JP2535696B2 - ワイヤソ―及びその切断方法 - Google Patents

ワイヤソ―及びその切断方法

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JP2535696B2
JP2535696B2 JP1226092A JP1226092A JP2535696B2 JP 2535696 B2 JP2535696 B2 JP 2535696B2 JP 1226092 A JP1226092 A JP 1226092A JP 1226092 A JP1226092 A JP 1226092A JP 2535696 B2 JP2535696 B2 JP 2535696B2
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annular pipe
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公平 外山
悦男 木内
和男 早川
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Shin Etsu Handotai Co Ltd
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MIMASU HANDOTAI KOGYO KK
Shin Etsu Handotai Co Ltd
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    • B28WORKING CEMENT, CLAY, OR STONE
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    • B28D1/02Working stone or stone-like materials, e.g. brick, concrete or glass, not provided for elsewhere; Machines, devices, tools therefor by sawing
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  • Mining & Mineral Resources (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体インゴット等の
被加工物を切断してウエーハを形成するワイヤソー及び
その切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ワイヤソーは、互いに平行な一定ピッチ
のワイヤ列に半導体インゴット等の被加工物を押し当
て、ワイヤをその線方向に送りながら、被加工物とワイ
ヤの間に砥粒を含む加工液を供給することにより、ラッ
ピング作用で被加工物を切断してウエーハを形成するも
のであり、一定の厚さのウエーハを多数枚同時に得るこ
とができる。
【0003】この加工液は、次のように循環される。す
なわち、タンクに貯蔵した加工液がポンプで汲み上げら
れてノズルに供給され、ノズルから流出した加工液が切
断部付近のワイヤに当てられ、切断部から流下した加工
液が受け皿を介しタンクに戻される。
【0004】一回の切断に要する時間は例えば、直径5
インチのシリコン半導体インゴットで6時間である。こ
の間、切断条件を一定に保つことにより、ウエーハの面
精度を高くする必要がある。
【0005】しかし、ワイヤと被加工物との間の摺動で
発生する摩擦熱の変動により、切断中に被加工物の温度
が変動して、ウエーハ表面にうねりが生じる。半導体集
積回路の微細化が進んでいる今日、ウエーハ表面のうね
りは、半導体装置の歩留まりを大きく低下させる。
【0006】そこで従来では、タンクに戻る加工液の温
度を検出し、この温度が一定になるように、冷凍機及び
熱交換器を用いてタンク内の加工液の温度をフィードバ
ック制御していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フィー
ドバック温度制御の応答速度が遅いので、タンクに戻る
加工液の温度を一定に制御するのは容易でなく、切断中
に被加工物の切断部の温度が変動して、ウエーハ表面に
うねりが生じる原因となっていた。
【0008】本発明の目的は、このような問題点に鑑
み、切断されたウエーハの表面のうねりを低減すること
