JP2532076B2 - 内外筒型流体封入式パワ−ユニツトマウント - Google Patents

内外筒型流体封入式パワ−ユニツトマウント

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JP2532076B2
JP2532076B2 JP62001429A JP142987A JP2532076B2 JP 2532076 B2 JP2532076 B2 JP 2532076B2 JP 62001429 A JP62001429 A JP 62001429A JP 142987 A JP142987 A JP 142987A JP 2532076 B2 JP2532076 B2 JP 2532076B2
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power unit
vibration
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outer cylinder
sub
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俊幸 田畑
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F13/00Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs
    • F16F13/04Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper
    • F16F13/06Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper the damper being a fluid damper, e.g. the plastics spring not forming a part of the wall of the fluid chamber of the damper
    • F16F13/08Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper the damper being a fluid damper, e.g. the plastics spring not forming a part of the wall of the fluid chamber of the damper the plastics spring forming at least a part of the wall of the fluid chamber of the damper
    • F16F13/14Units of the bushing type, i.e. loaded predominantly radially

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  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、車両に搭載されるパワーユニットを車体に
支持する際に用いるパワーユニットマウントに関し、と
りわけ、内筒,外筒間に支持弾性体が挿填されるタイプ
のマウントであって、該支持弾性体内に振動減衰を発生
させるための流体室を設けるようにした内外筒型流体封
入式パワーユニットマウントに関する。
従来の技術 一般に、エンジン,トランスミッション等の結合体で
構成されるパワーユニットは、パワーユニットマウント
(エンジンマウント)で車体側に支持されることによ
り、エンジン振動等が車体に伝達されるのを低減するよ
うになっている。かかるパワーユニットマウントは、通
常パワーユニットと車体に夫々装着される取付部材を備
えており、これら取付部材間にゴム等の弾性体が配され
ることにより構成されている。
ところで、かかるパワーユニットマウントとしては、
弾性体が何らかの理由で切断された場合に、夫々の取付
部材が互いに離脱されてしまうのを防止し、かつ、小型
化を図ることができるようになった内外筒型のものが存
在する。即ち、この内外筒型パワーユニットマウント
は、パワーユニット又は車体の一方に装着される内筒
と、パワーユニット又は車体の他方に装着される外筒
と、これら内,外筒間に挿填される支持弾性体とを備
え、外支持弾性体でパワーユニットの荷重を支持すると
