JP2534873B2 - 導電性樹脂組成物 - Google Patents

導電性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電子写真複写機の帯電ロール,現像ロー
ル,クリーニングロール等に用いられる導電性樹脂組成
物に関するものである。
〔従来の技術〕
電子写真複写機の帯電ロール等の導電性ロールは、通
常、第4図に示すように、金属シャフト1とその外周面
に形成された導電性高分子層2によって構成されてい
る。上記導電性高分子層2を形成する導電性高分子とし
ては、一般に、シリコーンゴム等の合成ゴム中の導電性
粉末や導電性繊維(カーボンブラック,金属粉末,カー
ボン繊維等)を混入した導電性弾性体や、合成ゴム本体
のイオン導電性を利用し、あるいはこれに高誘電性液体
やイオン性物質を添加し上記合成ゴムのイオン導電性を
補強したイオン性半導電性弾性体等が知られている。
このような導電性あるいは半導電性弾性体は、帯電,
現像,クリーニグン,転写等の用途において充分な機能
を果すためには、電気抵抗レベルが、101〜1012Ω・c
m、特に105〜1010Ω・cmの範囲に入るのが望ましい、と
されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記導電性弾性体は、合成ゴム中に混
入された導電性粒子同士の接触によって導電性が与えら
れるため、必ずしも均一な粒子間接触が得られない。こ
れは、特に半導電性領域で顕著であり、しがって、上記
の範囲内の導電性に収めることが難しい。また、マトリ
ックスとなる合成ゴムの硬度が低い場合(例えば発泡体
である場合)、導電性弾性体が加圧により容易に変形す
るため導電性粒子間の接触程度が変化し、電気抵抗が大
きく変化する。したがって、上記導電性の不均一と電気
抵抗の変化とによって、導電性ロール表面層として使用
した場合、帯電等が不均一となり、電子写真複写機等に
おいて充分な画質のものが得られない。
また、イオン性半導電性弾性体は、イオン性物質の移
動に伴う電荷移動によって導電性が与えられるため、温
度によってイオン性物質の移動量が変化し、導電性が不
均一となってしまう。したがって、やはり、電子写真複
写機等において充分な画質のものが得られない。
さらに、複素5員環式化合物と無機化合物と酸化剤と
を共粉砕してなる複素5員環式化合物重合体組成物を樹
脂中に分散してなる導電性樹脂組成物(特開昭62−1166
65号公報)や、無機化合物粒子上に複素5員環式化合物
を重合して得たフィラーを樹脂中に分散してなる導電性
樹脂組成物(特開昭61−250057号公報)が知られてい
る。しかしながら、これらのものも、従来の導電性ゴム
を得る場合と同様、導電性粒子を樹脂中に混合・分散さ
せる際、物理的な混合による分散に頼っているため、導
電性粒子を均一に分散させることができず、電気抵抗特
性にばらつきが生じるという問題がある。
また、スチレン−ジエン系ブロック共重合体(樹脂)
に接してピロール系もしくはチオフェン系単量体を電解
重合させてなる導電性樹脂組成物も知られている(特開
昭61−26648号公報,特開昭61−26649号公報)。しかし
ながら、これらのものは、すでに形成された樹脂フィル
ムに沿ってピロール等の単量体を重合し積層形成したフ
ィルム状のものであり、全体として導電性物質が均一分
散した組成物ではなく、用途が限られるという問題があ
る。そして、上記導電層と樹脂層の剥離強度が弱いとい
う問題もある。
あるいは、導電性ポリマーを溶融または溶解状態のプ
ラスチックに添加して導電性を付与するか、または導電
性物質を溶融または溶解状態のプラスチックに添加して
電解重合により導電性ポリマーを生成して導電性を付与
する方法を用いて得られる導電性プラスチック成形体
(特開昭62−139896号公報)が知られている。しかしな
がら、上記プラスチック成形体は、プラスチックのメタ
