JP2536395B2 - 鋼管・コンクリ―ト複合構造橋脚の施工方法 - Google Patents

鋼管・コンクリ―ト複合構造橋脚の施工方法

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JP2536395B2 JP5110708A JP11070893A JP2536395B2 JP 2536395 B2 JP2536395 B2 JP 2536395B2 JP 5110708 A JP5110708 A JP 5110708A JP 11070893 A JP11070893 A JP 11070893A JP 2536395 B2 JP2536395 B2 JP 2536395B2
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秀昭 酒井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば高橋脚に適用
される鋼管・コンクリート複合構造橋脚の施工方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】橋脚を構築するには、従来一般に、基礎
上に配筋される主筋に横筋を組み合わせて鉄筋を施工
し、これの外周に型枠を配置し、コンクリートを打設す
る方法が取られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の施工方法では比較的高さが低い橋脚などには適合する
が、高橋脚の施工に適用した場合には、強度を確保する
上で多数の主筋や横方向の鉄筋や隅角部のハンチ筋、あ
るいは組立て用鉄筋などが輻湊し、配筋作業、特に高橋
脚を構築する場合には荷重が大きくなることから主筋が
多数列配されるが、そのときの横鉄筋の組立作業は困難
さを増すとともに、型枠材やセパレータの組立およびそ
の解体撤去、作業足場などの組立や解体撤去などの作業
工数が膨大となり、多人数の熟練労務者を必要とするた
め、短期急速施工の点において著しく不利であり、建設
コストも極めて高いものとなっていた。型枠の解体作業
を省略するためにPCa型枠等の埋殺し型枠を用いるこ
ともあるが、型枠の組立、継ぎ目処理などの手間は除去
されない。
【0004】この発明は以上の問題を解決するものであ
って、その目的は、前記主筋及び横筋の組み合わせに替
え、単純な形状であっても十分な鉄筋量を確保できると
ともに、コンクリートと一体化することで所定の曲げせ
ん断耐力を確保できるようにした急速施工や自動化,省
力化に好適な鋼管・コンクリート複合構造橋脚の施工方
法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、この発明は、基礎上に複数の中空鋼管を立設して所
要高さの鋼管群を構築し、次いで該鋼管群を吊り上げ支
持台として滑動型枠装置を配置し、前記滑動型枠で囲わ
れた内側にコンクリートを打設して前記各中空鋼管を一
体化するものである。
【0006】また、この発明は前記鋼管群の外周囲を包
囲した状態で構造断面の表面に沿ってPCストランドを
巻回することもできる。
【0007】
【作用】以上の施工方法によれば、中空鋼管をクレーン
で吊り込むことで所要高さの鋼管群が得られる。その
後、滑動型枠装置を連続的に上昇させつつコンクリート
を打設することで、連続的にコンクリートを打設でき
る。滑動型枠装置の上昇速度はコンクリートの固化速度
に応じて定まるので、作業の中断がないかぎり一旦滑動
型枠装置がセットされ、施工が開始された場合には、コ
ンクリートの固化速度に応じて施工期間が定まり、急速
施工が可能となる。
【0008】鋼管群は構造材として用いられ、所定の曲
げせん断耐力を確保できるため、施工強度上も極めて有
利であり、さらには種々の断面設計条件に対してコンク
リート断面積や鋼管径、肉厚などによって対処できるた
め、施工の融通性に富む。また、完成された橋脚は外表
面がコンクリートにて構成されているのでメンテナンス
フリーとなる。
【0009】PCストランドを配筋した場合は、鋼管群
と打設されるコンクリートとの一体性が高まり構築され
る橋脚の強度を向上することができるだけでなく、コン
クリートのひびわれ防止や肌落ち防止の機能を発揮す
る。また、PCストランドは、鋼管群によって構成され
る断面が単純断面であるので配筋作業が容易であり、自
動巻き付け機を利用することもでき、この場合はさらに