共に、外筒が内筒を囲繞していることにより、支持弾性
体切断時に内,外筒の離脱が防止されるようになってい
る。
一方、パワーユニットマウントには、例えば特願昭60
−34236号に提案されているように、特に特定の周波数
領域の振動減衰を行うために支持弾性体内に液体を封入
するようにしたものがある。この特定の振動減衰領域
は、通常エンジンシェイクとかエンジンアイドリング等
の低周波大振幅領域の入力振動に設定することにより、
車体振動の低減を効果的に行うことができる。
ところで、前述した内外筒型パワーユニットマウント
に液体封入の機能を付加したものとしては、従来特開昭
61−65935号に開示されたものが存在する。この内外筒
型封入式パワーユニットマウントは、内,外筒間の支持
弾性体内に内筒の境に一対の流体室が形成され、これら
流体室を内筒外周に嵌着されるブロックに形成されたオ
リフィスで連通することにより構成されている。そし
て、パワーユニットの振動に伴って内,外筒間が変位さ
れると、前記支持弾性体が変形して一方の流体室が膨張
されると同時に他方の流体室が潰され、このときに前記
オリフィス内を流体室内の液体が移動されるようになっ
ている。ところで、液体封入式のマウントの振動減衰理
論としては、前記特願昭60−34236号に開示したよう
に、オリフィス内を振動する液体を質量とし、液体室側
壁の拡張弾性をばねとするダイナミックダンパ作用が行
われることが本出願人等によって解析されている。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、前記特開昭61−65935号に開示された
内外筒型流体封入式パワーユニットマウントは、内外筒
型にすることにより支持弾性体破損時の安全性を、より
小型化して発揮することができるのであるが、夫々の流
体室が支持弾性体内に形成され、該支持弾性体自体を側
壁としている。しかし、該支持弾性体はパワーユニット
の大荷重を支持する必要があり、必然的に大きなばね定
数をもって形成されている。したがって、前記流体室の
拡張弾性によるばね定数も必然的に大きくなり、前記流
体室,オリフィスで構成される振動減衰機構で設定され
る制振対象周波数領域(振動伝達率低下領域)は、エン
ジンシェイクとかアイドル振動とは大きくかけ離れた高
周波数となってしまう。
従って、車両乗心地に大きく影響するエンジンシェイ
ク,アイドル振動を効果的に低減することは不可能であ
り、依然として車体への低周波入力が行われてしまう。
尚、前記振動伝達率低下領域を低周波域に設定するた
めには流体室の拡張弾性を小さくするか、オリフィス内
で移動(振動)する液体質量を大きくすることによって
達成されるが、後者の液体質量を大きくするためには、
オリフィスの開口面積を拡大すると共に、オリフィスを
長くすることが考えられる。ところが、前記特開昭61−
65935号のパワーユニットマウントに開示されたオリフ
ィスは、内筒に嵌着されたブロックに形成される関係
上、該オリフィスは2つの流体室間で直線状に形成せざ
るを得ず、オリフィスの開口面積及び長さ共に小さくな
ってしまう。したがって、このオリフィスの点からも前
記振動伝達低下領域を低周波に設定することは不可能と
なってしまう問題点があった。
そこで、例えば特開昭60−168932号公報や特開昭60−
132144号公報に記載された発明のように、2つのオリフ
ィスの長さを異ならせて、異なる周波数の振動を低減さ
せるものも提供されているが、これらは前記各オリフィ
スの形成位置や構造上、該オリフィスの長さが制約さ
れ、十分な通路長を確保できない。この結果、低周波数
領域における振動を効果的に低減することが不可能であ
る。
問題点を解決するための手段 上記問題を解決するために、本発明の内外筒型流体封
入式パワーユニットマウントは、低周波数領域に少なく
とも2つの振動ピーク値が現れるパワーユニットマウン
トと車体との間に設けられた内外筒型流体封入式パワー
ユニットマウントであって、前記パワーユニット又は前
記車体のいずれか一方に装着される内筒と、この内筒を
囲繞し、前記パワーユニット又は前記車体の他方に装着
される外筒と、これら内、外筒間に挿填され、前記パワ
ーユニットの荷重を支持する支持弾性体とを備え、該支
持弾性体の一部を空洞化した密閉された主流体室を形成
し、かつ、前記支持弾性体とは分離して配置されるダイ
ヤフラムで第1,第2の2つの副流体室あるいは該両副流
体室を共用する1つの副流体室を形成する一方、前記外
