JP2531335B2 - 豆腐の製造方法 - Google Patents
豆腐の製造方法Info
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Description
特に、従来、豆腐製造用に使用することが極めて困難で
あった、イオン交換膜法による製塩工程で得られるにが
りを利用して、従来の一般の塩田にがりを用いた豆腐に
比べて、使い易く食品衛生的にも優れ、しかもソフトで
滑らかな物性を有し、優れた食味を有する豆腐を製造す
る方法に関する。
重要であり、最近では人口増加との関係から21世紀の
食糧資源として国際的にも重要視されている。しかし
て、大豆から作られる食品の一つである豆腐は、成人病
との関係から内外国で注目されている。
に製造する豆腐の種類に応じた凝固剤を添加して、大豆
に含まれているたんぱく質や油脂を凝固させ、成形して
製造されている。
がりをはじめとして、塩化マグネシウム、石膏、グルコ
ノデルタラクトン(GDL)などが用いられている。
ち、塩田にがりを凝固剤として用いた場合には、にがり
中のミネラルが付加され、大豆の風味と甘味が生かされ
た味の良好な豆腐を製造できる。しかし、塩田にがりを
凝固剤として用いた場合には、凝固時間が短く、木目が
荒く硬い豆腐となる。このため、最近のソフトな感触の
豆腐を好む消費者の要求に合致しないことから、この塩
田にがり豆腐は現在豆腐市場の主流の座を失っている。
いた場合も、塩田にがりに類似した性状の豆腐が得られ
るが、食味は塩田にがりにおけるよりも劣っている。
した豆腐は、ソフトで滑らかな性状であるが、大豆の風
味と甘味が失われ、食味は著しく低下する。
SO4 ・2H2 O)が適当であるが、種々の種類、粒径
の石膏が用いられている。石膏を用いた場合には、大豆
たんぱく質の凝固時間が長くなり、物性的に優れた豆腐
が得られるが、食味はグルコノデルタラクトンと同様に
劣っている。
の半連続式木綿豆腐製造装置又は連続充填式絹ごし豆腐
製造装置への使用適性を検討すると、塩田にがりについ
ては大豆たんぱく質の凝固時間が著しく短い欠点を補う
ために、凝固温度を通常よりも低く設定したり、豆乳に
にがりを分割して添加するなどして、半連続装置で木綿
豆腐を製造することができるが、連続式装置で絹ごし豆
腐を製造することは困難である。このため、塩田にがり
とグルコノデルタラクトンや石膏などを併用することに
よって、充填式絹ごし豆腐を製造しているのが現状であ
る。塩化マグネシウムについても塩田にがりと同様のこ
とが言える。
んぱく質の凝固時間が長いため、上記いずれの豆腐製造
装置にも使用することができるが、前述の如く食味が劣
るために、にがりや塩化マグネシウムと併用されている
のが現状である。
者のニーズに応える物性と食味と風味をもつ豆腐を工業
的に製造することは極めて困難であるといえる。
にがりによる木綿豆腐の食味とミネラルを含有する豊か
な風味特性と、グルコノデルタラクトンなどによる充填
絹ごし豆腐のもつソフトで滑らかな物性とを併せ持ち、
現時点において最も消費者から望まれる豆腐を半連続式
木綿豆腐装置又は連続充填式絹ごし豆腐装置を用いて、
容易かつ効率的に、しかも衛生的に製造する方法を提供
することを目的とする。
には、大豆を浸漬、粉砕及び加熱した後おからを濾過分
離して得られた豆乳に、凝固剤を添加して大豆たんぱく
質を凝固させることにより豆腐を製造する方法であっ
て、請求項1の方法においては、この凝固剤として、イ
オン交換膜法による製塩工程で得られるにがりに、アル
カリ金属及び/又はカルシウム以外のアルカリ土類金属
の硫酸塩の1種又は2種以上を添加して反応させ、該に
がりに含まれているカルシウムイオンの少なくとも一部
を除去した改質にがりを用いることを特徴とする。
て、イオン交換膜法による製塩工程で得られるにがり
に、アルカリ金属及び/又はカルシウム以外のアルカリ
土類金属の硫酸塩の1種又は2種以上を添加して反応さ