ができるワイヤソー及びその切断方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段及びその作用】本発明に係
るワイヤソー及びその切断方法を、実施例図中の対応す
る構成要素の符号を引用して説明する。
【0010】このワイヤソー切断方法は、例えば図1及
び図2に示す如く、ローラ14a、16a、18aに巻
き掛けられたp個のワイヤ列に被加工物10を押し当て
た状態でワイヤWをその線方向に走行させ、タンク28
内に貯蔵された砥粒を含む加工液26を切断部付近に流
し当て、流下した加工液26を集めてタンク28内に戻
し、ラッピング作用で被加工物10を切断して複数枚の
ウエーハを一度に形成するものであって、ワイヤWと被
加工物10とが同時に接触している長さ2Lとワイヤ列
数pとの積に応じた熱量を加工液26から吸熱すること
により、被加工物10の切断部の温度を切断中に略一定
に保つ。
【0011】本発明に係るワイヤソーは、上記方法を実
施するためのものであり、例えば図1及び図2に示す如
く、ワイヤWと被加工物10とが同時に接触している長
さをワイヤ接触長2Lとして検出するワイヤ接触長検出
手段48、68、70、72と、ワイヤ接触長2Lとワ
イヤ列数pとの積に応じた熱量をタンク28内の加工液
26から吸熱することにより、タンク28内の加工液2
6の温度を切断中に略一定に保つ吸熱手段50a〜50
c、52〜56とを有する。
【0012】上記ワイヤソー及びその切断方法によれ
ば、被加工物10の切断部の温度変動が低減し、ウエー
ハ表面のうねりを低減することができる。また、タンク
28内の加工液26の温度制御の応答速度が速くなるの
で、タンク28の容量を小さくし、かつ、吸熱手段、例
えば熱交換器50及び冷凍機54を小型にすることがで
き、さらに、加工液26を初期設定温度にするまでのア
イドル時間を短縮することができる。
【0013】本方法発明の第1態様では、切断部付近に
流し当てる加工液の流量を、接触長さ2Lの増加関数で
変化させることにより、切断部の温度を切断中に略一定
に保つ。また、本装置発明の第1態様では、切断部の温
度を切断中に略一定に保つために、切断部付近に流し当
てる加工液の流量を、接触長さ2Lの増加関数で変化さ
せる加工液流量制御手段を備えている。
【0014】この構成によれば、切断部において、摺動
による発熱量と加工液による吸熱量がより等しくなり、
切断部の温度を切断中により一定に保つことができる。
【0015】本装置発明の第2態様では、上記ワイヤ接
触長検出手段は、例えば図1に示す如く、ワイヤWと被
加工物10との接触を検出する接触検出手段72と、該
接触検出後の被加工物10の下降距離CNを検出する切
断長検出手段68、70と、被加工物10の直径をRと
しワイヤ接触長2Lを2L=2{R2 −(R−C
N)2 1/2として算出する接触長算出手段48とを有
する。
【0016】ワイヤ接触長2Lは、例えば、被加工物1
0の側方からカメラで撮影し、画像処理を行って検出す
ることも可能であるが、前記第1態様によればワイヤ接
触長検出手段の構成が簡単になる。
【0017】本装置発明の第3態様では、上記吸熱手段
は、例えば図1に示す如く、冷凍機54と、環状配管に
可変容量ポンプ50bが介装され、該環状配管に冷却媒
体が封入され、該環状配管の一部50aがタンク28内
に配置され、該環状配管の他部50cが冷凍機54内に
配置された熱交換器50と、該環状配管に介装され該冷
却媒体の流量Fを検出する流量計52と、該環状配管内
の、タンク28に入る前の部分の該冷却媒体の温度T2
を検出する第1温度検出器55と、該環状配管内の、タ
ンク28から出た部分の該冷却媒体の温度T3を検出す
る第2温度検出器56と、αを定数とし該流量FがF=
2αpL/(T3−T2)となるように可変容量ポンプ5
0bの容量を制御する流量制御手段48とを有する。
【0018】本装置発明の第4態様では、上記吸熱手段
は、Cを前記加工液の熱容量、TSを該加工液の初期温
度、g(L)をLの減少関数、αを定数とし、上記第3
態様における流量FがF=〔C{TS−g(L)}+2
αLp〕/(T3−T2)となるように可変容量ポンプ5
0bの容量を制御する流量制御手段48を有する。
【0019】本第3態様又は第4態様によれば、ワイヤ
Wと被加工物10とが同時に接触している長さ2Lとワ
イヤ列数pとの積に応じた熱量を加工液26から正確に
吸熱することができ、本発明の効果の程度が高められ
る。特に第4態様によれば、切断部において、摺動によ
る発熱量と加工液による吸熱量がより等しくなり、切断
部の温度を切断中により一定に保つことができる。