筒と支持弾性体との間に互いに異なる長さを有する第1,
第2オリフィス通路を外筒の内周に沿って略円環状に形
成し、かつ、第1オリフィス通路を介して互いに連通さ
れる前記主流体室と副流体室によって第1の振動減衰機
構を構成し、第2オリフィス通路を介して互いに連通さ
れる前記主流体室と副流体室によって第2の振動減衰機
構を構成し、前記第2オリフィス通路を、前記主流体室
と連通される第2環状空間部と、前記副流体室と連通さ
れかつ前記第2環状空間部の側部に並行に形成された第
3環状空間部と、前記第2環状空間部及び第3環状空間
部とを連通する第2空間部とによって螺旋状に形成し、
前記第1の振動減衰機構の振動伝達率低下領域を、エン
ジンシェイク領域の振動ピーク周波数域に設定すると共
に、第2の振動減衰機構の振動伝達率低下領域を、エン
ジンのアイドル振動領域の振動ピーク周波数域に設定し
たことを特徴としている。
作用 以上の構成により本発明の内外筒型流体封入式パワー
ユニットマウントにあっては、パワーユニットの振動に
伴って内筒、外筒間が相対変位され、支持弾性体が変形
されると、主流体室内容積は変化され、該主流体室内の
液体は、副流体室が2つ形成されている場合は第1,第2
オリフィス通路を介して第1,第2副流体室との間で移動
されることにより、振動減衰機構が機能されることにな
る。
このとき、前記副流体室を構成するダイヤフラムは、
前記支持弾性体とは分離して設けられる関係上、該ダイ
ヤフラムの拡張弾性を前記支持弾性体の剛性とは関係な
く大幅に小さくすることができるようになる。更に、前
記第1,第2オリフィス通路は、前記外筒内部に弧状若し
くは環状に形成されることにより、各オリフィス通路の
開口面積を大きくすることができると共に、各オリフィ
ス通路を長くすることができ、振動減衰機構での振動伝
達率低下領域を前記拡張弾性の減少と相俟って低周波域
とすることができる。
しかも、第1,第2オリフィスが異なる長さをもつこと
により、低周波域での振動伝達率低下領域を複数設定す
ることができる。特に、第2オリフィス通路は、第2環
状空間部と第3環状空間部と該両空間部を連通する第2
空間部とによって螺旋状に形成したため、主流体室と第
2副流体室との間には外筒の円周長よりも十分に長く形
成することが可能になる。したがって、パワーユニット
振動の低周波域で現れる複数の振動ピーク値、たとえば
エンジンシェイクとかエンジンのアイドル振動を1つの
パワーユニットマウントで同時に減衰できるようになる
と共に、十分に長い通路長の第2オリフィス通路によっ
てエンジンシェイク時における振動減衰効果が大きくな
る。
また、各オリフィス通路を外筒と支持弾性体との間
に、外筒の内面に沿って形成したため、パワーユニット
マウントの外径寸法を大きくすることなく、該各オリフ
ィス通路の長さを十分かつ任意に長く形成することが可
能になる。
実施例 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述に説明す
る。
即ち、第1図,第2図,第3図,第4図は本発明の内
外筒型流体封入式パワーユニットマウント10(以下単に
パワーユニットマウントと称す)の第1実施例を示し、
このパワーユニットマウント10は内筒12と、この内筒12
を囲繞する外筒14と、これら内,外筒12,14間に装填さ
れる支持弾性体16とを備えている。
そして、前記内筒12は、第5図に示すようにこれに挿
通されるボルト20を介してパワーユニット22から前記パ
ワーユニットマウント10の両側に突設される一対のブラ
ケット22aに装着され、かつ前記外筒14はブラケット24a
を介して車体メンバ24に装着され、パワーユニット22の
荷重は前記支持弾性体16で支持されるようになってい
る。尚、これとは逆に内筒12を車体メンバ24側に、外筒
14をパワーユニット22側に装着するようにしたものでも
よい。
そして、第1,2,3図に示したように前記外筒14の中央
部には内径方向に陥入される周方向の溝30が形成され、
この溝30の外側解放部が閉止板31により液密的に閉止さ
れている。これら溝30および閉止板31間は、環状の2枚
の仕切板32,32aで外筒14軸方向に隔成され、内筒12を囲
繞する第1,第2,第3環状空間部33,33a,33bが形成されて
いる。
一方、前記支持弾性体16には、内筒12の図中上方側に
位置して空洞部36を設けると共に、前記外筒14には、前
記空洞部36の形成位置に対応して該空洞部36を外側に開
