JP2531919B2 - 二重化された処理装置間の同期状態維持方法 - Google Patents

二重化された処理装置間の同期状態維持方法

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JP2531919B2
JP2531919B2 JP4026593A JP4026593A JP2531919B2 JP 2531919 B2 JP2531919 B2 JP 2531919B2 JP 4026593 A JP4026593 A JP 4026593A JP 4026593 A JP4026593 A JP 4026593A JP 2531919 B2 JP2531919 B2 JP 2531919B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二重化された処理装置
間の同期状態維持方法に係り、特にATM交換機の制御
部を構成する処理装置間に好適する同期状態維持方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】高度情報化社会の到来に連れ、トランザ
クション処理、各種情報通信機器の制御などのリアルタ
イム用途に、電子計算機を利用した処理装置が広く使わ
れるようになっている。このような用途は、万一サービ
スが中断すると、利用者は多大な損害を被ることになる
ので、障害が発生した場合にも、サービスが停止しない
構造が求められている。そのための重要な技術に二重化
技術がある。二重化技術は、同一の処理装置(電子計算
機)を二重に備えておき、そのうち一方がアクト系とし
て通常はサービスを提供し、他方はスタンバイ系として
待機しているが、アクト系に障害が発生した場合は、ス
タンバイ系が新アクト系となってサービスを引き継ぐ技
術である。
【0003】電子計算機の二重化は、単に電子計算機を
二重に設置するだけでは所期の目的が達成されない。ア
クト系の障害発生時にスタンバイ系がサービスを正常に
引き継ぐためには、前提としてアクト系の状態をスタン
バイ系が引き継いでおく必要がある。アクト系からスタ
ンバイ系への状態の引継ぎは、その状態を示す状態デー
タをアクト系からスタンバイ系へ転送することによって
行われる。この状態の引継ぎは、アクト系に障害が発生
し、アクト系からスタンバイ系への系切替えを行う必要
が生じてからでは手遅れである。障害の発生したアクト
系は、正常にスタンバイ系に状態データの転送を行える
保証が無いからである。
【0004】従って、状態の引継ぎは正常時でも常時行
われるのが通例である。すなわち二重化された計算機間
は通信路によって結合されており、この通信路を用いて
アクト系は自己の状態データを常時スタンバイ系に転送
し、スタンバイ系は転送された状態データを自己の記憶
機能に記憶する。これによって、アクト系とスタンバイ
系の状態は一致される。
【0005】このような二重化システムにおいては、常
にアクト系とスタンバイ系の状態を一致させておくこと
が理想である。しかし、このような理想通りアクト系で
の状態データの変化がある都度スタンバイ系に状態デー
タを転送しようとすると、そのための通信オーバーヘッ
ドおよび処理オーバヘッドがネックとなって、計算機シ
ステム全体のスループットを上げられないということが
ある。
【0006】これは、最近注目され始めたB−ISDN
(Broad-Band Integrated ServicesDigital Network)
を実現するためのATM(Asynchronous Transfer Mod
e:非同期転送モード)交換機の制御部を二重化する場
合、特に問題となる。ATM交換機では、耐障害性が求
められていると同時に、交換容量の大きさに見合った制
御部の処理能力向上も求められている。この様なケース
で従来の二重化システムでの状態継承方式を使用する
と、通信・処理オーバヘッドにより、処理能力の向上が
期待するほど得られないという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
二重化技術では、アクト系とスタンバイ系の状態を常に
一致させるために、アクト系での状態データの変化があ
る都度その状態データをスタンバイ系に転送する方法を
とっているため、通信・処理オーバヘッドにより処理能
力の向上が期待できるほど得られないという問題があっ
た。
