JP2588930B2 - カルニチンの製造方法 - Google Patents

カルニチンの製造方法

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JP2588930B2 JP63117700A JP11770088A JP2588930B2 JP 2588930 B2 JP2588930 B2 JP 2588930B2 JP 63117700 A JP63117700 A JP 63117700A JP 11770088 A JP11770088 A JP 11770088A JP 2588930 B2 JP2588930 B2 JP 2588930B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はカルニチンの製造方法に関する。さらに詳し
くは、脂肪酸代謝促進剤、輸液用成分などとしての用途
が期待できる有用な性質であるl−カルニチンの製造方
法に関する。
[従来の技術] 従来、式(III): で示されるカルニチンニトリルクロライド(以下、カル
ニチンニトリルクロライド(III)ともいう)を式
(I): で示されるカルニチン(以下、カルニチン(I)ともい
う)に変換する方法としては、強酸性条件下で加水分解
する方法がよく知られている。しかし、この酸加水分解
法では、数モル%のクロトノベタインの副生がさけられ
ず、また生じたクロトノベタインはカルニチン(I)と
性質が似かよっているため、効率よくカルニチン(I)
からクロトノベタインを分離できない。さらにこの方法
では、カルニチン(I)自身、水溶性であり、多量の酸
を使用するために生じる塩との分離が厄介であるといっ
た問題点がある。
また、カルニチンニトリルクロライド(III)に塩基
性条件下で水性過酸化水素を作用させて該カルニチンニ
トリルクロライド(III)を式(II): で示されるカルニチンアミドクロライド(以下、カルニ
チンアミドクロライド(III)ともいう)に変換させる
方法(ビタミン学会第13回報告(1961)、岡ら)が知ら
れており、一方シュウ酸を用いてカルニチンアミドクロ
ライド(II)をカルニチンクロライドに変換する方法
(特開昭55−13299号公報参照)も知られている。この
2つの方法を組合せればカルニチン(I)をうることが
できる。
しかし、この方法では前者の方法の反応で塩基、後者
の方法の反応で酸が用いられることによって、多量の塩
が生じるので効率のよい方法とはいえない。
[発明が解決しようとする課題] 従来の酸加水分解法ではクロトノベタインの副生およ
び多量の塩の生成といった問題点があり、また塩基性条
件下で水性過酸化水素を用いてカルニチンニトリルクロ
ライド(III)をカルニチンアミドクロライド(II)に
変換する方法とシュウ酸を用いてカルニチンアミドクロ
ライド(II)をカルニチン(I)に変換する方法とを組
合せた方法でも、多量の塩が生成するといった問題点が
ある。これらの問題点を解決しうるカルニチンの新しい
製造方法が望まれている。
[課題を解決するための手段] これまで上記問題点を解決すべくカルニチンニトリル
クロライド(III)を塩基性条件に保ったまま、収率よ
くカルニチン(I)に変換する方法は知られていない。
その理由としては、カルニチンニトリルクロライド(II
I)が、塩基性条件下では不安定であり、種々の分解物
を生じ、直接カルニチン(I)に変換できなかったこ
と、およびカルニチンニトリルクロライド(III)に塩
基性条件下で水性過酸化水素を作用させて、カルニチン
ニトリルクロライド(III)をカルニチンアミドクロラ
イド(II)に変換できることは知られていたものの、え
られたカルニチンアミドクロライド(II)をカルニチン
(I)に変換する際に条件を選ばないと酸加水分解によ
る方法を用いたときと同様、多量のクロトノベタインが
副生してしまうおそれがあることなどが考えられ、これ
までほとんど検討されていなかった。塩基性条件下での
カルニチンニトリルクロライド(III)からカルニチン
(I)への変換条件、とくにクロトノベタインの副生を
抑える条件が見出せれば、カルニチンニトリルクロライ
ド(III)を塩基性条件のまま直接カルニチン(I)に
変換することができ、しかもクロトノベタインの副生や
多量の塩の生成もないので、これまでの問題点が一挙に
解決できることになり、そのメリットは大きい。
本発明者らは鋭意研究を重ね、種々の条件を検討した
結果、塩基性条件下でもカルニチンニトリルクロライド