【0020】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0021】[第1実施例]図2は、ワイヤソーの要部
構成を示す。
【0022】被加工物10は、例えば半導体インゴット
であり、そのオリエンテーションフラット面がワークホ
ルダ12に接着されている。被加工物10の下方には、
軸方向を互いに平行にして、ローリング装置14、16
及び18が配置されている。
【0023】ローリング装置14は、ローラ14aの両
端部がローラ軸支装置14b及び14cで回転自在に支
持され、ローリング装置16は、ローラ16aの両端部
がローラ軸支装置16b及び16cで回転自在に支持さ
れ、ローリング装置18は、ローラ18aの両端部がロ
ーラ軸支装置18b及び18cで回転自在に支持されて
いる。ローラ14a,16a及びローラ18aの各々の
外周面には、リング状の溝が一定ピッチでp個形成され
ており、この溝に沿ってワイヤWが巻掛けられている。
ローリング装置14、16及び18は、不図示の機構で
連動回転される。
【0024】被加工物10の側方には、ノズル20及び
22がローリング装置14及び16に沿って配置されて
いる。ノズル20及び22には、加工液流出孔が管の長
手方向に沿って多数穿設された構成となっている。
【0025】また、ローリング装置14〜18の下方に
は、加工液回収用の受け皿24が配置されている。
【0026】図1に示す如く、砥粒を含む加工液26
は、タンク28に貯蔵されている。この加工液26は、
容量一定のポンプ30で汲み上げられ、往路管34を通
ってノズル20及び22に供給される。ノズル20及び
22から流出した加工液は、切断部付近の各ワイヤWに
当てられ、被加工物10とワイヤWの間に入ってラッピ
ング作用し、かつ、被加工物10とワイヤWとの間の摺
動で発生した摩擦熱を吸熱する。吸熱した加工液は、受
け皿24で回収され、復路管36を通ってタンク28内
に戻される。
【0027】タンク28内の加工液26は、モータ38
aで回転駆動される攪拌機38で攪拌されて、その温度
が均一にされる。この温度は、温度センサ40で検出さ
れる。
【0028】タンク28内の加工液26には、ヒータ4
2が浸漬されている。ヒータ42には、電圧制御装置4
4の出力電圧が供給される。温度調節器46は、システ
ム制御装置48から供給されるヒータ制御信号S1が高
レベルの間、温度センサ40で検出された温度T1が設
定温度TSになるように電圧制御装置44の出力電圧を
調節する。
【0029】また、タンク28内の加工液26には、熱
交換器50のコイルチューブ50aが浸漬されている。
コイルチューブ50aは、配管を介し可変容量型ポンプ
50b、コイルチューブ50c及び流量計52と環状接
続されている。このループ内には冷却媒体が通され、コ
イルチューブ50c内の冷却媒体が冷凍機54で冷却さ
れる。可変容量型ポンプ50bから出た冷却媒体の温度
2は温度センサ55で検出され、コイルチューブ50
aを通って吸熱した冷却媒体の温度T3は、温度センサ
56で検出される。
【0030】一方、ワークホルダ12の中央部には、ワ
ークホルダ12の上面に垂直に送りねじ60の一端部が
固着されている。送りねじ60は、固定側に軸支された
ギア62の螺孔に螺入されている。ギア62は、減速器
64を介してモータ66で回転駆動される。ワークホル
ダ12の両端部は、不図示のガイドで送りねじ60の軸
と平行な方向に案内され、ワークホルダ12の回転が阻
止されている。したがって、モータ66を回転駆動する
と、被加工物10がモータ66の回転数に比例して上昇
又は下降する。
【0031】モータ66の回転軸には、ロータリエンコ
ーダ68の入力軸が連結されており、モータ66が所定
角回転する毎にロータリエンコーダ68から1個のパル
スが出力される。このパルスはカウンタ70で計数され
る。カウンタ70の計数値は、接触検出器72からの接
触検出パルスS2でゼロクリアされる。この接触検出パ
ルスS2は、接触検出器72が、ワイヤWの巻取ドラム
の軸受(不図示)とワークホルダ12との間の導通を検
出したとき、すなわち、ワイヤWと被加工物10との接
触を検出したときに供給される。したがって、カウンタ
70の計数値CNは、被加工物10を下降させたとき被
加工物10がワイヤWに接触した後の被加工物10の下
降距離(切断長)に比例している。以下、簡単のために
この比例定数を1とする。
【0032】接触検出パルスS2及び計数値CNは、シ
