JP2530704Y2 - 床暖房パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、床下地上に敷設される電気式の床暖房パネ
ルに関するものである。

〔従来の技術〕

従来から、第11図に示す如く、暖房手段が埋設された
床暖房パネル（イ）は知られており、該従来の床暖房パ
ネル（イ）にあっては、配線用の連結端子台６が床暖房
パネル（イ）の裏面側に突出しているため、根太下地７
上に施工されるものであった。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来の技術で示したように、従来の床暖房パネル
（イ）にあっては、配線用の連結端子台６が床暖房パネ
ル（イ）の裏面側に突出しているため、根太下地７とか
根太とコンクリート下地の場合には採用することができ
るが、マンション等のコンクリート床等には直貼り施工
することができず、マンション等ではこの種の床暖房が
不可能であった。

本考案は、上記従来の技術における問題を解決するた
めに考案されたものであり、すなわちその課題は、コン
クリート床にも直貼り施工することができ、マンション
等の床暖房を可能とし、しかも、施工性に優れた床暖房
パネルを提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の床暖房パネルは、表面材の裏面側に暖房手段
を設けた木質化粧合板でなる暖房パネルの裏面側に木質
合板でなる基材パネルを貼着し、該基材パネルの外周縁
に相互に嵌合される凸実部と凹実部とを設けると共に、
同長方形状の基材パネルの長手方向の端部付近の裏面に
両側方へ開通した凹溝部を形成して、該凹溝部を基材パ
ネルの長手方向の端部の縁に略平行に沿わせて該基材パ
ネルの巾方向全長にわたって裏面側へ開口せしめると共
に同凹溝部の開通両端開口部を同基材パネルの端部角部
分から位置をずらせて配設し、同凹溝部内に配線用の連
結端子台を収容してなるものであり、この構成により上
記課題が解決されたものである。

〔作用〕

本考案の床暖房パネルにおいては、基材パネルの裏面
に形成される凹溝部内に配線用の連結端子台が収容され
て、該連結端子台は床暖房パネルの裏面側に突出してい
ないため、コンクリート床にも直貼り施工することがで
き、マンション等の床暖房が可能となり、しかも、該凹
溝が基材パネルの両側方へ開口すると共に裏面側へも開
口するように形成されているため、連結端子台への結線
及び床暖房パネル相互間の配線が極めて容易となり、施
工性に優れたものとなっている。

すなわち、長方形状の基材パネルの側縁端同士を接続
している際に、凸実部と凹実部とが相互に嵌合し同基材
パネルの側縁端同士が確実に連結接続されて、隣接する
凹溝部が同長方形状の基材パネルの長手方向の端部付近
において相互に正確に連通し、該端部付近において連通
する凹溝部において連結端子台同士を容易に配線接続す
ることができ、木質系で板状の床暖房パネルの並設施工
と共にその配線接続作業を容易に行うことができる。

更には、この場合、凹溝部を基材パネルの長手方向の
端部の縁に略平行に沿わせて該基材パネルの巾方向全長
にわたって裏面側へ開口せしめると共に同凹溝部の開通
両端開口部を同基材パネルの端部角部分から位置をずら
せて配設してあるため、配線経路が短くなって効率的な
配線を行うことができ、しかも、同配線のメンテナンス
を連結端子台の部分を含めてその全長にわたって簡単に
行うことができ、又、凹溝部の開通両端開口部の位置が
基材パネルの端部角部分からずれていることによって、
該基材パネルの端部角部分が薄厚とならずにその部分の
破損が防止されるものである。

〔実施例〕

以下、本考案を、図面に示した実施例に基づいて詳細
に説明する。

第１図、第２図、第３図、第４図に示す床暖房パネル
は、本考案の一実施例であり、表面材１の裏面側に暖房
手段２を設けた木質化粧合板でなる暖房パネル３の裏面
側に木質合板でなる基材パネル４を貼着し、該基材パネ
ル４の外周縁に相互に嵌合される凸実部14と凹実部15と
を設けると共に、同長方形状の基材パネル４の長手方向
の端部付近の裏面に両側方へ開通した凹溝部５を形成し
て、該凹溝部５を基材パネル４の長手方向の端部の縁に
略平行に沿わせて該基材パネル４の巾方向全長にわたっ
て裏面側へ開口せしめると共に同凹溝部５の開通両端開
口部を同基材パネル４の端部角部分から位置をずらせて
配設し、同凹溝部５内に配線用の連結端子台６を収容し
てなるものである。

