JP2001079747A - ワイヤソー - Google Patents

ワイヤソー

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JP2001079747A
JP2001079747A JP25480599A JP25480599A JP2001079747A JP 2001079747 A JP2001079747 A JP 2001079747A JP 25480599 A JP25480599 A JP 25480599A JP 25480599 A JP25480599 A JP 25480599A JP 2001079747 A JP2001079747 A JP 2001079747A
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Japan
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temperature
wire saw
wire
slurry
bracket
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JP25480599A
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English (en)
Inventor
Shigeo Kobayashi
茂雄 小林
Kunio Makino
国雄 牧野
Koji Fukuda
紘二 福田
Satoshi Ishizuka
智 石塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippei Toyama Corp
Original Assignee
Nippei Toyama Corp
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Publication date
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  • Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)
  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工部を通過した直後の加工液の温度を迅速
に検出することができ、その温度検出結果に基づいて切
断動作を的確に調節制御することができて、ワークの加
工精度を一定に維持することができるワイヤソーを提供
する。 【解決手段】 ブラケット12に複数の加工用ローラ1
3,14,15を支持するとともに、加工用ローラ1
3,14,15間にワイヤ17を多数回周回支持する。
ワイヤ17に対してワーク18を押し付けるとともに、
ワイヤ17とワーク18との間に加工液を供給すること
により、ワーク18をワイヤ17にて切断する。加工用
ローラ13,14の直下には加工液を受けるための受け
皿21を設け、その受け皿21には加工部を通過した直
後の加工液の温度を検出するための温度センサ26を設
ける。温度センサ26の検出結果に基づいて、制御装置
28により切断動作を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ワイヤを用い
て、半導体材料、磁性材料、セラミック等の硬脆材料よ
りなるワークを切断加工するようにしたワイヤソーに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のワイヤソーにおいては、ブラケ
ットに複数の加工用ローラが回転可能に支持され、それ
らの加工用ローラ間にワーク切断用のワイヤが多数回周
回支持されている。そして、加工用ローラの回転によ
り、ワイヤが走行されながら、ワイヤに対してワークが
押し付けられるとともに、そのワイヤとワークとの間に
遊離砥粒を含むスラリ等の加工液が供給されて、ワーク
が切断加工されるようになっている。
【0003】また、前記ワイヤとワークとの間に供給さ
れる加工液は、加工用ローラの直下に配設された受け皿
にて受け止められ、タンクに回収された後、循環通路を
介して循環使用されるようになっている。そして、タン
クまたは循環通路の途中に設けられた熱交換器により、
加工液の温度が調整されて、ワイヤとワークとの間の加
工部に所定温度の加工液が供給されるようになってい
る。
【0004】ところが、ワークの切断加工の進行にとも
ない、加工液には切断によって生じる摩擦熱が付加され
て、加工液の温度が次第に上昇する。また、ワークが断
面円形状をなす場合、そのワークの中心付近の切断時に
は、外周付近の切断時に比較して、ワークに対するワイ
ヤの切断長が長くなるため、発熱量が多くなって加工液
の温度が上昇する。このように、加工液の温度が上昇す
ると、加工用ローラやそれを支持するブラケットあるい
はブラケット間に架設された受け皿等が熱影響により変