ステム制御装置48に供給される。システム制御装置4
8にはまた、温度センサ40からT1、流量計52から
F、温度センサ55からT2、温度センサ56からT3
供給され、システム制御装置48はこれらに基づいて、
以下のように可変容量型ポンプ50bの容量を制御す
る。
【0033】次に、上記の如く構成されたワイヤソーの
動作を説明する。
【0034】最初、被加工物10はワイヤWの上方に位
置している。システム制御装置48は、モータ38aを
オンにし、ヒータ制御信号S1を高レベルにしてヒータ
42で加工液26を加熱し、また、ポンプ30を起動さ
せて加工液26を循環させる。システム制御装置48
は、検出温度T1が設定温度TSで安定すると、ヒータ制
御信号S1を低レベルにしてヒータ42をオフにする。
この設定温度TSは、切断開始後に被加工物10の温度
をできるだけ短時間で定常状態にするための温度であ
り、好ましい値はワイヤソーシステム及び使用条件によ
り異なり、例えば28度である。
【0035】次に、システム制御装置48は、モータ6
6をオンにして被加工物10を下降させ、また、ローラ
14a、16a及び18aを連動回転させてワイヤWを
その線方向に走行させる。
【0036】ここで、ワイヤWと被加工物10との摺動
で発生する熱量Hは、図3に示すワイヤ接触長2L(ワ
イヤWが被加工物10に同時に接触している長さ)及び
ワイヤ列数pに比例する。また、この摺動部付近での加
工液26の吸熱量Q1は、往路管34を流れる加工液2
6の流量を充分、例えば30〜35l/min、にする
と、発熱量Hにほぼ比例する。したがって、αを比例定
数とすると、 Q1=2αLp ・・・(1) が近似的に成立する。被加工物10の半径をRとする
と、ワイヤ接触長2Lは、 2L=2{R2 −(R−CN)2 1/2 ・・・(2) となる。上式(1)、2から、 Q1=2αp{R2 −(R−CN)2 1/2 ・・・(3) となる。
【0037】一方、コイルチューブ50aの加工液26
からの吸熱量Q2は、βを比例定数とすると、 Q2=β(T3−T2)F ・・・(4) となる。
【0038】そこで、システム制御装置48は、接触検
出パルスS2を受け取ると、可変容量型ポンプ50bを
オンにし、Q1=Q2となるように、すなわち、流量F
が、 F=γp{R2 −(R−CN)2 1/2/(T3−T2)・・・(5) となるように可変容量型ポンプ50bの容量を制御す
る。ここに、γ=2α/βは定数である。切断開始後の
時間tに対する流量Fは、例えば図4に示す如くなる。
【0039】砥粒を含む加工液はワイヤWと被加工物1
0との摺動部に入り、ラッピング作用により被加工物1
0が切断され、多数枚のウエーハが同時に形成される。
【0040】このような、タンク内加工液温度のフィー
ドフォアード制御により、この温度が従来よりも一定に
制御され、被加工物10の切断部の温度変動を低減で
き、したがって、被加工物10を切断して得られるウエ
ーハの表面のうねりを低減することができる。ただし、
うねりの大きさの定義は、ウエーハの直径線の一端から
他端までの表面高さ曲線を測定し、該一端と該他端を結
ぶ直線を基線とし、表面高さ曲線の基線に対する凸側最
大高さaと凹側最大高さb(a>0、b>0)の和a+
bとする。うねりの測定には、Perthen社のPertometer
型式S6Pを用いた。
【0041】また、タンク28内の加工液26の温度を
従来よりも一定に制御できることから、タンク28の容
量を小さくし、かつ、熱交換器50及び冷凍機54を小
型にすることができ、さらに、加工液26を初期設定温
度TSにするまでのアイドル時間を短縮することができ
る。
【0042】[第2実施例]上述の如く、往路管34を
流れる加工液26の流量を充分大きくすると、ワイヤW
と被加工物10との摺動部付近の吸熱量Q1は発熱量H
にほぼ比例するが、H>Q1となるので、発熱量Hが大
きくなると被加工物10の温度が上昇し、加工液26の
温度及び流量、被加工物10の直径、ワイヤWの送り速
度によっては無視できなくなる。
【0043】そこで本発明の第2実施例では、図1のポ
ンプ30の代わりに可変容量ポンプを用い、この可変容
量ポンプの容量Pを、P=f(L)と変えることによ
り、Lが変化してもH=Q1がほぼ成立するようにして
いる。f(L)はLの増加関数であり、例えば、 f(L)=λ1 2 +μ1 L+ν1 ・・・(6) である。ここにλ1 、μ1 、ν1 は、被加工物10の温
度がLによらずできるだけ一定になるように、実験によ
り決定される定数である。