放する開口部38が形成されている。尚、この開口部38
は、前記空洞部36の開口面積より大きく形成され、該空
洞部36の外筒14軸方向側壁36c及び前記環状空間部33,33
a,33bの空洞部36側端を閉止する外筒14周方向側壁36dの
上端部が、第3図に示したように前記開口部38の内周に
嵌合されるようになっている。
前記開口部38からは第4図に示したような閉塞体40が
空洞部36内に挿入され、該閉塞体40によって空洞部36の
上端開放部が閉止されるようになっている。前記閉塞体
40は空洞部36内側に密接嵌合される箱体42と、この箱体
42の図中上方端部周縁から一体に突設されるフランジ部
44とを備え、該箱体42の上側はダイヤフラム45で閉止さ
れている。ところで、前記空洞部36の環状空間部33,33
a,33b端を閉止する側壁36dには、空間部36内と各環状空
間部33,33a,33bとを連通する連通孔34,34a,34b、35,35
a,35bが形成されており、前記箱体42の周方向側壁にも
前記連通口34,34a,34b、35,35a,35bに連通される開口部
36e,36a,36b,37,37a,37bが形成されている。
前記箱体42は、第6図,第7図にも示すように、上側
板46と下側板48との間の空間部は仕切板50,50aによっ
て、第1,第2,第3空間部52,52a,52bに隔成され、第1空
間部52は前記開口部36e,36a,37を介して連通すると共
に、第2空間部52aは前記開口部36b,37aを介して連通
し、更に第3空間部52bは前記開口部37bを介して連通す
るようになっている。
したがって、前記第1環状空間部33は、前記第1空間
部52に開口部36e,37を介して連通され、該第1環状空間
部33で第1オリフィス通路54が構成されている。
また、前記第1空間部52に開口部36aを介して連通さ
れる第2環状空間部33aは、略一周して開口部37aを介し
て第2空間部52aに連通され、更に、該第2空間部52aは
開口部36bを介して第3環状空間部33bに連通された後、
略一周して開口部37bを介して第3空間部52bに連通され
ており、前記第2,第3環状空間部33a,33b及び該両者33
a,33bのレーンチェンジを行う第2空間部52によって第
2オリフィス通路56が螺旋状に形成されている。
前記箱体42の下側板48には、空洞部36内と第1空間部
52とを連通する開口部48aが形成されると共に、上側板4
6には、該上側板48とダイヤフラム45との間の空間部と
前記第3空間部52bとを連通する開口部46aが形成されて
いる。
そして、前記閉塞体40は箱体42を空洞部36内に挿入し
た後、フランジ部44を外筒14の外周に周回してかしめる
ことにより固定されるようになっている。ところで、こ
のように閉塞体40を固定する際には、前記空洞部36,箱
体42,第1,第2オリフィス通路54,56及び後述する副流体
室内に水等の液体を充填して状態で行われ、前記閉塞体
40により液体は液密的に封入されるようになっている。
そして、このように液体が封入された前記空洞部36を
主流体室60とし、内,外筒12,14間の相対変位による支
持弾性体16の変形で、前記主流体室60内容積は変化され
るようになっている。
一方、前記支持弾性体16の図中下端部は内筒12を保持
するに十分な肉厚を残して切断され、該支持弾性体16下
端と外筒14内周との間には、比較的大きな隙間部Sが形
成されている。この隙間部S内には溝30の内径側外側を
覆って外筒14内周に固着されるダイヤフラム62が、前記
支持弾性体16とは分離して設けられ、該ダイヤフラム62
と前記溝部30外側との間に、第1副流体室64が形成され
るようになっている。該第1副流体室64と前記第2オリ
フィス通路54とは開口部64aを介して連通され、前記主
流体60内容積が変化されることに伴って、該主流体60内
液体は第1オリフィス通路54を介して前記第1副流体室
64との間で移動し、かかる主流体室60,第1オリフィス
通路54及び第1副流体室64で第1振動減衰機構66が構成
されるようになっている。
一方、前記主流体室60は、第2オリフィス通路56を介
して箱体42の上側板46とダイヤフラム45との間にも連通
されるようになっており、この上側板46とダイヤフラム
45との間を第2副流体室70として、主流体室60,第2オ
リフィス通路56及び第2副流体室70で第2振動減衰機構
72が構成されるようになっている。
ところで、前記第1振動減衰機構66及び前記第2振動