形し、ワークの加工精度が低下するという問題があっ
た。
【0005】このような問題点に対処するため、従来の
ワイヤソーにおいては、加工液の循環通路の途中に温度
センサが配設され、その温度センサにより受け皿から戻
される加工液の温度が検出されるようになっている。そ
して、この温度センサの検出結果に基づいて、例えば熱
交換器を通過する加工液の流量が変更されて、加工部に
供給される加工液の温度が調節されるようになってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のワイヤソーにおいては、温度センサが受け皿の下流
側における加工液の循環通路の途中に配設されているた
め、加工部を通過した直後の加工液の温度を迅速に検出
することができず、加工液の温度検出に遅れが生じる。
よって、この温度検出結果に基づいて加工液の温度を調
節しても、その温度調節に遅れが生じて、加工用ローラ
やブラケットの熱変位を的確に抑制することができず、
ワークの加工精度を一定に維持することができないとい
う問題があった。
【0007】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、加工部を通過した直後の加工液の温度を
迅速に検出することができ、その温度検出結果に基づい
て切断動作を的確に調節制御することができて、ワーク
の加工精度を維持することができるワイヤソーを提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記の目
的を達成するために、請求項1に記載の発明では、加工
部を通過した直後の加工液の温度を検出するための検出
手段を設けたことを特徴とするものである。
【0009】従って、ワイヤによるワークの切断加工時
に、検出手段により加工部を通過した直後の加工液の温
度を迅速に検出することができる。よって、その検出手
段の温度検出結果に基づいて、装置の稼働状態を的確に
調節制御することができる。この結果、加工用ローラや
ブラケットに熱変位が生じるのを適切に抑制することが
できて、ワークの加工精度を一定に維持することができ
る。
【0010】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載のワイヤソーにおいて、加工用ローラの直下に加工液
を受けるための受け皿を設け、前記検出手段を受け皿に
設けたことを特徴とするものである。
【0011】従って、加工液の受け皿に設けられた検出
手段により、加工部を通過した直後の加工液の温度を迅
速かつ正確に検出することができる。すなわち、加工液
は、加工部を通過した後、直ちに受け皿に回収されるた
め、その部分に検出手段を設けることは、加工液温度の
迅速な検出にきわめて有用である。
【0012】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載のワイヤソーにおいて、検出手段を受け皿の上面に設
けたことを特徴とするものである。従って、検出手段を
加工液の温度を直接に検出できる受け皿の上面に容易か
つ安定状態で取り付けることができ、加工液温度検出の
迅速化に寄与できる。
【0013】請求項4に記載の発明では、請求項2に記
載のワイヤソーにおいて、検出手段を受け皿の内部に設
けたことを特徴とするものである。従って、検出手段を
受け皿の内部に、保護カバー等を施すことなく取り付け
ることができる。すなわち、加工液が砥粒を含有するス
ラリの場合には、検出手段がスラリ中の砥粒により少し
ずつ摩滅するおそれがあるが、検出手段を受け皿の内部
に設ければ、このような事態を回避できる。
【0014】請求項5に記載の発明では、請求項2〜4
のいずれかに記載のワイヤソーにおいて、受け皿は加工
用ローラを支持するブラケット間に架設されていること
を特徴とするものである。
【0015】従って、加工液を直接受け、しかも加工用
ローラやブラケットに熱的に連結した部分に検出手段を
設けるので、これらの熱変形防止のための適正な検出結
果を得ることができる。
【0016】請求項6に記載の発明では、請求項1〜5
のいずれかに記載のワイヤソーにおいて、検出手段を複
数の異なる位置に設けたことを特徴とするものである。
従って、異なった位置に配置された複数の検出手段によ
り、加工部を通過した直後の加工液の温度、あるいはブ
ラケット等の温度を広範囲に亘って正確に検出すること
ができ、加工精度の維持に寄与できる。
【0017】請求項7に記載の発明では、請求項1〜6
のいずれかに記載のワイヤソーにおいて、検出手段の検
出結果に基づいて切断動作を制御するための制御手段を
設けたことを特徴とするものである。
【0018】従って、制御手段の制御により、検出手段
の温度検出結果に基づいて切断動作を的確に調節するこ
とができる。例えば、加工液の温度が規定値以上に上昇
した場合、ワイヤの走行速度を低下させたり、加工部に
供給される加工液の量を増加したりすれば、加工用ロー