配筋作業が容易となる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を用いて詳
細に説明する。
【0011】各図はこの発明方法における施工手順の概
要を示すものであり、まず図1,2に示すように、基礎
1上に中空鋼管2を得ようとする構造物の長方形断面形
状に応じた配列で立設する。この実施例では各中空鋼管
2は横4列×縦2列の配列で立設されることになる。
【0012】次いで通常の型枠などを用いて中空鋼管2
の下部内側及びその周囲にコンクリートCを打設し、前
記基礎1に一体化した下部躯体4aを構築する。
【0013】各中空鋼管2は一定の長さ寸法であり、下
部躯体4aの近傍に並行に立設されたクレーン6によっ
て吊り込むことができ、下部躯体4a上に所要の高さと
なるまで各鋼管2を順次吊り込みつつ縦に継いで行く。
この際接合部には鋼管接続用の作業足場5を配置し、溶
接または他の機械的な接続手段によって中空鋼管2同士
を縦に継ぐ。以上の接合作業を所要の計画高さまで反復
することで、4×2本の鋼管群2Aが完成する。
【0014】次に図3,図4に示すように、滑動型枠装
置7を構造物の周囲にセットする。滑動型枠装置7は、
前記鋼管群2Aの頂部に配置された反力台8にPC鋼線
などの吊下手段Wを介して吊下された作業架台9と、作
業架台9の下部に作業足場などを介して固定配置された
滑動型枠10及び前記吊下手段Wに設けた図示しない上
昇ジャッキを備えたものである。
【0015】滑動型枠10は、前記構造物の外形(図2
参照)に応じた内側形状を有するもので、型枠10の内
側にコンクリートを打設しつつ前記上昇ジャッキ等によ
り前記反力台8に反力を取りながら作業架台9を上昇さ
せることにより、固化したコンクリートは順次型枠10
の下部側から脱型され、下部躯体4aに連続して各鋼管
2の外周囲に一体化した主要部分を構成する中間躯体4
bを順次構築する。
【0016】作業架台9の上部には主筋組立用の主筋架
台11が固定配置され、この主筋架台11上で前記コン
クリートの打設に先駆けて鋼管群2Aの外周囲であって
躯体4a,4bの表面に近い側に多数の主筋12が鉛直
に建込まれ、上部側で順次接続される。
【0017】さらに作業架台9上には鋼線リールスタン
ド13が配置され、この鋼線リールスタンド13からは
PCストランド14が繰出され、前記作業架台9の下部
にストランド巻き付け装置15を介して横筋としてのP
Cストランド14が主筋12の外周囲に巻回される。
【0018】巻き付け装置15は作業架台の下部に周回
可能に配置され、かつ前記リールスタンド13から繰出
されるPCストランド14を主筋12の外側部にガイド
するものであって、PCストランド14は、巻き付け装
置15による周回動作と装置7の上昇動作に応じて主筋
12の外周囲に無端状に螺旋を描いて自動的に巻き付け
固定される。
【0019】なお、図3中符号16は地表部に立設され
る作業員昇降用のエレベータであり、このエレベータ1
6は作業架台9の上昇動作に応じて上方に延長される。
【0020】したがって、主筋12の配筋作業,PCス
トランド14の配筋作業及びコンクリートの打設と滑動
型枠10の脱型作業は、滑動型枠装置7の上昇速度に連
繋して連続的に行われ、構造の主要部を占める中間躯体
4b及び上部躯体4cが施工されると、図5(a),
(b)に示すように、橋脚の躯体4が完成する。なお、
計画される橋脚が高い場合には、中空鋼管2を一度に最
上部まで継いで鋼管群2Aとすることなく計画高さを数
段に分割した高さ、例えば計画高さの半分程度まで継
ぎ、継がれた中空鋼管2の頂部に反力台8を配置してあ
る程度の高さの中間躯体4bを構築した後、さらにその
上部に中空鋼管2を継いでその頂部に前記反力台8を順
次盛り替えていった方が鋼管群2Aの安定性を確保する
上で好ましい。
【0021】鋼管群の外周囲にはPCストランド14が
巻回されており、鋼管群2Aとその外周囲に埋設される
コンクリートとの一体性が高まり橋脚の強度を向上する
ことができるだけでなく、コンクリートのひび割れや肌
落ちを防止することができる。
【0022】また、完成した躯体4の上部躯体4cは、
各中空鋼管2内にコンクリートが打設され、図5に示す
躯体4の上部に架橋される橋桁18に一体に接合され
る。したがって、最上部の中空鋼管2の内部に予め蓋を
して下部側へのコンクリートの落下を防止しておけば良
い。
【0023】躯体3の構築が完成した時点で、前記滑動