ライジング法の電極として用いられるものであるため導
電性を付与すれば足りるのであり、成形体全体にわたっ
て均一な導電性が得られないという問題がある。
また、光導電性ポリマーとポリウレタンとを同一の溶
剤に均一に溶解し、ついで溶媒を除去して、光導電性組
成物を得る方法(特開昭57−196260号公報)も知られて
いる。しかしながら、この方法においても、得られる組
成物の導電性の均一性が不十分であるという問題があ
る。
このように、これまでの導電性高分子は、いずれも、
導電性が不均一であるとか温度等に左右されやすいとか
の問題があり、どの部位においても均一な導電性が厳し
く要求される電子写真複写機の導電性ロール等への適用
には満足しうるものが得られていないのが実情であっ
た。
この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、
導電性が均一で温度等にも左右されることのない、優れ
た品質の導電性高分子となりうる導電性樹脂組成物の提
供をその目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、この発明の導電性樹脂組
成物は、溶剤に溶解された熱可塑性樹脂と、上記熱可塑
性樹脂が溶解された溶剤中で酸化剤を触媒として重合さ
れた複素5員環重合体とが、ともに上記溶剤に均一溶解
した状態で含まれる樹脂液を主体とするという構成をと
る。
〔作用〕
すなわち、本発明者らは、導電性が均一で温度等にも
左右されない導電性樹脂組成物を得るためには、導電物
質とマトリックスとなる樹脂とを単に混合するのではな
く、導電物質と樹脂との双方を同一の溶剤に溶解し、こ
の樹脂液から導電性樹脂を形成するようにすると導電物
質が樹脂中に均一に分散するのではないかと着想した。
そして、上記マトリックスとなる樹脂と導電物質との組
み合わせについて一連の研究を重ねた結果、導電物質と
して複素5員環重合体を用い、この複素5員環重合体を
溶かす溶剤に対して可溶な樹脂を用い、両者を溶液状態
で混合したのち硬化させると、導電性が均一で温度等に
も左右されることのない、優れた品質の導電性樹脂が得
られることを見いだしこの発明に到達した。なお、この
発明において、「主体とする」とは、導電性樹脂組成物
が上記樹脂液のみからなる場合も含める趣旨で用いてい
る。
つぎに、この発明を詳細に説明する。
この発明の導電性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と複素
5員環重合体とが同一溶剤中で均一に溶解した樹脂液で
ある。
上記樹脂液状の導電性樹脂組成物は、例えばつぎのよ
うにして得ることができる。すなわち、まず熱可塑性樹
脂と複素5員環重合体との双方を溶解しうる溶剤準備
し、その溶剤に熱可塑性樹脂を溶解したのち、その溶液
中にピロール等の複素5員環化合物を溶解する。ついで
酸化剤を滴下(in situ法)して熱可塑性樹脂溶液中に
おいて複素5員環化合物を重合させ複素5員環重合体化
させることにより樹脂液をつくることができる。このよ
うに、この発明においては、複素5員環化合物とはピロ
ールのような5員環化合物をいい、複素5員環重合合体
とはその重合体をいう。
なお、上記樹脂液には、複素5員環化合物が重合し重
合体化した複素5員環重合体と熱可塑性樹脂とが同一溶
剤中でともに溶解した状態で存在し、上記熱可塑性樹脂
と複素5員環重合体とが均一に溶解していが、場合によ
っては、原料である複素5員環化合物の一部が重合しな
いでそのまま残存することもある。ただし、その量は、
重合条件を考慮することにより、皆無もしくはごく少量
に抑えられる。
本発明で用いる上記複素5員環化合物としては、下記
に示すような、ピロール類、チオフェン類、セレノフェ
ン類、テルロフェン類等があげられ、中でもピロール、
N−置換ピロール、3−置換ピロール、4−置換ピロー
ル、3,4−二置換ピロール等が反応性に優れ、好適であ
る。
