JP2536246B2 - 液体燃料燃焼装置 - Google Patents

液体燃料燃焼装置

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清司 森田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は液体燃料燃焼装置の改良に関するものであ
る。
[従来の技術] 第4図は従来の液体燃料燃焼装置の構成を示す断面図
で、図において(1)は気化器、(2)は気化室、
(3)はスロート、(4)は予熱ヒータ、(5)は給油
管、(6)は噴出ノズル、(6a)は噴出ノズル(6)の
ノズル孔、(7)は気化室(2)と噴出ノズル(6)と
を連結する連結パイプ、(8)はニードルパイプ、
(9)はニードル、(10)は電磁弁、(11)は弁機構、
(12)は気化器(1)の温度を検出するサーミスタ、
(13)は一次空気を取り入れる空気取入孔、(14)は送
油管、(15)は給油ポンプ、(16)は油受皿、(17)は
カートリッジタンク、(18)はカートリッジタンク(1
7)の給油口キャップ、(19)は給油口キャップ(18)
の口を開口する口金、(20)は遮熱板、(21)は燃焼
筒、(22)は気化器(1)の周囲を囲う気化器カバー、
(23)はパッキン、(24)は気化器カバー(22)を支え
る気化器取付脚、(25)は風洞、(26)は送風機、(2
7)はバーナヘッド、(28)は火炎、(29)の矢印は燃
焼ガス、(30)はケーシングである。
第5図は第4図に示す液体燃料燃焼装置の気化器
(1)周辺の構成を示す断面図、第6図は第4図に示す
バーナヘッド(27)周辺の構成を示す図で、各図におい
て第4図と同一符号は同一部分を示し、(27a)はバー
ナヘッド(27)の外周にシーム溶接された金属メッシ
ュ、(27b)はバーナヘッドキャップで、気化器(1)
に鋳込まれたボルト(27c)とナット(27d)によりバー
ナヘッド(27)とバーナヘッドキャップ(27b)とが固
定されている。
次に動作について説明する。運転スイッチ(図示せ
ず)をON状態とし、予熱ヒータ(4)に通電を行い、液
体燃料を気化するのに必要な温度まで気化器(1)を予
熱する。気化器(1)の予熱が完了すると、サーミスタ
(12)がこれを検知して運転が開始され、給油ポンプ
(15)が動作して、油受皿(16)から液体燃料が送油管
(14)を介し気化室(2)へ送り込まれ、気化室(2)
で加熱されて気化され気化ガスとなる。そして気化室
(2)内に充分に気化ガスが満たされた時点で、本来の
燃焼動作に移行すべく電磁弁(10)が開かれ、噴出ノズ
ル(6)のノズル孔(6a)から燃料ガスが噴出される。
ノズル孔(6a)から噴出する燃料ガスは、エジェクタ
ー効果により、ノズル孔径,スロート径で決定される一
定量の一次空気が、空気取入孔(13)から吸引されて一
定の一次空気比の混合ガスとなる。そして混合ガスが気
化器(1)の熱で気化されて気化ガスとなり、バーナヘ
ッド(27)に設けられた炎孔から燃焼筒(21)内に噴出
され、適宜の着火源(図示せず)により点火されて火炎
(28)を形成し高温の燃焼ガス(29)となる。
高温の燃焼ガス(29)は燃焼筒(21)を上昇し、燃焼
筒(21)より出たところで送風機(26)から送られてく
る冷風と混合して温風となり、風洞(25)を通って温風
吹出口(図示せず)から前方に放出され、これによって
室内を暖房している。
[発明が解決しようとする課題] 上記のような従来の液体燃料燃焼装置は以上のように
構成されているので、例えば長時間日光に晒された灯油
のように劣化した液体燃料が長期間使用された場合、第
5図(B)に示すようにノズル孔(6a)の周辺にタール
(31)が付着してしまい、燃料ガスの噴出方向が変化し
て、空気取入孔(13)の外に気化ガスの一部が漏れて悪
臭が発生したり、バーナヘッド(27)以外の所に火炎
(28)ができ、正確な位置に燃焼炎(32)が形成されず
赤火の原因となったり、不完全燃焼や燃焼停止を起こす
等の問題があった。