減衰機構72は主流体室60を共有して第1オリフィス通路
54及び第2オリフィス通路56を介して第1副流体室64及
び第2副流体室70に連通されるようになっているが、第
1オリフィス通路54は、第1副流体室64に連通する開口
部64aが中間部分に形成されているため、該第1オリフ
ィス通路54と比較して第2オリフィス通路56は約4倍の
長さとなっている。したがって、第1,第2オリフィス通
路54,56の開口断面積を略等しいものとすると、振動入
力時にオリフィス通路54,56内を移動(振動)する液体
質量は、第1オリフィス通路54に比較して第2オリフィ
ス通路56の方が大きくなっている。
即ち、一般に流体封入式マウントによる振動伝達率低
下領域は、振動減衰機構を構成する流体室の拡張弾性
(K)を“ばね”とし、オリフィス通路内を移動(振
動)する液体質量(m)を“マス”とする共振現象で決
定されることが知られており、このときの共振周波数
(f)は、 となる。したがって、前記第1振動減衰機構66に対して
前記第2振動減衰機構72での振動伝達率低下領域は、第
1オリフィス通路54に対して第2オリフィス通路56が長
い分だけ周波数域が低くなる。
第8図は、パワーユニット22に生ずる低周波領域の振
動特性(A)を横軸に周波数、縦軸にロスファクタ(ta
nδ)をとって示す。この特性(A)ではエンジンシェ
イクによる振動ピーク領域a1(約5〜15Hz)とエンジン
のアイドル振動による振動ピーク領域a2(約20〜40Hz)
とが現れている。
一方、第9図は前記第1振動減衰機構66と前記第2振
動減衰機構72とで達成されるパワーユニットマウント10
の振動伝達率特性Bを示し、第1振動減衰機構66で達成
される伝達率低下領域b1をアイドル振動のピーク領域a2
に設定すると共に、第2振動減衰機構72で達成される伝
達率低下領域b2をエンジンシェイクのピーク領域a1に設
定するようにしてある。
尚、前記伝達率低下領域b1,b2を決定する第1,第2振
動減衰機構66,72の各液柱共振点f1,f2は、アイドル振動
のピーク周波数をfI、エンジンシェイクのピーク周波数
をfEとすると、特願昭60−34236号に提案したように、 とすることにより、最も効果的な振動減衰を行うことが
できる。これら各式中、md1は第1オリフィス通路54内
液体の等価可動流体質量、md2は第2オリフィス通路56
内液体の等価可動流体質量、Mはパワーユニットの質量
である。
以上の構成により本実施例のパワーユニットマウント
10にあっては、パワーユニット22の振動に伴って内筒1
2,外筒14間に相対変位が生ずることにより、支持弾性体
16が変形し主流体室60内の容積が変化すると、該主流体
室60内液圧変化は下側板48に形成された開口部48aから
箱体42内に伝達され、更に開口部36,37を介して第1オ
リフィス通路54及び第1副流体室64に伝達される。ま
た、前記液体変化は開口部36aを介して第2オリフィス
通路56及び第2副流体室70に伝達される。そして、前記
パワーユニット22がアイドル振動を行っているときに
は、第1振動減衰機構66を構成している短い第1オリフ
ィス通路54内で液柱共振を起こし、アイドル振動が車体
側に伝達されるのを防止若しくは大幅に低減する。
一方、前記パワーユニット22がエンジンシェイク状態
にあるときは、第2振動減衰機構72を構成している長い
第2オリフィス通路56内で液柱共振を起こし、エンジン
シェイク時の振動が車体側に伝達されるのを防止若しく
は大幅に低減する。即ち、第2オリフィス通路56は、第
2環状空間部33aと第3環状空間部33b及び該第2環状空
間部33aと第3環状空間部33bをレーンチェンジして連続
的に連通させる第2空間部52によって螺旋状に形成した
ため、その通路長を外筒14の円周長よりも十分に長く形
成ことが可能になり、したがって、エンジンシェイク時
の振動をより効果的に低減することが可能になる。
このように、本実施例のパワーユニットマウント10で
は、内筒12を囲繞する外筒14の内周に沿ってオリフィス
通路54,56を形成することにより、該オリフィス通路54,
56を十分に長く取ることができると共に、その開口断面
積を広くして、パワーユニット22の低周波領域の振動を
効果的に低減できる。そして、このように低周波の振動
領域にあっても、第1オリフィス通路54と第2オリフィ
ス通路56の長さを異ならせることにより、1つのパワー
ユニットマウント10で振動ピーク周波数が夫々異なるア
