JP2531849Y2 - 車体前部構造 - Google Patents

車体前部構造

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JP2531849Y2
JP2531849Y2 JP1947091U JP1947091U JP2531849Y2 JP 2531849 Y2 JP2531849 Y2 JP 2531849Y2 JP 1947091 U JP1947091 U JP 1947091U JP 1947091 U JP1947091 U JP 1947091U JP 2531849 Y2 JP2531849 Y2 JP 2531849Y2
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國彦 竹重
賢一 大里
浩一郎 中村
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Mazda Motor Corp
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Mazda Motor Corp
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  • Vehicle Waterproofing, Decoration, And Sanitation Devices (AREA)
  • Seal Device For Vehicle (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、車体前部構造に係り、
特に、バンパの上端面とボンネットの前端部とが近接し
て配置された車両に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、フロントバンパとボンネット
との間にラジエ−タグリルが配設されていない、つまり
バンパフェイスの上端面とボンネットの前端部とが上下
方向に近接して配置された車両が知られている。また、
このような車両は、走行中の走行風が前記バンパとボン
ネットとの間に形成された間隙を通過することによって
風切り音が発生し、異音が車室内に侵入して乗員の不快
感を招く虞れがある。この点に鑑みられ、例えば実開昭
58−40472号公報に開示されている如く、バンパ
フェイスの上端面に、少なくとも車両の走行時において
ボンネット前端部の下面に当接することによって前記間
隙を閉塞するようにしたシ−ル部材を配設して、前記風
切り音の発生を抑制するようにしたものがある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところが、このような
シ−ル部材を配設したものにあっては、冬期等において
バンパフェイスの上端面に残った雨水等が前記シ−ル部
材周辺で凍結し、該シ−ル部材がボンネットに固着され
てしまい、前開き式のボンネットにあっては、該ボンネ
ットの開放が行えなくなるといった不具合があった。ま
た、この不具合は、前記シ−ル部材をボンネット前端部
の下面に配設して、このシ−ル部材の下端をバンパフェ
イスの上端面に当接させるようにした場合であっても同
様に生じる。
【0004】また、これとは別に、このような車両にあ
っては、前記バンパとボンネットとの間に形成されてい
る間隙に奥行き感があると車両前部の見映えの劣化に繋
がるため、この奥行き感をなくしたいといった要求もあ
った。
【0005】本考案は、これらの点に鑑みてなされたも
のであって、前記シ−ル部材を備えた車両において、冬
期等にあってもボンネットの開放動作を確実に行えるよ
うにすると共に、車両前部の見映えの向上が図れる構成
を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本考案は、バンパフェイスの上端面に残った雨水
等を容易に排出可能とするようにした。具体的には、バ
ンパフェイスの上端面とボンネットの前端部とが小間隙
を存して近接配置された車体前部構造を対象としてい
る。そして、前記バンパフェイス及びボンネットの一方
に、先端が他方に当接することによって前記小間隙を閉
塞するシ−ル部材を設け、前記バンパフェイスの上端面