(III)をカルニチン(I)に変換しうること、さらに
温和な塩基性条件においてクロトノベタインを副生せ
ず、選択的にカルニチン(I)に変換しうることを見出
し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、式(III): で示されるカルニチンニトリルクロライドに塩基性物質
と水性過酸化水素とを作用させることを特徴とする
(I): で示されるカルニチンの製造方法および式(III): で示されるカルニチンニトリルクロライドに触媒量の塩
基性物質と水性過酸化水素とを作用させて、該カルニチ
ンニトリルクロライドを式(II): で示されるカルニチンアミドクロライドに変換させたの
ち、該カルニチンアミドクロライドに塩基性物質をさら
に作用させることを特徴とする式(I): で示されるカルニチンの製造方法に関する。
[実施例] 本発明の製造方法に用いる式(III): で示されるカルニチンニトリルクロライド(III)は、
たとえばエピクロルヒドリンとトリメチルアミン塩酸塩
とを反応させて、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル
トリメチルアンモニウムクロライドを生成させたのち、
青酸ソーダを用いてシアノ化を行なうことによって製造
される。
本発明の目的物質である式(I): で示されるカルニチン(I)は、前記カルニチンニトリ
ルクロライド(III)に塩基性物質と水性過酸化水素と
を作用させることによってえられる。
カルニチンニトリルクロライド(III)を、カルニチ
ン(I)に変換する反応に用いる前記塩基性物質として
は、たとえばアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属
水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩または重炭酸塩、第3
級アミン、第4級アンモニウムヒドロキシドなどがあげ
られ、具体的には、NaOH、KOH、Ca(OH)、Na2CO3、N
aHCO3、K2CO3、KHCO3、(C2H53N、NH4OHなどがあげら
れる。また、これらを単独で用いてもよく、2種以上を
組合せて用いてもよい。その使用量はとくに限定されな
いが、カルニチンニトリルクロライド(III)の等モル
以上加えればよい。水性過酸化水素の使用量はとくに限
定されないが、過酸化水素として、カルニチンニトリル
クロライド(III)1モルに対し、理論上2.0モル以上で
あればよい。
反応温度はとくに限定されないが5〜100℃の範囲で
行なうことができる。
溶媒としては、通常水が用いられ、カルニチンニトリ
ルクロライド(III)水溶液中で反応が行なわれるが、
とくに限定されず、過酸化水素に対して不活性な有機溶
媒中に水性過酸化水素が添加された溶媒でも反応を進め
ることができる。溶媒の使用量はとくに限定されない。
上記製造方法でもかなりの高収率でカルニチンニトリ
ルクロライド(III)をカルニチン(I)に変換しうる
がクロトノベタインなどの副生成物の生成を抑える観点
から、カルニチンニトリルクロライド(III)に触媒量
の塩基性物質と、水性過酸化水素とを作用させて、該カ
ルニチンニトリルクロライド(III)を式(II): で示されるカルニチンアミドクロライド(II)に変換さ
せたのち、塩基性物質をカルニチンニトリルクロライド
(III)に対して等モル以上となるように加えて温和な
条件下で加水分解反応を行なわせ、カルニチン(I)を
製造するのが好ましい。以下、その方法をさらに詳しく
説明する。
カルニチンニトリルクロライド(III)からカルニチ
ンアミドクロライド(II)に変換するに際し、用いられ
る触媒量の塩基性物質としては、たとえば前述の塩基性
物質があげられる。その使用量はとくに限定されない
が、カルニチンニトリルクロライド(II)1モルに対し
て0.05〜0.20モル程度添加すればよい。用いる水性過酸
化水素の使用量、溶媒の種類およびその量ならびに反応
温度は、前述のカルニチンニトリルクロライド(III)
からカルニチン(I)への変換条件に準じて設定すれば
よい。
つぎにカルニチンアミドクロライド(II)をカルニチ
ン(I)に変換する反応を行なわせる際には、用いるカ
ルニチンアミドクロライド(II)として、単離された精
製品を用いる必要はなく、上記したアミド化反応でえら
れたカルニチンアミドクロライド(II)含有液をそのま
ま該反応に供してもよい。