せて得られる石膏を用いることを特徴とする。
て、イオン交換膜法による製塩工程で得られるにがり
に、アルカリ金属及び/又はカルシウム以外のアルカリ
土類金属の硫酸塩の1種又は2種以上を添加して反応さ
せ、該にがりに含まれているカルシウムイオンの少なく
とも一部を除去した改質にがりと、該反応で得られる石
膏とを併用することを特徴とする。
て、イオン交換膜法による製塩工程で得られるにがりを
濃縮して得られるカーナライトに加水して得られる貧カ
ルシウムイオンの溶液を用いることを特徴とする。
て、イオン交換膜法による製塩工程で得られるにがりを
濃縮して得られるカーナライトに加水して得られる貧カ
ルシウムイオンの溶液に、塩化ナトリウムを添加するこ
とにより得られる溶液を用いることを特徴とする。
て、イオン交換膜法による製塩工程で得られるにがりに
塩化マグネシウムと塩化ナトリウム及び/又は塩化カリ
ウムとを添加することにより得られる貧カルシウムイオ
ンの溶液を用いることを特徴とする。
イオン交換膜法による製塩工程で得られるにがり、詳し
くは、イオン交換膜電気透析法により海水を濃縮して製
塩する際に得られる、いわゆるイオン交換膜法にがり
に、アルカリ金属及び/又はカルシウム以外のアルカリ
土類金属の硫酸塩の1種又は2種以上を添加して反応さ
せ、にがりに含まれているCaイオンの少なくとも一部
を除去する。
してはK2 SO4 ,Na2 SO4 が挙げられる。また、
アルカリ土類金属の硫酸塩としてはカルシウム以外のも
の、例えば、MgSO4 が挙げられる。
aCl2 は、アルカリ金属の硫酸塩であるK2 SO4 ,
Na2 SO4 又はアルカリ土類金属の硫酸塩であるMg
SO4 と下記(1),(2),(3)式のように反応
し、CaイオンはCaSO4 ・2H2 O(二水石膏)と
して沈殿除去される。一方、ClイオンはそれぞれKC
l,NaCl,MgCl2 に変化する。
約30〜60分程度で終了させることができる。しかし
て、K2 SO4 ,Na2 SO4 ,MgSO4 等の硫酸塩
を反応当量添加した場合には、Caイオンの除去率は9
0%程度となる。また、反応当量以上、例えば2倍当量
添加した場合にはほぼ100%の除去率となり、更に過
剰のK2 SO4 ,Na2 SO4 ,MgSO4 が溶液中に
溶存することになる。
に溶解させて水溶液として添加するのが好ましい。
カルシウム処理により得られる改質にがりを凝固剤とし
て使用する。この改質にがりの成分は、例えば、上記反
応式(1),(2),(3)式に従って、CaCl2 が
KCl,NaCl又はMgCl2 に変化したものとな
り、これらを反応当量以上に添加した場合にはこれに過
剰分の硫酸塩が更に溶存するものとなる。従って、K2
SO4 ,Na2 SO4 ,MgSO4 等の硫酸塩の添加量
を調整することにより、また、硫酸塩として2種以上の
硫酸塩を併用添加し、各々の添加量を調整することによ
り、様々な成分よりなるにがりが得られる。
ウム処理で沈殿する石膏を凝固剤として用いる。なお、
ここで得られる石膏は、上記のにがりを付着液として有
する、豆腐凝固剤として最適の二水石膏(CaSO4 ・
2H2 O)の粒径30〜60μmの針状結晶である。
の方法に係る脱カルシウム改質にがりと、請求項2の方
法に係る石膏とを併用する。
質にがり及び/又は石膏の使用割合としては、例えば、
次のような割合とされる。
1に示すようなイオン交換膜法にがりBを脱カルシウム
した改質にがりの添加量は、大豆から常法に従って得ら
れた豆乳1リットルに対して10〜14ml程度とされ
る。
理で得られる石膏の添加量は、大豆から常法に従って得
られた豆乳1リットルに対して3〜5g程度とされる。
なイオン交換膜法にがりBを脱カルシウムした改質にが
りと脱カルシウム処理で得られる石膏の添加量は、大豆
から常法に従って得られた豆乳1リットルに対して改質
にがり3〜5ml,石膏2〜3gとされる。
1に示すようなイオン交換膜法にがりAを1.3〜1.
