JPH051015U - ピン結合装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 従来技術のピン結合部では、ボス穴に嵌着し
たブッシュとピンとの摺動部に対して潤滑を行うため
に、ボス内部に潤滑用油脂（グリース又はオイル）が充
填されている。そのために作業アタッチメントの取付替
えなどを行うときにピンを抜外すと、潤滑用油脂が流出
して建設機械を汚すとともに、地面に垂れ落ちて公害を
おこすおそれがあった。本考案は、上記の問題点を解決
する。 ［構成］ 左右一対のブラケットをそれぞれブラケツト
本体とキャップとに分割し、ピンにラジアル方向の力が
作用したときキャップがブラケット本体から外れないよ
うに、ブラケット本体の上部と、キャップの下部に互い
に側方から嵌込み可能な、く字形嵌込部を側面視で左右
両側に形成し、かつピンをボスに取付けた状態で、上記
キャップを締付ボルトにてブラケット本体に固定するよ
うに構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として油圧ショベルなど建設機械用作業アタッチメントのピン結 合装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図６は、油圧ショベルの要部側面図である。図において、１は油圧ショベルの 下部走行体、２は上部旋回体、３は上部旋回体２のフロント部に装着した作業ア タッチメント、４は作業アタッチメント３のブーム、５はアーム、６はバケット 、７は一個のピン結合部である。図７は、図６におけるピン結合部７のＡーＡよ り見た断面図である。図において、８はボス、９Ｌ及び９Ｒはボス８の左右両端 のボス材、１０はパイプ、１１はグリース容量制限部材である抑制パイプ、１２ Ｌ及び１２Ｒはボス材９Ｌ及び９Ｒのそれぞれボス穴に嵌着したブッシュ、１３ はブラケット、１４は抑制パイプ１１内部側のグリース室、１５はピン、１６は ン１５内部のグリース通路、１７はピン１５に設けた給脂口、１８はピン１５の 固定係止部、１９Ｌ及び１９Ｒはボス８の左右両端に嵌着したシール部材である 。

【０００３】 従来技術のピン結合部７では、ピン１５を左右一対のブラケット１３に固定し て支承し、そのピン１５に対してボス８を回動自在に連結し、またボス（８）穴 の両端部にそれぞれ嵌着したブッシュ１２Ｌ，１２Ｒの内周面と、ピン（１５） 外周面との摺動部に対して潤滑用油脂を供給するようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来技術のピン結合部では、ボス穴に嵌着したブッシュの内周面と、ピン外周 面との摺動部に対して潤滑を行うために、ボス内部に潤滑用油脂（グリース又は オイル）が充填されている。そのために作業アタッチメントの取付替えなどを行 うときにピンを抜外すと、潤滑用油脂が流出して建設機械を汚すとともに、地面 に垂れ落ちて公害をおこすおそれがあった。本考案は、上記の問題点を解決でき るピン結合装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のピン結合装置は、左右一対のブラケットをそれぞれブラケット本体と キャップとに分割し、ピンにラジアル方向の力が作用したときキャップがブラケ ット本体から外れないように、ブラケット本体の上部と、キャップの下部に互い に側方から嵌込み可能な、く字形嵌込部を側面視で左右両側に形成し、ブラケッ トとボスとを連結するときピンをボスに取付けた状態でブラケット本体の上部に 載せ、そのピン及びブラケット本体の側方からキャップを嵌挿し、そのキャップ を締付ボルトにてブラケット本体に固定するようにした。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図１は、本考案の第 １実施例ピン結合装置２０の断面図である。図において、２１は左右一対のブラ ケツト、２２はブラケット２１のブラケット本体、２３はキャップ、２４は締付 ボルト、２５はボス、２６はボス２５の内部側に設けたグリース（潤滑用オイル の場合を含む）容量制限用の抑制パイプ、２７はブッシュ、２８はシール部材、 ２９はロックプレート、３０はピン、３１は給脂口、３２はシム、３３はボス２ ５内部のグリース室である。図２は、図１のＢより見た側面図である。図におい て、３４，３４’はそれぞれブラケット本体２２の上部とキャップ２３の下部に 形成した嵌込部、３５はキャップ２３のピン対接面側に形成したピン回り止め平 面部、３６はピン３０に形成した平面部、３７はライナである。図３は、図１の Ｃより見た要部平面図である。図４は、左右一対のブラケットのうち片側のブラ ケット２１の組立構成図である。

【０００７】 次に、本考案のピン結合装置２０の構成を図１〜図４について述べる。左右一 対のブラケット２１をそれぞれブラケット本体２２とキャップ２３とに分割し、 ピン３０にラジアル方向の力が作用したときキャップ２３がブラケット本体２２ から外れないように、ブラケット本体２２の上部と、キャップ２３の下部に互い に側方から嵌込み可能な、く字形嵌込部（３４，３４’）を側面視で左右両側に 形成し、ブラケット２１とボス２５とを連結するときピン３０をボス２５に取付 けた状態でブラケット本体２２の上部に載せ、そのピン３０及びブラケット本体 ２２の側方からキャップ２３を嵌挿し、そのキャップ２３を締付ボルト２４にて ブラケット本体２２に固定するようにした。なお上記く字形嵌込部（３４，３４ ’）は、側面視がく字形に限らずＳ字形，コ字形などに形成してもよい。

