JPH0540190Y2

JPH0540190Y2 -

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Publication number: JPH0540190Y2
Application number: JP1987164582U
Authority: JP
Priority date: 1987-10-29
Filing date: 1987-10-29
Publication date: 1993-10-13
Anticipated expiration: 2002-10-29
Also published as: JPH0170939U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は遮音性木質系床材に関し、特にコンク
リート床材に直接施工するのに適した遮音性木質
系床材に関する。

〔従来の技術〕

従来、中高層住宅における床材としては、カー
ペツト類をフエルトを介してコンクリート床に直
接貼付けたものが一般的であつた。しかし、カー
ペツト類は汚れ易いことに加え、貼替えに手間を
要すること、更にはダニの発生が問題となつてい
た。

そこで、カーペツト類を貼る代わりに木質系床
材をコンクリート床に直接貼付けるという手段を
用いることが多くなつてきた。

この木質系床材は、一方の床材の側面に溝（雌
実）を穿ち、他方の床材の側面に形成した突起部
積大の床板に接合形成されるものであるが、前記
カーペト類に比べ遮音性が欠け、居住性を損なう
という欠点があるところから、遮音性を付与すべ
く、木質系床材（床材）の裏面全面に例えば合成
樹脂発泡体などの緩衝材を貼着して使用してい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上述した従来の木質系床材でも、十分
な遮音性能を得られなかつた。

そこで、木質系床材の裏面全体に緩衝材を貼着
した遮音性木質系床材において、該木質系床材を
二つの層に分け、その層間にさらに遮音性を有す
る発泡シート等を挟持したものが提案され、これ
により遮音性の改善は図られたが、そのような木
質系床材の側面四周に実加工を施す場合に、十分
な注意を払わないと、挟持した発泡シートの全部
あるいは一部が形成される実部分に露出した状態
で位置したり、あるいは一方的に片寄つた状態で
位置したりすることとなり、それにより実部分の
強度が低下するケースが生じていた。

本考案は上述した事情に鑑みて為されたもの
で、十分な遮音性と実部分の強靱性を有するよう
にした実はぎ施工の容易な木質系床材を提供する
ことを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、本考案は、合板
床板の側面四囲に雄実または雌実（以下、実部分
という）が形成され、この合板床材の裏面に緩衝
材を貼合わせて成る遮音性木質系床材において、
前記合板床材を、複数枚の単板を繊維方向が相互
に直交するよに積層して成る第１の合板層と第２
の合板層及び、これら第１、第２の合板層の間に
サンドイツチ状に貼着した遮音性を有する発泡シ
ート層で構成すると共に、前記実部分を、発泡シ
ート層とその上下面に貼着の第１、第２合板層の
それぞれ少なくとも２枚以上の単板とを含んで成
る位置に形成したものである。

〔作用〕

実部分が遮音性の発泡シート層と、このシート
層をサンドイツチ状に貼着する第１、第２合板層
のそれぞれ少なくとも２枚以上の単板とによつて
構成されるため、木質系床材としての遮音性の向
上と共に、実部分の折曲げ方向に働く負荷に対す
る強度が向上する。また、雄実の発泡シート層に
よつて付与される弾力性が有効に機能してスムー
ズな実はぎ施工が可能となる。

〔実施例〕

以下、図面により本考案の一実施例としての遮
音性木質系床材について説明すると、第１図及び
第２図において、１は例えば厚さ９mm、幅120mm、
長さ900mmの細長い長方形の合板床材（構成につ
いての詳細は後述する）であつて、この合板床材
１の側面四囲に後述の実部分（雄実４、雌実５）
が形成される。そして、この合板床材１が所要枚
数実はぎされて所要床面積大の床板Ａ（第２図参
照）となる。

合板床材１の裏面（床板Ａの裏面全面）には遮
音性を付与するために、例えばポリオレフイン系
発泡体、ゴム発泡体等の独立発泡体と吸音材とし
ての例えばグラスウールまたはポリウレタン等の
連続発泡体とを適当に組み合せたものから成る緩
衝材２が貼合わされる。

また、合板床材１の表面には適宜化粧が施され
る。この化粧は、例えば、銘木単板３あるいは、
模様合成樹脂シートなどを表面に貼着したり塗装
を施したりすることによつて行われる。尤も、本
考案の遮音性木質系床材が床下地材として用いら
れる場合には、前記化粧は不要である。

ところで、前記合板床材１は複数枚の単板a₁、
b₁、c₁を繊維方向が相互に直交するように積層し
て成る第１の合板層１ａと、同じく複数枚の単板
a₂、b₂、C₂を繊維方向が相互に直交するように積
層して成る第２の合板層１ｂと、これら第１、第
２合板層１ａ，１ｂの間にサンドイツチ状に貼着
した遮音性を有する発泡シート層１ｃとから成
る。なお、前記銘木単板３は第１の合板層１ａの
最上面（単板c₁）に貼着され、前記緩衝材２は、
第２の合板層１ｂの最下面（単板c₂）に貼合わさ
れる。

また、前記合板床材１の側面四囲に設ける実部
分（雄実４、雌実５）は、前記発泡シート層１ｃ
と前記第１、第２合板層１ａ，１ｂのそれぞれ少
なくとも２枚以上の単板a₁、b₁及びa₂、b₂とを含
んで成る位置に形成する。