上記複素5員環化合物から得られる複素5員環重合体
および熱可塑性樹脂の双方を溶解する溶剤としては、
水,アルコール類,エーテル類,ハロゲン化炭化水素
類,芳香族炭化水素類等があげられる。これらは単独で
用いても併用してもよい。こられのうち、特に、つぎに
述べる酸化剤(複素5員環化合物の重合触媒)を溶剤1
に対し0.01g以上溶かすものが好ましく、この例とし
ては、例えばメタノール(M)とn−ブタノール(B)
の混合溶剤(混合比M/B=10/1〜1/10)があげられる。
上記複素5員環化合物の重合触媒である酸化剤として
は、硫酸,硝酸,クロルスルホン酸等の無機酸や、Al,F
e,Cu,Pt等金属の塩化物(いわゆる「ルイス酸」)、硫
酸塩,硝酸塩等の金属化合物、ベンゾキノン,ジアゾニ
ウ塩,コハク酸,クエン新等の有機酸等があげられ、単
独もしくは併せて用いられる。
上記複素5員環化合物から得られる複素5員環重合体
とともに溶剤に溶解する熱可塑性樹脂としては、上記溶
剤に溶解することがで前提であるから、水酸基(−O
H),エーテル基(−O−),アミド基(−CONH)等の
官能基を有する熱可塑性樹脂があげられる。具体的に
は、N−メトキシメチル化ナイロン,ポリビニルブチラ
ール,ポリアクリルアミド,ポリエチレンオキサイド等
をあげることができる。これらも、単独でもしくは併せ
て用いることができる。
これらの原料を用い前記方法に従って樹脂液を調製す
る際には、ピロール等の複素5員環化合物の量を、酸化
剤1モルに対して0.1〜100モル、通常では1〜10モルに
設定することが好適である。0.1モル未満では得られる
溶液のゲル化が早いため加工が困難になり、逆に100モ
ルを越えると重合反応が著しく低下して未反応のモノマ
ーが大量に残るため導電性の均一化の妨げとなる傾向が
みられるからである。また、ピロール等の複素5員環化
合物と熱可塑性樹脂との配合割合は、複素5員環化合物
を樹脂に対して3容積%以上、より好ましくは5容積%
以上に設定することが好適である。上限は、要求される
電気抵抗レベルによって100容積%(複素5員環化合
物:樹脂=1:1)まで可能である。
このようにして得られる樹脂液状導電性樹脂組成物
は、同一溶剤中に、熱可塑性樹脂と複素5員環重合体と
が均一に溶解している。特に、熱可塑性樹脂としてN−
メトキシメチル化ナイロンを用いたときには、複素5員
環重合体が部分的に樹脂に架橋した構造になる。この状
態を模式的に示すと、つぎのようになる。
したがって、上記構造では、導電性物質である複素5
員環重合体が熱可塑性樹脂中に、化学結合によって均一
に分散した状態で導入されているため、この樹脂液状導
電性樹脂組成物から得られる導電性樹脂は、どの個所で
あっても一層均一な導電性を示す。
なお、上記樹脂液状導電性樹脂組成物(以下「樹脂
液」と略す)は、複素5員環化合物を溶剤に溶かし酸化
剤を滴下し重合させたのち、別途用意した熱可塑性樹脂
溶液と均一に混合することにより得ることもできる。た
だし、この方法では、複素5員環重合体が過度の高分子
量ポリマーに成長して凝集しやすいため、前記in situ
法を用い熱可塑性樹脂の共存下で複素5員環重合体の分
子量を制限する方が、より好適である。
上記樹脂液を用いて導電性ロール等の導電性樹脂層を
形成するには、例えば上記樹脂液を、導電性ロール等の
用いる金属シャフトの外周面に塗工し乾燥コーティング
すればよい。このよう樹脂液の金属シャフトへの塗工
は、ディップ方式を用いて行うことが好適である。より
詳しく述べると、上記複素5員環重合体と熱可塑性樹脂
とが含まれている樹脂液をディップ液として第1図に示
すような槽12に収容し、導電性ロール等に用いる金属シ
ャフト10を垂直に立ててこの槽12内の樹脂液に繰り返し
浸漬することにより、金属シャフト10の外周面に樹脂液
膜を形成させる。このとき、昇降速度,昇降回数,乾燥
時間等の諸条件は、上記樹脂液膜の液膜が10〜500μm
