JP2533838Y2 - ユニットバスの壁パネル上端部の固定具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ユニットバスの壁パネ
ル上端部の固定具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、互いに隣接する壁パネルの上端部
同士を連結するに、図７に示すように、隣接壁パネル６
Ａ，６Ｂの連結部位夫々に形成した補強用角パイプ１１
を、ボルト２０で連結する構成を採っていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】この種のユニットバス
の組付作業は、あらかじめ区画された浴室で行うこと
と、その浴室を形成する壁面にユニットバスの壁パネル
を近接して配置するところから、壁パネルと浴室壁面と
の間の狭い間隙部分でボルトの連結作業を行わねばなら
ず、作業がやりにくくなっていた。

【０００４】本考案は上記従来の欠点を解消し、作業負
担を軽減するとともに、組付自体も容易に行うことがで
きるユニットバスの壁パネル上端部の固定具を提供する
ことを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案にかかるユニットバスの側壁パネル上端部の固
定具は、互いに隣接する壁パネルの左右端辺補強用縦パ
イプの上端開口部に各別に嵌入する嵌入部を一対設ける
とともに、前記両嵌入部を、前記上端開口部それぞれに
嵌入させた状態で、前記両縦パイプ同士を、前記壁パネ
ルに沿う方向で弾性的に挟持するように連設し、前記両
縦パイプを挟持した状態の前記両嵌入部との協働で、前
記両縦パイプを、前記両壁パネルの肉厚方向で弾性的に
挟持する挟持部を前記両嵌入部に一体連設し、前記嵌入
部を、前記肉厚方向において前記上端開口部とほぼ同一
幅に形成してあることを特徴とし、その作用効果は、次
の通りである。

【０００６】

【作用】つまり、連結すべき両壁パネルの左右端辺補強
用縦パイプを互いに隣接させてから、それらの上端開口
部に嵌入部を各別に嵌入すると、両嵌入部は両縦パイプ
同士を、前記壁パネルに沿う方向で弾性的に挟持し、そ
れと同時に、両嵌入部に一体連設された挟持部が、両嵌
入部との協働で前記両縦パイプを、前記両壁パネルの肉
厚方向で弾性的に挟持して、両壁パネルを連結状態にす
る。

【０００７】このように、前記上端開口部に嵌入部を嵌
入させるだけで両壁パネルを連結することができるか
ら、狭い作業空間でボルト締結していた従来と比べ、連
結作業をはるかに容易に行うことができる。

【０００８】そして、前記嵌入部は、壁パネルの肉厚方
向において前記上端開口部とほぼ同一幅に形成してある
から、前記肉厚方向での両壁パネルの相対移動を防止で
き、しかも両縦パイプを、両嵌合部と挟持部との協働
で、壁パネルの肉厚方向において挟持するから、両壁パ
ネルが、縦パイプ周りに回転移動することも防止でき
る。

【０００９】

【考案の効果】従って、連結作業を従来よりもはるかに
容易に行うことができるとともに、連結状態において両
壁パネルの肉厚方向及びパネル面に沿った方向での相対
移動を防止できるから、連結作業の作業性を向上するこ
とができ、しかも、連結構造を安定的、かつ、強固なも
のにすることができるユニットバスの壁パネル上端部の
固定具を提供することができた。

【００１０】

【実施例】実施例を説明する。図４に示すように浴槽
１、浴槽用水栓金具２、洗場用水栓金具３、シャワーヘ
ッド４を備えるとともに、これらを囲むように、洗場を
形成する床板５、側壁６、天井壁（図示せず）を配して
外殻構造を形成し、ユニットバスを構成する。

【００１１】図１に示すように、前記側壁６は、複数の
壁パネル６Ａ，６Ｂから成り、各壁パネル６Ａ，６Ｂを
縦向きパネル基板９と、この表面に張設されるタイル１
０とで形成し、パネル基板９の背面における周辺部に補
強用角パイプ１１（縦パイプの一例）を一体固着してあ
る。

【００１２】前記第１、第２壁パネル６Ａ，６Ｂの上端
部同士は、壁パネル上端部の固定具１３を介して連結し
てある。以下に固定具１３及びその連結構造について説
明する。