における前記シ−ル部材の前方位置に、前記バンパフェ
イスの上端面及びシ−ル部材とによって車幅方向に延び
る溝状の空間部を形成する突起部を突設する。そして、
前記バンパフェイスの上部に、一端が前記空間部に開口
して該空間部に溜った水等を排出する排出手段を設ける
ような構成とした。
【0007】
【作用】上記の構成により本考案では、シ−ル部材がバ
ンパフェイスの上端面とボンネットの前端部との間の小
間隙を閉塞しており、車両の走行中に、この小間隙に走
行風が通過して風切り音が発生するといったことが防止
されている。また、バンパフェイスの上端面においてシ
−ル部材周辺に溜った雨水等はシ−ル部材と突起部との
間の空間部に入り込むことによって広範囲に拡がること
なしに排水手段によって、この空間部から排出される。
従って、シ−ル部材周辺において水が凍結し、バンパフ
ェイスとボンネットとがシ−ル部材を介して固着される
ようなことはなくなる。更に、前記突起部は、前記空間
部を形成するばかりでなく前記小間隙の奥行き感を解消
する機能も有しているために、車両前部の見映えが向上
される。
【0008】
【実施例】次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図2に示すものは、本例に係る車両1であって、
ヘッドランプ2,2の下側に車幅方向全体に亘るバンパ
3が配設されている。また、図示しないエンジンル−ム
の上側には、該エンジンル−ムを上方から覆うボンネッ
ト4が配設されており、該ボンネット4は、その前端部
4aが前記ヘッドランプ2,2及びバンパ3の上縁に沿
うように形成されている。つまり、この車両1は、バン
パ3とボンネット4との間にラジエ−タグリルを備えて
おらず、上下方向に所定寸法の小間隙A(図1参照)を
存して近接して配置されている。
【0009】ボンネット4は、上述したように、エンジ
ンル−ムを上方から覆うものであって、図1に示すよう
に、アウタパネル4bの裏側にインナパネル4cが取付
けられ、その縁部がヘミング加工されている。また、前
記インナパネル4cの前端部には水平方向に延びる水平
部4dが形成されており、この水平部4dの後方は前記
アウタパネル4bに沿うように後方に向うにしたがって
上方に傾斜されている。
【0010】バンパ3はバンパレインフォ−スメント5
とバンパフェイス6とを備えて成り、バンパレインフォ
−スメント5は、板金の折曲形成によって後方に開放し
た部材であって、バンパ3全体の剛性を確保するように
なっている。詳しくは、バンパレンフォ−スメント5の
前端部を形成する下側鉛直部5aを備え、該下側鉛直部
5aの下端から水平後方に延びる下側水平部5b、前記
下側鉛直部5aの上端から後方に向うにしたがって上方
へ僅かな傾斜角度を存して傾斜配置された傾斜部5c、
該傾斜部5cの後端から鉛直上方へ延びる上側鉛直部5
d、該上側鉛直部5dの上端から水平後方に延びる上側
水平部5eとを備えて形成されている。
【0011】一方、バンパフェイス6は、樹脂製であっ
て前記バンパレインフォ−スメント5の形状に近似して
側面視が略コ字状を呈しており、複数箇所で前記バンパ
レインフォ−スメント5に取付けられている。詳しく
は、このバンパフェイス6は、その前端部を形成する鉛
直部6aを備え、この鉛直部6aが前記バンパレンフォ
−スメント5の下側鉛直部5aよりも所定寸法だけ前方
位置に設定されている。そして、前記鉛直部6aの下端
から水平後方に延びる下側水平部6bが形成されてお
り、この下側水平部6bが前記バンパレインフォ−スメ
ント5の下側水平部5bの下面に重合わされて取付けら
れている。また、前記鉛直部6aの上端から後方に向う
にしたがって上方へ所定角度をもって傾斜された傾斜部
6cが形成されており、この傾斜部6cの上端から水平
後方に延びる上側水平部6dが形成されている。そし
て、この上側水平部6dは、前記バンパレインフォ−ス
メント5の上側水平部5eの上面に重合わされていると
共に、その上面が本考案でいうバンパフェイスの上端面
となっている。
【0012】そして、本例のバンパ3にはシ−ル部材7
が配設されている。このシ−ル部材7は、バンパ3とボ
ンネット4との間に形成されている小間隙Aを閉塞する
ものであって、バンパフェイス6の上側水平部6dの上