用いる塩基性物質としては、アルカリ金属水酸化物、
アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩また
は重炭酸塩、第3級アミン、第4級アンモニウムヒドロ
キシド、塩基性陰イオン変換樹脂などがあげられ、具体
的にはHaOH、KOH、Ca(OH)、Na2CO3、NaHCO3、K2C
O3、KHCO3、(C2H53N、NH4OH、IRA−400などがあげら
れる。これらを単独で用いてもよく、2種以上を組合せ
て用いてもよい。なかでもNaOH、KOHを用いるのが反応
を室温下で効率よく進めることができ、しかもクロトノ
ベタインの副生が少ないので好ましい。塩基性陰イオン
変換樹脂を除いてその使用量はカルニチンアミドクロラ
イド(II)に対して等モル以上になるように加えればよ
い。反応温度はとくに限定されないが、5〜100℃が好
ましい。とくに10〜50℃であるのが反応時間を短縮さ
せ、しかもクロトノベタインの副生を抑える観点から好
ましい。
使用溶媒としては通常水を用い、水系で反応を行なう
が、水とアルコールなどの有機溶媒との混合溶媒系でも
反応は支障なく進む。
塩基性物質として塩基性陰イオン交換樹脂を用いるば
あい、通液と同時に樹脂塔内において、カルニチンアミ
ドクロライド(II)からカルニチン(I)への変換反応
が進行し、さらにこの通過液を加熱濃縮しながら生成し
てくるアンモニアの除去操作を行なえば、ほぼ完全にカ
ルニチン(I)に変換することができる。用いる樹脂量
はとくに限定されないが、負荷する液中の陰イオンを完
全に捕捉できる量用いればよい。たとえば、カルニチン
アミドクロライド(II)1モルに対してIRA−400などの
塩基性陰イオン交換樹脂をイオン交換容量の2〜4倍モ
ル量を用いるのが好ましい。また通液温度はとくに限定
されず、常温で通液を行なってもよい。
なお、過剰量用いた水性過酸化水素は塩基性条件下カ
ルニチン(I)に変換する工程で分解され、検出されな
くなる。
塩基性物質で反応させたのちカルニチン(I)含有液
を、たとえばイオン交換樹脂または電気透析による精製
後、常法にしたがい濃縮乾固、晶析、濾過、乾燥の手順
で精製すると、高品質のカルニチン(I)が高収率でえ
られる。
以下、本発明を実施例にもとづいてさらに詳細に説明
するが本発明はかかる実施例のみに限定されるものでは
ない。
参考例1〜15 dl−カルニチンニトリルクロライド(III)1.80g(10
ミリモル)を水10mlに溶解し、第1表に示す塩基性物質
またはその水溶液を同表に示す所定量加えた。ついで室
温(15〜20℃、以下同様)下、30重量%過酸化水素水溶
液2.49g(22ミリモル)を10分かけて滴下し、1時間放
置したのち、40℃で2時間、後反応を行ない、dl−カル
ニチンアミドクロライド(II)を生成させた。その反応
液を以下に示す分析条件で高速液体クロマトグラフィー
により分析した。その結果を第1表に示す。
(分析条件) カラム:Asahi pack GS−320 移動相:0.1M−NaH2PO4−0.3M−NaCl(pH7.0) 流 速:0.5ml/分 検出器:Rl、UV210nm 温 度:室温(15〜20℃) 第1表より、一部カルニチンアミドクロライド(II)
からカルニチン(I)まで反応が進行したことがわか
る。
参考例16〜20 dl−カルニチンニトリルクロライド(III)1.80g(10
ミリモル)を水10mlに溶解し、さらに1N−NaOH水溶液を
2ml(2ミリモル)加えた。この液に室温下、第2表に
示す所定量の30重量%過酸化水素水溶液を10分かけて滴
下し、1時間放置したのち、40℃で2時間、後反応を行
ない、得られた反応液を高速液体クロマトグラフィーに
より参考例1〜15と同様に分析した。その結果を第2表
に示す。
参考例21〜36 dl−カルニチンアミドクロライド(II)1.97g(10ミ
リモル)を水10mlで溶解し、ついで第3表に示す塩基性
物質またはその水溶液を同表に示す所定量添加し、同表
に示す所定の反応条件(反応温度および反応時間)でカ
ルニチン(I)への変換反応を行ない、その反応液を高
速液体クロマトグラフィーにより参考例1〜15と同様に
分析した。その結果を第3表に示す。
実施例1 l−カルニチンニトリルクロライド(III)17.97g(1
00ミリモル)を水50mlで溶解したのち、1N−NaOH水溶液
を5ml(5ミリモル)加えた。ついでバス温40℃に設定
した水浴中で30重量%H2O2水溶液24.9g(220ミリモル)