8倍程度に蒸発濃縮後冷却して固液分離することにより
カーナライトを得る。
て25〜40重量%の水を添加して不溶分を分離除去し
て貧カルシウムイオンの溶液を得る。
ウムイオンの溶液を、大豆から常法に従って得られた豆
乳1リットルに対して好ましくは6〜8ml程度添加す
る。
ウムイオンの溶液に更に塩化ナトリウムを溶解させたも
のを用いる。この塩化ナトリウムは予め水に溶解させ
て、上記貧カルシウムイオン溶液に添加しても良く、ま
た、貧カルシウムイオン溶液に添加した後必要に応じて
水を添加するなどして溶解させても良い。
オン溶液1リットルに対して塩化ナトリウム20〜60
g及び水0.2〜0.6リットルの割合で溶解後添加又
は添加後溶解させるのが好ましい。
ムイオン溶液に塩化ナトリウムを添加してなる溶液の添
加量は、大豆から常法に従って得られた豆乳1リットル
に対して好ましくは6〜8ml程度とする。
うなイオン交換膜法にがりBに、塩化マグネシウムと塩
化ナトリウム及び/又は塩化カリウムとを添加して得ら
れる貧カルシウムイオンの溶液を用いる。この場合、塩
化マグネシウムと塩化ナトリウム及び/又は塩化カリウ
ムは、予め水に溶解させて、イオン交換膜法にがりに添
加しても良く、また、イオン交換膜法にがりに添加した
後必要に応じて水を添加するなどして溶解させても良
い。
及び/又は塩化カリウムは、イオン交換膜法にがり1リ
ットルに対して塩化マグネシウム1000〜4500
g、塩化ナトリウム250〜1130g及び/又は塩化
カリウム75〜340g及び水2.0〜9.0リットル
の割合で溶解後添加又は添加後溶解させるのが好まし
い。
膜法にがりに塩化マグネシウムと塩化ナトリウム及び/
又は塩化カリウムとを添加してなる溶液の添加量は、大
豆から常法に従って得られた豆乳1リットルに対して好
ましくは6〜8ml程度とする。
半連続式木綿豆腐又は連続充填式絹ごし豆腐の製造ライ
ンに良好に適用可能である。
の成分組成を示す。
常温で濃縮されて作られるが、イオン交換膜法にがりは
海水が海砂とイオン交換膜により濾過されることによ
り、海水汚染の影響が排除され、かつ、蒸発缶において
最高温度130℃で濃縮されて作られるため、塩田にが
りに比べて、食品衛生的に優れている。また組成も塩田
にがりに比べて年間を通じて比較的安定している。
Cl2 は大豆たんぱく質の凝固を促進する成分であるこ
とから、イオン交換膜法にがりを豆腐用にがりとして改
質できるならば、著しく食品衛生的に優れ、品質のばら
つきのない豆腐用にがりを、工業生産レベルにて安定供
給することが可能である。
にがりをそのまま豆腐凝固剤として用いた場合、大豆た
んぱく質の凝固時間が過度に短く、しかも、物性的に硬
く容量の小さい、また、味も不十分な豆腐しか得られな
いことが確認されていた。
用凝固剤としての作用について検討し、MgCl2 は酸
性のために大豆たんぱく質の凝固を促進するが豆腐の風
味を良くすること、CaCl2 はMgCl2 と同様に凝
固を促進するが特有の刺激的な味のため豆腐の風味を低
下させること、NaClはMgCl2 の大豆たんぱく質
の凝固を促進する作用を阻害すると共に豆腐に塩味を付