ラやブラケットあるいは加工液の受け皿等の熱変位を効
果的に抑制できる。よって、ワークの加工精度を一定に
維持することができる。
【0019】請求項8に記載の発明では、請求項7に記
載のワイヤソーにおいて、制御手段は加工液の温度を調
節することを特徴とするものである。従って、制御手段
の制御により、検出手段の温度検出結果に基づいて、加
工液の温度を的確に調節することができる。特に、加工
液を直接受ける加工用ローラや受け皿の熱変位を効果的
に抑制できる。
【0020】請求項9に記載の発明では、請求項1〜8
のいずれかに記載のワイヤソーにおいて、ブラケット上
に温度を検出するための補助検出手段を設けたことを特
徴とするものである。
【0021】従って、検出手段による加工液の温度検出
のほかに、補助検出手段により、ブラケットの温度を直
接的に検出することができる。よって、ブラケットの熱
変位を効果的に抑制することができて、ワークの高い加
工精度を維持することができる。
【0022】請求項10に記載の発明では、請求項9に
記載のワイヤソーにおいて、補助検出手段を異なる複数
箇所に設けたことを特徴とするものである。従って、異
なった箇所に設けられた複数の補助検出手段により、ブ
ラケットの温度を広範囲に亘って正確に検出することが
でき、ブラケットの熱変位を広範囲にわたって的確に抑
制できる。
【0023】請求項11に記載の発明では、請求項10
に記載のワイヤソーにおいて、補助検出手段を熱変位の
大きな部分に設けたことを特徴とするものである。従っ
て、補助検出手段により、ブラケット上で特に熱変位の
大きな部分の温度を正確に検出して、その部分の熱変位
を抑制することができて、ブラケットの熱変位を一層効
果的に抑制することができる。
【0024】請求項12に記載の発明では、請求項9〜
11のいずれかに記載のワイヤソーにおいて、検出手段
及び補助検出手段の検出結果に基づいて切断動作を制御
する制御手段を設けたことを特徴とするものである。
【0025】従って、検出手段による加工液の温度検出
結果と、補助検出手段によるブラケットの温度検出結果
とに基づいて、制御手段の制御により、ワイヤの走行速
度等の切断動作を的確に調節して、ブラケット等の熱変
位を抑制することができる。
【0026】請求項13に記載の発明では、請求項7〜
12のいずれかに記載のワイヤソーにおいて、過熱部に
対して冷却用の液体を供給するための冷却手段を設け、
その冷却手段の動作を制御手段により制御するようにし
たことを特徴とするものである。
【0027】従って、加工液の温度検出結果やブラケッ
トの温度検出結果により、ブラケットの一部等に過熱の
おそれが生じた場合には、制御手段の制御により、冷却
手段から過熱部に冷却用の液体が供給されて、その過熱
部を迅速に冷却することができる。よって、ブラケット
に熱変位が生じるのをより確実に抑制することができ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下に、この
発明の第1の実施形態を、図1〜図3に基づいて説明す
る。
【0029】同図に示すように、コラム11は図示しな
い装置フレーム上に立設され、その側面にはブラケット
12が装着されている。このブラケット12は基板部1
2aと一対の支持板部12bとを備え、それらの部分が
鋳造または溶接構造により一体に成形されている。ブラ
ケット12の両支持板部12b間には3本の加工用ロー
ラ13,14,15が軸受部16を介して回転可能に支
持され、それらの加工用ローラ13〜15間にはワーク
切断用のワイヤ17が複数回周回支持されている。
【0030】前記加工用ローラ13〜15間のワイヤ1
7の上方には、図示しないワーク昇降機構を介して断面
円形状のワーク18が昇降可能に装着されている。この
ワーク18は、断面円形状に限らず、断面四角形等、他
の形状のものも装着される。そして、加工用ローラ13
〜15の回転により、ワイヤ17が走行されながら、ワ
ーク18がワーク昇降機構により下降されて、ワイヤ1
7に押し付けられるようになっている。
【0031】前記加工用ローラ13〜15間のワイヤ1
7の上方にはスラリ供給パイプ19が配設され、スラリ
循環通路20に接続されている。そして、このスラリ循
環通路20を通して循環使用される加工液としての遊離
砥粒を含むスラリが、スラリ供給パイプ19からワイヤ
17とワーク18との間に供給されて、ワーク18がウ
ェーハ状に切断加工されるようになっている。
【0032】前記スラリ循環通路20には、上部スラリ
受け皿21、下部スラリ受け皿40、ポンプ22,4
1,42、スラリタンク23及び熱交換器24が接続さ
れている。上部スラリ受け皿21は鋳造または溶接構造
により成形され、加工用ローラ13,14間の直下に位
置するように、ブラケット12の支持板部12b間に架
設配置されている。下部スラリ受け皿40はブラケット
12の下方に配置されている。
【0033】そして、ワイヤ17とワーク18との間の