を1時間かけて滴下し、さらに50℃で2時間、後反応を
行ない、アミド化反応を完結させた。この反応液を室温
まで冷却したのち、強塩基性陰イオン交換樹脂(IRA−4
00)300mlに5ml/分の流下速度で通液し、素通りしてえ
られるl−カルニチン(I)含有液画分約200mlを回収
した。
さらに50℃で減圧濃縮して約50mlとしたのち、弱酸性
陽イオン交換樹脂(IRC−50)100mlに通液し、素通りし
てえられるl−カルニチン(I)含有液画分約200mlを
回収した。
この通過液を濃縮乾固し、ついで80℃の温浴中、エタ
ノール約100mlを加えて完全溶解させたのち、冷却し、5
0℃以下になってからアセトン約100mlを加えて結晶化を
うながした。
氷冷下、1時間放置後、析出物を濾過し乾燥して、比
旋光値▲〔α〕20 D▼−31.2゜(C=5,H2O)を有するl
−カルニチン(I)9.99g(l−カルニチンニトリルク
ロライド(III)からの一番晶収率62%)をえた。一番
晶と二番晶および三番晶とを伴せると収率は83%であっ
た。
実施例2 l−カルニチンニトリルクロライド(III)17.97g(1
00ミリモル)を水50mlで溶解したのち、1N−NH3水溶液1
0ml(10ミリモル)を加えた。ついでバス温40℃に設定
した水浴中で30重量%H2O2水溶液24.9g(220 ミリモ
ル)を1時間かけて滴下し、さらに50℃で2時間、後反
応を行ない、アミド化反応を完結させた。この反応液を
室温まで冷却したのち、強塩基性陰イオン交換樹脂(IR
A−400)300mlに5ml/分の流下速度で通液し、素通りし
てえられるl−カルニチン(I)含有液画分約200mlを
回収した。
さらに50℃で濃縮乾固させるとともにl−カルニチン
アミドクロライド(II)からl−カルニチン(I)への
変換が完結しているのを実施例1〜15と同様に高速液体
クロマトグラフィー分析で確認した。ついで80℃の温液
中、エタノール約100mlを加えて完全溶解させたのち、
冷却し、50℃以下になってからアセトン約100mlを加え
て結晶化をうながした。氷冷下、1時間放置後、析出物
を濾過し、乾燥して、比旋光値▲〔α〕20 D▼−30.7
(C=5.0,H2O)゜を有するl−カルニチン(I)8.87g
(l−カルニチンニトリルクロライド(III)からの一
番晶収率55%)をえた。一番晶と二番晶および三番晶と
を併せると収率は80%であった。
実施例3 l−カルニチンニトリルクロライド(III)17.97g(1
00ミリモル)を水50mlで溶解したのち、1N−NaOHを水溶
液を5ml(5ミリモル)加えた。ついで室温下で30重量
%H2O2水溶液24.9g(220ミリモル)を1時間かけて滴下
し、さらに50℃で2時間、後反応を行ない、アミド化反
応を完結させた。この反応液にさらに5N−NaOH水溶液を
25ml(125ミリモル)加えて、30℃で一昼夜撹拌させ、
l−カルニチン(I)への変換反応を行なった。
えられたl−カルニチン(I)含有反応液を強酸性イ
オン交換樹脂(IR−120B)400mlに負荷した。陰イオン
が完全に溶出したのを塩化銀白濁分析法で確認したの
ち、4N−NH3水溶液を通液して、樹脂に吸着していたl
−カルニチン(I)を溶出させた。この溶出液を濃縮乾
固したのち、実施例37と同様の操作を行なって、比旋光
値▲〔α〕20 D▼−30.8゜(C=5,H2O)を有するl−カ
ルニチン(I)9.82g(l−カルニチンニトリルクロラ
イド(III)からの一番晶収率61%)をえた。一番晶と
二番晶および三番晶とを併せると収率は82%であった。
実施例4 l−カルニチンニトリルクロライド(III)17.97g(1
00ミリモル)を水50mlに溶解したのち、1N−NaOH水溶液
200ml(200ミリモル)を加えた。ついで室温下で30重量
%H2O2水溶液24.9g(220ミリモル)を1時間かけて滴下
し、さらに室温下で24時間撹拌した。えられた反応液を
強酸性陽イオン交換樹脂(1R−120B)1000mlに負荷し
た。陰イオンが完全に溶出したのを塩化銀白濁分析法で
確認したのち、4N−NH3氷溶液を通液して、樹脂に吸着
していたl−カルニチン(I)を溶出させた。このl−
カルニチン(I)を含有する溶出液を濃縮乾固したの
ち、実施例1と同様の操作を行なって比施光値▲〔α〕
20 D▼−30.5゜(C=5,H2O)を有するl−カルニチン
(I)8.87g(l−カルニチンニトリルクロライド(II