また第6図に示すように、個別に成形されたバーナヘ
ッド(27)とバーナヘッドキャップ(27b)とを接合し
てバーナヘッド部を構成することとしているので、接合
部分から気化ガスが流出して悪臭を発生させる恐れがあ
り、接合部分の熱伝導性不良により一部分だけが高熱に
なり熱変形を起こす恐れがある。さらに部品点数が多く
組立に手間がかかるためコスト高になる等の問題点があ
った。
この発明はかかる課題を解決するためになされたもの
で、タールの付着などにより燃料ガスの噴出方向が変化
しても空気取入孔の外へ気化ガスが漏れることを防止
し、且つ耐久性,組立性の良い液体燃料燃焼装置を得る
ことを目的としている。
[課題を解決するための手段] この発明に係わる液体燃料燃焼装置は、本願発明にお
いては噴出ノズルの先端外周部に囲状の第1の突出部
と、気化器下部にこの気化器下部から下方へ延び第1の
突出部を囲繞する第2の突出部を設けることとしたもの
である。
[作用] この発明の液体燃料燃焼装置においては、噴出ノズル
の先端外周部に囲状の第1の突出部と、気化器下部にこ
の気化器下部から下方へ延び第1の突出部を囲繞する第
2の突出部を設けることとしたので、ノズル周辺に付着
したタールなどにより、燃焼ガスの噴出方向が変化して
も空気取入孔の外へ気化ガスが漏れるのを防止できる。
[実施例] 以下、この発明の一実施例を図面を用いて説明する。
第1図は本願発明の一実施例を示す液体燃料燃焼装置の
気化器周辺の構成を示す断面図で、図において第5図と
同一符号は同一又は相当部分を示し、(1a)は気化器
(1)と一体にダイキャスト成形された突出部(この突
出部を第2の突出部ということとする)、(6b)は噴出
ノズル(6)の外周部と一体にダイキャスト成形された
突出部(この突出部を第1の突出部ということとする)
である。第1図に示すように第2の突出部(1a)は気化
器(1)下部から下方へ延びる囲状を成し、この突出部
(1a)で噴出ノズル先端外周部に設けた第1の突出部
(6b)を囲繞させた構造としている。
次に動作について説明する。例えば長時間日光に晒さ
れた灯油のように、劣化した液体燃料が長期間使用され
るなどが原因で、タールがノズル孔(6a)周辺に付着
し、さらに付着したタールが倒れたり剥離したりするこ
とにより、第1図(B)に示すように付着したタール
(31)でノズル孔(6a)の周辺が妨害され、ノズル孔
(6a)から噴出される燃料ガスの噴出方向が変化して横
方向に噴出するようになる場合がある。
このような場合に従来の装置では、横方向へ噴出した
燃料ガスが気化ガスとして空気取入孔(13)の外へ漏れ
てしまい、悪臭や赤火などの原因となっていたが、この
発明の実施例では横方向に漏れた気化ガスは第1の突出
部(6b)と第2の突出部(1a)との両方の突出部で遮ら
れるため、エジェクター効果により混合ガスとしてスロ
ート(3)内へ吸引され、スロート(3)内を通ってバ
ーナヘッド(27)から正常に噴出し、バーナヘッド(2
7)に火炎を形成させることができる。
また、第1の突出部(6b)と第2の突出部(1a)との
両方の突出部を気化器(1)と一体成形させることによ
り、燃焼運転中に各突出部(1a),(6b)を高温に保つ
ことができ、気化ガスが各突出部(1a),(6b)にあた
って凝結してしまうことを防止でき、凝結した燃料が気
化器(1)の下部に飛び散って引火する危険性を回避す
ることができる。
なお上記実施例では、各突出部(1a),(6b)を気化
器(1)と一体成形して各突出部(1a),(6b)を燃焼
中高温状態に保つこととしているが、気化器(1)から
の熱が良く伝達される熱伝導性の良い材質で各突出部
(1a),(6b)を形成して取り付ける構造としても良
く、上記実施例と同様の効果を奏する。
第2図は本願発明の他の実施例を示す図で、第2図
(A)はこの実施例におけるバーナヘッドの構成を示す
斜視図、第2図(B)はその断面図で、各図において第
4図,第6図と同一符号は同一又は相当部分を示し、
(40)はこの実施例におけるバーナヘッド、(40a)は