加工部を通過したスラリが、上部スラリ受け皿21及び
下部スラリ受け皿40で受けられ、ポンプ22によりス
ラリタンク23に搬送される。スラリタンク23内のス
ラリは、同スラリタンク23からポンプ41により熱交
換器24に導入され、その熱交換器24からスラリタン
ク23に戻される。すなわち、前記熱交換器24内には
温度調節器25が設けられている。そして、この温度調
節器25により熱交換器24内を通過するスラリの流量
が変更されて、スラリの温度が調節されるようになって
いる。従って、スラリタンク23内のスラリは、所定温
度に調整維持される。次いで、所定の温度に調整された
スラリは、ポンプ42により、スラリタンク23から前
記スラリ供給パイプ19に供給される。
【0034】図1〜図3に示すように、前記上部スラリ
受け皿21の上面中央には検出手段としての1つの温度
センサ26が配設され、その外面には温度センサ26を
スラリの砥粒から保護するための保護カバー27が被覆
されている。そして、ワイヤ17によるワーク18の切
断加工時に、加工部を通過した直後のスラリの温度が上
部スラリ受け皿21上において、この温度センサ26に
より検出されて、その検出信号が制御手段としての制御
装置28に出力されるようになっている。
【0035】前記ブラケット12上の異なった箇所に
は、一対の補助検出手段としての補助温度センサ29が
配設されている。これらの補助温度センサ29は、ブラ
ケット12上において特に大きな熱変位が生じやすい部
分を選んで、例えば両支持板部12bの外面の軸受部1
6に近い位置に配置されている。そして、ワイヤ17に
よるワーク18の切断加工時に、これらの補助温度セン
サ29によりブラケット12の温度が直接的に検出され
て、それらの検出信号が制御装置28に出力されるよう
になっている。
【0036】前記上部スラリ受け皿21の両側上部に
は、冷却手段としての一対の冷却ノズル30が配設され
ている。スラリ循環通路20には分岐供給路31が形成
され、その端部がバルブ32を介して各冷却ノズル30
に接続されている。そして、バルブ32が開放されたと
き、スラリ循環通路20内を循環している温度調整後の
スラリの一部が、分岐供給路31を介して各冷却ノズル
30に導かれ、冷却用の液体としてブラケット12上の
過熱部に向けて供給されるようになっている。
【0037】また、前記制御装置28は、温度センサ2
6からのスラリ温度の検出信号、及び補助温度センサ2
9からのブラケット温度の検出信号に基づいて、ワイヤ
ソーの切断動作を制御するようになっている。すなわ
ち、この実施形態では、熱交換器24内の温度調節器2
5を作動制御して、スラリ供給パイプ19に導かれるス
ラリの温度を調節するとともに、バルブ32の開閉及び
開放度を制御して、冷却ノズル30からの冷却用スラリ
の供給有無及び供給量を調節するようになっている。
【0038】次に、前記のように構成されたワイヤソー
の動作を説明する。さて、このワイヤソーの運転時に
は、加工用ローラ13〜15の回転により、ワイヤ17
が走行されながら、ワーク18がワイヤ17に押し付け
られる。このとき、スラリがスラリ循環通路20内で循
環されて、スラリ供給パイプ19からワイヤ17とワー
ク18との間に供給される。これにより、ワーク18が
ウェーハ状に切断加工される。
【0039】このワーク18の切断加工時には、加工部
を通過した直後のスラリの温度が上部スラリ受け皿21
上において、温度センサ26により検出される。また、
加工用ローラ13〜15を支持するブラケット12の温
度が、一対の補助温度センサ29により検出される。そ
して、これらの温度検出結果に基づいて、制御装置28
の制御により、温度調節器25が作動され、スラリ供給
パイプ19から加工部に供給されるスラリの温度が調節
する。それとともに、必要に応じて分岐供給路31中の
バルブ32が開放されるとともに、その開放量が調節さ
れて、冷却ノズル30からブラケット12の過熱部に所
要量の冷却用スラリが供給される。
【0040】従って、ワーク18の切断加工の進行に伴
って、スラリに切断摩擦による熱が付加されたり、断面
円形状をなすワーク18の中心付近の切断時に、ワイヤ
17の切断長が長くなることにより、摩擦による発熱量
が多く高くなったりした場合でも、そのスラリの温度上
昇が、温度センサ26により迅速に検出される。また、
スラリの温度上昇に伴って、ブラケット12の一部が過
熱し始めた場合でも、そのブラケット12の温度上昇が
補助温度センサ29により迅速に測定される。
【0041】そして、これらの温度上昇の検出結果に基
づいて、加工部に供給されるスラリの温度が低下される
とともに、ブラケット12の過熱部に冷却用スラリが供
給される。このため、受け皿21や加工用ローラ13〜
15やブラケット12に熱変位を生じるのが抑制され
て、ワーク18は常に高い加工精度を維持した状態で切
断加工される。
【0042】前記の実施形態によって期待できる効果に