【0008】従って、本発明は通信・処理オーバヘッド
を増大させることなく、二重化された処理装置間の同期
状態を維持するための同期状態維持方法を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、通信路を介し
て結合され、一方が実際にサービスを行うアクト系、他
方がサービスを休止しているスタンバイ系の役割をそれ
ぞれ担うと共に、前記アクト系がサービス休止状態に入
る場合に、前記スタンバイ系が前記アクト系の状態を引
継いでサービスを継続するように設定されたほぼ同一構
造の二重化された処理装置間の同期状態を維持する方法
において、前記アクト系の役割を担った一方の処理装置
が、周期的にまたは要求に応じて、該アクト系が保持す
る状態を表す状態データを前記通信路を通じて前記スタ
ンバイ系に対して転送し、該転送の都度、前記スタンバ
イ系の役割を担った他方の処理装置は、転送された該状
態データに基づき該スタンバイ系の保持する状態データ
を更新して前記同期状態を維持するとともに、前記他方
の処理装置は、前記アクト系であった一方の処理装置が
サービス休止状態に入る場合、新たなアクト系となって
前記サービスを継続する際に、該他方の処理装置の保持
する状態データの一貫性を確認することを特徴とする。
好ましくは、前記状態データを記憶する記憶手段を設
け、この記憶手段の記憶空間を複数のブロックに分割
し、これらのブロックのうち前回の転送後に変更のあっ
た状態データを記憶しているブロックのみを書き換え、
この書き換えたブロック内の状態データのみを前記アク
ト系から前記スタンバイ系に一括転送することを特徴と
する。また、好ましくは、前記アクト系から前記スタン
バイ系に対して前記状態データを転送する周期を、前記
ブロックごとに設定することを特徴とする。
【0010】
【0011】
【作用】このように本発明では、アクト系からスタンバ
イ系への状態データの転送を周期的または要求に応じて
行うことにより、通信・処理オーバーヘッドが少なくな
る。
【0012】すなわち、アクト系でデータ変化がある都
度スタンバイ系に状態データを転送する従来の方法で
は、転送回数が多くなるのみならず、状態データの転送
時には状態データに付随する宛先その他の制御情報を同
時に転送する必要があることから、通信量が増大してい
た。これに対して、本発明では1回に転送する状態デー
タの量は増えるが、転送回数は少なくなり、また付加的
な制御情報の転送に必要な通信量が減少する。
【0013】また、状態データの記憶手段の記憶空間を
複数のブロックに分割し、前回の転送後に変更のあった
ブロックのみを書き換え、書き換えたブロック内の状態
データのみをアクト系からスタンバイ系に一括転送すれ
ば、通信量がさらに減少することによって、通信・処理
オーバーヘッドはより一層少なくなる。
【0014】さらに、従来の方法では通信・処理オーバ
ーヘッドを少なくするために、アクト系からスタンバイ
系へ変更のあった状態データと変更のない状態データを
含めて一括転送しようとすると、高速の専用バスを必要
としたが、本発明のように変更のあったブロックの状態
データのみを転送する方式とすれば、このような専用の
バスを必要とせず、例えばATM交換機においてはAT
Mで実現された制御パスを利用して状態データの転送を
行うことができる。
【0015】
【実施例】図1は、本発明をATM交換機における制御
部の二重化に適用した場合の実施例を示すブロック図で
ある。
【0016】図1において、ATMスイッチ10はセル
のATM交換を実行するスイッチ回路であり、通常、内
部セル内に含まれるルーティングタグに従って自動的に
該セルを出力ポートまで導く、いわゆる自己ルーティン
グATMスイッチにより構成される。
【0017】このATMスイッチ10に接続されている
加入者カード/トランクカード20〜23は、(a) 端末
/隣接ATM交換機からのUNI/NNIセルに対して
ラベル変換を行い、ATMスイッチ10の出力ポートを
指定するルーティングタグを付加した内部セル形式に変
換する、(b) ATMスイッチ10から出力された内部セ
ル形式のセルに対して、ルーティングタグを取り除きU
NI/NNIセル形式に変換して、端末/隣接ATM交
換機に送出する、という機能を有する。このようなAT
Mスイッチおよび加入者カード/トランクカードの詳細
は、本発明の主旨に直接関係ないので、その説明を省略