【0044】他の点は、上記第1実施例と同一である。
【0045】[第3実施例]本発明の第3実施例では、
Lが変化してもH=Q1がほぼ成立するようにするため
に、加工液温度TをLの関数g(L)とする。すなわ
ち、温度の応答速度を速くするために、図1において、
タンク28の容量を小さくし又はタンク28を用いずに
受け皿24をタンクの代わりにして、加工液26の熱容
量Cを小さくし、かつ、 Q2=C{TS−g(L)}+Q1 ・・・(7) とする。
【0046】上式(1)及び(4)をこの式(7)に代
入すると、可変容量ポンプ50bで制御すべき冷却媒体
の流量F、 F=〔C{TS−g(L)}+2αLp〕 /{β(T3−T2)} ・・・(8) が得られる。
【0047】関数g(L)はLの減少関数であり、例え
ば、 g(L)=λ2 2 +μ2 L+ν2 ・・・(9) である。ここにλ2 、μ2 、ν2 は、被加工物10の温
度がLによらずできるだけ一定になるように、実験によ
り決定される定数である。なお、本発明は、上記第2実
施例と第3実施例とを組合わせた構成であってもよい。
【0048】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係るワイヤ
ソー及びその切断方法では、ワイヤと被加工物とが同時
に接触している長さ2Lとワイヤ列数pとの積に応じた
熱量を加工液から吸熱するので、被加工物の切断部の温
度を切断中に略一定に保つことができ、切断部の温度変
動によるウエーハ表面のうねりを低減することができる
という優れた効果を奏し、半導体装置の歩留まり向上に
寄与するところが大きい。また、タンク内の加工液の温
度制御の応答速度が速くなるので、タンクの容量を小さ
くし、かつ、吸熱手段を小型にすることができ、さら
に、加工液を初期設定温度にするまでのアイドル時間を
短縮することができるという効果も奏する。
【0049】本方法発明及び装置発明の上記第1態様、
又は、本装置発明の上記第4態様によれば、切断部にお
いて、摺動による発熱量と加工液による吸熱量がより等
しくなり、切断部の温度を切断中により一定に保つこと
ができ、したがって、ウエーハ表面のうねりを低減する
ことができるという上記本発明の効果の程度が高められ
る。
【0050】本装置発明の上記第2態様によれば、ワイ
ヤ接触長検出手段の構成が簡単になるという効果を奏す
る。
【0051】本装置発明の上記第3態様又は第4態様に
よれば、ワイヤと被加工物とが同時に接触している長さ
2Lとワイヤ列数pとの積に応じた熱量を加工液から正
確に吸熱することができ、上記本発明の効果の程度が高
められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るワイヤソーの要部構成
図である。
【図2】図1の切断部付近の斜視図である。
【図3】ワイヤ接触長と切断長の関係を示す図である。
【図4】切断開始後の時間tに対する冷却媒体流量Fを
示す線図である。
【符号の説明】 10 被加工物 12 ワークホルダ 14、16、18 ローリング装置 14a、16a、18a ローラ 14b、14c、16b、16c、18b、18c ロ
ーラ軸支装置 20、22 ノズル 24 受け皿 30 ポンプ 34 往路管 36 復路管 38 攪拌機 38a、66 モータ 40、55、56 温度センサ 42 ヒータ 50 熱交換器 50b 可変容量型ポンプ 52 流量計 68 ロータリエンコーダ W ワイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 和男 群馬県群馬郡群馬町足門762番地 三益 半導体工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−306171(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローラ(14a、16a、18a)に巻
    き掛けられたp個のワイヤ(W)列に被加工物(10)
    を押し当てた状態で該ワイヤをその線方向に走行させ、
    タンク(28)内に貯蔵された砥粒を含む加工液(2
    6)を切断部付近に流し当て、流下した加工液を集めて
    該タンク内に戻し、ラッピング作用で該被加工物を切断
    して複数枚のウエーハを一度に形成する切断方法におい
    て、 該ワイヤと該被加工物とが同時に接触している長さ2L
    とワイヤ列数pとの積に応じた熱量を該加工液から吸熱
    することにより、該被加工物の切断部の温度を切断中に