与し、KClはNaClと同様の作用をもつが風味に劣
ること、また、これらの成分の混合とその割合によっ
て、豆腐の味と物性が変化することを確認した。
改質について検討し、主成分の一つであるCaCl2
が、豆腐用凝固剤として好ましからざる成分であること
から、これを除去して有用な成分に変化させるべく種々
研究を行なった結果、イオン交換膜法にがり中のCaC
l2 をアルカリ金属及び/又はカルシウム以外のアルカ
リ土類金属の硫酸塩と反応させ、CaSO4 ・2H2 O
(二水石膏)として沈殿除去することにより、高特性豆
腐用にがりが得られること、及び、この脱カルシウム処
理で得られた二水石膏もまた豆腐用凝固剤として有効で
あることを見出した。
られるカーナライトに加水して得られる貧カルシウムイ
オン溶液、或いは、該貧カルシウムイオン溶液に塩化ナ
トリウムを添加した溶液、或いは、イオン交換膜法にが
りに塩化マグネシウムと塩化ナトリウム及び/又は塩化
カリウムとを添加して得られる貧カルシウムイオン溶液
もまた豆腐用凝固剤として有効であることを見出した。
脱カルシウム処理して得られる改質にがりを凝固剤とし
て用いることにより、従来にないソフトで滑らかな舌ざ
わりと優れた食味と風味を有する豆腐を製造することが
できる。
膏を凝固剤として用いた場合には、独特の物性と食味を
有する豆腐が得られる。
改質にがりと石膏とを併用することにより、両者の混合
比に応じた様々な物性と食味、風味を有する豆腐を得る
ことができる。
カルシウムイオン溶液を凝固剤として用いることによ
り、上記脱カルシウム処理で得られるにがりに比べて、
やや固く木目が荒い豆腐を得ることができる。
ナトリウムを添加した溶液を凝固剤として用いた場合に
は前記の貧カルシウムイオン溶液を凝固剤として用いた
場合よりも、やや食味がすぐれた豆腐を得ることができ
る。
シウムと塩化ナトリウム及び/又は塩化カリウムとを添
加して得られる貧カルシウムイオン溶液を凝固剤として
用いた場合には上記脱カルシウム処理で得られるにがり
に近い、物性と食味、風味の豆腐を得ることができる。
に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下
の実施例に何ら限定されるものではない。
膜法にがり中のCaイオン除去効果について検討するた
めに、表1のイオン交換膜法にがりB1リットルに対し
て、K2 SO4 ,Na2 SO4 ・10H2 O又はMgS
O4 ・7H2 Oの反応当量分をそれぞれ水で溶解して1
リットルとして添加した。反応は室温でマグネチックス
ターラーを用いて30分間撹拌して行なった。
ば、実用的な、室温、30分の反応により、硫酸塩の反
応当量添加で、イオン交換膜法にがり中のCaイオンの
90%近くを除去できる。
応当量の2倍とし、他の実験条件は実施例1と同条件で
行なって、Caイオン除去率を調べた。
を反応当量の2倍にした場合には、いずれの場合にも、
イオン交換膜法にがり中のCaイオンの98%以上を除
去することができる。
間の影響を調べるために、実施例1と同様の実験条件に
おいて、添加剤としてNa2 SO4 を用い、反応時間及
び温度を表4に示す条件としたこと以外は同様にしてC