【００１３】前記固定具１３はステンレス薄板製で、図
１〜図３、図５に示すように、隣接する両角パイプ１１
の上端開口部Ｓに各別に嵌入するとともに、前記上端開
口部Ｓに嵌入した状態で両角パイプ１１を、第１、第２
壁パネル６Ａ，６Ｂに沿う方向で挟持する一対の嵌入片
１４（嵌入部の一例）と、両角パイプ１１を挟持した状
態の嵌入片１４との協働で両角パイプ１１を、壁パネル
６Ａ，６Ｂの肉厚方向で挟持する挟持片１５（挟持部の
一例）とからなる。

【００１４】前記一対の嵌入片１４は、ステンレス薄板
によって互いに対向した状態に一体連設してあり、それ
らが、両角パイプ１１を弾性的に挟持できるように、両
嵌入片１４の先端部同士の離間距離を、重なり合った第
１、第２壁パネル６Ａ，６Ｂの肉厚よりもやや小に設定
し、かつ、両嵌入片１４同士を先端部側ほど互いに近接
する形状に折曲形成してある。さらに、図２に示すよう
に、この嵌入片１４を、第１、第２壁パネル６Ａ，６Ｂ
の肉厚方向において前記上端開口部Ｓとほぼ同一幅に形
成して、嵌入片１４が前記上端開口部Ｓに嵌入した状態
で、第１、第２壁パネル６Ａ，６Ｂが、その厚み方向に
相対移動することを阻止させてある。

【００１５】また前記挟持片１５も、同じステンレス薄
板によって嵌入片１４に一体連設してあり、両嵌入片１
４に対してその幅方向側から対向する状態に形成してあ
る。そして、嵌入片１４との協働で、両角パイプ１１を
弾性的に挟持できるように、その先端部と両嵌入片１４
との離間距離を、第１、第２壁パネル６Ａ，６Ｂの肉厚
よりも小に設定し、かつ、先端部側ほど両嵌入片１４に
近接する形状に折曲形成してある。

【００１６】以上の構成において、第１、第２壁パネル
６Ａ，６Ｂを隣接させて、それらの角パイプ１１の開口
部Ｓに嵌入片１４を嵌入すると、両嵌入片１４で、隣接
する角パイプ１１を、第１、第２壁パネル６Ａ，６Ｂに
沿う方向において挟持すると同時に、両嵌入片１４と挟
持片１５とで、前記角パイプ１１を、前記壁パネル６
Ａ，６Ｂの肉厚方向において挟持し、第１、第２壁パネ
ル６Ａ，６Ｂが連結状態になり、夫々相対的に角パイプ
１１周りに回動しようとするのを防止できる。なお、図
１に示すように、コーナー部においては、支柱用角パイ
プ１９と角パイプ１１との間で固定具１３を用いる。

【００１７】〔別実施例〕 図６に示すように、両嵌入片１４の先端部を互いに開き
方向に折曲形成してもよい。そのように構成すると、角
パイプ１１の開口部Ｓへの嵌入が容易になる。

【００１８】尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面と
の対照を便利にするために符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】側壁同士の連結構造を示す平面図

【図２】ユニットバスの壁パネル上端部の固定具の縦断
面図

【図３】ユニットバスの壁パネル上端部の固定具の正面
図

【図４】ユニットバスの斜視図

【図５】ユニットバスの壁パネル上端部の固定具の斜視
図

【図６】ユニットバスの壁パネル上端部の固定具の別実
施例の斜視図

【図７】従来の側壁同士の連結構造を示す横断平面図

【符号の説明】

６Ａ，６Ｂ 壁パネル １１ 壁パネルの左右端辺補強用縦パイプ １４ 嵌入部 １５ 挟持部 Ｓ 上端開口部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 互いに隣接する壁パネル（６Ａ),（６
   Ｂ）の左右端辺補強用縦パイプ（１１）の上端開口部
   （Ｓ）に各別に嵌入する嵌入部（１４）を一対設けると
   ともに、前記両嵌入部（１４）を、前記上端開口部
   （Ｓ）それぞれに嵌入させた状態で、前記両縦パイプ
   （１１）同士を、前記壁パネル（６Ａ),（６Ｂ）に沿う
   方向で弾性的に挟持するように連設し、前記両縦パイプ
   （１１）を挟持した状態の前記両嵌入部（１４）との協
   働で、前記両縦パイプ（１１）を、前記両壁パネル（６
   Ａ),（６Ｂ）の肉厚方向で弾性的に挟持する挟持部（１
   ５）を前記両嵌入部（１４）に一体連設し、前記嵌入部
   （１４）を、前記肉厚方向において前記上端開口部
   （Ｓ）とほぼ同一幅に形成してあるユニットバスの壁パ
   ネル上端部の固定具。