バーナヘッド(40)の外周にシーム溶接された金属メッ
シュ、(40b)はバーナヘッド(40)のキャップ部、(4
0c)はバーナヘッド(40)のフランジ部、(41)は止め
ネジ、(42)は気化器(1)に設けられたネジ孔を示
す。
第2図に示すようにこの実施例におけるバーナヘッド
(40)はキャップ部(40b)とフランジ部(40c)とを、
絞り出しにより同じ材質で一体成形することとし、気化
器(1)に開けられたネジ孔(42)に止めネジ(41)で
固定して気化器(1)の上に装着している。
したがって従来のバーナヘッド(27)にあった接合部
分をなくすことができ、接合部分から気化ガスが流出す
る恐れをなくし、温度分布を均一にすることができる。
第3図はバーナヘッドの温度分布を示す図で、第3図
(A)は900Kcal/Hrにおける温度分布、第3図(B)は
2500Kcal/Hrにおける温度分布をそれぞれ示し、各図に
おいて実線はこの実施例における一体成形されたバーナ
ヘッド(40)、一点鎖線は従来のバーナヘッド(27)の
温度分布をそれぞれ示す。
図に示すように、従来のバーナヘッド(27)に比べ一
体成形されたバーナヘッド(40)は熱の伝導効率が改善
されることにより前後左右ともに比較的均一な温度分布
状態を保つことができ、且つ高温部の温度および平均温
度を従来のバーナヘッド(27)より低く抑えることがで
きる。
またバーナヘッド(40)の組立は、フランジ部(40
c)を止めネジで固定すれば良く、従来のバーナヘッド
(27)のようにボルト(27c)を気化器(1)へ鋳込む
などの作業行程を省略でき、部品点数を減らすことがで
きる。
[発明の効果] この発明は以上説明したように、ノズル先端と気化器
との間に突出部を設けると共にバーナヘッドをキャップ
部とフランジ部と共に一体成形することとしたので、燃
焼中の気化ガスの漏れを防止することができ、耐久性,
組立性の良い液体燃料燃焼装置を安価に提供することが
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本願発明の一実施例を示す断面図、第2図は本
願発明の他の一実施例を示す図、第3図は本願発明にお
けるバーナヘッドの温度分布を示す図、第4図は従来の
液体燃料燃焼装置の構成を示す断面図、第5図は従来の
装置における気化器周辺の構成を示す断面図、第6図は
従来の装置におけるバーナヘッドの構成を示す図であ
る。 図において(1)は気化器、(1a)は第2の突出部、
(6)は噴出ノズル、(6b)は第1の突出部、(13)は
空気取入孔、(22)は気化器カバー、(24)は気化器取
付脚、(27)はバーナヘッド、(28)は火炎、(31)は
タール、(32)は燃焼炎、(40)はバーナヘッド、(40
a)は金属メッシュ、(40b)はキャップ部、(40c)は
フランジ部、(41)は止めネジ、(42)はネジ穴を示
す。 なお、各図中同一符号は同一又は相当部分を示すものと
する。
フロントページの続き (72)発明者 岩崎 信広 群馬県新田郡尾島町大字岩松800番地 三菱電機株式会社群馬製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−83514(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気化器下部に設けられた空気取入孔を介し
    て噴出ノズルが配置され、この噴出ノズルから噴出する
    燃料をエジェクター効果により空気と混合させ、気化器
    からの熱で気化して気化器上部に設けられたバーナヘッ
    ドへ送り、バーナヘッドで燃焼を行う液体燃料燃焼装置
    において、 上記噴出ノズルの外周部先端に囲状に形成された第1の
    突出部と、上記気化器下部にこの気化器下部から下方へ
    延び上記第1の突出部を囲繞するように形成された第2
    の突出部とを備えたことを特徴とする液体燃料燃焼装
    置。
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