aイオン除去率を調べ、結果を表4に示した。
おいて反応時間を1時間に延長してもCaイオン除去率
に差はなく、反応温度については添加剤の溶解熱吸収に
よる10℃の温度低下も、Caイオン除去率に殆ど影響
しない。
CaCl2 に対して当量添加(実施例7においては各硫
酸塩を0.5当量ずつ、合計で当量)して実施例1と同
様にして処理を行なって、各々、表5に示す成分組成及
びpHの溶液を得た。
作を行なった。方法は国産大豆を洗浄後、10時間水に
浸漬したのち、粉砕,加熱,煮沸し、濾過して得たブリ
ックス濃度12%の豆乳1リットルを70℃に加熱し、
表6に示す量の凝固剤をそれぞれ一度に添加撹拌して、
大豆たんぱく質を凝固させて豆腐とした。
田にがり(比較例2)についても同様に行なって、その
物性、食味を表6に示した。
使用するカルシウム除去剤の硫酸塩の種類によって変化
し、pHについては処理による変化が少なく、いずれも
7付近であった。
もカルシウム除去剤の種類によって特色あるものに変化
したが、いずれも無処理のイオン交換膜法にがりを用い
る場合(比較例1)に比べて品質的に向上した。特に、
Na2 SO4 を用いた場合(実施例5)には、色調よく
ソフトで滑らかな舌ざわりと独特の風味と甘味をもち、
豆腐の容量も最大であった。大豆たんぱく質の凝固につ
いては、無処理の場合(比較例1)には2〜3秒間で凝
固して木目の荒い豆腐となったが、本発明に従って脱カ
ルシウム処理したもの(実施例4〜7)においては、い
ずれも凝固時間が5〜10秒に延長され、特にNa2 S
O4 を用いた場合(実施例5)にはこの傾向が著しかっ
た。
イオン交換膜法にがりA)とこれを濃縮したにがり(表
1のイオン交換膜法にがりB)とについて、実施例1の
方法と同様にして脱カルシウム処理を行ない、表7に示
す12種類の豆腐凝固用にがりを調製した。そして、こ
れらを用いて半連続式の木綿豆腐製造ラインで豆腐を試
製した。
加用のK2 SO4 ,Na2 SO4 ・10H2 O,MgS
O4 ・7H2 Oを単独又は混合して、その反応当量相当
量をにがりとほぼ同量の水道水に溶解して添加し、常温
で30r.p.m で30分間反応させた後、定性用濾紙を用
いて生成した石膏を吸引濾過して行なった。2倍当量添
加では当量添加処理したにがりに、さらに当量相当量の
Na2 SO4 ・10H2 OあるいはMgSO4 ・7H2
Oの固体を添加し、常温で30r.p.m で30分間反応さ
せ、同様に石膏を分離して調製した。
がりAを原料として行なったものであり、No.9〜1
4はにがりBを原料として行なったものである。
示す。
ルコノデルタラクトン凝固剤を用いた豆腐も用意した。
容器を8個もつ装置を用い、表7のNo.1〜15を各
々ブリックス濃度12%,70℃の豆乳に一度に添加し
自動的に撹拌し凝固させた。その後の箱盛り,水切り,
カット,水晒し工程は常法によった。これらの工程は約
70分である。
豆腐の品質の評価を表8に示す。
場の設備及び製造条件を何ら変更することなく試製する
ことができた。原料にがりについてはNo.1〜7に使
用したにがりAよりも、これをさらに濃縮したNo.8