の範囲内になるような最適条件に設定することが好適で
ある。そして、これを25〜80℃の温度で0.5〜4時間乾
燥させるこにより、溶剤を除去し上記樹脂液膜を硬化さ
せて導電性樹脂層を得ることができる。この状態を第2
図に示す。上記導電性樹脂層11は、熱可塑性樹脂の均一
溶液中において、複素5員環化合物を重合させて得られ
る樹脂液を用いて形成されており、均一な導電性を有す
る。すなわち、複素5員環化合物と樹脂とを粉体混合し
た場合とは異なり、上記熱可塑性樹脂溶液中で複素5員
環化合物が均一に分布した状態になっている。そのた
め、その状態の複素5員環化合物を重合させると、複素
5員環重合体も均一に分布した状態の樹脂液が得られる
ようになる。上記導電性樹脂層11はそのような樹脂液を
用いて形成されているため、導電性が均一でありばらつ
かない。なお、上記樹脂液には、ガラス繊維やカーボン
ブラック等の充填剤等の添加剤を、適宜配合するように
してもよい。ただし、その配合量は、複素5員環重合体
の均一溶解を妨げない程度に考慮する必要がある。
このようにして得られる導電性樹脂層11の体積固有抵
抗は、105〜1010Ω・cmの範囲内であり、上記模式構造
のものもその範囲内であるが、均一性にやや優れてい
る。ただし、従来より用いられている金属粉末等の導電
物質粒子を添加することによって、その導電性を一層高
めることができる。
なお、このようにして得られた樹脂液を用い、例えば
つぎのようにして粉末状導電性樹脂組成物を得ることが
できる。すなわち、上記樹脂液の溶剤を乾燥除去してシ
ート状あるいはブロック状に固化させる。この固形物を
粉砕しロール混練することにより、粉末状導電性樹脂組
成物が得られる。もちろん、この粉末状導電性樹脂組成
物には、必要に応じて充填剤等の添加剤を配合すること
ができる。このようは粉末状導電性樹脂組成物において
も、液体状導電性樹脂組成物(上記樹脂液)と同様、熱
可塑性樹脂中に複素5員環重合体が均一に分布した状態
が保たれている。
上記粉末状導電性樹脂組成物を用いて導電性ロール等
の導電性樹脂層11を形成させるには、上記粉末状導電性
樹脂組成物を打錠成形等によってペレット化し、これを
通常の押出成形もしくは金型成形等に掛ければよい。す
なわち、上記成形によって導電性樹脂組成物を例えば円
筒状に成形して導電性ロール等に用いる金属シャフトに
外嵌することにより導電性ロール等の導電性樹脂層11と
することができる。
つぎに、実施例について、比較例と併せて説明する。
〔実施例1〜6〕 第3図に示す構造の導電性ロール(金属シャフト10+
導電性弾性層12a+複素5員環重合体を含有する導電性
樹脂層11)を具体的に作製し、転写ロールとしての機能
を評価した。
すなわち、まずN−メトキシメチル化ナイロン(熱可
塑性樹脂、AQナイロンK−80,東レ社製)とピロールと
を、メタノール/n−ブタノール(前者/後者=3/1)混
合溶液に溶かし、この溶液にメタノールに溶かした塩化
第二鉄溶液を、撹拌下ゆっくり滴下して約1時間反応さ
せた。この樹脂液を、粘度調整後ディップ液としてディ
ップ用の槽(第1図参照)に注入した。一方、シャフト
径8φの金属シャフトを用意し、その外周に定法によ
り、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)とカー
ボンブラックとから導電性弾性槽を形成した。上記導電
製弾性層は、硬度33゜で電気抵抗が1×103Ω・cmであ
った。そして、上記導電性弾性層付金属シャフトを、先
に準備した樹脂液入り槽に浸漬し、所定厚みに樹脂液を
コーティングして常温で乾燥したのちさらに70℃で2時
間加熱し導電性樹脂層を形成した。このようして目的と
する導電性ロールを得た。
〔実施例7〜9〕 複素5員環化合物としてN−メチルピロールを用い
た。それ以外は上記実施例と同様に導電性ロールを得
た。
なお、これらの各実施例(1〜9)における複素5員
環化合物の熱可塑性樹脂に対する含有量と、複素5員環