表面材１は樹脂含浸処理が施された木質化粧合板でな
り、該表面材１の裏面には凹所８が形成されており、該
凹所８に暖房手段２である均熱板2aとフィルムヒータ2b
が配設されて、長尺の暖房パネル３が構成されている。
暖房パネル３の裏面側には、木質合板でなる基材パネル
４が貼着されている。該基材パネル４の長手方向の端部
に凹溝部５が形成されており、該凹溝部５は、基材パネ
ル４の両側方へ開通すると共に裏面側へも開口するよう
に形成されている。

該凹溝部５に絶縁物９を介して端子台取付け板10が収
容されている。端子台取付け板10は、第５図に示す如
く、逆ハット型であり、その下片10aにて基材パネル４
に螺子止めされ、その両上片10bの下面側に連結端子台
６が取り付けられている。端子台取付け板10は、連結端
子台６が暖房パネル３の巾方向両側部に位置するよう
に、凹溝部５内に収容されている。連結端子台６同士及
び連結端子台６とフィルムヒータ2bとは端子台取付け板
10に穿設された長孔11を介して接続されており、連結端
子台６のVVF線である電線12が外部に導出されている。

基材パネル４の裏面には、防音性能を向上させるため
及び直貼り施工性を更に優れたものとなすために、厚み
5mm程度のポリエチレン発泡体、天然ゴム発泡体のよう
なクッション材13が貼着されている。該クッション材13
は、凹溝部５が基材パネル４の裏面側へ開口されるよう
に、該凹溝部５に対応する部分が除去されている。基材
パネル４の外周縁には、床暖房パネルが並設施工される
際に相互に嵌合される凸実部14と凹実部15とが設けられ
ている。この床暖房パネルは、複数枚例えば建物のコン
クリートスラブのようなコンクリート床に接着剤を介し
て直接貼着して敷設される。この場合、床暖房パネルの
両側に連結端子台６を設けているので、第６図に示す如
く、両側のどちらからでも電線12を引き出すことがで
き、施工時に電線12の引き出し方向に気をわずらわされ
ることがない。

したがって、該実施例においては、暖房パネル３の裏
面側に基材パネル４を貼着し、該基材パネル４の裏面に
凹溝部５を形成して、該凹溝部５内に配線用の連結端子
台６を収容してなるため、配線用の連結端子台６は床暖
房パネルの裏面側に突出しておらず、したがって、コン
クリート床にも直貼り施工することができて、マンショ
ン等の床暖房が可能となるものである。しかも、配線用
の連結端子台６が収容される凹溝部５が基材パネル４の
両側方へ開通すると共に裏面側へも開口するように形成
されているため、連結端子台６への結線及び床暖房パネ
ル相互間の配線が極めて容易となり、施工性に優れたも
のとなっている。

すなわち、長方形状の基材パネル４の側縁端同士を接
続している際に、凸実部14と凹実部15とが相互に嵌合し
同基材パネル４の側縁端同士が確実に連結接続されて、
隣接する凹溝部５が同長方形状の基材パネル４の長手方
向の端部付近において相互に正確に連通し、該端部付近
において連通する凹溝部５において連結端子台６同士を
容易に配線接続することができ、木質系で板状の床暖房
パネルの並設施工と共にその配線接続作業を容易に行う
ことができる。

更には、この場合、凹溝部５が基材パネル４の長手方
向の端部の縁に略平行に沿って該基材パネル４の巾方向
全長にわたって裏面側へ開口しているため、配線経路が
短くなって効率的な配線を行うことができ、しかも、同
配線のメンテナンスを連結端子台６の部分を含めてその
全長さにわたって簡単に行うことができる。又、凹溝部
５の開通両端開口部の位置が基材パネル４の端部角部分
からずれているため、該基材パネル４の端部角部分が薄
厚とならずにその部分の破損が防止されるものであり、
上記施工の際に床暖房パネルを取り扱い易いものであ
る。