部に取付けられた取付ブラケット8を介してバンパ3上
に配設されている。前記取付ブラケット8は、前記バン
パレインフォ−スメント5の上側水平部5eに対応する
前後長さを有しており、前記バンパフェイス6及びバン
パレインフォ−スメント5に一体的にネジ止めされてい
る。そして、前記取付ブラケット8の前端は上方へ小寸
法をもって折曲げられており、この折曲げ部分にゴム製
の前記シ−ル部材7が立設状態で取付けられている。
【0013】そして、本例の特徴の一つとして、前記シ
−ル部材7の配設位置から所定寸法を存した前方位置に
おける、前記バンパフェイス6の上側水平部6dには本
考案でいう突起部としてのフランジ9が突設されてい
る。このフランジ9は、閉止状態のボンネット4に干渉
しない程度の高さ寸法を存しており、バンパフェイス6
が前記ボンネット4の前端部4aに対応する位置の全域
に亘って車幅方向に延設されている。これにより、この
フランジ9とシ−ル部材7とこの両者間に位置するバン
パフェイス6の上側水平部6dとによって車体前後方向
に所定幅を有して車幅方向に延びる溝状空間Bが形成さ
れていることになる。
【0014】そして、本例の特徴のもう一つとして、前
記溝状空間Bには本考案でいう排出手段としての複数の
排水孔10が設けられている。この排水孔10は、バン
パフェイス6の車幅方向に所定間隔を存した位置で、前
記上側水平部6dに設けられた貫通孔によって形成され
ており、前記溝状空間B内に侵入した水等を下方へ排出
するようになっている。
【0015】次に、上記の構成による作用について説明
する。先ず、ボンネット4を閉止状態とすると、図1に
示すように、ボンネット4の水平部4dがシ−ル部材7
に接触し、該シ−ル部材7が弾性変形する。これによっ
て、シ−ル部材7は所定圧力でもってボンネット4の水
平部4dに当接して前記小間隙Aを確実に閉塞するため
に、走行風等によってボンネット4との間に隙間が生じ
るようなことはない。また、冬期や寒冷地等において、
バンパフェイス6の上端面の前記シ−ル部材7の周辺に
残っている雨水等は前記溝状空間B内に入り込むことに
よってバンパフェイス6上で前後方向の広範囲に拡がる
ことなしに、前記排水孔10から下方へ排出される。従
って、この水が凍結することによってシ−ル部材7がボ
ンネット4の下面である水平部4dに固着されるような
ことはなくなる。このように、本例によれば、シ−ル部
材7によってバンパ3とボンネット4との間に形成され
ている小間隙Aを閉塞していることによって、車両走行
中の風切り音の発生が防止でき、車室内環境が良好に維
持される。また、バンパフェイス6上の雨水等を積極的
に排出することによってボンネット4の開き性能を常に
維持することができ、エンジンル−ムのサ−ビス性を向
上することもできる。更には、前記フランジ9は前記小
間隙Aの前端部分に設けられていることによって前記小
間隙Aには奥行き感がなくなっているために車両前部の
見映えの向上を図ることもできる。
【0016】(変形例) 次に、本考案における変形例を3タイプ説明する。これ
ら各変形例では、その特徴とする部分について述べるに
止める。先ず、図3に示すものは、排水孔の変形例であ
る。この例におけるバンパ3は、バンパレインフォ−ス
メント5に前記の実施例で述べた上側水平部5eが形成
されておらず、また、バンパフェイス6は、上側水平部
6dの前後方向長さが短くなっていると共に、この上側
水平部6dの後端から鉛直下方に延びる後側鉛直部6e
が形成されている。また、このバンパフェイス6では、
フランジ9が、この後側延長部6eの上方に連続するよ
うに形成されている。そして、シ−ル部材7は前記後側
延長部6eの後面に取付けられた取付ブラケット8の上
端に配設されていて、その上端が閉止状態のボンネット
4の下面である水平部4dに当接するようになってい
る。また、前記取付ブラケット8は、その上下方向中央
部より上側部分が後方へ後退されており、前記バンパフ
ェイス6の後側鉛直部6eとによって溝状空間Bを形成
するようになっている。そして、本考案でいう排出手段
としての排水孔11は、前記後側鉛直部6eにおける前
記溝状空間Bの下端近傍位置で前後方向に延びるように
形成されている。従って、この変形例では、前記溝状空
間B内に入込んだ水をこの排水孔11から前側に排出す