化合物の酸化剤に対するモル比を、後記の表1および表
2に示した。
〔比較例1〕 EPDMに、導電性亜鉛華(23−K,白水化学社製)を配合
したゴムによって、上記実施例と同様にして形成した導
電性弾性層を被覆し、金型加硫後研磨して導電性ロール
を得た。
〔比較例2〕 上記導電性亜鉛華含有EPDMに代えてエピクロルヒドリ
ンゴムを用いた。それ以外は比較例1と同様にして導電
性ロールを得た。
〔比較例3〕 複素5員環化合物を含まない以外は、前記実施例と同
様にして導電性ロールを得た。
このようにして得られた各導電性ロールについて、電
気抵抗のばらつきを評価するために、導電性ロール外表
面の5個所に銀ペーストで10mm四方の電極を描き(ガー
ド電極付)、金属シャフトと上記電極との抵抗を測定し
た。また、温度および湿度の異なる環境下に一夜以上放
置したときの電気抵抗を測定した。これらの結果を下記
の表1および第2に示した。
上記の結果から、実施例品はいずれも抵抗のばらつき
が小さく、しかも抵抗値が温度等によって殆ど左右され
ることがないことがわかる。これに対し、比較例1品は
抵抗ばらつきが大きく、比較例2,3品は温度等によって
抵抗値が大きく変化している。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明の導電性樹脂組成物は、同一
溶剤中に、熱可塑性樹脂と複素5員環重合体とをともに
溶解した状態で存在させ、複素5員環重合体が均一に熱
可塑性樹脂中に分布するようしたものであるため、導電
性が均一でしかも温度や湿度に左右されることのない優
れた特質を有する。特に電荷移動が複素5員環重合体の
連鎖を通じて移動するため温度等による影響が極めて少
ないという利点を有する。また、それ自体の導電性を適
正な範囲内に収めることも容易であり、熱可塑性樹脂と
してナイロン系樹脂を選ぶことにより、靭性を容易に高
めることができる。したがって、この導電性樹脂組成物
を用いて、電子写真複写機の帯電ロール,現像ロール,
クリーニングロール,転写ロール等の表面層を形成した
場合、優れた画質の複写画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の導電性樹脂組成物を用いて導電性樹脂
層を形成する方法を説明する説明図、第2図は本発明の
導電性樹脂組成物を用いて得られる導電性ロールの構成
を示す縦断面図、第3図は本発明の導電性樹脂組成物を
用いて実際に作製した導電性ロールの構成を示す縦断面
図、第4図は一般的な導電性ロールの構成を示す縦断面
図である。 11……導電性樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志知 隆 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600 東 海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 山口 浩二 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600 東 海ゴム工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−139896(JP,A) 特開 昭62−116665(JP,A) 特開 昭62−109821(JP,A) 特開 昭57−196260(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶剤に溶解された熱可塑性樹脂と、上記熱
    可塑性樹脂が溶解された溶剤中で酸化剤を触媒として重
    合された複素5員環重合体とが、ともに上記溶剤に均一
    溶解した状態で含まれる樹脂液を主体とする導電性樹脂
    組成物。
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