するが、例えば特願平2−217216「ATM通信シ
ステム」に記載されている構成を用いることができる。
【0018】また、ATMスイッチ10には二重化され
た制御部30,31が接続され、一方がアクト(AC
T)系制御部30、他方がスタンバイ(SBY)系制御
部31として用いられている。ACT系制御部30と、
他のATM交換機の制御部または端末との間には、AT
Mで実現された制御パス40〜43が設定されている。
ACT系制御部30は、これらの制御パス40〜43を
用いて他のATM交換機の制御部や端末と通信し、呼制
御、運転管理などを実現する。
【0019】また、ACT系制御部30とSBY系制御
部31との間には、ATMで実現された制御パス50が
設定されている。ACT系制御部30は、制御パス50
を用いて最新の状態を状態データの転送によりSBY系
制御部31に通知し、SBY系制御部31は通知された
最新の状態に状態を更新する。これによって、ACT系
制御部30とSBY系制御部31の同期状態を維持す
る。
【0020】本実施例では、上述のようにACT系制御
部30とSBY系制御部31の接続をATMコネクショ
ンで実現している。これは低コストのATM交換機を実
現する上で大きく貢献すると共に、ACT系制御部30
とSBY系制御部31の柔軟な配備にも大きく貢献す
る。実際、ACT系制御部30とSBY系制御部31は
ATMコネクションで接続されているわけであるから、
両者ともATMスイッチ10のどのポートに接続されて
いても良い。
【0021】さらに、ACT系制御部30およびSBY
系制御部31は同一のATM交換機にある必要すらな
い。例えば、図2に示すようにSBY系制御部31は、
ACT系制御部30が接続されたATM交換機10に接
続されている隣接ATM交換機11に収容されていても
良い。但し、制御部がACT系制御部30からSBY系
制御部31に切替わった際、他のATM交換機の制御部
/端末との制御パス40〜43をACT系制御部30か
らSBY系制御部31につなぎ替えなければならない
が、このつなぎ替えはACT系制御部30とSBY系制
御部31が同一ノード内にある方が容易である。すなわ
ち、ACT系制御部30およびSBY系制御部31が同
一ノード内にあれば、制御パス40〜43のつなぎ替え
は該ノード内の部分のみ行えばよいが、同一ノード内に
なければ、該ノード外の部分もつなぎ替える必要が生じ
るからである。
【0022】次に、ACT系制御部30とSBY系制御
部31間の同期状態を維持する方法について、詳細に説
明する。ACT系制御部30およびSBY系制御部31
の構成を図3に示す。同図に示すように、ACT系制御
部30とSBY系制御部31の構成は同一であり、それ
ぞれCPU301,311、ハ−ドディスク302,3
12、メモリ303,313及びATM通信のためのプ
ロトコル処理部304,314から構成される。メモリ
303,313の記憶空間は、プログラムを記憶するプ
ログラム記憶領域3031,3131、ACT系制御部
30からSBY系制御部31に継承すべき状態データを
記憶する状態データ記憶領域3032,3132及びワ
ークデータを記憶するワークデータ記憶領域3033,
3133に分かれている。
【0023】本実施例では、ACT系制御部30がSB
Y系制御部31の同期運転状態を管理・制御する。即
ち、ACT系制御部30の判断でSBY系制御部31の
運転状態を決定し、その状態変更のための処理を起動す
る。SBY系制御部31の運転状態には、同期状態(組
み込み状態)、孤立状態(切り離し状態)がある。同期
状態とは、SBY系制御部31のプログラムおよび状態
データがACT系制御部30のプログラムおよび状態デ
ータと同一に維持された(データ同期が取れた)状態
(熱予備状態)をいう。孤立状態とは、SBY系制御部
31のプログラムおよび状態データがACT系制御部3
0のプログラムおよび状態データと不一致の状態をい
う。
【0024】ACT系制御部30がSBY系制御部31
の状態を制御するための処理には、SBY系同期化処
理、SBY系同期維持処理およびSBY孤立化処理があ
る。これらの処理の概略フローを図4に示す。
【0025】SBY系同期化処理は、SBY系制御部3
1を孤立状態から同期状態へ移行させるための処理であ
り、SBY系制御部31が自系ハードディスク312か
らプログラムをロードすることで、SBY系制御部31