るようになっている。
【0017】図4及び図5に示すものは他の変形例であ
る、この例では、バンパレインフォ−スメント5及びバ
ンパフェイス6の形状が前記の変形例と同様で成ってお
り、取付ブラケット8の形状に特徴を有するものであ
る。この取付ブラケット8は、図5に示すように、車幅
方向に所定間隔を存した複数箇所が上下方向全体に亘っ
て略コ字状に折曲されており、これによって、バンパフ
ェイス6の後側鉛直部6eとの間で上下方向に貫通する
本考案でいう排出手段としての排水通路12が形成され
ている。従って、溝状空間B内に入込んだ雨水等は、こ
の排水通路12から鉛直下方に排出されるようになって
いる。
【0018】図6及び図7に示すものも他の変形例であ
る、この例では、バンパフェイス6の形状に特徴を有す
るものである。このバンパフェイス6は、図7に示すよ
うに、車幅方向に所定間隔を存した複数箇所が上下方向
全体に亘って略コ字状に折曲されており、これによっ
て、取付ブラケット8との間で上下方向に貫通する本考
案でいう排出手段としての排水通路13が形成されてい
る。従って、溝状空間B内に入込んだ水は、この排水通
路13から鉛直下方に排出されるようになっている。
【0019】尚、上述した各例ではシ−ル部材7をバン
パ側に配設して該シ−ル部材7の上端をボンネット4の
下面に当接させるようにしたが、本考案は、これに限ら
ず、シ−ル部材をボンネット側に配設して該シ−ル部材
の下端をバンパ上端面に当接させるようにしてもよい。
【0020】
【考案の効果】上述したように、本考案によれば、車両
走行中の風切り音を防止するために設けられたシ−ル部
材を利用し、このシ−ル部材と突起部とによってバンパ
フェイスの上端面の雨水等を広範囲に拡がらせることな
く回収する空間部を形成し、この空間部に入込んだ雨水
等を排水手段によって排出するようにしているために、
シ−ル部材周辺において水が凍結してバンパフェイスと
ボンネットとがシ−ル部材を介して固着されるようなこ
とはなくなり、ボンネットの開き性能を常に確保するこ
とができる。また、前記突起部によってバンパフェイス
とボンネットとの間の小間隙の奥行き感を解消するよう
にしているために車両前部の見映えの向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車体前部の縦断側面図である。
【図2】車体前部の斜視図である。
【図3】変形例における要部を拡大した図1相当図であ
る。
【図4】他の変形例における図3相当図である。
【図5】図4におけるV−V線に対応した位置における
断面図である。
【図6】他の変形例における図4相当図である。
【図7】図6におけるVII −VII 線に対応した位置にお
ける断面図である。
【符号の説明】
1 車両 4 ボンネット 4a 前端部 6 バンパフェイス 6d 上側水平部 7 シ−ル部材 9 フランジ(突起部) 10,11 排水孔(排出手段) 12,13 排水通路(排出手段) A 小間隙 B 溝状空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 中村 浩一郎 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バンパフェイスの上端面とボンネットの
    前端部とが小間隙を存して近接配置された車体前部構造
    であって、前記バンパフェイス及びボンネットの一方に
    は、先端が他方に当接することによって前記小間隙を閉
    塞するシ−ル部材が設けられており、前記バンパフェイ
    スの上端面における前記シ−ル部材の前方位置には、前
    記バンパフェイスの上端面及びシ−ル部材とによって車
    幅方向に延びる溝状の空間部を形成する突起部が突設さ
    れており、前記バンパフェイスの上部には、一端が前記
    空間部に開口して該空間部に溜った水等を排出する排出
    手段が設けられていることを特徴とする車体前部構造。
JP1947091U 1991-03-28 1991-03-28 車体前部構造 Expired - Lifetime JP2531849Y2 (ja)

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