ついて、以下に記載する。 (a) この実施形態のワイヤソーにおいては、加工用
ローラ13,14の直下にスラリを受けるための上部ス
ラリ受け皿21が設けられ、その上部スラリ受け皿21
には加工部を通過した直後のスラリの温度を検出するた
めの温度センサ26が設けられている。
【0043】このため、ワイヤ17によるワーク18の
切断加工時に、加工部を通過した直後のスラリの温度を
上部スラリ受け皿21上において、温度センサ26によ
り迅速かつ正確に検出することができる。よって、その
温度センサ26の温度検出結果に基づいて、スラリの温
度調整や冷却用スラリの供給等の切断動作を的確に調節
制御することができる。この結果、受け皿21や加工用
ローラ13,14,15やブラケット12に熱変位が生
じるのを抑制することができて、ワーク18の加工精度
を一定に維持することができる。
【0044】(b) この実施形態のワイヤソーにおい
ては、温度センサ26が上部スラリ受け皿21の上面に
設けられている。このため、温度センサ26を上部スラ
リ受け皿21の上面に容易かつ安定状態で取り付けるこ
とができるとともに、加工部を通過して上部スラリ受け
皿21に回収されたスラリの温度を直ちに、かつ直接検
出することができる。従って、スラリの温度変化に直ち
に対応して、加工部に供給されるスラリ温度の調整等を
迅速に行うことができ、受け皿21やブラケット12や
加工用ローラ13〜15の熱変位を最小限に抑えること
ができる。
【0045】(c) この実施形態のワイヤソーにおい
ては、温度センサ26の検出結果に基づいて切断動作を
制御するための制御装置28が設けられている。このた
め、制御装置28の制御により、温度センサ26の温度
検出結果に基づいてスラリ温度調整等の切断動作を的確
に調節することができる。よって、受け皿21や加工用
ローラ13,14,15やブラケット12に熱変位が生
じるのを確実に抑制することができて、ワーク18の高
い加工精度を維持することができる。
【0046】(d) この実施形態のワイヤソーにおい
ては、制御装置28がスラリの温度を調節するようにな
っている。このため、制御装置28の制御により、温度
センサ26の温度検出結果に基づいて、スラリの温度を
的確に調節することができる。
【0047】(e) この実施形態のワイヤソーにおい
ては、ブラケット12上に温度を検出するための補助温
度センサ29が設けられている。このため、温度センサ
26によるスラリの温度検出のほかに、補助温度センサ
29により、ブラケット12の温度を直接的に検出する
ことができる。よって、ブラケット12の熱変位を効果
的に抑制することができて、ワーク18の高い加工精度
を維持することができる。
【0048】(f) この実施形態のワイヤソーにおい
ては、補助温度センサ29が異なる複数箇所に設けられ
ている。このため、異なった箇所に設けられた複数の補
助温度センサ29により、ブラケット12の温度を広範
囲に亘って正確に検出することができ、ブラケット12
全体の熱変位を抑制して高精度加工を実現できる。
【0049】(g) この実施形態のワイヤソーにおい
ては、補助温度センサ29が熱変位の大きな部分に設け
られている。このため、補助温度センサ29により、ブ
ラケット12上で特に熱変位の大きな部分の温度を正確
に検出することができて、ブラケット12の熱変位を一
層効果的に抑制することができる。
【0050】(h) この実施形態のワイヤソーにおい
ては、温度センサ26及び補助温度センサ29の検出結
果に基づいて、制御装置28により切断動作が制御され
るようになっている。このため、温度センサ26による
スラリの温度検出結果と、補助温度センサ29によるブ
ラケット12の温度検出結果とに基づいて、制御装置2
8の制御により、切断動作を一層的確に調節することが
できる。
【0051】(i) この実施形態のワイヤソーにおい
ては、過熱部に対して冷却用のスラリを供給するための
冷却ノズル30が設けられ、その冷却ノズル30からの
冷却用スラリの供給動作が制御装置28により制御され
るようになっている。このため、スラリの温度検出結果
やブラケット12の温度検出結果により、ブラケット1
2の一部等に過熱のおそれが生じた場合には、制御装置
28の制御により、冷却ノズル30から過熱部に冷却用
スラリが供給されて、その過熱部を迅速に冷却すること
ができる。よって、ブラケット12に熱変位が生じるの
をより確実に抑制することができる。
【0052】(j) この実施形態のワイヤソーにおい
ては、受け皿21をは加工用ローラ13〜15を支持す
るブラケット12間に架設されているため、加工液とし
てのスラリを直接受け、しかも加工用ローラ13〜15
やブラケット12に熱的に連結した部分に温度センサ2
6を設けることになる。従って、受け皿21やブラケッ
ト12等の熱変形防止のための適正な検出結果を得るこ
とができる。
【0053】(第2の実施形態)次に、この発明の第2
の実施形態を、前記第1の実施形態と異なる部分を中心
