JPH0443543Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、遮音性木質系床材、特にコンクリー
ト床に直接施工するのに適した遮音性木質系床材
に関する。

〔従来の技術及び問題点〕

従来、中高層住宅における床材としては、カー
ペツト類をコンクリート床に直接貼付けてたもの
が一般的であつた。しかし、カーペツト類はメン
テナンスが難しいことに加え、貼替えに際し手間
を要するため、近年カーペツト類に代わり、木質
床材をコンクリート床に直接貼付ける傾向があ
る。ところが、木質床材はカーペツト類に比べ遮
音性が著しく劣つているため、居住性を損うとい
う欠点があつた。

このような欠点を解決するためには、木質板の
裏面全体に合成樹脂発泡体を貼着すれば改善され
るが、それでも十分ではなかつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案の目的は、遮音性の優れた木質系床材を
提供することである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の遮音性木質床材は、その実施例の図面
第１及び第２図に示すように、木質板１の下面
に、中空部３を所要箇所に設けた遮音用発泡体か
らなるシート２を貼合わせたことを特徴とするも
のである。

木質板としては、合板、パーテイクルボード、
ハードボードなどをあげることができ、その表面
には適宜化粧が施される。この化粧は、例えば、
銘木単板、挽板、模様シートを表面に貼着した
り、塗装を施したりすることによつて行なわれ
る。なお、この考案は床下地材としても用いられ
ることがあるが、この場合は化粧は不要である。

遮音用発泡体としては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリウレタン、ポリスチレンなど発泡
体を形成しうるものであればすべて使用しうる。

本考案で用いるのに適した発泡材の発泡倍率
は、例えば、ポリエチレンの場合は５〜40倍が好
ましいが、これに限定されない。

上述のような遮音用発泡体からなるシートに形
成する中空部は、好ましくは、柱状であり、シー
ト内部に、その表面に対して平行に複数本設けら
れる。そして、その柱状の断面形状は四角形、円
形、楕円形、三角形等いずれでもよく、特に限定
されないが、円形のものが他の形状よりも若干遮
音性が優れている。

また、前記柱状の中空部は貫通した状態でも、
両端が閉塞した状態でもよい。

中空部を形成するには、発泡体を水平方向にス
ライスした状態のもの、即ち上層と下層を別々に
製造し、これを接着剤等で接合する方法が作業性
の点から好ましいが、一挙に中空部を形成しても
よい。

〔実施例〕

第１図は本考案床材の一実施例の平面図を示
し、第２図に第１図の床材のＡ−Ａ断面の一部拡
大図を示す。

図に示すように、厚さ９mmの長方形の合板基材
を雄実、雌実等で適宜接合してなる木質板１の下
面に、厚さ19mmのポリオレフイン系発泡体の厚さ
方向中央部に10mmφの断面円形の柱状中空部を、
その表面に平行に複数本設けた遮音用発泡体から
なるシート２を貼り合わせて床材を製造した。な
お、雄実及び雌実は、接合部分で若干の折曲がで
きて、下地の凹凸になじみやすすいように、ゆる
く結合されており、また、その下部が可撓性のあ
るホツトメルト樹脂４で接合されている。

一方、比較のため、同じ木質板１に、同じ厚
さ、同じ材質の中空層を設けていない遮音用発泡
体からなるシートを貼り合わせた床材を製造し
た。

両者及び通常のコンクリートスラブ素面の遮音
性（軽量床衝撃音レベル）の測定結果は第３図に
示す通りであり、本考案の床材の遮音性がすぐれ
ていることが明らかである。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案の床材は、中空部を
形成した発泡体からなるシートを貼着することに
より遮音性のすぐれたものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す平面図、第２
図は第１図のＡ−Ａ断面の一部拡大図、第３図は
本考案及び従来の床材の遮音性を示す図である。 １……木質板、２……発泡体、３……中空部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 木質板の下面に、中空部を所要箇所に設けた
   遮音用発泡体からなるシートを貼合わせたこと
   を特徴とする遮音性木質系床材。 (2) 中空部が柱状であり、シート内部に、その表
   面に対して平行に複数本設けられていることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の遮音性木質系床材。 (3) 柱状の中空部の断面形状が円形であることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の遮音性木質系床材。