JP2534796B2 - 給紙装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば複写機に備えられ、用紙を収容する
回転用紙トレイが用紙の縦送り位置と横送り位置とに回
転可能な給紙装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、例えば複写機には、用紙を供給するための給紙
装置が備えられている。この種の給紙装置には、用紙を
収容する用紙トレイが縦送り位置とこの縦送り位置から
90゜回転した横送り位置とに回転可能なものがある。こ
のような給紙装置では、給紙の際に、回転用紙トレイに
おける用紙の積載された用紙積載板が、駆動機構と連結
されたリフト板にて駆動されることにより用紙が上限検
知スイッチにて検知される上限位置まで上昇すると共
に、呼び込みローラ方式の給紙方式により給紙が行われ
るようになっている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところが、上記従来の構成では、リフト板を駆動する
駆動機構に、電磁クラッチおよびギヤ等の多数の駆動伝
達手段が必要であると共に、駆動機構を制御するために
用紙の上限位置および下限位置等を検出する多数のセン
サが必要となるため、構造の複雑化とコストアップを招
来するものとなっている。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の給紙装置は、上記の課題を解決するために、
トレイ収容部材内に、用紙の縦送り位置および横送り位
置に回転可能な回転用紙トレイが設けられ、この回転用
紙トレイは用紙が積載される用紙積載板を用紙積載板収
容部材内に有し、上記の用紙積載板には、回転用紙トレ
イが縦送り位置に配されている場合の給紙方向とは反対
側の端縁部に縦送り側係合部が形成され、回転用紙トレ
イが横送り位置に配されている場合の給紙方向側とは反
対側の端縁部に横送り側係合部が形成され、これら縦お
よび横送り側係合部が、用紙積載板収容部材に形成され
た対応する各係合受部にて回動自在かつ昇降自在に支持
されている給紙装置において、以下の手段を講じてい
る。

即ち、上記の用紙積載板と用紙積載板収容部材との間
には、用紙積載板を上方へ押し上げる弾性部材、例えば
コイルばねが配され、トレイ収容部材には縦送り側案内
部材と横送り側案内部材とが設けられ、用紙積載板収容
部材には、回転用紙トレイが縦送り位置に配されたとき
に、縦送り側案内部材に案内されて変位する縦送り側変
位部材と、回転用紙トレイが横送り位置に配されたとき
に、横送り側案内部材に案内されて変位する横送り側変
位部材とが設けられ、縦送り側変位部材と用紙積載板の
縦送り側係合部との間、および横送り側変位部材と横送
り側係合部との間には、それぞれ、これら対応する変位
部材を係合部とを連結する連結部材、例えばワイヤを備
えて変位部材の変位を係合部を下方へ引き下げる力とし
て伝達する変位伝達手段が設けられている。

〔作 用〕

上記の構成によれば、用紙積載板は弾性部材によって
上方へ押し上げられている。ここで、例えば、回転用紙
トレイが横送り位置に配されると、用紙積載板収容部材
に設けられた横送り側変位部材が横送り側案内部材に案
内されて変位する。この横送り側変位部材の変位は、変
位伝達手段より用紙積載板の横送り側係合部を下方へ引
き下げる力として伝達される。従って、横送り側係合部
が、弾性部材による上方への付勢力に抗し、用紙積載板
収容部材の係合受部に案内されて下方へ引下げられる。
その結果、用紙積載板は給紙方向側が上昇し、給紙可能
な状態となる。以上の動作は回転用紙トレイが縦送り位
置に配された場合も同様である。

また、変位伝達手段の連結部材に可撓性があり自由度
の大きいワイヤを使用した場合には、縦あるいは横送り
側変位部材の変位を確実に用紙積載板の縦あるいは横送
り側係合部に伝達することができると共に、変位伝達手
段の構造が簡単なものとなる。

〔実施例〕

本発明の一実施例を第１図ないし第５図に基づいて以
下に説明する。

本発明に係る給紙装置は、第１図に示す回転用紙トレ
イユニット１を備えている。この回転用紙トレイユニッ
トは、回転用紙トレイユニット１の筐体部をなすトレイ
収容部材としてのトレイ収容箱３、およびこのトレイ収
容箱３内に収容された回転用紙トレイ４を有し、給紙装
置本体２に対してＡ−Ａ′方向へ着脱自在に設けられて
いる。

上記の給紙装置本体２は、回転用紙トレイ４を回転さ
せるための動力源となるモータ５を有し、このモータ５
の動力がギヤ６・７、減速機構８、回転軸９およびカッ
プリングクラッチ10を介して、回転用紙トレイユニット
１側の回転送り軸11へ伝達されるようになっている。

