JP2534955Y2 - 油圧ショベルのブームにおける油圧配管のクランプ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、油圧ショベルのブー
ムに配置する作業機作動用油圧配管を、ブーム上に設置
する噴油飛散防止カバーの上板部に固定するクランプ装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３は油圧ショベルの一例を示し、無限
軌道式の走行体１上には旋回体２が旋回自在に装架され
ている。旋回体２には、機械室３、運転室４、カウンタ
ウェイト５が設置されており、ブーム６、アーム７、バ
ケット８およびそれらを作動させる油圧シリンダをそな
えた作業機Ｆが取付けられている。ブーム６には作業機
Ｆを作動させる圧油を流通させる油圧配管９Ａ、９Ｂ、
９Ｃ、９Ｄが配置されている。各油圧配管９Ａ、９Ｂ、
９Ｃ、９Ｄの旋回体２側の端部は、管継ぎ具１０を介し
て油圧ホース１１に連結されている。管継ぎ具１０近傍
のブーム上には、管継ぎ具１０などから圧油が漏れ出た
場合、それをさえぎって運転員の被害を防ぐための噴油
飛散防止カバー（以下カバーという）が設けられてい
る。

【０００３】つぎに、油圧配管９Ａ、９Ｂをカバー１２
に固定する従来のクランプ装置を図４ないし図６を参照
して説明する。

【０００４】カバー１２は上板部１２ａと側板部１２ｂ
からなり、上板部１２ａにはボルト穴１２ｃが設けられ
ている。前後の上側クランプ体１３とそれに対向させる
下側クランプ体１４との対向端面部には、それぞれ油圧
配管９Ａ、９Ｂを抱持する、断面が円弧状の凹部が形成
されており、両クランプ体１３、１４、の中央部にはそ
れぞれボルト穴１３ａ、１４ａが設けられている。上側
クランプ体１３は上板部１２ａの下端面に溶接されてい
る。油圧配管９Ａ、９Ｂを抱持させた両クランプ体１
３、１４は、各ボルト穴１２ｃ、１３ａ、１４ａに差し
込ませたボルト１５、ボルト１５にねじばめさせたナッ
ト１６、ボルト１５の頭部と上板部１２ａとの間、およ
びナット１６と下側クランプ体１４の下端面との間に介
在させたワッシャ１７により、上板部１２ａに固定され
ている。すなわち、ボルト１５とナット１６との締付け
によりカバー１２、両クランプ体１３、１４が固定され
ている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】このようなクランプ装
置では、組立てる時に、締付け固定部位が前後二箇所あ
り、下側クランプ体１４、ワッシャ１７、ナット１６の
３部品を下から一緒に支える必要があり、はじめの設置
および締付け作業性に問題がある。

【０００６】この考案は、これにかんがみてなされたも
ので、組み込みを容易に行ない、作業性を向上すること
ができる油圧配管のクランプ装置を提供することを目的
とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この考案の油圧配管のク
ランプ装置は、前後の下側クランプ体を連結バーの上端
面に溶接し、ナットをその連結バーの下端面に溶接し、
それら三者を上側クランプ体とともにボルトにより固定
するように構成したことを特徴とする。

【０００８】

【作用】一体物とした下側クランプ体、連結バー、ナッ
トを支え、下側クランプ体を油圧配管の下側に当て、上
側クランプ体と下側クランプ体とで油圧配管を抱持し、
ボルトをカバーの上板部、両クランプ体のボルト穴を通
してナットにはめ込ませて、両クランプ体を固定する。

【０００９】

【実施例】以下、この考案の一実施例を図１および図２
により説明する。両図において、図３ないし図６と同じ
符号をつけた部材は同じ部材を示す。

【００１０】前後の下側クランプ体１４は板状の連結バ
ー１８の上端面に溶接されており、ナット１６は連結バ
ー１８の下端面に溶接されており、それらの一体物は、
上側クランプ体１３、カバー１２とともに、ボルト１
５、ナット１６、ボルト１５の頭部と上板部１２ａとの
間に介在させたワッシャ１７により固定されている。

【００１１】

【考案の効果】以上説明したように、前後の下側クラン
プ体１４、連結バー１８、ナット１６を一体物に構成し
たので、一度に複数の部品を下側から支える必要がな
い。また、構成部品を予め仮り組みし、ボルト１５を本
締めする時に、いちいちナット１６の共回り防止のため
の固定をしないですむ。これらにより作業性が向上す
る。さらに、前述の構成により、固定時の締付力による
クランプ体の歪が、ナット１６のねじ部１６ａに直接に
影響しないので、ねじ部１６ａの損傷を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す図５相当の断面図、

【図２】図１のＡ−Ａ断面図、

【図３】従来の油圧ショベルの一例を示す斜視図、

【図４】図３のＢ部の拡大斜視図、

【図５】図４のＣ−Ｃ断面図、

【図６】図５のＤ−Ｄ断面図である。

【符号の説明】

９Ａ 油圧配管 ９Ｂ 油圧配管 １２ 噴油飛散防止カバー １２ａ 上板部 １３ 上側クランプ体 １４ 下側クランプ体 １５ ボルト １６ ナット １７ ワッシャ １８ 連結バー

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 油圧ショベルのブームにおける油圧配管
   を、前後に配置した上側クランプ体と下側クランプ体と
   で抱持し、両クランプ体をブーム上に設置する噴油飛散
   防止カバーの上板部の内側に、上板部および両クランプ
   体のボルト穴に挿入したボルトおよびボルトをはめ込ま
   せるナットにより固定する油圧配管のクランプ装置にお
   いて、前後の下側クランプ体を連結バーの上端面に溶接
   し、ナットをその連結バーの下端面に溶接し、それら三
   者を上側クランプ体とともにボルトにより固定するよう
   に構成したことを特徴とする油圧配管のクランプ装置。