なお、本考案の床暖房パネルにおいては、第７図、第
８図に示す実施例のように、前記実施例におけるクッシ
ョン材13を省略して、代わりに、基材パネル４に裏面側
から表面側に複数の切溝16を設けることによって、防音
機能を付与しても良いものである。又、第９図、第10図
に示す実施例のように、基材パネル４に裏面側から表面
側に向けて複数の切溝16を設け、該切溝16を縦横方向に
格子状に配設すると共に、該基材パネル４の裏面にクッ
ション材13を貼着して、防音機能を向上させても良いも
のである。

〔考案の効果〕

上述の如く、本考案の床暖房パネルにおいては、基材
パネルの裏面に形成される凹溝部内に配線用の連結端子
台が収容されて、該連結端子台は床暖房パネルの裏面側
に突出していないため、コンクリート床にも直貼り施工
することができ、マンション等の床暖房が可能となり、
しかも、前記凹溝が基材パネルの両側方へ開口すると共
に裏面側へも開口するように形成されているため、連結
端子台への結線及び床暖房パネル相互間の配線が極めて
容易となり、施工性に優れたものとなっている。

すなわち、長方形状の基材パネルの側縁端同士を接続
している際に、凸実部と凹実部とが相互に嵌合し同基材
パネルの側縁端同士が確実に連結接続されて、隣接する
凹溝部が同長方形状の基材パネルの長手方向の端部付近
において相互に正確に連通し、該端部付近において連通
する凹溝部において連結端子台同士を容易に配線接続す
ることができ、木質系で板状の床暖房パネルの並設施工
と共にその配線接続作業を容易に行うことができるもの
である。

更に、この場合、凹溝部を基材パネルの長手方向の端
部の縁に略平行に沿わせて該基材パネルの巾方向全長に
わたって裏面側へ開口せしめると共に同凹溝部の開通両
端開口部を同基材パネルの端部角部分から位置をずらせ
て配設してあるため、配線経路が短くなって効率的な配
線を行うことができ、しかも、同配線のメンテナンスを
連結端子台の部分を含めてその全長にわたって簡単に行
うことができ、又、凹溝部の開通両端開口部の位置が基
材パネルの端部角部分からずれていることによって、該
基材パネルの端部角部分が薄厚とならずにその部分の破
損が防止されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す概略平面図、第２図は
同実施例の概略断面図、第３図は第１図における矢視断
面図、第４図は同実施例における要部断面図、第５図は
同実施例において使用される端子台取付け板を示す斜視
図、第６図は同実施例の施工状態を示す概略平面図、第
７図は別の実施例を示す要部斜視図、第８図は同実施例
の要部断面図、第９図は更に別の実施例を示す斜視図、
第10図は同実施例の要部断面図、第11図は本考案の従来
例の施工状態を示す概略断面図である。 図において、１は表面材、２は暖房手段、2aは均熱板、
2bはフィルムヒータ、３は暖房パネル、４は基材パネ
ル、５は凹溝部、６は連結端子台、７は根太下地、８は
凹所、９は絶縁物、10は端子台取付け板、10aは下片、1
0bは上片、11は長孔、12は電線、13はクッション材、14
は凸実部、15は凹実部である。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】表面材の裏面側に暖房手段を設けた木質化
   粧合板でなる暖房パネルの裏面側に木質合板でなる基材
   パネルを貼着し、該基材パネルの外周縁に相互に嵌合さ
   れる凸実部と凹実部とを設けると共に、同長方形状の基
   材パネルの長手方向の端部付近の裏面に両側方へ開通し
   た凹溝部を形成して、該凹溝部を基材パネルの長手方向
   の端部の縁に略平行に沿わせて該基材パネルの巾方向全
   長にわたって裏面側へ開口せしめると共に同凹溝部の開
   通両端開口部を同基材パネルの端部角部分から位置をず
   らせて配設し、同凹溝部内に配線用の連結端子台を収容
   してなる床暖房パネル。