回転用紙トレイユニット１のトレイ収容箱３における
Ａ方向側、即ち給紙装置本体２側の端面には、装着時の
案内軸12が設けられ、回転送り軸11の一端部が、上記の
カップリングクラッチ10と嵌合可能に突設されている。
上記の回転送り軸11は、表面に後述の移動片13送り用の
ねじを有し、トレイ収容箱３の給紙側であるＢ方向側の
端部において、回転可能にＡ−Ａ′方向に設けられてい
る。回転送り軸11には回転送り軸11の回転に伴って回転
送り軸11上を移動する移動片13が螺着され、この移動片
13は回転用紙トレイ４の一角部と連結されている。移動
片13には第２図にも示す遮光板14が設けられ、この遮光
板14が、回転送り軸11に沿って設けられた同図に示す光
学式の横送り位置センサ15あるいはこの横送り位置セン
サ15とは反対のＡ方向側に設けられた第５図に示す縦送
り位置センサ16によって検出されることにより、回転用
紙トレイ４が横送り位置あるいは縦送り位置にあるのが
検出されるようになっている。

回転用紙トレイ４は、第１図に示すように、用紙積載
板収容部材としての外箱17の中に用紙積載板18を有して
いる。この用紙積載板18は、上記の移動片13との連結部
位と対向する一角部に形成された支持部19にて外箱17に
一点支持されている。この支持部19は、第３図に示すよ
うに、用紙積載板18の立上り突片18aと、この立上り突
片18a上に設けられたコイルばね51およびワッシャ52
と、これらワッシャ51、コイルばね52および立上り突片
18aに挿通され、外箱17に螺着された支持ねじ53等から
構成されている。また、用紙積載板18は、用紙の縦送り
および横送りの際の給紙方向（Ｂ方向）とは反対側であ
るＢ′方向の端縁部が、それぞれ、縦送り支持部20およ
び横送り支持部21にて上下方向へ回動自在かつ摺動自在
に支持されている。即ち、これら縦および横送り支持部
20・21においては、用紙積載板18に形成された対向片18
b・18b間に縦送り側係合部および横送り側係合部として
の回転支持軸25が横設され、この回転支持軸25が外箱17
に対向配置に設けられた係合受部としての軸支持部材26
の切欠き部26aに回動自在かつ摺動自在に支持されたも
のとなっている。

回転用紙トレイ４の外箱17には、第１図に示すよう
に、用紙を位置決めするための３個の用紙位置決め板54
…が設けられ、これら各用紙位置決め板54には、回転用
紙トレイ４が縦および横送り位置に配された場合の用紙
のＢ方向側の両角部に対応する部位に、用紙の角部を係
止する爪部材55が上下方向へ摺動自在に設けられてい
る。また、外箱17の裏面には、回転支持板23の一端部が
連結され、この回転支持板23の他端部はトレイ収容箱３
上の取付け板24と連結されている。

外箱17と用紙積載板18との間には弾性部材としての３
個のコイルばね27〜29が設けられ、これらコイルばね27
〜29によって用紙積載板18が上方へ押し上げられてい
る。コイルばね27は、ほぼ移動片13と支持部19とを結ぶ
仮想直線上における支持部19寄り部位に設けられ、コイ
ルばね28は、回転用紙トレイ４が第１図に示す横送り位
置にある場合におけるＡ′方向側端部付近のＢ′方向寄
り部位に設けられ、コイルばね29は、回転用紙トレイ４
が第５図に示す縦送り位置にある場合におけるＢ方向側
端部付近のＡ′方向寄り部位に設けられている。

外箱17の底壁における横送り支持部21の近傍部位に
は、第１図に示すように、回転用紙トレイ４が横送り位
置にある状態においてＢ−Ｂ′方向へ延びる横送り側第
１案内穴36が形成され、この横送り側第１案内穴36の側
方には、ほぼＡ−Ａ′方向へ延びる横送り側第２案内穴
37が形成されている。上記の横送り側第１案内穴36には
横送り側変位部材である横送り側リフトスライド板38の
一端部に設けられた第１案内ピン39が配され、横送り側
第２案内穴37には、横送り側リフトスライド板38のほぼ
中央部に設けられた第２案内ピン40が配されている。横
送り側リフトスライド板38の他端部には係合ピン41が設
けられている。上記の第１案内ピン39には、第２図およ
び第４図にも示すように、連結部材であるワイヤ42の一
端部が接続され、このワイヤ42の他端部はローラ43を介
して引張りばね44の一端部と接続されている。これらワ
イヤ42、ローラ43および引張りばね44によって変位伝達
手段57が構成されている。上記の引張りばね44の他端部
は横送り支持部21の回転支持軸25と連結されている。そ
して、横送り側リフトスライド板38は、回転用紙トレイ
４が回転して横送り位置に配されたときに、係合ピン41
がトレイ収容箱３の底壁上のＡ−Ａ′方向に設けられた
横送り側案内部材としての案内リブ49に沿って移動する
ことにより、横送り側第１および第２案内穴36・37に案
内されてＣ方向へ回動するようになっている。

