1.0gを含むロイシン水溶液50
ml(ロイシン純度50%)に3時間接触させ、次いで濾
過、水洗を行った。このようにして得られたロイシンを
吸着した樹脂を、5規定アンモニア水溶液100mlに投
入し、2時間撹拌することにより、吸着したアミノ酸を
溶離させた。溶離液中に含まれるアミノ酸は、ロイシン
0.35g、メチオニン 0.042gであり、ロイシン純度は8
9.2%であった。
【0052】比較例9:吸着樹脂Aを5ml用い、ロイシ
ン水溶液に接触させる時間を10時間に変更した以外は
実施例9と同様な操作を行った。得られたアンモニア溶
離液に含まれるアミノ酸は、ロイシン0.29g、メチオニ
ン 0.114gであり、ロイシン純度は71.8%であった。
【0053】実施例10:吸着樹脂Aを5ml用い、ロイ
シン 1.0gとトリプトファン 1.0gを含むロイシン水溶
液50ml(ロイシン純度50%)に5時間接触させ、次
いで濾過、水洗を行った。このようにして得られたロイ
シンを吸着した樹脂を、5規定アンモニア水溶液100
mlに投入し、2時間撹拌することにより吸着したアミノ
酸を溶離させた。溶離液中に含まれるアミノ酸は、ロイ
シン0.32g、トリプトファン0.09gであり、ロイシン純
度は78.0%であった。
【0054】比較例10:吸着樹脂Aを5ml用い、ロイ
シン水溶液に接触させる時間を10時間に変更した以外
は実施例10と同様な操作を行った。得られたアンモニ
ア溶離液に含まれるアミノ酸は、ロイシン0.30g、トリ
プトファン 0.198gであり、ロイシン純度は60.2%であ
った。
【0055】
【発明の効果】本発明の方法によれば、純度の高いロイ
シンを極めて容易に得ることができるので、その工業的
価値は極めて高い。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不純物アミノ酸を含むロイシン水溶液を、
    金属イオンを配位した樹脂と5時間以内で接触させて該
    樹脂に選択的にロイシンを吸着させ、次いで吸着したロ
    イシンを溶離することを特徴とするロイシンの分離精製
    方法。
  2. 【請求項2】金属イオンを配位した樹脂が、アミノカル
    ボン酸型またはアミノホスホン酸型のキレート性官能基
    を有するキレート樹脂である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】キレート樹脂中の官能基が、ポリアルキレ
    ンポリアミノ基を介して樹脂基体と結合している請求項
    2記載の方法。
  4. 【請求項4】不純物アミノ酸が、バリンまたはイソロイ
    シンである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】金属イオンが、銅イオンまたはコバルトイ
    オンである請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】ロイシン水溶液と樹脂との接触が、ロイシ
    ン水溶液に樹脂を浸漬し、次いで濾過分離することによ
    って行われる請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0645371A1 (de) * 1993-09-24 1995-03-29 Degussa Aktiengesellschaft Verfahren zur Abtrennung von L-Leucin und L-Isoleucin aus wässrigen Lösungen
EP0697396A1 (en) * 1994-08-17 1996-02-21 General Electric Company Adsorption process for amine or amine salt recovery from aqueous brine solutions

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