型枠装置8は地上部に吊り下ろされる。
【0024】なお、以上の実施例では、主筋12を建込
むとともに、横筋を構成するPCストランド14を主筋
12に巻回した。この主筋12は、コンクリートと一体
化される鋼管群2Aにより躯体の構造強度上からは必ず
しも必要でない場合が生じるため、この場合には主筋1
2はごく少量で良いか、あるいは省略することもでき
る。主筋12が必要でない場合には、コンクリートの表
面のひびわれ防止や肌落ち防止のためにある程度の配筋
を施す必要があるが、この場合の配筋としてPCストラ
ンド14を利用することができるので、該ストランド1
4は主筋12の有無に拘らず常に使用することもでき
る。
【0025】
【発明の効果】以上実施例によって詳細に説明したよう
に、この発明にかかる鋼管・コンクリート複合構造橋脚
の施工方法にあっては、中空鋼管をクレーンで吊り込み
つつ順次上方に継ぐことで鋼管群が完成し、次いで鋼管
群の周囲において滑動型枠装置を連続的に上昇させつつ
コンクリートを打設することで橋脚が完成するため、急
速施工及び施工の自動化,省力化を達成できる。
【0026】また、型枠装置に設けた作業架台を順次上
昇させつつコンクリートの打設作業やPCストランドの
巻回作業を行うことができるため、従来の施工方法に比
べて型枠,作業足場の組立や解体撤去の手間が省略でき
る。
【0027】しかも、鉄筋は少なくとも構造材として配
筋されることがなく、ごく簡単な配筋構造とするか、必
要としない場合もあるため、急速施工を行う上で極めて
有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例における鋼管群の構築手順を
示す概念図である。
【図2】同平断面図である。
【図3】同橋脚の構築手順の全体的な概念説明図であ
る。
【図4】同要部拡大図である。
【図5】同橋脚の完成状態を示し、(a)は正面図、
(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 基礎 2 中空鋼管 2A 鋼管群 4 躯体 4a 下部躯体 4b 中間躯体 4c 上部躯体 6 クレーン 7 滑動型枠装置 8 反力台 W 吊下手段 9 作業架台 10 滑動型枠 12 主筋 14 PCストランド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 敏明 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株式会社大林組東京本社内 (56)参考文献 特開 昭59−206506(JP,A) 特開 昭57−133971(JP,A) 実開 平2−106007(JP,U) 実開 昭58−153617(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎上に複数の中空鋼管を立設して所要
    高さの鋼管群を構築し、次いで該鋼管群を吊り上げ支持
    台として滑動型枠装置を配置し、前記滑動型枠で囲われ
    た内側にコンクリートを打設して前記各中空鋼管を一体
    化することを特徴とする鋼管・コンクリート複合構造橋
    脚の施工方法。
  2. 【請求項2】 前記鋼管群の外周囲を包囲した状態で構
    造断面の表面側に沿ってPCストランドを巻回すること
    を特徴とする請求項1記載の鋼管・コンクリート複合構
    造橋脚の施工方法。
JP5110708A 1993-05-12 1993-05-12 鋼管・コンクリ―ト複合構造橋脚の施工方法 Expired - Lifetime JP2536395B2 (ja)

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JP3854994B2 (ja) * 1996-03-15 2006-12-06 国土交通省関東地方整備局長 コンクリート製のケーソン製造時における一区画の配筋方法
JP2002327406A (ja) * 2001-05-01 2002-11-15 Ohbayashi Corp 鋼管構造物における耐風設計方法
KR100987122B1 (ko) * 2008-02-05 2010-10-11 은산토건(주) 장원형 교각용 슬립폼 및 이를 이용한 수평근 배근방법
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