とACT系制御部30のプログラムが同一となった後、
SBY系制御部31からの組み込み要求により起動され
る。このSBY系同期化処理では、ACT系制御部30
とSBY系制御部31との間で一致させなければならな
い全ての状態データをACT系制御部30からSBY系
制御部31へ転送する。
【0026】SBY系同期維持処理は、SBY系同期化
処理で同期化されたSBY系制御部31を同期状態に維
持する処理であり、SBY系同期化処理が終了すると自
動的に起動される。このSBY系同期維持処理では、A
CT系制御部30で状態データが更新されると、更新さ
れた状態データだけをSBY系制御部31へ通知し、S
BY系制御部31の状態データを更新する。なお、本実
施例においてはACT系制御部30からSBY系制御部
31への変更のあった状態データの転送方法として、後
述するように周期的に行う方法と、オンデマンドに行う
方法の二通りを提供している。
【0027】SBY系孤立化処理は、SBY系制御部3
1を同期状態から孤立状態へ移行させるための処理であ
り、SBY系同期維持処理を停止させることによってそ
れを達成する。この結果、ACT系制御部30で状態デ
ータが更新されても、SBY系制御部31には通知され
ないため、ACT系制御部30とSBY系制御部31の
状態データが不一致の状態となる。
【0028】また、本実施例では同期制御のためのシス
テムコールとして、 (1)SBY同期状態制御 (2)ACT→SBYデータ転送制御 をアプリケーションプログラムに提供する。
【0029】なお、これ以外に初期化のためのシステム
コールも必要となる場合があるが、本発明の本質と無関
係であるので省略する。
【0030】まず、SBY同期状態制御について説明す
る。SBY系同期状態制御は、ACT系アプリケーショ
ンがSBY系同期状態の管理/制御を行うためのシステ
ムコール群である。具体的には、ACT系アプリケーシ
ョンプログラムがSBY系同期状態を設定(同期中/孤
立中)するためのSBY系同期状態設定システムコール
と、ACT系アプリケーションが現在のSBY系同期状
態を参照するSBY系同期状態参照システムコールから
なる。ACT系制御部30にはSBY系同期状態を示す
SBY系状態フラグがあり、SBY系同期状態設定シス
テムコールは該SBY系状態フラグの設定を行う。ま
た、SBY系同期状態参照システムコールは該フラグを
参照し、現在のSBY系制御部31の同期状態をACT
系アプリケーションに通知する。
【0031】次に、ACT→SBY系データ転送制御に
ついて説明する。ACT→SBY系データ転送制御は、
SBY系同期運転中にACT系制御部30とSBY系制
御部31との間で状態データを一致させるために、AC
T系制御部30からSBY系制御部31へ状態データを
転送する機能を提供するシステムコール群である。状態
データの転送は、ブロックコピーイメージで行われる。
すなわち、メモリ上の転送対象範囲を適当なサイズのデ
ータブロックとして登録し、データブロック単位でAC
T系制御部30からSBY系制御部31へ状態データの
転送を行う。このため、ACT→SBYデータ転送制御
は、データブロックを登録する機能と、指定されたデー
タブロックの内容をSBY系制御部31へ転送する機能
を提供する。
【0032】状態データの転送では、誤りが生じた場合
に再送を行うために、レイヤ2機能を使用する。状態デ
ータの転送方法としては、周期的に行う方法(以下、周
期転送という)と、オンデマンドすなわち要求に応じて
随時的に行う方法(以下、オンデマンド転送という)の
2種類を提供する。
【0033】周期転送では、同期運転中になれば転送が
行われ、孤立中状態になれば自動的に転送を中止する。
この周期転送においては、まず、どのデータブロックを
どの周期でSBY系制御部31に転送するかを登録す
る。図5(a)は、この登録の様子を示したものであ
り、この例では周期1で転送するのはB1,B2,B5
の3ブロック、周期2で転送するのはB3,B6の2ブ
ロック、周期3で転送するのはB4の1ブロック、周期
4で転送するのはB7の1ブロックである。このように
周期転送のために複数種類の周期を用意することによ
り、それぞれのデータブロックの性格に合わせたきめ細
かい同期運転制御が可能となる。
【0034】なお、上記の周期転送登録をサポートする
システムコールとしては、転送周期登録システムコール
と、周期転送要求システムコールとがある。転送周期登