同様に、外箱17の底壁における縦送り支持部20の近傍
部位には、第５図に示すように、回転用紙トレイ４が縦
送り位置にある状態においてＢ−Ｂ′方向へ延びる縦送
り側第１案内穴30と、ほぼＡ−Ａ′方向へ延びる縦送り
側第２案内穴31とが形成され、縦送り側第１案内穴30に
は縦送り側変位部材である縦送り側リフトスライド板32
の第１案内ピン33が配され、縦送り側第２案内穴31には
第２案内ピン34が配され、縦送り側リフトスライド板32
の他端部には係合ピン35が設けられている。上記の第１
案内ピン33には、同様に、ワイヤ42の一端部が接続さ
れ、このワイヤ42の他端部は引張りばね44を介して縦送
り支持部20の回転支持軸25と連結されている。そして、
縦送り側リフトスライド板32は、回転用紙トレイ４が縦
送り位置に配されたときに、係合ピン35がトレイ収容箱
３の底壁上にＡ−Ａ′方向に設けられた案内リブ45に沿
って移動することにより、縦送り側第１および第２案内
穴30・31に案内されてＣ方向へ回動するようになってい
る。

上記の構成において、回転用紙トレイユニット１が給
紙装置本体２に装着されると、回転送り軸11がカップリ
ングクラッチ10と嵌合し、モータ５の動力によって回転
送り軸11が回転可能となる。

ここで、回転用紙トレイ４が、第１図に示すように、
横送り位置に配されている場合には、第４図にも示すよ
うに、横送り側リフトスライド板38の係合ピン41が案内
リブ49と係合してＢ′方向へ押された状態となり、横送
り側リフトスライド板38は横送り側第１および第２案内
穴36・37に案内されてＣ方向へ回動している。従って、
ワイヤ42がＢ方向へ引っ張られ、引張りばね44を介して
横送り支持部21の回転支持軸25が軸支持部材26の切欠き
部26aに案内されて下方へ引き下げられる。これによ
り、用紙積載板18におけるＢ方向側部位は、第２図に示
すように、用紙積載板18上の用紙56が爪部材55と当接す
る位置まで上昇し、給紙可能となる。

このとき、縦送り側リフトスライド板32は、第１案内
ピン33がワイヤ42を介して引張りばね44により引っ張ら
れていることにより、縦送り側第１および第２案内穴30
・31に案内されて、Ｃ′方向へ回動した位置に配されて
いる。

次に、モータ５が回転用紙トレイ４を縦送り位置に配
する方向へ回転すると、回転送り軸11の回転によって移
動片13がＡ方向へ送られ、回転用紙トレイ４が上記の横
送り位置から縦送り位置方向への回転を開始する。これ
伴い、横送り側リフトスライド板38の係合ピン41が案内
リブ49と離間し、第１案内ピン39がワイヤ42を介して引
張りばね44によって引かれることにより、横送り側リフ
トスライド板38は、第１図に二点鎖線で示すように、横
送り側第１および第２案内穴36.37に案内されて移動
し、用紙積載板18のＢ方向側端縁部とほぼ平行な状態と
なる。

上記の状態から回転用紙トレイ４がさらに回転し、第
５図に示すように、縦送り位置に達すると、縦送り側リ
フトスライド板32の係合ピン35が案内リブ４と係合して
Ｂ′方向へ押され、縦送り側リフトスライド板32は、二
点鎖線で示す状態から横送り側第１および第２案内穴30
・31に案内されてＣ方向へ回動し、実線で示す状態とな
る。従って、ワイヤ42がＢ方向へ引っ張られ、引張りば
ね44を介して縦送り支持部20の回転支持軸25が軸支持部
材26の切欠き部26aに案内されて下方へ引き下げられ
る。これにより、用紙積載板18におけるＢ方向側部位
は、用紙積載板18上の用紙56が爪部材55と当接する位置
まで上昇し、給紙可能となる。