【０００８】 次に、本考案のピン結合装置２０の作用について述べる。ピン結合装置２０で は、ピン３０にラジアル方向の力が作用したときキャップ２３がブラケット本体 ２２から外れないように、ブラケット本体２２の上部と、キャップ２３の下部に 互いに側方から嵌込み可能な、く字形嵌込部（３４，３４’）を側面視で左右両 側に形成したので、油圧ショベルの作業時に上記ピン３０に作用する力が非常に 小さい。したがって締付ボルト２４の破損が防止されるとともに、ピン結合装置 ２０の十分な強度を保持することができる。また作業アタッチメントの取付替え 時などにブラケット２１よりボス２５を取外すときには、まず締付ボルト２４を 弛めて外し、それからキャップ２３を側方に抜外す。それによりボス２５にピン ３０を取付けた状態で、ボス２５をブラケット２１より取外すことができるので 、ボス２５内部の潤滑用油脂が外部へ流出することはない。

【０００９】 次に図５は、本考案の第２実施例ピン結合装置３８の断面図である。図におい て、第１実施例ピン結合装置２０と同一構成要素を使用するものに対しては同符 号を付す。３９はボス、４０はボス（３９）穴に嵌着しあブッシュ、４１はブッ シュの潤滑用穴、４２はピンである。このピン結合装置３８のボス３９の幅寸法 Ｗは小寸であるので、ボス（３９）穴に嵌着したブッシュ４０は単数個である。 この第２実施例ピン結合装置３８の構成及び作用，機能は、第１実施例ピン結合 装置２０の場合と同様である。

【００１０】

【考案の効果】 従来技術のピン結合部では、ボス穴に嵌着したブッシュの内周面と、ピン外周 面との摺動部に対して潤滑を行うために、ボス内部に潤滑用油脂（グリース又は オイル）が充填されている。そのために作業アタッチメントの取付替えなどを行 うときにピンを抜外すと、潤滑用油脂が流出して建設機械を汚すとともに、地面 に垂れ落ちて公害をおこすおそれがあった。しかし本考案のピン結合装置では、 ピンにラジアル方向の力が作用したときキャップがブラケット本体から外れない ように、ブラケット本体の上部と、キャップの下部に互いに側方から嵌込み可能 な、く字形嵌込部を側面視で左右両側に形成したので、油圧ショベルの作業時に 上記ピンに作用する力が非常に小さい。したがって締付ボルトの破損が防止され るとともに、ピン結合装置の十分な強度を保持することができる。また作業アタ ッチメントの取付替え時などにブラケットよりボスを取外すときには、まず締付 ボルトを弛めて外し、それからキャップを側方に抜外す。それによりボスにピン を取付けた状態で、ボスをブラケットより取外すことができるので、ボス内部の 潤滑用油脂が外部へ流出することはない。したがって本考案のピン結合装置は、 ピン結合部のメンテナンス性を向上させるとともに、油脂の垂れ落ち公害を防止 することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例ピン結合装置の断面図であ
る。

【図２】図１のＢより見た側面図である。

【図３】図１のＣより見た要部平面図である。

【図４】本考案におけるブラケットの組立構成図であ
る。

【図５】本考案の第２実施例ピン結合装置の断面図であ
る。

【図６】油圧ショベルの要部側面図である。

【図７】図６のＡーＡより見た従来技術のピン結合部の
断面図である。

【符号の説明】

３ 作業アタッチメント ７ ピン結合部 ８，２５，３９ ボス １２Ｌ，１２Ｒ，２７，４０ ブッシュ １３，２１ ブラケット １５，３０ ピン ２０，３８ ピン結合装置 ２２ ブラケット本体 ２３ キャップ ２４ 締付ボルト ３４，３４’ く字形嵌込部

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 ピンを左右一対のブラケットに固定して
   支承し、そのピンに対してボスを回動自在に連結し、ま
   たボス穴に嵌着したブッシュの内周面と、ピン外周面と
   の摺動部に対して潤滑用油脂を供給するようにしたピン
   結合部において、左右一対のブラケットをそれぞれブラ
   ケット本体とキャップとに分割し、ピンにラジアル方向
   の力が作用したときキャップがブラケット本体から外れ
   ないように、ブラケット本体の上部と、キャップの下部
   に互いに側方から嵌込み可能な、く字形嵌込部を側面視
   で左右両側に形成し、ブラケットとボスとを連結すると
   きピンをボスに取付けた状態でブラケット本体の上部に
   載せ、そのピン及びブラケット本体の側方からキャップ
   を嵌挿し、そのキャップを締付ボルトにてブラケット本
   体に固定するようにしたことを特徴とするピン結合装
   置。