    略一定に保つことを特徴とするワイヤソー切断方法。
  2. 【請求項2】 前記切断部付近に流し当てる前記加工液
    の流量を、前記接触長さ2Lの増加関数で変化させるこ
    とにより、前記切断部の温度を切断中に略一定に保つこ
    とを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ローラ(14a、16a、18a)に巻
    き掛けられたp個のワイヤ(W)列に被加工物(10)
    を押し当てた状態で該ワイヤをその線方向に走行させ、
    タンク(28)内に貯蔵された砥粒を含む加工液(2
    6)を切断部付近のワイヤに流し当て、流下した加工液
    を集めて該タンク内に戻し、ラッピング作用で該被加工
    物を切断して複数枚のウエーハを一度に形成するワイヤ
    ソーにおいて、 該ワイヤと該被加工物とが同時に接触している長さをワ
    イヤ接触長2Lとして検出するワイヤ接触長検出手段
    (48、68、70、72)と、 該ワイヤ接触長2Lと該ワイヤ列数pとの積に応じた熱
    量を該タンク内の加工液から吸熱することにより、該タ
    ンク内の加工液の温度を切断中に略一定に保つ吸熱手段
    (50a〜50c、52〜56)と、 を有することを特徴とするワイヤソー。
  4. 【請求項4】 前記切断部の温度を切断中に略一定に保
    つために、前記切断部付近に流し当てる前記加工液の流
    量を、前記接触長さ2Lの増加関数で変化させる加工液
    流量制御手段、 を有することを特徴とする請求項3記載のワイヤソー。
  5. 【請求項5】 前記ワイヤ接触長検出手段は、 前記ワイヤ(W)と前記被加工物(10)との接触を検
    出する接触検出手段(72)と、 該接触検出後の該被加工物の下降距離CNを検出する切
    断長検出手段(68、70)と、 該被加工物の直径をRとし前記接触長2Lを2L=2
    {R2 −(R−CN)2 1/2として算出する接触長算
    出手段(48)と、 を有することを特徴とする請求項3又は4記載のワイヤ
    ソー。
  6. 【請求項6】 前記吸熱手段(50a〜50c、52〜
    56)は、 冷凍機(54)と、 環状配管に可変容量ポンプ(50b)が介装され、該環
    状配管に冷却媒体が封入され、該環状配管の一部(50
    a)が前記タンク(28)内に配置され、該環状配管の
    他部(50c)が該冷凍機内に配置された熱交換器(5
    0)と、 該環状配管に介装され該冷却媒体の流量Fを検出する流
    量計(52)と、 該環状配管内の、該タンクに入る前の部分の該冷却媒体
    の温度T2を検出する第1温度検出器(55)と、 該環状配管内の、該タンクから出た部分の該冷却媒体の
    温度T3を検出する第2温度検出器(56)と、 αを定数とし、該流量FがF=2αpL/(T3
    2 )となるように該可変容量ポンプの容量を制御する
    流量制御手段(48)と、 を有することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1
    つに記載のワイヤソー。
  7. 【請求項7】 前記吸熱手段(50a〜50c、52〜
    56)は、 冷凍機(54)と、 環状配管に可変容量ポンプ(50b)が介装され、該環
    状配管に冷却媒体が封入され、該環状配管の一部(50
    a)が前記タンク(28)内に配置され、該環状配管の
    他部(50c)が該冷凍機内に配置された熱交換器(5
    0)と、 該環状配管に介装され該冷却媒体の流量Fを検出する流
    量計(52)と、 該環状配管内の、該タンクに入る前の部分の該冷却媒体
    の温度T2を検出する第1温度検出器(55)と、 該環状配管内の、該タンクから出た部分の該冷却媒体の
    温度T3を検出する第2温度検出器(56)と、 Cを前記加工液の熱容量、TSを該加工液の初期温度、
    g(L)をLの減少関数、αを定数とし、該検出流量F
    がF=〔C{TS−g(L)}+2αLp〕/(T3−T
    2)となるように該可変容量ポンプの容量を制御する流
    量制御手段(48)と、 を有することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1
    つに記載のワイヤソー。
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