に説明する。
【0054】さて、この第2の実施形態においては、図
4に示すように、上部スラリ受け皿21の底面中央に凹
部35が形成され、その凹部35内に検出手段としての
温度センサ26が埋め込み配置されている。そして、前
記第1の実施形態と同様に、この温度センサ26によ
り、加工部を通過した直後のスラリの温度が迅速に検出
されるようになっている。
【0055】従って、この第2の実施形態においては、
前述した第1の実施形態における(a),(c)〜
(j)に記載の効果に加えて、次のような効果を得るこ
とができる。
【0056】(k) この実施形態のワイヤソーにおい
ては、温度センサ26が上部スラリ受け皿21の内部に
設けられている。このため、温度センサ26の外面にス
ラリが直接降り懸かることはない。よって、温度センサ
26を保護カバー等で被覆することなく、上部スラリ受
け皿21の内部に容易に取り付けることができ、しか
も、保護カバーを設けなくても、温度センサ26の摩滅
を防止できる。
【0057】(第3の実施形態)次に、この発明の第3
の実施形態を、前記第1の実施形態と異なる部分を中心
に説明する。
【0058】さて、この第3の実施形態においては、図
2及び図3に鎖線で示すように、上部スラリ受け皿21
の上面両側に一対の検出手段としての温度センサ26が
配設されている。そして、これらの温度センサ26によ
り、加工部を通過した直後のスラリの温度が、上部スラ
リ受け皿21の上面両側において迅速に検出されるよう
になっている。
【0059】従って、この第3の実施形態においては、
前述した各実施形態における(a)〜(j)に記載の効
果に加えて、次のような効果を得ることができる。 (l) この実施形態のワイヤソーにおいては、温度セ
ンサ26が複数の異なる位置に設けられている。このた
め、異なった位置に配置された複数の温度センサ26に
より、加工部を通過した直後のスラリの温度を広範囲に
亘って正確に検出することができ、さらに的確に受け皿
21やブラケット12等の熱変位を抑制できる (変更例)なお、この実施形態は、次のように変更して
具体化することも可能である。
【0060】・ 前記第1実施形態において、検出手段
としての温度センサ26を上部スラリ受け皿21とは異
なった位置、例えばブラケット12の支持板部12bの
内側面等に配設すること。
【0061】・ 前記各実施形態において、温度センサ
26を3個以上の複数個設けること。このようにすれ
ば、より的確な温度検出が可能になる。 ・ 前記各実施形態において、補助検出手段としての補
助温度センサ29を3個以上の複数個設けること。この
ようにすれば、より的確な温度検出が可能になる。
【0062】・ 前記各実施形態において、補助検出手
段29を省略すること。 ・ 前記各実施形態において、冷却手段としての冷却ノ
ズル30を省略すること。
【0063】・ 前記各実施形態において、制御手段と
しての制御装置28により、温度センサ26及び補助温
度センサ29の検出結果に基づいて、スラリの温度調整
とは異なった切断動作の制御を行うように構成するこ
と。例えば、加工部に供給されるスラリの量を調整した
り、ワイヤ17の走行速度を調整したり、ワーク18の
切り込み速度、すなわち、加工送り速度を調節したりす
ること。加工部に供給されるスラリの量を調整する場合
には、加工部を通過したスラリの温度上昇に応じて加工
部に供給されるスラリの量を多くする。ワイヤ17の走
行速度を調整する場合には、加工部を通過したスラリの
温度上昇に応じてワイヤ17の走行速度を上昇させる。
すなわち、ワイヤ17の走行速度が上昇すると、負荷が
低下するため、ワーク18とワイヤ17との間の摩擦発
熱量が低下される。ワーク18の切り込み速度を調節す
る場合には、加工部を通過したスラリの温度上昇に応じ
てワーク18の切り込み速度を低下させて、前記と同様
に、ワーク18とワイヤ17との間の摩擦発熱量を低下
させる。これらのように構成しても、前述した効果を得
ることができる。
【0064】・ 前記各実施形態において、制御装置2
8により、スラリの温度、ワイヤ17の走行速度、ワー
ク18の切り込み速度等の異なった切断動作の内で、少
なくとも2つの切断動作を調節制御するように構成する
こと。
【0065】・ 前記各実施形態において、遊離砥粒を
含むスラリとは異なった加工液を使用するワイヤソーに
おいて、その加工液の温度を温度センサ26により検出
するように構成すること。例えば、ワイヤ17として砥
粒を埋設したものを使用し、加工液は砥粒を有せず、切
断加工部の冷却を行うクーラント、水あるいはオイルを
使用すること。
【0066】・ 前記各実施形態において、冷却ノズル
30からブラケット12等の過熱部に供給する冷却用の
液体として、スラリとは異なった例えばクーラント、水
あるいはオイル等を使用すること。
【0067】・ 前記実施形態では、補助温度センサ2
9によりブラケット12の温度を検出したが、その補助