イドル振動およびエンジンシェイク両者の振動伝達率を
低減することができる。
また、各オリフィス通路54,56を、外筒14の内周面に
沿って形成したため、外筒14の外径寸法つまりパワーユ
ニットマウント10の外径寸法を大きくすることなく、オ
リフィス長を最大限に長く設定することが可能になる。
第10図,第11図,第12図,第13図は本発明の第2実施
例を示し、第1実施例において第1,第2振動減衰機構6
6,72に夫々別な第1,第2副流体室64,70を設けたのに対
し、本第2実施例にあっては、1つの副流体室64により
第1副流体室と第2副流体室とを共用し、第1,第2オリ
フィス通路54,56の長さを、夫々略半周(通路は2本と
なるがその1本の長さ)、および略1周半となるように
構成している。これに伴い、第1実施例における第2副
流体室70,ダイヤフラム45,箱体42の開口部46a,37bを削
除し、かつ第2オリフィス通路56に開口部64bを設けて
副流体室64と連通させている。その他の構成は第1実施
例と同様である。
また、第14図,第15図,第16図,第17図は本発明の第
3実施例を示し、本第3実施例にあっては、1つの副流
体室70を第1,第2振動減衰機構66,72で共用し、第1,第
2オリフィス通路54,56の長さを、夫々略1周および略
2周半となるように構成している。これに伴い第1実施
例における第1副流体室64,ダイヤフラム62,第1オリフ
ィス通路54の開口部64aを削除し、かつ箱体42に仕切壁1
00を設け、この仕切壁100に対して開口部48aの形状を開
口部36,36a側のみ開口するように変更すると共に、開口
部37側のみと副流体室70とが連通するように開口部46b
を設けている。
上記第2,第3実施例においても、第1実施例と同様の
作用,効果を奏すると共に、副流体室を1つのみとした
ため、ダイヤフラムを1つのみ設ければよく、安価に製
造することができる。
また、振動減衰機構は第1,第2の2つのみに限ること
なく、オリフィス通路を3本以上設けて、このオリフィ
ス通路の数だけ振動減衰機構を設けるようにしたもので
もよい。
ところで、本第1,第2,第3実施例では第1,第2副流体
室64,70を構成するダイヤフラム62,45は、夫々支持弾性
体16とは分離して設けられているため、前記各ダイヤフ
ラム62,45の拡張弾性は前記支持弾性体16の剛性とは関
係なく大幅に小さくできるため、前記第1,第2オリフィ
ス通路54,56内の可動液体質量を大きくしたことと相俟
って、振動伝達率低下領域を前述した低周波域とするこ
とができるようになっている。
発明の効果 以上説明したように本発明の内外筒型流体封入式パワ
ーユニットマウントにあっては、支持弾性体内に設けら
れる主流体室と、前記支持弾性体とは分離して設けられ
るダイヤフラムで構成される第1,第2の2つの副流体室
あるいは該両副流体室を共用する1つの副流体室を、外
筒内部に配置された第1,第2オリフィス通路で連通する
ようにしたので、前記ダイヤフラムの拡張弾性を小さく
できることと、前記オリフィス通路の開口断面積を広く
かつ長くできることと相俟って、振動伝達率低下領域を
パワーユニットの低周波域に設定することができる。
また、前記第1,第2オリフィス通路を互いに長さを違
えて複数設けることにより、異なった振動伝達率低下領
域を有する2つの振動減衰機構を1つのパワーユニット
マウントに設けることができ、これら振動伝達率低下領
域を、パワーユニットの低周波数領域に現れる複数の振
動ピーク周波数域、たとえばエンジンシェイク領域とか
アイドル振動領域にチューニングすることにより、車両
乗心地に大きく影響する広い範囲の低周波振動が車体に
入力されるのを防止若しくは大幅に低減することができ
る。
更に、本発明は内筒と、この内筒を囲繞する外筒との
間に前記支持弾性体を装填するようにした内外筒型パワ
ーユニットマウントに、前記振動減衰機構を設けるよう
にしたので、パワーユニットマウントとして前述した各
効果を発揮できることは勿論のこと、支持弾性体の破損
時にも内筒と外筒が互いに離脱されてしまうのを阻止す
る機能を有し、ひいてはパワーユニットの脱落が防止さ
れる。
したがって、かかるパワーユニットマウントに離脱防
止機構を敢えて設ける必要がなく、パワーユニットマウ
ント自体の小型化を図ることができ、狭いエンジンルー
ム内でのレイアウトが著しく容易になるという各種優れ
た効果を奏する。
しかも、本発明は、前記第1,第2オリフィス通路を外