〜14のにがりBの場合が、試製豆腐の物性,食味がよ
い結果を得た。
よる凝固剤を用いた場合、脱カルシウム剤の種類によっ
てそれぞれ特色をもつ品質の豆腐が得られたが、特にN
o.10,No.13のNa2 SO4 処理の場合に物
性,食味のすぐれた豆腐が得られ、これは対照とした実
際商品(No.15)のMgCl2 とGDLを用いた豆
腐よりもよい評価を得た。
0)及び2倍当量処理(No.13)がよい結果を示し
たので、次にNa2 SO4 当量処理にがり(No.1
0)について、実施例8と同じ方法で凝固剤添加量と豆
腐品質との関係について試験した。
際商品(No.15)を併記した。
mlが適当であり、本発明による凝固剤を用いた場合に
は全般的に豆腐の色は黄色を帯び、食味は特有の滑らか
な舌ざわりと風味を示した。総合的に対照の実際の商品
(No.15)よりもよい品質で、絹ごし豆腐風の木綿
豆腐との評価であった。
充填式絹ごし豆腐の製造試験を行った。すなわち、ブリ
ックス濃度12.5%,13リットルの豆乳に対して凝
固温度88℃,40分,冷却15℃の通常の製造条件で
連続的に製造した。一工程の所要時間は2時間である。
凝固剤添加量と試験豆腐の品質を表10に示す。
豆腐の品質を表10,No.22に併記した。
造ラインにおいて、グルコノデルタラクトンを凝固剤と
する実際の商品(No.22)と同じ製造条件で、何ら
支障なく絹ごし豆腐を製造することができた。
o.20)には、実施例8におけると同様に特有の滑ら
かな舌ざわりと風味をもつ製品が得られ、総合的な品質
評価はグルコノデルタラクトンの場合よりも上位で、に
がり豆腐の食味をもつ絹ごし豆腐の製造に成功した。
を用いて、実施例8と同条件で木綿豆腐を試製した(N
o.23)。石膏は生成物を脱水,洗浄,乾燥した純度
98.5%の粒径20〜50μmの針状のCaSO4 ・
2H2 Oである。
態、すなわち付着液として改質にがりをもつ純度36.
6%のものを凝固剤として、同じ条件で木綿豆腐を製造
した(No.24)。
の製造装置及び製造条件を何ら変更することなく試製す
ることができた。豆腐の品質は石膏のみの場合(No.
23)には、市販の他の石膏凝固剤と同様との評価を得
た。また石膏と改質にがりの混合物の場合(No.2
4)には、石膏のみの場合に比べて食味が向上し、豆腐
らしい風味をもつとの評価を得た。この結果は本発明の
石膏と改質にがりを混合することにより物性と食味の異
なる木綿豆腐を製造し得ることを示した。
理溶液を凝固剤として使用して、これまでにない優れた
物性と食味を持つ木綿及び充填絹ごし豆腐を製造できる
ことを明らかにした。
い組成をもつ請求項4のカーナライトに加水して得られ
る貧カルシウムイオン溶液(表12,No.26)、前
記貧カルシウムイオン溶液に塩化ナトリウムを添加した
請求項5の溶液(表12,No.27)及び請求項6の
イオン交換膜法にがりに水道水と食品添加用MgCl2
・6H2 O,NaCl,KClを添加、溶解して調製し
た貧カルシウムイオン溶液(表12,No.28)とに
ついて、実施例8と同じ方法によって豆腐を製造して、
その品質をNa2 SO4 当量処理溶液(表12,No.