録システムコールは、転送周期とID番号との対応を登
録するためのもので、例えば周期1の転送周期を転送周
期ID=0で呼ぶことを登録する。周期転送要求システ
ムコールは、それぞれのデータブロックをどのIDの転
送周期で転送するかを登録するためのもので、転送の必
要なデータブロックを一つずつ設定する。
【0035】図5(b)は、周期転送の様子を時系列的
に示した例である。但し、この図では既に周期1と周期
2(周期1の2倍と仮定)の2つの周期が転送周期登録
システムコールにより登録済みとする。転送周期が登録
されると、その転送周期により転送すべきデータブロッ
クの有無に拘らず、登録された周期のタイマーが起動さ
れる。
【0036】まず、周期1側の動作に注目する。B1,
B2が登録されると、図5(b)に示されるように登録
が行われた周期が終了した時点から周期転送が開始され
る。但し、本実施例では転送データ量をできる限り削減
するために、各周期の間に変更のあったデータブロック
のみを転送することとする。すなわち、最初の周期終了
時点ではB1,B2の両方が転送されているが、次の周
期ではB1のみ変化したため周期終了時点ではB1のみ
の転送が行われ、次の周期ではB1,B2とも変化しな
かったため、周期終了時点ではB1,B2とも転送が行
われない、ということになる。この後、B5の登録が行
われると、同様に、登録が行われた周期の終了時点から
周期転送が開始される。一方、周期2側も同様であり、
B3およびB6が登録されると、その周期終了時点から
該データブロックの周期転送が開始される。但し、周期
内で状態データの変化がないデータブロックに対して
は、周期終了時点での転送が省略されるのは、前述の通
りである。
【0037】なお、周期転送は状態データ転送中に系切
替えが発生した場合、新ACT系制御部(系切替え前は
SBY系制御部)はメモリ上の状態データが書き換え中
であるため、データ内容に一貫性がなくなるおそれがあ
る。これは立ち上げ処理中に矛盾を検出し初期化する、
論理チェックを行うことで対処できる。従って、周期転
送制御は論理チェックが可能なデータを対象とすること
にする。
【0038】図6は、周期転送時における処理内容の概
略フローを示したものである。ACT系制御部30で
は、まずアプリケーションプログラムが前述のように転
送周期を登録する(S10)。これにより周期ブロック
コピータスク305内のタイマーが起動される。
【0039】次いで、アプリケーションプログラムが転
送対象のデータブロックを登録すると(S11)、周期
ブロックコピータスク305はタイマー割り込みが入っ
たとき、そのタイマーに対応する周期に登録されたデー
タブロックの転送を行う。但し、SBY系同期状態フラ
グ307が孤立中を示している場合には、転送処理を行
わない。また、1周期前からの変化がないデータブロッ
クに対しては、転送処理が抑止される。データブロック
の転送は、誤りが生じたときの再送処理を行うため、レ
イヤ2機能308を使用する。図6では、メモリ303
2内のデータブロック#0,#1が該周期内で変化した
ため、転送処理が行われている。
【0040】SBY系制御部31では、転送されたデー
タブロックに対して、レイヤ2機能318を用いて誤り
検査を行い、正常であれば書き込みタスク316により
メモリ3132にデータブロックの書き込みが行われ
る。誤りがあれば、ACT系制御部30に対して再送を
要求する。
【0041】次に、オンデマンド転送について説明す
る。オンデマンド転送は、アプリケーションが転送要求
を発行した時点で状態データの転送を行う方式であり、
データ内容の一貫性を保証する仕組みを転送方式自身が
持つように設計されている。即ち、ACT系制御部30
(送信側)はあるデータブロックの更新を開始すると、
更新後の転送が終わるまでそのデータブロックへの書き
込みを禁止する。そのため、データブロックを他人から
のアクセス禁止状態にするOPENシステムコールと、
データブロックのコピーを起動しコピーが終了すればア
クセス禁止状態を解除するCLOSEシステムコールを
提供する。
【0042】OPENシステムコールは、転送するデー
タブロックの一覧表、要求種別(即時要求/待時ち要
求)、アクセスタイプ(WRITE/READ)を入力
引き数として、要求したデータブロックのOPEN要求
を行い、出力引き数としてリクエスト識別子を返すもの