つまり、雄実４は、発泡シート層１ｃを中央部
に位置せしめて、このシート層１ｃとその上下面
に貼着の第１、第２合板層１ａ，１ｂのそれぞれ
少なくとも２枚以上の単板a₁、b₁及びa₂、b₂とで
突起部に形成し、この突起面に適当なテーパを付
けたものである。また、雌実５は、発泡シート層
１ｃを中央部に位置せしめて、この発泡シート層
１ｃを中央部に位置せしめて、この発泡シート層
１ｃとその上下面に貼着の第１、第２合板層１
ａ，１ｂのそれぞれ少なくとも２枚以上の単板
a₁、b₁及びa₂、b₂とを含む位置に前記雄実４を図
示の如く嵌入し得る寸法大の溝部を穿設したもの
である。

実部分（雄実４、雌実５）は上記のように構成
したので、発泡シート層１ｃの上下面には、それ
ぞれ繊維方向が相互に直交する２枚以上の単板が
包含されるから、特に折曲方向に働く負荷に対す
る実部分の強度が著しく増加し、実はぎされた接
合部分の強靭性も従来のものより一段と向上す
る。しかも、合板床材１の中央部には遮音性を有
する発泡シート層１ｃがサンドイツチ状に挟着せ
しめられているので、施工後の床板Ａ全体の遮音
効果も高まる。

また、雄実４は強靭性の付与に加えて、発泡シ
ート層１ｃによる弾力性が付与される。その結
果、実はぎ時、つまり雌実５に雄実４を嵌合する
際、雄実４の弾力性を有効適当に利用すること
で、雄実４を雌実５へ円滑かつ容易に差し込むこ
とができ、実はぎ施工の作業効率を著しく向上せ
しめることができる。

また、実はぎされた接合部分は、通常、若干の
屈曲ができて、下地の凹凸になじみ易いように可
撓性を付与すべく雄実４の下部を雌実５の下部と
が接触しない構成にして、その間隙内部に、硬化
後若干の可撓性を有するホツトメルト樹脂６を充
填し、これにより雄雌実４，５の下部を接合して
いる。ところが、設計・施工のいかんによつて
は、雄雌実４，５の下部が接触状態となつて、前
記接合部分の可撓性を滅失することがしばしば起
きる。このような場合でもこの実施例によれば、
雄実４の弾力性が適宜機能して前記接合部分の可
撓性を滅失することはない。

なお、この実施例では、第２の合板層１ｂとし
て無孔合板層の構成例を示している、これに代
え、例えば直径５〜15mmの孔を単板a₂、b₂、c₂に
適当数適宜配置して穿設した有孔合板層に構成す
れば、その孔の面積分だけ、第２の合板層１ｂと
その上層に位置する発泡シート層１ｃとの有効接
触面積を低減することが可能となり、振動に対し
て空隙に比べ高い伝達率を持つ単板a₂、b₂、c₂を
介しての上方から下方への音の伝達面積を低減す
ることができ、それにより、一段と遮音効果を向
上せしめることができる。

また、前記遮音性を有する発泡シート層１ｃの
素材としては、ゴム発泡シート、ポリオレフイン
系発泡シートのような弾力性のあるシートを用い
ることができる。

（考案の効果）上記実施例より明らかなように、本考案は、合
板床材を、複数枚の単板を繊維方向が相互に直交
するように積層して成る第１の合板層と第２の合
板層及び、これら第１、第２合板層の間にサンド
イツチ状に貼着した遮音性を有する発泡シート層
で構成し、この発泡シート層とその上下面に貼着
の第１、第２合板層のそれぞれ少なくとも２枚以
上の単板とを含んで成る位置に実部分（雄実、雌
実）を形成したものであるから、単に２枚の木質
板間に発泡シートを挟持したものの場合と比較し
て、その実部分は折曲げ方向に働く負荷強度が増
し、実はぎされた接合部分の強靭性が著しく向上
する。

また、雄実は強靭性に加えて強力性を兼備して
いるので、雄実を雌実へ円滑かつ容易に差し込む
ことができ、実はぎの施工作業を迅速かつ効率的
に行うことができると共に、実はぎされた接合部
分の可撓性を有効適切に発揮せしめることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である遮音性木質系
床材の要部を示す拡大断面図、第２図は本考案の
遮音性木質系床材を実はぎ施工して形成した床板
の一部を示す平面図である。１……合板床材、１ａ……第１合板層、１ｂ…
…第２合板層、１ｃ……発泡シート層、２……緩
衝材、３……銘木単板、４……雄実、５……雌
実、６……ホツトメルト樹脂、a₁、b₁、c₁、a₂、
b₂、c₂……単板、Ａ……床板。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 合成床材の側面四囲に雄実または雌実（以
下、実部分という）が形成され、この合成床材
の裏面に緩衝材を貼合わせて成る遮音性木質系
床材において、前記合板床材が、複数枚の単板
を繊維方向が相互に直交するように積層して成
る第１の合板層と第２の合板層及び、これら第
１、第２合板層の間にサンドイツチ状に貼着し
た遮音性を有する発泡シート層から成り、この
発泡シート層とその上下面に貼着の第１、第２
合板層のそれぞれ少なくとも２枚以上の単板と
を含んで成る位置に前記実部分を形成したもの
である遮音性木質系床材。 (2) 第２合板層が有孔合板層である実用新案登録
請求の範囲第１項記載の遮音性木質系床材。