温度センサ29に位置を加工液の落下位置に設けて、加
工液の温度を検出するように構成すること。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態のワイヤソーを示す概略構成
図。
【図2】 加工用ローラ及びそれを支持するブラケット
を示す正面図。
【図3】 同じく加工用ローラ及びブラケットを示す平
面図。
【図4】 第2の実施形態のワイヤソーのスラリ受け皿
を示す断面図。
【符号の説明】
12…ブラケット、13,14,15…加工用ローラ、
16…軸受部、17…ワイヤ17…ワーク、19…スラ
リ供給パイプ、20…スラリ循環通路、21…スラリ受
け皿、24…熱交換器、25…温度調節器、26…検出
手段としての温度センサ、28…制御手段としての制御
装置、29…補助検出手段としての補助温度センサ、3
0…冷却手段としての冷却ノズル、31…分岐供給路、
32…バルブ。
フロントページの続き (72)発明者 福田 紘二 神奈川県横須賀市神明町1番地 株式会社 日平トヤマ技術センター内 (72)発明者 石塚 智 神奈川県横須賀市神明町1番地 株式会社 日平トヤマ技術センター内 Fターム(参考) 3C047 FF09 FF11 GG00 3C058 AA05 AA14 AA18 AC04 BA08 BC02 BC03 CA04 CA05 CB01 DA03 3C069 AA01 BA06 BB04 BC03 CA03 CA04 DA06 EA02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラケットに複数の加工用ローラを支持
    するとともに、加工用ローラ間にワイヤを多数回周回支
    持し、そのワイヤに対してワークを押し付けるととも
    に、ワイヤとワークとの間に加工液を供給することによ
    り、ワークをワイヤにて切断するようにしたワイヤソー
    において、 加工部を通過した直後の加工液の温度を検出するための
    検出手段を設けたワイヤソー。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のワイヤソーにおいて、
    加工用ローラの直下に加工液を受けるための受け皿を設
    け、前記検出手段を受け皿に設けたワイヤソー。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のワイヤソーにおいて、
    検出手段を受け皿の上面に設けたワイヤソー。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のワイヤソーにおいて、
    検出手段を受け皿の内部に設けたワイヤソー。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかに記載のワイヤ
    ソーにおいて、受け皿は加工用ローラを支持するブラケ
    ット間に架設されているワイヤソー。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のワイヤ
    ソーにおいて、検出手段を複数の異なる位置に設けたワ
    イヤソー。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のワイヤ
    ソーにおいて、検出手段の検出結果に基づいて切断動作
    を制御するための制御手段を設けたワイヤソー。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のワイヤソーにおいて、
    制御手段は加工液の温度を調節するワイヤソー。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載のワイヤ
    ソーにおいて、ブラケット上に温度を検出するための補
    助検出手段を設けたワイヤソー。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のワイヤソーにおい
    て、補助検出手段を異なる複数箇所に設けたワイヤソ
    ー。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のワイヤソーにおい
    て、補助検出手段を熱変位の大きな部分に設けたワイヤ
    ソー。
  12. 【請求項12】 請求項9〜11のいずれかに記載のワ
    イヤソーにおいて、検出手段及び補助検出手段の検出結
    果に基づいて切断動作を制御する制御手段を設けたワイ
    ヤソー。
  13. 【請求項13】 請求項7〜12のいずれかに記載のワ
    イヤソーにおいて、過熱部に対して冷却用の液体を供給
    するための冷却手段を設け、その冷却手段の動作を制御
    手段により制御するようにしたワイヤソー。
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