I)からの一番晶収率55%)をえた。一番晶と二番晶お
よび三番目とを併せると収率は70%であった。
実施例5 l−カルニチンニトリルクロライド(III)17.97g(1
00ミリモル)を水50mlに溶解したのち、1N−NaOH水溶液
を10ml(10ミリモル)加えた。ついで室温下で30重量%
H2O2水溶液24.9g(220ミリモル)を1時間かけて滴下
し、さらに50℃で2時間、後反応を行ない、アミド化反
応を完結させた。この反応液にさらに5N−NaOH水溶液を
40ml(200ミリモル)加えて室温下で一昼夜撹拌させ、
l−カルニチン(I)への変換反応を行なった。
反応終了後生成したアンモニアを室温下、アンモニア
臭がなくなるまで脱気した。ついで4N−HClを加えてpH
1.5とした。バス温50℃で減圧濃縮した。えられた濃縮
液約40gにジメチルホルムアミド(以下、DMFという)20
gを加えて、80℃で再び減圧濃縮した。約40gに濃縮され
たところでDMF20gを再度加えた。不溶物のNaClを濾過に
よって除去し、一方濾液は室温となるまで冷やした。つ
いでアセトン100mlを加えて、l−カルニチンをパウダ
ー化させた。濾過後、さらにアセトン約50mlで洗浄し
た。この析出物を80℃でイソプロパノール150ml中にい
ったん溶解させ、微量不溶物を濾過によって除去したの
ち、冷蔵庫に一昼夜放置し、晶析操作を行なった。結晶
物を濾過したのち、60℃で一昼夜減圧乾燥を行なって、
比旋光値▲〔α〕20 D▼−23.7゜(C=2,H2O)を有する
l−カルニチン(l−カルニチンニトリルクロライド
(III)からの一番晶収率63%)をえた。副生成物のク
ロトノベタイン含有量は0.1重量%以下であった。一番
晶と二番晶および三番晶とを併せると収率は87%であっ
た。
[発明の効果] 本発明によれば、クロトノベタインの副生や多量の塩
の生成を伴うことなく、カルニチンを収率よく製造する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 昭55−13299(JP,A) 特開 昭56−68649(JP,A) ビタミン学会第13回報告(1961年). 岡ら 新実験化学講座、第14巻、「有機化合 物の合成と反応[II]」、第950頁、 昭和52年12月20日発行、丸善株式会社

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(III): で示されるカルニチンニトリルクロライドに塩基性物質
    と水性過酸化水素とを作用させることを特徴とする式
    (I): で示されるカルニチンの製造方法。
  2. 【請求項2】式(III): で示されるカルニチンニトリルクロライドに触媒量の塩
    基性物質と水性過酸化水素とを作用させて、該カルニチ
    ンニトリルクロライドを式(II): で示されるカルニチンアミドクロライドに変換させたの
    ち、該カルニチンアミドクロライドに塩基性物質をさら
    に作用させることを特徴とする式(I): で示されるカルニチンの製造方法。
  3. 【請求項3】前記式(III)で示されるカルニチンニト
    リルクロライドを前記式(II)で示されるカルニチンア
    ミドクロライドに変換させる際に用いる塩基性物質が、
    アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、ア
    ルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、第3級アミ
    ンおよび第4級アンモニウムヒドロキシドからなる群よ
    り選ばれた少なくとも1種である請求項2記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記式(II)で示されるカルニチンアミド
    クロライドを前記式(I)で示されるカルニチンに変換
    させる際に用いる塩基性物質が、アルカリ金属水酸化
    物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、
    アルカリ金属重炭酸塩、第3級アミン、第4級アンモニ
    ウムヒドロキシドおよび塩基性陰イオン交換樹脂からな
    る群より選ばれた少なくとも1種である請求項2または
    3記載の製造方法。
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