である。既にOPENがかけられたデータブロックに対
しては、READのOPENは許可されるが、WRIT
EのOPENは許されない。またOPENが許されない
場合、即時要求ならば即時エラーが返されるが、待時要
求ならばOPENが許されるまでウェイトする。OPE
Nシステムコールは、一つずつ順番に処理される。即
ち、前のシステムコール処理中に待時要求が発生する
と、後の待時要求はキューイングされ、待ちになる。他
方、CLOSEシステムコールは、OPENシステムコ
ールで与えられたリクエストIDを入力引き数としてC
LOSE要求する。
【0043】該当データブロックをアクセスしたいアプ
リケーションプログラムは、アクセスの直前に必ずOP
ENコールを行い、アクセス可能か否かを確認する。こ
のようにしてACT系制御部30内のメモリ内容は、転
送終了まで他人から書き換えらることはないので、AC
T系制御部30から転送されるデータ内容の一貫性は保
証される。但し、排他状態のデータブロックへアクセス
しようとした処理には、拒否/待ちが発生することにな
る。
【0044】なお、このような対策だけではACT系制
御部30から転送される状態データの一貫性は保証でき
ても、ACT系制御部30からSBY系制御部31への
データ転送途中で系切替えが生じる可能性があるため
に、SBY系制御部31におけるデータの一貫性を必ず
しも保証できない。
【0045】そこで、本実施例においてはSBY系制御
部31(受信側)に転送が始まってメモリ内容を書き換
え始めてから終了するまで、データ書き換え中であるこ
とを記憶し、系切替え後に再開処理の中からこのデータ
書き換え状態を参照するためのシステムコールを設け
る。これにより、新ACT系制御部は状態データ転送途
中で系切替えが発生したか否かを知ることができる。こ
のオンデマンド転送は、新ACT系制御部31が立上げ
処理中にデータの矛盾検出や初期化を行うことが困難な
重要な状態データの転送に用いる。
【0046】図7および図8は、オンデマンド転送時に
おける処理の概略フローを示したものである。ACT系
制御部30では、まず図7に示すようにアプリケーショ
ンプログラムがOPENシステムコールを呼び、指定さ
れたデータブロックへのアクセスを禁止する(S2
0)。次いで、図8に示すようにOPENされたデータ
ブロックに対する書き換えなどの処理が行われる。この
データブロックに対する処理が終了すると、アプリケー
ションプログラムはCLOSEシステムコールを呼び、
メモリ3032内の指定されたデータブロック(図で
は、データブロック#0,#1)をSBY系制御部31
に転送した後、該データブロックに対するアクセス権を
放棄する(S21)。
【0047】なお、SBY系制御部31への状態データ
転送は、SBY同期状態フラグ307が同期中を示して
いる場合にのみ行われ、孤立中を示している場合は行わ
れない。また状態データ転送は、誤りが生じた場合、再
送処理を行うためレイヤ2機能308を使用する。SB
Y系制御部31はACT系制御部30からの状態データ
転送が始まると、データ書き換え中フラグ319を立
て、データの転送が終了すると、フラグ319をクリア
する。このデータ書き換え中フラグ319は、アプリケ
ーションプログラムから参照できる(S22)。これに
より、SBY系制御部31は状態データの一貫性を確認
できる。
【0048】図8は、データ転送中READのOPEN
コールは許可されるが、WRITEのOPENコールは
許可されないことを示している。WRITEのOPEN
コールが許可されるのは、転送処理が終了してからであ
る。
【0049】以上により周期的およびオンデマンドな状
態データの転送、すなわちメモリコピーが実現可能であ
る。この方式では、特にATM交換機の二重化された制
御部に適用した場合、メモリ内容(状態データ)の変更
がある都度、即時にSBY系制御部に状態データを転送
して状態を通知する従来の方法と比較して、(1) 同じA
TMスイッチに収容されたユーザトラヒックへの影響を
最小限に抑えられる、(2) ATM通信を行うためのCP
Uオーバヘッドを最小限に抑えられる、という利点があ
る。
【0050】なお、本発明はATM交換機の制御部の二
重化に限られず、他の情報通信機器の制御部の二重化、
オンライン処理を行っている電子計算機の二重化などに
広く適用可能であることはいうまでもない。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば通