25)と比較した。
オン溶液の調製方法は以下の通りである。
蒸発濃縮後冷却し、これを固液分離して得られるカーナ
ライト1kgに水330mlを加えて貧カルシウムイオ
ン溶液とした。
液の調整方法は以下の通りである。即ち、No.26の
貧カルシウムイオン溶液1リットルに塩化ナトリウム4
0g及び水400mlを加えて調製した。
オン溶液の調製方法は以下の通りである。
ットルにMgCl2 ・6H2 O 2000g,NaCl
500g,KCl 150g及び水道水4リットルを
添加して貧カルシウムイオン溶液とした。
6ではNo.25にやや及ばないがNo.28ではN
o.25に近い品質を示し、これらの貧カルシウムイオ
ン溶液にも効果が認められた。
造方法によれば、適当な時間で大豆たんぱく質を凝固さ
せることができ、ソフトで滑らかな舌ざわりと優れた食
味及び風味を有する豆腐を製造することができる。
の物性と優れた食味及び風味を有する豆腐を製造するこ
とができる。
に応じた様々な物性と食味及び風味を有する豆腐を製造
することができる。
項1による脱カルシウム処理にがりに比べて、やや固く
木目の荒い豆腐を製造することができる。
項4のにがりを用いた場合に比べてやや食味のすぐれた
豆腐を製造することができる。
項1による脱カルシウム処理にがりを用いた場合と同様
の豆腐を製造することができる。
豆腐製造装置に有効に適用可能であり、生産効率の面で
優れる。特に、本発明で用いる凝固剤は、イオン交換膜
法にがりを原料とするため、食品衛生的にも優れた豆腐
用凝固剤であって、特性の均一性にも優れ、工業的生産
レベルにて安定に製造することができることからも極め
て有利である。
Claims (6)
- 【請求項1】 大豆を浸漬、粉砕及び加熱した後おから
を濾過分離して得られた豆乳に、凝固剤を添加して大豆
たんぱく質を凝固させることにより豆腐を製造する方法
において、 該凝固剤として、イオン交換膜法による製塩工程で得ら
れるにがりに、アルカリ金属及び/又はカルシウム以外
のアルカリ土類金属の硫酸塩の1種又は2種以上を添加
して反応させ、該にがりに含まれているカルシウムイオ
ンの少なくとも一部を除去した改質にがりを用いること
を特徴とする豆腐の製造方法。 - 【請求項2】 大豆を浸漬、粉砕及び加熱した後おから
を濾過分離して得られた豆乳に、凝固剤を添加して大豆
たんぱく質を凝固させることにより豆腐を製造する方法
において、 該凝固剤として、イオン交換膜法による製塩工程で得ら
れるにがりに、アルカリ金属及び/又はカルシウム以外
のアルカリ土類金属の硫酸塩の1種又は2種以上を添加
して反応させて得られる石膏を用いることを特徴とする
豆腐の製造方法。 - 【請求項3】 大豆を浸漬、粉砕及び加熱した後おから
を濾過分離して得られた豆乳に、凝固剤を添加して大豆
たんぱく質を凝固させることにより豆腐を製造する方法
において、 該凝固剤として、イオン交換膜法による製塩工程で得ら
れるにがりに、アルカリ金属及び/又はカルシウム以外
のアルカリ土類金属の硫酸塩の1種又は2種以上を添加
して反応させ、該にがりに含まれているカルシウムイオ
ンの少なくとも一部を除去した改質にがりと、該反応で
得られる石膏とを併用することを特徴とする豆腐の製造
方法。 - 【請求項4】 大豆を浸漬、粉砕及び加熱した後おから
を濾過分離して得られた豆乳に、凝固剤を添加して大豆
たんぱく質を凝固させることにより豆腐を製造する方法
において、 該凝固剤として、イオン交換膜法による製塩工程で得ら
れるにがりを濃縮して得られるカーナライトに加水して
得られる貧カルシウムイオンの溶液を用いることを特徴
とする豆腐の製造方法。 - 【請求項5】 大豆を浸漬、粉砕及び加熱した後おから
を濾過分離して得られた豆乳に、凝固剤を添加して大豆
たんぱく質を凝固させることにより豆腐を製造する方法
において、 該凝固剤として、イオン交換膜法による製塩工程で得ら
れるにがりを濃縮して得られるカーナライトに加水して
得られる貧カルシウムイオンの溶液に塩化ナトリウムを
添加することにより得られる溶液を用いることを特徴と
する豆腐の製造方法。 - 【請求項6】 大豆を浸漬、粉砕及び加熱した後おから
を濾過分離して得られた豆乳に、凝固剤を添加して大豆
たんぱく質を凝固させることにより豆腐を製造する方法
において、 該凝固剤として、イオン交換膜法による製塩工程で得ら
れるにがりに塩化マグネシウムと塩化ナトリウム及び/
又は塩化カリウムとを添加することにより得られる貧カ
ルシウムイオンの溶液を用いることを特徴とする豆腐の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5065055A JP2531335B2 (ja) | 1993-03-24 | 1993-03-24 | 豆腐の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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