〔発明の効果〕

本発明の給紙装置は、以上のように、用紙積載板と用
紙積載板収容部材との間に、用紙積載板を上方へ押し上
げる弾性部材が配され、トレイ収容部材には縦送り側案
内部材と横送り側案内部材とが設けられ、用紙積載板収
容部材には、回転用紙トレイが縦送り位置に配されたと
きに、縦送り側案内部材に案内されて変位する縦送り側
変位部材と、回転用紙トレイが横送り位置に配されたと
きに、横送り側案内部材に案内されて変位する横送り側
変位部材とが設けられ、縦送り側変位部材と用紙積載板
の縦送り側係合部との間、および横送り側変位部材と横
送り側係合部との間には、それぞれ、これら対応する変
位部材と係合部とを連結する連結部材を備えて変位部材
の変位を係合部を下方へ引き下げる力として伝達する変
位伝達手段が設けられている構成である。

これにより、複雑な駆動機構および多種のセンサを使
用することなく、用紙積載板が縦および横送り位置に配
されたときにその昇降を確実に行うことができ、構造の
簡略化とコストダウンとを図ることができる。

また、変位伝達手段の連結部材に可撓性があり自由度
の大きいワイヤを使用した場合には、縦あるいは横送り
側変位部材の変位を確実に用紙積載板の縦あるいは横送
り側係合部に伝達することができると共に、さらに変位
伝達手段の構造を簡単なものにすることができるという
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本発明の一実施例を示すものであ
る。 第１図は回転用紙トレイが横送り位置に配されている状
態の回転用紙トレイユニットを示す平面図である。 第２図は同状態における回転用紙トレイの縦断面図であ
る。 第３図は同状態における回転用紙トレイの要部を示す斜
視図である。 第４図は同状態において横送り側リフトスライド板によ
り回転支持軸が引き下げられる構造を示す概略の斜視図
である。 第５図は回転用紙トレイが縦送り位置に配されている状
態の回転用紙トレイユニットを示す平面図である。 １は回転用紙トレイユニット、２は給紙装置本体、３は
トレイ収容箱（トレイ収容部材）、４は回転用紙トレ
イ、11は回転送り軸、17は外箱（用紙積載板収容部
材）、19は支持部、20は縦送り支持部、21は横送り支持
部、25は回転支持軸（縦送り側係合部、横送り側係合
部）、26は軸支持部材（係合受部）、27・28・29はコイ
ルばね（弾性部材）、32は縦送り側リフトスライド板
（縦送り側変位部材）、33・39は第１案内ピン、34・40
は第２案内ピン、35・41は係合ピン、36は横送り側第１
案内穴、37は横送り側第２案内穴、38は横送り側リフト
スライド板（横送り側変位部材）、42はワイヤ（連結部
材）、44は引張りばね、45は案内リブ（縦送り側案内部
材）、49は案内リブ（横送り側案内部材）、57は変位伝
達手段である。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トレイ収容部材内に、用紙の縦送り位置お
   よび横送り位置に回転可能な回転用紙トレイが設けら
   れ、この回転用紙トレイは用紙が積載される用紙積載板
   を用紙積載板収容部材内に有し、上記の用紙積載板に
   は、回転用紙トレイが縦送り位置に配されている場合の
   給紙方向とは反対側の端縁部に縦送り側係合部が形成さ
   れ、回転用紙トレイが横送り位置に配されている場合の
   給紙方向側とは反対側の端縁部に横送り側係合部が形成
   され、これら縦および横送り側係合部が、用紙積載板収
   容部材に形成された対応する各係合受部にて回動自在か
   つ昇降自在に支持されている給紙装置において、 上記の用紙積載板と用紙積載板収容部材との間には、用
   紙積載板を上方へ押し上げる弾性部材が配され、トレイ
   収容部材には縦送り側案内部材と横送り側案内部材とが
   設けられ、用紙積載板収容部材には、回転用紙トレイが
   縦送り位置に配されたときに、縦送り側案内部材に案内
   されて変位する縦送り側変位部材と、回転用紙トレイが
   横送り位置に配されたときに、横送り側案内部材に案内
   されて変位する横送り側変位部材とが設けられ、縦送り
   側変位部材と用紙積載板の縦送り側係合部との間、およ
   び横送り側変位部材と横送り側係合部との間には、それ
   ぞれ、これら対応する変位部材と係合部とを連結する連
   結部材を備えて変位部材の変位を係合部を下方へ引き下
   げる力として伝達する変位伝達手段が設けられているこ
   とを特徴とする給紙装置。
2. 【請求項２】上記の変位伝達手段の連結部材は、ワイヤ
   からなることを特徴とする請求項第１項記載の給紙装
   置。