筒と支持弾性体との間に、該外筒の内周に沿って略円環
状に形成したため、該各オリフィス通路の長さを十分か
つ任意の長さに形成できる。したがって、前記低周波数
領域の振動を効果的に低減できる。
また、特に、第2オリフィス通路を、第2環状空間部
と第3環状空間部及び該両環状空間部をレーンチェンジ
する第2空間部とによって螺旋状に形成したため、主流
体室と副流体室との間の通路を外筒の円周長より十分に
長く形成することが可能になる。この結果、エンジンシ
ェイク時の振動をより効果的に低減することが可能にな
る。
また、各オリフィス通路を、前述のように外筒の内周
に沿って形成したため、パワーユニットの外径寸法を大
きくすることなく、オリフィス長を最大限に長く設定す
ることが可能になると共に、パワーユニットマウントの
軸方向の長尺化を防止でき、大型化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図,第3図,第4図は本発明の内外筒型流
体封入式パワーユニットマウントの第1実施例を示し、
第1図は断面正面図、第2図は断面側面図、第3図,第
4図は夫々要部斜視図、第5図は本発明のパワーユニッ
トマウントの取付状態を示す概略図、第6図は本願発明
の第1実施例に用いられる箱体の斜視図、第7図は第6
図中のVII−VII線断面図、第8図はパワーユニットの低
周波域の振動特性図、第9図は本発明のパワーユニット
マウントの振動伝達率特性図、第10図,第11図,第12
図,第13図は本発明の第2実施例を示し、第10図は断面
正面図、第11図は断面側面図、第12図は箱体の斜視図、
第13図は第12図中のVII−VII線断面図、第14図,第15
図,第16図,第17図は本発明の第3実施例を示し、第14
図は断面正面図、第15図は断面側面図、第16図は箱体の
斜視図、第17図は第16図中のVII−VII線断面図である。 10……内外筒型流体封入式パワーユニットマウント、12
……内筒、14……外筒、16……支持弾性体、22……パワ
ーユニット、24……車体メンバ、33a……第2環状空間
部、33b……第3環状空間部、36……空洞部、45,62……
ダイヤフラム、52……第2空間部、54……第1オリフィ
ス通路、56……第2オリフィス通路、60……主流体室、
64……第1副流体室、66……第1振動減衰機構、70……
第2副流体室、72……第2振動減衰機構。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低周波数領域に少なくとも2つの振動ピー
    ク値が現れるパワーユニットマウントと車体との間に設
    けられた内外筒型流体封入式パワーユニットマウントで
    あって、 前記パワーユニット又は前記車体のいずれか一方に装着
    される内筒と、この内筒を囲繞し、前記パワーユニット
    又は前記車体の他方に装着される外筒と、これら内、外
    筒間に挿填され、前記パワーユニットの荷重を支持する
    支持弾性体とを備え、 該支持弾性体の一部を空洞化した密閉された主流体室を
    形成し、かつ、 前記支持弾性体とは分離して配置されるダイヤフラムで
    第1,第2の2つの副流体室あるいは該両副流体室を共用
    する1つの副流体室を形成する一方、 前記外筒と支持弾性体との間に互いに異なる長さを有す
    る第1,第2オリフィス通路を外筒の内周に沿って略円環
    状に形成し、かつ、 第1オリフィス通路を介して互いに連通される前記主流
    体室と副流体室によって第1の振動減衰機構を構成し、 第2オリフィス通路を介して互いに連通される前記主流
    体室と副流体室によって第2の振動減衰機構を構成し、 前記第2オリフィス通路を、前記主流体室と連通される
    第2環状空間部と、前記副流体室と連通されかつ前記第
    2環状空間部の側部に並行に形成された第3環状空間部
    と、前記第2環状空間部及び第3環状空間部とを連通す
    る第2空間部とによって螺旋状に形成し、 前記第1の振動減衰機構の振動伝達率低下領域を、エン
    ジンシェイク領域の振動ピーク周波数域に設定すると共
    に、第2の振動減衰機構の振動伝達率低下領域を、エン
    ジンのアイドル振動領域の振動ピーク周波数域に設定し
    たことを特徴とする内外筒型流体封入式パワーユニット
    マウント。
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