信オーバヘッドおよび処理オーバヘッドの少ない、二重
化された処理装置間の同期状態維持方法を提供すること
ができる。本発明の方法は、ATM交換機の制御部の二
重化に特に適しており、障害に強く、二重化した場合の
スループットの低下も少ない、ATM交換機を提供する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をATM交換機制御部の二重化に適用し
た実施例を示す図
【図2】アクト系制御部およびスタンバイ系制御部が別
ノードに存在する場合の実施例を示す図
【図3】アクト系制御部およびスタンバイ系制御部の構
成図
【図4】アクト系制御部およびスタンバイ系制御部にお
ける概略フロー図
【図5】状態データの転送周期登録例と周期転送時の時
系列的状態を示す図
【図6】状態データの周期転送時における概略フロー図
【図7】状態データのオンデマンド転送時における概略
フロー図
【図8】状態データのオンデマンド転送時における概略
フロー図
【符号の説明】
10,11…ATMスイッチ 20〜23…加入
者/トランクカード 30…アクト系制御部 31…スタンバイ
系制御部 40〜43…制御パス 50…制御パス 301,311…CPU 302,312…
ハ−ドディスク 303,313…メモリ 304,314…
プロトコル処理部 305…周期ブロックコピータスク 307…SBY同
期状態フラグ 308,318…レイヤ2機能 316…書き込み
タスク 319…データ書き換え中フラグ 3031,3131…プログラム記憶エリア 3032,3132…継承データ記憶エリア 3033,3133…ワークデータ記憶エリア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 隆治 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 神竹 孝至 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (56)参考文献 特開 昭61−147344(JP,A) 特開 平4−215142(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通信路を介して結合され、一方が実際にサ
    ービスを行うアクト系、他方がサービスを休止している
    スタンバイ系の役割をそれぞれ担うと共に、前記アクト
    系がサービス休止状態に入る場合に、前記スタンバイ系
    が前記アクト系の状態を引継いでサービスを継続するよ
    うに設定されたほぼ同一構造の二重化された処理装置間
    の同期状態を維持する方法において、前記アクト系の役割を担った一方の処理装置が、 周期的
    にまたは要求に応じて、該アクト系が保持する状態を表
    す状態データを前記通信路を通じて前記スタンバイ系に
    対して転送し、該転送の都度、前記スタンバイ系の役割
    を担った他方の処理装置は、転送された該状態データに
    基づき該スタンバイ系の保持する状態データを更新して
    前記同期状態を維持するとともに、 前記他方の処理装置は、前記アクト系であった一方の処
    理装置がサービス休止状態に入る場合、新たなアクト系
    となって前記サービスを継続する際に、該他方の処理装
    置の保持する状態データの一貫性を確認することを特徴
    とする二重化された処理装置間の同期状態維持方法。
  2. 【請求項2】前記状態データを記憶する記憶手段を設
    け、この記憶手段の記憶空間を複数のブロックに分割
    し、これらのブロックのうち前回の転送後に変更のあっ
    た状態データを記憶しているブロックのみを書き換え、
    この書き換えたブロック内の状態データのみを前記アク
    ト系から前記スタンバイ系に一括転送することを特徴と
    する請求項1に記載の二重化された処理装置間の同期状
    態維持方法。
  3. 【請求項3】前記アクト系から前記スタンバイ系に対し
    て前記状態データを転送する周期を、前記ブロックごと
    に設定することを特徴とする請求項2に記載の二重化さ
    れた処理装置間の同期状態維持方法。
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